ポルトガルの水上太陽光発電所は、水力発電用ダムを活用

水上に浮く太陽光発電は国内外で設置例が増えていますが、ポルトガルのエネルギー事業者、ポルトガルエナジー(Energias de Portugal: EDP)による220kW太陽光発電所の建設地はなんと、水力発電用のダムの水上を活用した、世界初の試みとなっています。

総投資額は45万ユーロ、日本円に換算すると約58,500,000円で、kw単価は26.6万円です。
水上発電用架台ではおなじみのシエル・テール(仏)のフロートを使い、年間発電量は300MW(1363kWh/kW・設備利用率15.6%)を見込んでいるそいうこと。

ダム上太陽光発電は、土地の有効活用だけでなく、水力発電所で使っている送電線を使えるメリットなどもあります。
今後一般化されてもよさそうなアイデアと言えます。
また、日本でも昼間は太陽光発電の発電量が余ってしまう地域もでてきていますが、揚水型の水力発電所に太陽光発電を併設して、その電力をそのまま揚水に使う、というのも一案かもしれませんね。

参考

ポルトガルにハンファQセルズの13.3MWのメガソーラー

日経のテクノロジーオンラインに掲載された記事によると、日本での人気も増しているQセルズポルトガルでパネル提供から施工まで担当した13.3MWのメガソーラーが完成したそうです。

このメガソーラーはQセルズのポルトガルにおいて初めてEPCサービスを提供したもので、なんと13.3MWという大規模な施設を5週間で完成させたのだとか。
ドイツのメガソーラー事業で、145MWを5週間という記録があるので最速とは言えませんが、日本の比較的大規模なメガソーラーが年を跨いだ事業計画をつくるのと比べると、やはりすごいと感じますね。

ハンファQセルズによると、施工期間が短くなることによって施工コストの削減や投資回収期間の短縮、投資収益率(ROI)の向上につながるとしています。普通に考えると、これが常識な気がします。
対して日本は設備認定を受ければその年度の買取価格による売電事業が可能であり、認定だけ受けて実際の施工はシステム価格が下がるまで待つという事業が多くありました。経済産業省が見かねてメス入れも始めています。

Qセルズは1MWの施工に要する時間は1日以内(2009年の3.9日から1/4程度に短縮)としています。今回5週間かかっているのは、連係や試運転も含めた期間だったから。


今回のものを含めてQセルズがパネル供給をしたメガソーラーの合計出力は600MW以上になったということ。

ちなみにこのポルトガルのメガソーラー、記事では

13.3MWで年間発電量約4000kWhを見込んでいる

とされていますが、4000kWhというと約4kW分の年間発電量相当にしかならないのでなにかの間違いかと思われます。

これが仮に4000MWhの間違いだたっとして計算するとキロワットあたり300kWh/年で日本で一番発電量が伸びにくい北陸地方の発電量の1/3程度ということになってしまい、これもまた違うかと。

欧州の地中海地域では晴天が多く発電量が伸びやすい地域もあるようです。ポルトガルは実のところどうなのか、気になるので日経さんには確認のほどお願いしたいところです。

三菱商事、欧州・中東地域の発電事業を英子会社に集約

三菱商事は以前からヨーロッパでの発電事業への出資を行っていましたが、今までの欧州および中東での発電資産を、英国の100%子会社であるダイアモンド・ジェネレーティング・ヨーロッパ社(DGE)に集約することを発表しました。
さらにDGEは今回新たにフランスの2か所の太陽光発電所(クルーシーCruceyおよびマッサンジMassangis)の権利の50%をフランスのEDFエネルジ・ヌーベル社(EDF EN)から取得しました。
それらを合わせたDGEが権利を所有する、発電事業は以下の表にある通り。
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三菱商事は、非資源分野において2020年頃までに連結純利益の倍増を目標としており、DGE社を通じて欧州での電力事業も拡大していきたい意向とのこと。

参考

EU各国の太陽光発電設置状況速報まとめ


今年も残すところ1月になり、各国が太陽光発電の累積導入状況を発表していたので、まとめてご紹介します。

ドイツでは2012年10月に新規で611MWの施設が設置されました。
これは9月に比べて980MWも下回る設置量ですが、昨年同月と比べると485MW上回る設置量だったそうです。

昨年2011年は1月から10月までの設置量が約4GWだったのに対し、11、12月で一気に3.6GWの導入があったそうです。FiT価格の引き下げに間に合うよう、前年は年末の設置ラッシュがあったようですね。

11月の状況だけ見ると、昨年のような設置ラッシュの雰囲気はありませんが、今年は10月までですでに6.83GWもの設置量だったそうです。
そして累積では10月末時点で31.6 GWということ。累積ではまだまだ、他国を大きく引き離して首位を保っています。

参考記事

対してポルトガルは、2011年の累積量32.4 MWを上回る37.6 MWが、今年1月から9月の間で導入されたということです。
去年と比べて成長していることは間違いないのですが、ポルトガル国内では太陽光発電の割合は非常に少ないということです。
ポルトガル国内では、10 GW(10,000MW)もの再生可能エネルギー累積設置量(9月末)があるのですが、そのほとんどが風力と水力で、太陽光発電は188MWのみ。
大規模(250kW以上)な太陽光施設への奨励金の廃止など、ポルトガルは国を挙げての太陽光発電普及ではなく、消費者単位での普及がベースとなっていくようですね。

参考記事

フランスでは、今年の第3四半期に241MWが導入され、累積は3,923 MWになったそうです。
2012年の1月から9月までの間に999MWが導入されましたが、昨年と比べると24%の導入量では減っているということ。
ただ今年11月末の時点で、承認待ちのプロジェクトが33,328件もあり、それらの合計出力は2,196MW分にのぼるそうです。
参考記事

