ソーラーフロンティア、イタリアの蓄電池システムと販売提携

イタリアのUnendo Energia社は、住宅用・産業用の太陽光発電システムの販売を強化するために、ソーラーフロンティアの太陽光発電最適化システムを採用する方針を決定しました。

ソーラーフロンティアの『PowerSets』とUnendo Energia社の高機能蓄電池システムを組み合わせることによって、家庭での電気使用量の93%を太陽光発電でまかなえることができるようになります。

イタリアの『Conto Energia』という補助金制度が終了されてから、電力の自給自足化の需要が高まっていて、発電能力の高いシステムに注目が集まっています。そのような状況の中で、Unendo Energia社とソーラーフロンティアのシステムを組み合わせた製品は、発電量力と蓄電能力が高く、昼夜を問わず外部の電力供給の依存を解消して、電力料金の変動の影響を最小化することができます。

ソーラーフロンティアのCIS薄膜太陽電池モジュールは、結晶シリコンモジュールよりも高い発電量が特徴で、さほど太陽光に左右されることなく安定した発電を見込むことができます。CIS太陽電池モジュールの性能を最大限に発揮できる高い発電能力があります。

参考

2013年版・世界の太陽光発電設置量まとめ

EPIA(European Photovoltaic Industry Association/欧州太陽光発電工業協会)による、2013年・世界の太陽光発電の設置量に関するレポートが発表されたので、まとめてご紹介します。

合計37GW、トップは中国/日本は2位!

2013年の世界的な太陽光発電導入量の合計は37GWにのぼりました。
昨年の29.9GWから大幅に伸びています。
ちなみにNPD Solarbuzzによると、2014年はさらに49GWに増えると予測。NPD Solarbuzzは、2013年に関しては36GWとかなり近い予測を出していました。(参考

1位は中国で、2013年中に11.3GWを設置。累積では18.1GWに成長。
日本は2位で6.9GW、次いでアメリカ4.8GW。


ヨーロッパではドイツが首位

前年の導入量から半分以下に落ち込んでいるものの、ヨーロッパの地域内では変わらずドイツが市場を先導しているということ。2012年に7.6GWだったのに対し、2013年は3.3GWでした。

ドイツに続いて4国が1GW前後をマーク。
イタリア(1.1〜1.4GW)、イギリス(1〜1.2GW)、ルーマニア(1.1GW)、ギリシャ(1.04GW)

2012年調子が良かったフランスベルギーデンマークなどは、2013年は制度改正などでふるわなかったよう。


アジアが市場先導を奪回

長年ヨーロッパによる市場のリードが続いていましたが、2013年はアジアが10年ぶりに市場を先導しました。
中国、日本の導入量の伸びが大きく貢献したようですが、インド(1.1GW)、韓国(442MW)、タイ(317MW)も順調に伸びているということです。


電力ミックスにおける太陽光発電

ヨーロッパ全体で太陽光発電の2013年中の導入量は9,621MW(約9.6GW)。一位の風力発電(2013年に欧州計で約10.1GW)と合わせて成長が続いている。

発電量にして、太陽光発電は電力需要の3%、ピーク時の需要においては6%をカバーするまでに成長したという。

逆に、石油、石炭、ガスなどの火力発電は軒並み発電容量を減らしており、再生可能エネルギーの割合が増える電力市場においてグリッドシステムの成長がさらに需要になってくる。


イタリア・ミラノの大学研究所の太陽電池は赤ワイン色

DSC(Dye-sensitised Solar Cells)ろよばれる色素増感太陽電池の技術は日本でも既に多くの実証実験が行われていますが、太陽光発電の普及で先を行くヨーロッパでも、このシリコンを使わない有機系太陽電池の可能性に大きな期待がもたれています。
イタリアのミラノ・ビコッカ大学の研究所では、ヨーロッパらしく赤ワインのように赤紫の果実の果汁を使った色素増感太陽電池の研究が進められています。

メリット豊富な色素増感太陽電池についての説明をまとめてみると

  • 微光でも発電可能
    明け方のような時間帯でも発電でき、日照量が多い昼間に最適化した場所(主に屋根)への設置が必要なくなり、よりフレキシブルに設置(例えばビルの壁面への応用)ができる
  • コストを大幅に低減できる
    パネルをつくるシリコンの5分の1のコストで製造可能という計算が出ている

対してデメリットは

  • 効率が低い
    効率がシリコン系のパネルだと15%程度なのに対し、有機塗料は6〜7%
  • 寿命が短い
    シリコン系パネルが30〜40年稼働し続けているものがあるのに対し、有機塗料の発電持続期間は10〜15年と言われている

とあります。
とはいえ、応用力の高さ、また通常のパネルでは発電できない光ももれなく使う事ができるというところはむしろ活躍の場がシリコン系のパネルとは全く異なるとも考えられ、現行のパネルと並行して利用することも可能だと考える事もできます。

どの国でも、太陽光発電の次のフェーズは色素増感太陽電池のようですね。

なんでもこの発電の技術は、葉緑素の光合成を基本原理として発展したものだそう。
自然の力ってすごいって改めて感じます。

参考記事

三菱商事、欧州・中東地域の発電事業を英子会社に集約

三菱商事は以前からヨーロッパでの発電事業への出資を行っていましたが、今までの欧州および中東での発電資産を、英国の100%子会社であるダイアモンド・ジェネレーティング・ヨーロッパ社(DGE)に集約することを発表しました。
さらにDGEは今回新たにフランスの2か所の太陽光発電所(クルーシーCruceyおよびマッサンジMassangis)の権利の50%をフランスのEDFエネルジ・ヌーベル社(EDF EN)から取得しました。
それらを合わせたDGEが権利を所有する、発電事業は以下の表にある通り。
diamond

