太陽光発電メーカー「インリーソーラー」

2012年と2013年の世界シェア一位に輝いているインリーソーラーの魅力は価格の安さ。同等製品を展開するトリナソーラーなどに比べて日本での知名度は低いものの、大手販売店との提携で国内シェアの拡大を図ります。

1998年に設立され、15年の歴史を持つインリー・グリーンエナジー（NYSE: YGE）は、中国のソーラーパネルメーカー。2003年にモジュール生産能力3MW／年を達成してからは、毎年着実に生産量を伸ばし、2012年はウェファーからセル、モジュールまで一貫した生産で、2,450MW／年の生産能力にまで拡大されました。

その生産能力は最大限に活用され、2012年はサンテックを抜き、パネル供給量で世界一に躍り出ました。2011年と比べて43%増と、大きな成長率を見せています。

その最大の特徴はインゴットからモジュールの組み立てに至るまで、垂直統合された生産工程にあります。すべての過程において自社内で生産し、コストを抑えながら品質を保つことに成功しています。

PANDA 48セルシリーズ、PANDA 60セルシリーズ、YGE 48セルシリーズ、YGE 60セルシリーズ、YGE 72セルシリーズと5シリーズの展開。サイズのバリエーションは少なく小型パネルなども作っていません。

シリーズ名に愛着が湧きそうなインリーソーラーの主力製品が、単結晶シリコンパネルのパンダシリーズです。パネル1枚に載るセルの数が48の「PANDA 48 Cell 40mm シリーズ」は一番小型のパネルで、住宅用として適したモデルです。パネル1枚に載るセルの数が60の「PANDA 60 Cell 40mm シリーズ」はより大型のパネルで、住宅用そして産業用にも適しています。

シリーズ名 （サイズ）	型番	出力	効率
PANDA 48セルシリーズ （1330×990×40mm 14.9kg）	YL225C-24b	225W	17.1%
	YL220C-24b	220W	16.7%
	YL215C-24b	215W	16.3%
	YL210C-24b	210W	15.9%

シリーズ名 （サイズ）	型番	出力	効率
PANDA 60セルシリーズ （1650×990×40mm 18.5kg）	YL280C-30b	280W	17.1%
	YL275C-30b	275W	16.8%
	YL270C-30b	270W	16.5%
	YL265C-30b	265W	16.2%

多結晶シリコンパネルのYGEシリーズは、住宅用や産業用に適した「YGE 48 Cell 40mm シリーズ」、産業用や公共事業などに適した「YGE 60 Cell 40mm シリーズ」「YGE 72 Cell 40mm シリーズ」の3種類のサイズ展開。それぞれのサイズに出力バリエーションがあります。日本ではミドルソーラー（50kW未満）などで多結晶パネルのYGE60セルシリーズの採用例などが多く見つかります。

シリーズ名 （サイズ）	型番	出力 効率
YGE 48セル シリーズ （1310×990 ×40mm 14.7kg）	YL210P-23b	210W 16.2%
	YL205P-23b	205W 15.8%
	YL200P-23b	200W 15.4%
	YL195P-23b	195W 15.0%
	YL190P-23b	190W 14.7%

シリーズ名 （サイズ）	型番	出力 効率
YGE 60セル シリーズ （1650×990 ×40mm 18.5kg）	YL260P-29b	260W 15.9%
	YL255P-29b	255W 15.6%
	YL250P-29b	250W 15.3%
	YL245P-29b	245W 15.0%
	YL240P-29b	240W 14.7%

シリーズ名 （サイズ）	型番	出力 効率
YGE 72セル シリーズ （1970×990 ×40mm 26kg）	YL310P-35b	310W 15.9%
	YL305P-35b	305W 15.6%
	YL300P-35b	300W 15.4%
	YL295P-35b	295W 15.1%
	YL290P-35b	290W 14.9%

インリーソーラーでは、パネルのシリーズごとに異なる出力保証を提供しています。

より高性能の単結晶パンダシリーズには、製品保証10年、出力保障は1年目で98%、10年目で92%、25年で82%を設けています。1年目に出力保障を付けているメーカーは、当サイトでご紹介しているメーカーの中ではインリーソーラーのみです。充実した保証内容からも、パンダシリーズはインリーソーラーが力を入れている製品であることが分かります。

多結晶のYGEシリーズには、製品保証10年に加え、出力保障を10年目で91.2%、25年目で80.7%としています。

また、2014年4月1日から提供されると発表された「メンテナンスパック」は、インリーソーラーの日本支社、インリー・グリーンエナジージャパンと日本リビング保証株式会社による独自の保証サービスです。住宅用と50kW未満の産業用に対応しており、「4～6回の定期点検」と「売電収入保証」「10年のメーカー保証バックアップ」の3本立てとなっています。

「メーカー保証バックアップ」が、なんとも不思議に思っている方も多いかもしれません。この内容とは万が一のメーカー日本撤退時／破綻時には、メーカー保証の内容を10年だけ引き継ぐというもの。「海外メーカーは破産した時に保証が受けられなくなる可能性があって不安」という、消費者の間でよく交わされる意見を拾い上げ、安心してもらえるように、という意味が込められていると理解できます。

10年間の間に機器が故障した場合、修理を行うというのはどのメーカーも行っている保証です。インリーソーラーの「売電収入保証」では、これに加えて修理が完了するまでの期間で売電できたはずの金額を保証してくれます。（年間最大10万円）発電事業者にとっては嬉しいサービスです。

インリー・グリーンエナジー・ジャパンはこのメンテナンスパックは「同社製品を購入した人にはすべて付いている」と発表しているものの、これは「無償ですべての購入者に適用される」というわけではないようです。オプショナルとして、購入者には提供されるサービスとしており、価格や内容についても施工店への問い合わせが必要となります。

太陽光ニュースでは、インリーソーラーに関するニュースも掲載しています。

パネル供給量で世界一に輝いたインリーソーラーですが、欧米とのアンチダンピング抗争でしばしば名前が挙げられる企業であることも事実です。

とはいえ、世界中のメガソーラー事業にも採用され、ワールドカップ公式スポンサーも務めるインリーグリーンの知名度、人気はまだまだ衰えることは無いように見えます。

価格は海外メーカーの中でも特に安いトリナソーラーと同等と言われています。トリナソーラーと比べて取り扱い施工店が少ないものの、エクソルのような大手と提携することで日本でのシェアを伸ばす戦略を取っています。

販売店を通すと通常マージンが上乗せされます。価格情報が乏しい同社製品をご希望の方は、同価格帯のトリナソーラーの価格などもご参考にしてご検討ください。

太陽光発電のメーカー選びで欠かせないのがいい施工店との出会い。実際に設置するとなると制約の多い住宅屋根は選べるメーカーが案外少ないなんてこともあり、限られた選択肢から最適解を見出すにはメーカーと購入者をつなぐ施工店が重要な役割を果たします。施工店選びには一括見積サービスを利用される方がほとんどですが、ここでは当サイトがおすすめする見積もりサイトとその特徴をご案内します。

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