チリの大規模太陽光発電プロジェクトにJAソーラーが参加、南米での立場を強化

JAソーラーは11日、ドイツSoventix社の子会社でチリ現地法人のSoventix Chile SPAと、大規模な太陽光発電プロジェクトを開発するための合弁会社をチリのサンティアゴに設立したと発表しました。両社の共同プロジェクトは当面、総発電量130MWの事業にて行い、その全てでJAソーラーのモジュールが使用されることになります。最初のプロジェクトは2015年内に完了する予定です。
JAソーラーは業界をリードするモジュールメーカーの1つであり、一方Soventix Chile SPAは欧州に本社を持つ大手企業です。これら2社の提携により、太陽光発電プロジェクトに対する国際的な資金投資が進むとみられます。
近年、中南米ではエネルギー需要の高まりが国内外から注目されており、Soventix Chile SPAとJAソーラーの各社も、現地においてそれぞれの発電プロジェクトを推進中でした。

参考

2014年のソーラーパネル世界シェアランキング、米IHSが発表

4月23日、米IHS(調査会社)が2014年太陽光パネルメーカーの出力の市場ランキングを発表しました。上位10社のうち7社が中国メーカーとなっており、それ以外では日本のシャープ京セラ、米国のファーストソーラーとなっています。今回も中国メーカーが市場を支配している状況でした。シェアの順位詳細は以下。カッコ内は昨年の順位からの推移を示します。

  1. トリナソーラー(+1)
  2. インリーソーラー(-1)
  3. カナディアンソーラー(-)
  4. ハンファソーラーワン(+6)
  5. ジンコソーラーホールディング(-)
  6. JAソーラー(+3)
  7. シャープ(-3)
  8. レネソーラ(-1)
  9. ファーストソーラー(-3)
  10. 京セラ(-3)

合計出荷量の約49%(23.7GW)が上位10社が占めており、2013年の48%からわずかに比率が伸びています。IHSは、2015年には2014年よりも世界市場は30%も増加し、57GWに達すると見ています。
太陽光パネルメーカーの工場の稼働率は2014年の61%(平均)から69%に向上し、上位メーカーでは90%になるのではないかと予想しています。

参考

JAソーラー、英国最大級のメガソーラーなどに100MW供給

中国の太陽光パネルの大手メーカーJAソーラーホールディングスは2014年度のうちに100MW以上の自社製太陽光パネルを、英国の太陽光発電開発会社Solarcentury社に納入したと発表。

英国内の複数プロジェクトに使用されるこれらのソーラーパネルの中には、プロジェクトのために特別に開発された製品も含まれるということ。単結晶275Wという製品はSolarcentury社の50MW級サウスウィック・ソーラーファームに向けて開発されました。これは英国では最大規模になる予定だといいます。

参考

中国・JAソーラー、高性能太陽電池2種を日本市場投入 5月に生産開始

今年2月の環境ビジネスさんの記事で中国の太陽電池メーカーJAソーラーが、日本市場に向けて特に効率の高い太陽電池を2種類生産・販売を開始すると発表したとされていました。
その性能なんと、変換効率にして20.3%ということで、東芝の販売する20.1%の「世界最高効率」を抜いてしまします!なんと!

確認してみたのですが、これはセル変換効率の話でした!7月のJAソーラーのリリースを見てみるとセル変換効率で20.4%となっています。

同高効率セルは「PERCIUM」という名前が付けられ、6×10枚使ったモジュールでは285Wの高出力を実現。
参考までに同じく60枚セルを採用している同社のJAM6 (R) 60は、大きさが991×1,650mm になるので、同じ大きさでつくられると仮定した場合モジュール変換効率は17.4%になります。シャープのブラックソーラーに届く勢いですね。
しかし、シャープさん、ほっとしていられませんよ!
現在285Wのモジュールの生産の準備をしている最中ですが、すでに今年の終わりには290Wのモジュールを生産する予定があるのだとか。
こうなると変換効率は17.7%となる予想で、シャープのブラックソーラーを超える可能性もあります。

