ポルトガルの水上太陽光発電所は、水力発電用ダムを活用

水上に浮く太陽光発電は国内外で設置例が増えていますが、ポルトガルのエネルギー事業者、ポルトガルエナジー(Energias de Portugal: EDP)による220kW太陽光発電所の建設地はなんと、水力発電用のダムの水上を活用した、世界初の試みとなっています。

総投資額は45万ユーロ、日本円に換算すると約58,500,000円で、kw単価は26.6万円です。
水上発電用架台ではおなじみのシエル・テール(仏)のフロートを使い、年間発電量は300MW(1363kWh/kW・設備利用率15.6%)を見込んでいるそいうこと。

ダム上太陽光発電は、土地の有効活用だけでなく、水力発電所で使っている送電線を使えるメリットなどもあります。
今後一般化されてもよさそうなアイデアと言えます。
また、日本でも昼間は太陽光発電の発電量が余ってしまう地域もでてきていますが、揚水型の水力発電所に太陽光発電を併設して、その電力をそのまま揚水に使う、というのも一案かもしれませんね。

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壁面にもソーラーパネル、防眩性・意匠性を高めたモジュールをカネカ/NEDOが実証実験

2~3階建ての住宅において、ゼロエネルギー住宅の実現は5kWもあれば可能で、既に多くの太陽光発電搭載家庭がZEHを達成していることが予想されます。

対してビルの屋上は限られたスペースのため、階層の高い場合はビル全体をまかなうほどのソーラーパネルを載せられません。

ここで注目したいのが、ビルの壁面。太陽光発電は通常、日射を直角で受けるほど発電量が上がりますが、壁面はどうしても斜入射がメインとなり、発電量が伸びないのが難点でした。

今回カネカNEDOとの共同事業としてこうした壁面を活用しながらより多くの発電量を得るとともに、弊害とされる反射光を低減させるモジュールを開発。

実用化のための実証実験ののち、2017年には商品化を目指すということです。

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アンフィニが兵庫県の「琴池」に水上メガソーラー1.7MWを開所

兵庫県稲美町のため池「琴池」で4月18日、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の開所式がありました。池に浮かべるのに使用された太陽光パネルは6846枚。出力規模は約1.7MWで、一般家庭500世帯に相当する年間180万kW時の発電を見込んでいます。

事業を展開する「アンフィニ」(大阪市)によると、水上設置されるメガソーラーとしては国内最大の出力規模だと言われています。池を管理する「琴池土地改良区」には賃料が還元され、土地改良区運営費に宛てることが可能になりました。

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アンフィニジャパンソーラー

鳥取空港に2MWメガソーラー

2015年3月2日、新たな県営の太陽光発電所が稼動しました。

鳥取市にある鳥取空港の滑走路南側の立ち入り制限区域にある太陽光発電所です。法律の制限が多い空港内の土地の活用法は以前より課題となっており、全国で2例目の同区域を活用した太陽光発電所となります。

2014年2月から着工して太陽光パネルは9888枚を使用しています。最大出力は県営で最も大きい約2000kWで、年間約7800万円の中国電力への売電による収入が見込まれています。

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滋賀県の廃棄物最終処分場で国際航業850MWの太陽光発電所設置

廃棄物最終処分場を有効活用した太陽光発電事業について滋賀県長浜市の湖北広域行政事務センターが公募していた案件について、日本アジアグループ傘下の国際航業が採択されたと発表。

この発電所は、廃棄物処分場であった土地に出力約850KWの太陽光パネルを設置するもので、環境学習への貢献として発電状況を表示したパネルも設置されます。

EPC(設計・調達・施工)サービスはNECネッツエスアイが担当。京セラのソーラーパネルに、パワーコンディショナー東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を使用。

災害時に電力系統が停電した際にも太陽光発電設備が自立運転して蓄電池に充電できるため、地域のエネルギーセーフティネットとして大いに期待されています。

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千葉県に世界最大13.4MWの水上フロートメガソーラー計画

