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ソーラーシェアリング|営農型太陽光発電の制度・適作・収支

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)は、農地に支柱を立てて上にパネルを置き、下で農業を続けながら発電する方式です。支柱の部分の一時転用許可は通常3年以内(担い手の営農・遊休農地・第2種/第3種農地は10年以内)で、単収がおおむね2割以上減らないことや毎年の報告が条件です。基準は2024年4月から農地法施行規則とガイドラインで定められています。FITは地上設置区分(20年一律9.9円)で、2027年度から新規認定の対象外になります。

同じ農地で農業と発電を両立させる仕組みのため、発電よりも営農を適切に続けることが求められます。制度の基準、FITでの扱い、実際に栽培されている作物、費用の考え方、始めるまでの手順を順に説明します。

ソーラーシェアリングとは

ソーラーシェアリングは、農地に簡単な構造で撤去しやすい支柱を立て、上の空間に太陽光パネルを置いて、下の農地で営農を続けながら発電する方式です。農林水産省の集計では、2013年度から2023年度までに新しく転用許可を受けたものは6,137件、下の農地の面積は1,361.6haです。

設置者は発電事業者が73%、農業者や農地所有者が27%です。一方、令和5年度末に下の農地での営農に支障があった設備は24%あり、その71%は営農者の栽培管理などによる単収の減少や生育不良でした。パネルの下で作物を育てる計画が欠かせません。

農地法と一時転用許可制度

農地を農業以外に使うには、農地法の転用許可が必要です。ソーラーシェアリングでは、支柱の部分について期限つきの「一時転用許可」を受けます。農地全体を転用するわけではないため、営農を続けることが許可の条件になります。

この表は農地区分ごとの農地転用の許可方針です。
区分 農地の状況 許可方針
農用地区域内農地 農業振興地域整備計画で農用地区域と定められている農地 原則不許可
甲種農地 市街化調整区域にある、特に良好な営農条件を備えている農地 原則不許可
第1種農地 良好な営農条件を備えている農地(10ha以上の一団・土地改良事業の対象など) 原則不許可
第2種農地 市街地化が見込まれる農地・生産性の低い小集団の農地 周辺のほかの土地で目的を達成できる場合は不許可
第3種農地 市街地の区域内・市街地化が著しい区域の農地 原則許可

営農型は支柱の部分の一時転用のため、原則不許可の区分でも、基準を満たせば許可を受けられます。農林水産省の集計では、許可を受けたものの73.9%が農用地区域内農地です。

2013年の通知から2024年の省令・ガイドラインへ

営農型太陽光発電は、2013年(平成25年)3月の農林水産省の通知で取扱いが明確になりました。その後、発電に重きを置いて営農がおろそかになる事例があったことから、通知で定めていた基準を農地法施行規則に定め、具体的な考え方をガイドラインにまとめて、2024年4月1日から運用されています。それより前に一時転用許可を受けて事業をしているものは、許可期間が満了するまで旧制度が適用されます。

一時転用許可の主な基準

この表は営農型太陽光発電の一時転用許可の主な基準です。
項目 基準
許可の期間 通常3年以内。認定農業者などの担い手が下の農地で営農する場合・遊休農地を使う場合・第2種または第3種農地を使う場合は10年以内。再許可も受けられる
単収 同じ年の地域の平均的な単収と比べて、おおむね2割以上減らないこと(遊休農地は、適正かつ効率的に使うこと)。市町村で栽培されていない作物などは、試験栽培の実績や栽培理由書の単収より減らないこと
品質 生産された農作物の品質に著しい劣化がないこと
支柱の高さ 農業機械を効率よく使える高さ(最低地上高2m以上)
報告 毎年、栽培実績書と収支報告書を提出する
撤去費用 設備の撤去費用を設置者が負担することを証する書面を出す
  • 出典:農林水産省「再生可能エネルギー発電設備を設置するための農地転用許可」(営農型太陽光発電設備の取扱いの主な内容・令和6年4月改訂版、農地法施行規則の改正)
  • 報告の結果、営農に支障があると現地調査や改善の指導が行われ、従わない場合は是正勧告や原状回復命令などの措置がとられます

新FIT制度での扱い

営農型は、10kW以上50kW未満の地上設置区分の対象です。地上設置区分は通常、発電量の30%以上の自家消費が条件ですが、営農型には例外があります。

この表は新FIT制度での営農型太陽光発電の扱いです。
項目 内容
区分と単価(2026年度) 地上設置(10kW以上50kW未満):20年一律9.9円
買取期間 20年
3年を超える転用許可 自家消費をしなくても、災害時に活用できればFITの対象
3年以内の転用許可 発電量の30%以上の自家消費+災害時に活用できる体制
2027年度以降 地上設置(10kW以上)は、2026年度の落札案件を除き新規認定の対象外

地上設置の単価(9.9円)は、屋根設置の最初5年の19円の半分ほどです。2027年度からは地上設置が新規認定の対象外になるため、これから計画する場合は、FITを使わずに発電した電気を自家消費する形も含めて検討します。

栽培されている作物

農林水産省の集計(令和5年度末で続いている5,953件)では、パネルの下で栽培されている作物は次のとおりです。さかき・しきみやみょうがなど、パネルで日陰になることを前提にした作物が多く、設置にあたって作物を変えたものが約6割あります。

この表は営農型太陽光発電の下の農地で栽培されている作物です。
分類 割合(件数) 主な作物
観賞用植物 36%
(2,147件)
さかき・しきみ(全体の32%)、せんりょう、たまりゅう
野菜等 28%
(1,654件)
小松菜・白菜・ねぎ・かぼちゃ、いも類、みょうが(全体の6%)、ふき、うど
果樹 13%
(791件)
柑橘・ブルーベリー・柿・ぶどう
土地利用作物 9%
(541件)
米・麦・大豆・そば
その他 13%
(802件)
しいたけ・きくらげ、牧草、茶
花き 0.3%
(18件)
ユリ・パンジー