JAソーラーは今年の前半に世界市場に向けて同セルを用いてのモジュールの販売開始を発表したということですが、特に日本とヨーロッパでの反応が良かったので、現在一つしかないPERCIUMセルの生産ラインを10月には4つ(170MW)に増やし、さらに2015年に8つ(350MW)に増やす予定なのだとか。

日本でもJAソーラーの採用例が増えてきそうですね。

2014年前期のパネルシェアは中国勢が圧倒的

おなじみ米NPD Solarbuzzから、2014年第2四半期のシェアが発表されました。

2014年第1四半期はシャープが約4年ぶりにシェア一位を奪回したものの、すぐに逆転されてしましましたね。

上位6位が中国メーカー、上位20社もほぼ中国勢

順位が明らかにされていないのですが、上位6社のラインナップがトリナソーラ−、カナディアンソーラージンコソーラーJAソーラーインリーソーラーレネソーラーということ。全て中国メーカーです。

ちなみに2013年のメーカーシェアランキングとあまり変わらないとすると、
インリー、トリナがほぼタイで1位と2位、
それから3位から6位は
カナディアン、ジンコ、レネ、JAといった順序かと予想します。
この中でインリーとレネを除いて4社がそれぞれ各社過去最高の出荷量を記録したということ。
中でもトリナソーラーは一四半期で1GWに届く勢い(第3四半期は1GWを達成の見込み)というので、もしかすると1位が逆転しているかもしれませんね。

ちなみに上位20社のほとんどが中国メーカーで、全体の出荷量のうち71%を占めているのだとか。

アメリカとの摩擦も関係ない(?)勢いの中国メーカー

中国メーカーのパネルにアンチダンピング課税をかけているアメリカの太陽光発電市場ですが、中国メーカーはお隣の台湾などのアジア諸国を経由しての出荷や、中国以外の製品のOEMなどという抜け穴作戦で対抗していたのですが、その抜け穴も完全に塞ごうとアメリカ側は課税対象を広げたことで今後のシェアの動向がきになるところです。

抜け穴を塞ぐ貿易是正措置の決定を目の前にして中国メーカーの米国向け出荷が増加したということで、中でもトリナソーラーが米1位のファーストソーラーに届く勢いでの出荷量を記録したのだそう。

参考

JAソーラー2014年第2四半期の決算報告・出荷量など

出荷量は約681.8MW

前期(2014年第1四半期)から6.8%増加
前年度(2013年第2四半期)から47.0%増加

内訳は

モジュールが約445.8MW

前期(2014年第1四半期)から14.9%増加
前年度(2013年第2四半期)から75.6%増加

セルが約236.0MW

前期(2014年第1四半期)から5.7%減少
前年度(2013年第2四半期)から12.5%増加

JAソーラーは2013年4月に発表している戦略で、セル中心の生産から、より付加価値の高いモジュール中心の生産にシフトするとしていますが、出荷量推移からも確実にその流れが分かります。

売上高は24億人民元(3億9050万米ドル)

前期(2014年第1四半期)から6.5%増加
前年度(2013年第2四半期)から52.9%増加

純利益はプラスに15.2%

前期(2014年第1四半期)から7.1増加
前年度(2013年第2四半期)から1.5%減少

利益率が少しだけ前期から下がっているものの、好調な業績が続いています。

JAソーラー2014年第一四半期の決算報告
JAソーラー2013年の決算報告

リリース

”フリーでフェアな貿易”を目指して、中国のパネルメーカーなど149社による太陽光発電協会「CPIA」が発足

中国の大手パネルメーカーインリーソーラーカナディアンソーラージンコソーラー、JAソーラーなどを含む中国の太陽光発電、エネルギー関連の149社が結合して業界団体CPIA(Chinese Photovoltaic Industry Association)を発足。初代の代表にはトリナソーラーのCEO、Jifan Gao氏が選出されたと発表されました。