千葉県企業庁では2014年10月より環境負荷を目的に同県、山倉ダムの水面において水上設置型太陽光発電システムを設置、運営する事業者の公募を行っており、京セラ株式会社と東京センチュリーリース株式会社が共同出資する京セラTCLソーラー合同会社が応募し、事業候補会社として採択されました。それを受けて、2014年12月22日に同会社は山倉ダムにおいて水上設置型としては世界最大級となる13.4MWのメガソーラー発電事業に取り組むことを発表しました。今後は東京電力などと協議し、2016年3月の稼働を目指すことになっています。

この発電事業では山倉ダムの総面積はおよそ60万平方メートルのうち約3分の1にあたる水面18万平方メートルを使用し、京セラ製の太陽電池モジュールを約5万枚設置する計画です。
総発電能力はおよそ13.4MWにのぼり、年間発電量は一般家庭約4300~4700世帯分の年間電力消費量に相当する1564万kWh(15.64GWh、設備利用率は13.3%)となる見込みで、さらに年間約7800トンの二酸化炭素の削減にも貢献する予定としています。発電した電力はすべて東京電力に売電されます。

ダムの水上に太陽光発電パネルを設置するための浮体構造物は国内外で広く使用されているフランスのシエル・テール社製です。水上に太陽光発電パネルを設置する場合には陸上に設置する場合よりも浮体構造物が必要となる分だけ費用が必要になりますが、太陽光発電パネルの温度上昇を抑えることができるので発電効率を上げることができます。また太陽光発電パネルが風の影響を受けて水につかったり揺れたりすると発電効率に影響があるので浮体構造物の性能と設置方法が重要になってきます。

事業スキームについては従来どおり合同会社が事業運営行うことになり、発電所の維持や管理に関しては地元企業の協力を得ながら、発電所近隣に環境学習施設を整備して地元の子供たちにむけて環境学習を実施しながら地域貢献をしていくことなども事業計画に盛り込まれています。

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淡路島に大規模30MWの「淡路貴船太陽光発電所」が完成

2050年までにエネルギー自給率100%を目指す兵庫県の淡路島で、他に使う用途の無かった埋め立て用の土砂採取場跡地を生かして30MWの大規模太陽光発電所の稼働が開始した。

低設置角などの採用で容量も増やす

寄神建設が手がけたこの「淡路貴船太陽光発電所」の建設地はかつて阪神の港湾埋め立て用の土砂の採取場として利用されていましたが、この土地は山を削ってできた土地であることから農地や住宅地としての利用が難しく長い間土地の有効な活用方法が見つからず放置されていました。
しかし広くまとまった土地で、瀬戸内海(播磨灘)までの直線距離200メートルというアクセスのよさもあり、発電所の建設が持ち上がったということ。

高低差を生かしてモジュールを埋め込むことに成功し、敷地の4分の3に高性能の太陽光電池モジュールが埋め込まれています。設置枚数を増やすためにモジュールの架台の設置角度を10度に設定するなど工夫(低設置角)もみられています。

強風や悪天候ににも耐えられるように基礎をコンクリートにして堅固にするなど性能と機能性だけでなく安全性と耐久性にもこだわりを見せた構造になっています。

2014年12月に完成したこの淡路貴船太陽光発電所の最大出力は30MWで、年間発電量は3100万KWhを想定しています。これは一般家庭の9000世帯分の年間消費電力量に相当し、全量を関西電力に売電することになっています。
パネルはLGエレクトロニクス、pcsは富士電機を使用。

2015年には115MW超のメガソーラーが淡路島に完成

淡路はもともと全天日射量が高いことで知られている土地で、休閑地の再利用を太陽光発電所としたことは立地的にも最適の選択といえます。このほかにも休閑地を太陽光発電所として利用する土地が続出しており、出力が1MW以上のものは自治体が把握しているだけでも着工済みのものが29か所あります。すでに運転を開始しているところもそのうち24か所あり、2015年7月に全発電所が稼働した際にの合計出力は115.062MWに達するということ。

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世界最大7.5MWの水上メガソーラーが埼玉県で着工

約2年前から実例が増え始めた水上太陽光発電。水上架台の汎用化も進むなか、埼玉県でなんと、世界最大級7.5MWのフロート水上メガソーラーが着工したというニュースです。

