淡路島に大規模30MWの「淡路貴船太陽光発電所」が完成

2050年までにエネルギー自給率100%を目指す兵庫県の淡路島で、他に使う用途の無かった埋め立て用の土砂採取場跡地を生かして30MWの大規模太陽光発電所の稼働が開始した。

低設置角などの採用で容量も増やす

寄神建設が手がけたこの「淡路貴船太陽光発電所」の建設地はかつて阪神の港湾埋め立て用の土砂の採取場として利用されていましたが、この土地は山を削ってできた土地であることから農地や住宅地としての利用が難しく長い間土地の有効な活用方法が見つからず放置されていました。
しかし広くまとまった土地で、瀬戸内海(播磨灘)までの直線距離200メートルというアクセスのよさもあり、発電所の建設が持ち上がったということ。

高低差を生かしてモジュールを埋め込むことに成功し、敷地の4分の3に高性能の太陽光電池モジュールが埋め込まれています。設置枚数を増やすためにモジュールの架台の設置角度を10度に設定するなど工夫(低設置角)もみられています。

強風や悪天候ににも耐えられるように基礎をコンクリートにして堅固にするなど性能と機能性だけでなく安全性と耐久性にもこだわりを見せた構造になっています。

2014年12月に完成したこの淡路貴船太陽光発電所の最大出力は30MWで、年間発電量は3100万KWhを想定しています。これは一般家庭の9000世帯分の年間消費電力量に相当し、全量を関西電力に売電することになっています。
パネルはLGエレクトロニクス、pcsは富士電機を使用。

2015年には115MW超のメガソーラーが淡路島に完成

淡路はもともと全天日射量が高いことで知られている土地で、休閑地の再利用を太陽光発電所としたことは立地的にも最適の選択といえます。このほかにも休閑地を太陽光発電所として利用する土地が続出しており、出力が1MW以上のものは自治体が把握しているだけでも着工済みのものが29か所あります。すでに運転を開始しているところもそのうち24か所あり、2015年7月に全発電所が稼働した際にの合計出力は115.062MWに達するということ。

参考

兵庫県の淡路島、2050年までに電力自給率100%を目指す

太陽光発電だけで見ると、県別で全国4位の兵庫県
その兵庫県の淡路島は、瀬戸内海で最大の

海峡の存在で地域開発が遅れているという事で、地域活性化総合特区の指定申請が行われ、「あわじ環境未来島構想」が発表されました。
「エネルギーの持続・農と食の持続・暮らしの持続」を3本柱にしてこの構想、一番のポイントとなるのは、現在8%のエネルギー自給率を、2020年までに20%、そして2050年までに100%にまで引き上げるという計画です。

土取り跡地への大規模ソーラー発電施設をはじめとし、太陽熱発電、風力発電、潮流発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーなどの計画が持ち上がっています。

町おこしにも、再生可能エネルギーが一役買いそうですね。