この組織で今後どのような活動が行われていくのかは発表されていませんが、中国メーカーや中国の太陽光関連事業に関する透明性を高めてEPIA(欧州の太陽光発電協会)やSEIA(アメリカの太陽光発電協会)との関係を強化することなどが主なミッションとされると考えられます。

米・中や欧・中のアンチダンピングを巡ったやりあいに関して、双方の業界を潰しあうことになりかねないとして反対していた立場の人々(太陽光発電の設置業者や発電事業者など)にとっては、CPIAの設立に期待が膨らみますが、米×中のアンチダンピング抗争を仕掛けた張本人であり、最近ではアメリカ政府に対し台湾のセルを使用することでアンチダンピング関税の抜け穴を通っていた中国メーカーのパネルに対する処置を要請していたソーラーワールドなどにとっては苦しい状況となりそうです。

2013年のパネル供給量トップ10メーカー

世界の太陽光発電市場において、パネルの供給量ラインキングトップ10が公表されていました。

Solarbuzz_TOP10_MODULE_MANF_LIST_2013

先日シャープが、2014年第1四半期において世界一を奪回しましたが、2013年のシェアでも順位を3つ上げて3位にランクインしています。
また京セラも、5つ上がって9位に。
日本の市場が拡大したことが大きな要因となっているようです。

2012年と同じくインリーソーラーが1位

インリーソーラーが1位を保ったほか、トリナソーラーカナディアンソーラージンコソーラーレネソーラJAソーラーハンファソーラーワンと、10分の7が中国に生産拠点を置くメーカー。
2012年は上位10社のうち6つが中国メーカーだったので、さらにシェアを拡大してきている印象です。

7位のファーストソーラーはアメリカ最大級のパネルメーカーで、最近進出を果たした日本での活躍が期待されるメーカーです。
8位のハンファソーラーワンは韓国ハンファグループのパネルメーカーですが、製造拠点は中国。わざわざ「ハンファソーラーワン」と書いてあるので、同じくハンファに買収されたQセルズ(ドイツ)の供給量はここには含まれていないと考えられます。

上位メーカーの全体に占める割合が増加

2013年、上位10社の供給量が昨年と比べて40%増えたのに対して全体の増加分は20%。
これは、上位10社のシェア率がより高まったことを意味します。
1位のインリーソーラーは単年で供給量が3GWを超えるという、世界初の成績を出しています。

8社が2012年と同じ顔ぶれ

10社中8社が2012年と同じメーカーでした。
昨年ランクインしていたサンテックとサンパワーレネソーラ京セラに変わっていますが、サンパワーは日本では東芝シャープにOEMでパネル供給しているため、”ブランド名”としてのシェアではなく、実質的なパネル供給量という意味では余裕で10位に入るのではないかと思います。

参考

JAソーラー2014年第一四半期の決算報告・出荷量など

出荷量は約638MW

目標の610MWを上回る。
内訳はモジュールが約388MW、セルが250MW。

売上高は23億人民元(3億6600万米ドル)

前期(2013年第4四半期)から5.2%増加
前年度(2013年第1四半期)から35.7%増加

純利益はプラスに16.7%

前期(2013年第4四半期)から15.5%増加
前年度(2013年第1四半期)から6.0%増加

昨年の黒字回復からさらに利益率が上がっています。

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JAソーラー2013年の決算報告・出荷量など

出荷量は約2.1GW

2012年の1.7GWから21.7%の増加
内訳はモジュールが約1.17MW、セルが0.9MW。

売上高は72億人民元(12億米ドル)

2012年の67億人民元(11億米ドル)から増加

純利益はプラスに10.6%(約7.6億人民元)

2010年以来の黒字。
昨年はマイナス0.8%。

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上の図は東洋経済に掲載されたJAソーラーの業績推移です。2013年の業績は、過去最高とはいわないまでも高い利益率で調子が戻ってきたようです。

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