事業主体は「川島太陽と自然のめぐみソーラーパーク合同会社」。株式会社スマートエナジーらがこの事業のために特別に作った特別目的会社です。

武蔵野銀行とプロジェクトファイナンスを組みことで資金調達。
設備は、供給量世界一の中国メーカーインリーソーラー製の単結晶パネル、そしてシュナイダー製インバーターを使用するとのこと。
場所は埼玉県梅ノ木古凍貯水池で、この貯水池を管理する川島町土地改良区が事業者をプロポーザル形式で公募して同社に決定したのだとか。

公募の決定理由などは川島町からも、選定事業者からも公開はされていません。パワーコンディショナに、災害時の自立運転機能はついているのでしょうか?

自治体が太陽光発電事業者を公募する例は多いですが、選定する際には「貸付賃貸料」の比重はそこそこにし、「事業がどのように地域貢献できるか」についても一考するべきではないかとは思います。
例えば、災害時の利用方法や、地元の産業との協力など、ですね。

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京セラが東京センチュリーリースと”水上メガソーラー”事業、仏シエル・テール製水上架台で

世界最大級の水上メガソーラー

水上のメガソーラーの設置例が増えつつあります。
京セラは自社製太陽電池を使用し、フランスのシエル · テール日本法人株式会社シエル · テール · ジャパンから水上架台の提供を受けて兵庫県の西平池および東平池の2か所に合計2.9MWになる大規模な水上メガソーラーを建設すると発表しました。そのうち1.7MW規模になる西平池のものは水上設置の太陽光発電事業としては世界最大規模になる予定。

今回の水上メガソーラーは京セラと東京センチュリーリース株式会社によって設立された合同会社「京セラTCLソーラー」によるものです。
2012年7月に始まった固定価格買取制度後、同社はすでに11か所約21.6MWのメガソーラーの運転を開始しており、さらに17か所、合計で71.2MWの事業が開発中ということ。
メガソーラーに適した野立て用の土地はすでに成約済みのことが多く、今年中にどうしても容量を増やしたいのでしょう。今年度中には同様の水上メガソーラーを全国に60MW開発することを計画しているということです。


予想される発電量は?

兵庫県では水上太陽光発電の事例がこれまでにもあり、また県を挙げての太陽光発電事業も盛んな自治体です。平均設備利用率は全国18位の14.6%。全国平均(14.09%)を少し上回り、気候的にも比較的太陽光発電に適しています。

今回の水上メガソーラーでは2.9MWで年間約330万kWhを見込んでいるようで、設備利用率にして13%。これは全国平均とされる数字ですが、果たしてこの予想は妥当といえるでしょうか。

野立てで最適角度とされるのは30度、水上では同等の角度を確保して設置することは難しく、今回の事業では低設置角(最大の日射量を得られる角度より低い角度で設置する方法)が採用されることが予想されます。(あくまで予想)
一方で水上では、パネル温度の上昇を防ぐことが期待できます。これにより夏場の気温上昇に伴う発電量の低下を防ぐことができ、結果的に通常より発電量が増えることが期待されます。通常の屋根上発電と比較して1.1倍という実証実験の結果もあります。
(参考:太陽光発電の設置角度と発電効率

総合すると今回の事業で見込まれる設備利用率13%というのはかなり控えめな数字と考えられそうです。規模が大きいだけに、今回の水上メガソーラーの稼働状況はぜひ公開してもらいたいですね。

参考

ウエストホールディングス、水上メガソーラーを30MW目標

2012年の時点で水上太陽光発電に目を付けていたウエストホールディングスが、今後さらに水上に注力していく意向を発表しています。

水上のメリットとして期待されていた「温度上昇を防いで熱損失を減らす」効果は、陸上比1割増という実績を確認したとしています。1割というとかなり大きいですね。
ソーラーパネルにとっての熱による発電量の低下は決して侮れず、夏場は損失係数20%前後となっています。

ウエストホールディングスでは2015年1月からさらに大規模な太陽光発電施設(メガソーラー)を水上に建設し始め、年間で30MWを目指しているとのこと。

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