最後にギリシャ
ギリシャ本土では、2012年10月末で累積設置量が1,018 MWになりました。
8月には136MW、9月には37MW、そして10月には44MWが設置されたということ。
この累積には系統がつながっていないギリシャの島々は含まれておらず、そちらの累計は108MW。
つまりギリシャ全土では1,126 MWの累積設置量になるということです。
この中でも約4分の1の263MWを、10kW以下の施設が占めるそうです。
参考記事

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各国の太陽光発電累積設置量・最新情報

各国の導入状況が発表され次第、随時更新していきます。参考までに各国の総電力需要に占める太陽光発電の割合も併せて掲載しています。なお、地域によって太陽光発電の設備利用率は異なりますが、平均的な設備利用率が把握できる国については表中の数字を使ってご案内しています。それ以外の国については日本の設備利用率13%(1kWあたりの年間発電量1140kWh)で計算してご案内しています。

国名 累積設置量 国の電力需要(MW) 設備利用率 太陽光割合 データ更新月 URL
中国 43,530 MW 5,463,800,000 16% 1.1% 2015年12月 参考
ドイツ 39,700 MW 582,500,000 11% 6.6% 2015年末 参考
日本 34,347 MW 859,700,000 13% 4.6% 2015年12月 参考
アメリカ 25,910 MW 4,686,400,000 17% 0.8% 2015年12月 参考
イタリア 18,920 MW 307,200,000 8.0% 2015年12月 参考
フランス 6,580 MW 462,900,000 14% 1.5% 2013年6月 参考
スペイン 5,440 MW 249,700,000 16% 3.2% 2015年12月 参考
オーストラリア 5,093 MW 2015年12月 参考
インド 5,048 MW 938,823,000 19% 0.9% 2015年12月 参考
イギリス 3,510 MW 323,300,000 10% 2.5% 2015年12月 参考
韓国 3,421 MW 2015年12月 参考
ベルギー 3,250 MW 84,780,000 4% 2015年12月 参考
ギリシャ 2,610 MW 59,530,000 7.4 % 2015年12月 参考
カナダ 2,500 MW 2015年12月 参考
チェコ 2,085 MW 59,260,000 3.5% 2015年12月 参考
オランダ 1,570 MW 112,500,000 1.2% 2015年12月 参考
タイ 1,444 MW 2015年12月 参考
台湾 1,176 MW 2015年12月 参考
南アフリカ 1,122 MW 2015年12月 参考
パキスタン 1,000 MW 2015年12月 参考
オーストリア 937 MW 65,670,000 12.7% 1.5% 2013年11月 参考
イスラエル 870 MW 2015年12月 参考
チリ 854 MW 2015年12月 参考
デンマーク 789 MW 32,070,000 10.8% 2.3% 2015年12月 参考
ポルトガル 454 MW 48,270,000 14.5% 1.2% 2015年12月 参考
アルジェリア 300 MW 2015年12月 参考
メキシコ 205 MW 2015年12月 参考
スロベニア 195.6 MW 14,700,000 1.5% 2012年11月 参考
フィリピン 156 MW 2015年12月 参考
サウジアラビア 100 MW 2015年12月 参考
ブラジル 69 MW 2015年12月 参考
アラブ首長国連邦 24 MW 2015年12月 参考
エジプト 16 MW 2015年12月 参考

イタリア、ドイツは全体から見た割合も高く、「太陽光先進国」と言われるだけあります。
チェコも、経済的に無理をしてでも導入促進をしているだけあって、割合的には日本を大きく上回っています。

ドイツなど・グリッドパリティ達成(太陽光発電のコストと一般電気料金が同等に)

グリッドパリティとは

ヨーロッパのエネルギー関係企業や施設などが参加するPV parityプロジェクトが発表したところによると、ドイツ南イタリアオランダそしてスペインで、太陽光発電のコストが住宅用の電気料金と同等になったそうです。
これに次いで北イタリアポルトガルオーストリアが2年以内にグリッドパリティを達成すると予想されています。

さらに10年後には目標とする11か国(上記の他に、ベルギー、チェコ、フランス、ギリシャ、イギリス)すべてでグリッドパリティになると言います。

先週には国際再生可能エネルギー委員会(IRENA)が、「太陽光モジュールの急速な価格低下により、世界の複数の地域で、近日グリッドパリティの達成がみられる」という発表をしていました。

いよいよここからが注目したいところですね。

グリッドパリティを達成するとつまり、電力会社から電力を購入するよりも太陽光発電を導入したほうがおトクという状態になるので、補助金なしに自然と普及が進む状況になったと考えられます。

グリッドパリティ達成後、太陽光発電の普及がどれくらいのスピードで成長するのか、あるいはしないのか。
日本も数年後には同じ状況になることが大いに考えられるため、ヨーロッパの状況がさらに気になるところです。

ポルトガルの累積太陽光発電設置量は188MW


ポルトガル本土での累積太陽光発電の設置量が、2012年8月末時点で188MWになったと、ポルトガルのエネルギー機関(Direcção Geral de Geologia e Energia/DGGE)が報告しました。
系統連系がされた太陽光発電は8月だけで11MW今年の累計で45.6MWとなります。

今年の初めにポルトガルは、250kW以上の設備に対しての奨励金を取りやめました。

他国との比較で言うと、全体の電力発電量から見た割合は日本より若干少ないくらいです。
「各国の太陽光発電の割合計算してみました!」

参照

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