日当たりと作物の相性は、パネルの角度や間隔、地域の気候で変わります。許可の申請では、作物について知見のある人の意見書や、下の農地での営農への影響の見込みも求められます。

設備費用と収支の考え方

営農型だけの設備費用は、国の資料に集計がありません。参考として、国の集計(2025年に設置された10kW以上)では、地上設置のシステム費用は1kWあたり中央値19.7万円・平均20.3万円です。営農型は、支柱を地上2m以上にする・農作業の空間をあける・作物の日照に合わせてパネルの角度や間隔を決めるなど、設計が一般的な野立てと違います。

収支は、売電(または自家消費)の収入から設備費用と運転維持費を引いたものに、下の農地での農業の収支が加わります。農業の収支は作物で大きく変わり、許可の条件として毎年の報告も必要です。営農計画とあわせて、営農型の実績がある施工業者に見積もりと収支の試算を出してもらってください。

始めるための手順

  1. 農業委員会への相談と一時転用許可の申請

    市町村の農業委員会に相談し、一時転用許可を申請します。営農計画書、下の農地での営農への影響の見込み、作物について知見のある人の意見書、撤去費用の負担を誓約する書面などを出します。

  2. 農地の権利関係の確認

    所有権・賃借権を確認します。設備の設置者と営農者が違い、地上権などを設定する場合は、農地法第3条の許可が必要です。

  3. 営農計画・発電設備の計画の作成

    作物・栽培方法・単収の見込みと、パネルの角度・間隔・支柱の高さを一緒に決めます。

  4. 電力会社との系統連系の協議

    50kW未満は低圧、50kW以上は高圧で系統につなぎます。

  5. 設備の施工

    支柱・架台・パネル・パワコン・配線を、農作業の空間を確保して施工します。

  6. 毎年の報告

    毎年、栽培実績書と収支報告書を提出します。再許可を受けるときは、それまでの営農の状況が判断の材料になります。

業者選びのポイント

営農型太陽光発電は、一般的な野立てとは制度・設計・施工が違います。次の点を確かめて業者を選んでください。

  • 営農型太陽光発電の施工実績
  • 農業委員会への申請の手続きの経験
  • 営農計画と発電設備の設計を一緒に提案できるか
  • 支柱の高さ・強度の設計(風・雪・農業機械の通行)
  • 毎年の報告や営農の継続を支える体制
  • 保守点検の体制とパワコンの交換の計画

営農型太陽光発電に強い業者の一括見積り

営農型太陽光発電は、農地法・電気事業法・FIT制度・農業の計画がかかわる事業です。営農型の実績がある業者に相談し、地域の条件と作物の計画に合わせた見積もりと収支の試算を比べてください。

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産業用の太陽光発電は、施工店によって受ける案件の規模や種類が違うため、対応できる施工店を自分で探すのは手間がかかります。以下は産業用に対応した一括見積もりサービスで、いずれも無料で申し込めます。

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よくある質問(FAQ)

ソーラーシェアリングとは?
ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)は、農地に簡単な構造で撤去しやすい支柱を立てて上の空間に太陽光パネルを置き、その下で農業を続けながら発電する方式です。農林水産省は2013年(平成25年)から通知で運用し、2024年4月1日からは農地法施行規則とガイドラインで基準を定めています。2013年度から2023年度までに新しく転用許可を受けたものは6,137件・下部の農地1,361.6haです。
農地転用は必要?
支柱の部分について、期限つきの一時転用許可が必要です。期間は通常3年以内で、認定農業者などの担い手が下の農地で営農する場合・遊休農地を使う場合・第2種または第3種農地を使う場合は10年以内です。再許可も受けられます。同じ年の地域の平均的な単収よりおおむね2割以上減らないこと(遊休農地は適正かつ効率的に使うこと)、毎年の栽培実績と収支の報告などが条件で、営農に支障があると指導や原状回復命令の対象になります。
どんな作物が向いている?
農林水産省の集計(令和5年度末・5,953件)では、下の農地で栽培されているのは、さかき・しきみなどの観賞用植物が36%で最も多く、野菜等が28%、果樹が13%、米・麦・大豆・そばが9%です。設置にあたって作物を変えたものが約6割あり、パネルの下での栽培を前提に作物を選んでいます。日当たりと作物の相性は、地域の農業委員会や知見のある人に確かめてください。
新FIT制度ではどの区分が適用される?
10kW以上50kW未満の地上設置区分で、2026年度の単価は20年一律9.9円、買取期間は20年です。通常は発電量の30%以上の自家消費が条件ですが、営農型で3年を超える転用許可を受けた案件は、自家消費しなくても災害時に活用できればFITの対象です。地上設置(10kW以上)は、2026年度の落札案件を除き、2027年度から新規認定の対象外になります。
設備費用と20年収支の目安は?
営農型だけの費用は国の資料に集計がありません。参考として、地上設置(10kW以上)のシステム費用は1kWあたり中央値19.7万円・平均20.3万円です(国の集計・2025年設置)。営農型は支柱を地上2m以上にするなど設計が違い、農業の収支も作物で大きく変わるため、営農計画とあわせて施工業者に見積もりを取ってください。
始めるための手順は?
①農業委員会への事前相談と一時転用許可の申請 ②農地の所有権・賃借権の確認 ③営農計画と発電設備の計画の作成 ④電力会社との系統連系の協議 ⑤設備の施工 ⑥毎年の栽培実績と収支の報告、の流れが基本です。申請には営農計画書や撤去費用の負担を誓約する書面などが必要です。

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