三菱商事は、非資源分野において2020年頃までに連結純利益の倍増を目標としており、DGE社を通じて欧州での電力事業も拡大していきたい意向とのこと。

参考

各国の2013年前半での各国の累積設置量

2013年6月末の時点での、各国の累積設置量に関する情報が続々出てきているのでまとめました。

アメリカ

アメリカでは、2013年前半で1,8GWの設置量があり、累積で10GWを達成したのだそう。そのうち5.53 GWはメガソーラーが占めているそうです。

NPD Solarbuzzのレポートによると、今後18カ月でさらに8GWが追加されると予測されており、これにより2014年末までに18GWに達すると予測しています。

参考
参考

フランス

フランスでは、2013年6月末の時点で、本土だけで3.33 GW、領土とコスタリカを合わせて4,113 MW(4.113MW)の累積設置量となったそうです。

参考

イギリス

イギリスのエネルギー・気候変動省(DECC)によると、2013年5月末の時点で累積1.7 GWがイギリスのFITに登録されていることを発表しました。
2020年までに15%の国内電力需要を再生可能エネルギーでまかなおうという計画を立てているというイギリス。それには22 GWの発電量が必要ということです。

参考

イタリア

イタリアは6月末時点で累計17.3 GW

参考

ドイツ

ドイツは2013年前半で1,800MWなので、2012年末の累積と合計して34,200MW(34.2GW)。もうちょっとで35GWですね!
ちなみにこの前半期の1,800MWと言うのは2年前の水準を上回る程度で、(2011年の前半における新規設置数は1,713 MW)2012年の同時期は4,186 MWもの設置数があったのだそう。
昨年のブームは大きかったのですね~。

参考

こちらのページでは、世界各国の太陽光発電導入数のデータを表にまとめています。
政策によって各国の導入量には大きく差があります。

イタリアの電力需要における太陽光発電割合は3.1%。日本はというと…


イタリア国内の11月の太陽光発電施設の総出力は831GWhだったそうです。総電力需要における割合は3.1%。
昨月は1,364GWhの需要の5.1%をまかなったという事で、「電力需要における太陽光発電の割合」の表はあながち間違っていないようですね。
各国で日照時間も違ってくるため、一概にこの数字で比較する事は出来ないとはいえ、需要の何割を満たすか、という事に関してはまだまだイタリア、ドイツにかなわない日本の太陽光発電。
設置量ベースでイタリアの3分の1にまで増えてきましたが、需要ではイタリアと比べて9分の1程度。

 

面積にしてイタリアとそこまで変わらない日本ですが、今年7月の固定価格買取制度が始まるまで、主に住宅用の太陽光発電施設がメインでした。
固定価格買取制度が始まり産業用の大規模ソーラーが国全体の容量を大きく引き上げることも予想されますが、アメリカや中国、インドのように何100MW単位のメガソーラーをボンボンと立てるわけにはいきませんよね。
その点、住宅用に対してもまだまだ寛容な補助金売電制度や、原発問題による停電、災害対策など、一般家庭レベルでの意識やメリットの高さが、他国とは一味違った市場であるようです。

 

参考
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↑ ↑各メーカーのパネルの発電量が気になる方は上記サイトが一番お勧め!実際に設置しているご家庭のナマの発電状況が閲覧できます

各国の太陽光発電累積設置量・最新情報

各国の導入状況が発表され次第、随時更新していきます。参考までに各国の総電力需要に占める太陽光発電の割合も併せて掲載しています。なお、地域によって太陽光発電の設備利用率は異なりますが、平均的な設備利用率が把握できる国については表中の数字を使ってご案内しています。それ以外の国については日本の設備利用率13%(1kWあたりの年間発電量1140kWh)で計算してご案内しています。

国名 累積設置量 国の電力需要(MW) 設備利用率 太陽光割合 データ更新月 URL
中国 43,530 MW 5,463,800,000 16% 1.1% 2015年12月 参考
ドイツ 39,700 MW 582,500,000 11% 6.6% 2015年末 参考
日本 34,347 MW 859,700,000 13% 4.6% 2015年12月 参考
アメリカ 25,910 MW 4,686,400,000 17% 0.8% 2015年12月 参考
イタリア 18,920 MW 307,200,000 8.0% 2015年12月 参考
フランス 6,580 MW 462,900,000 14% 1.5% 2013年6月 参考
スペイン 5,440 MW 249,700,000 16% 3.2% 2015年12月 参考
オーストラリア 5,093 MW 2015年12月 参考
インド 5,048 MW 938,823,000 19% 0.9% 2015年12月 参考
イギリス 3,510 MW 323,300,000 10% 2.5% 2015年12月 参考
韓国 3,421 MW 2015年12月 参考
ベルギー 3,250 MW 84,780,000 4% 2015年12月 参考
ギリシャ 2,610 MW 59,530,000 7.4 % 2015年12月 参考
カナダ 2,500 MW 2015年12月 参考
チェコ 2,085 MW 59,260,000 3.5% 2015年12月 参考
オランダ 1,570 MW 112,500,000 1.2% 2015年12月 参考
タイ 1,444 MW 2015年12月 参考
台湾 1,176 MW 2015年12月 参考
南アフリカ 1,122 MW 2015年12月 参考
パキスタン 1,000 MW 2015年12月 参考
オーストリア 937 MW 65,670,000 12.7% 1.5% 2013年11月 参考
イスラエル 870 MW 2015年12月 参考
チリ 854 MW 2015年12月 参考
デンマーク 789 MW 32,070,000 10.8% 2.3% 2015年12月 参考
ポルトガル 454 MW 48,270,000 14.5% 1.2% 2015年12月 参考
アルジェリア 300 MW 2015年12月 参考
メキシコ 205 MW 2015年12月 参考
スロベニア 195.6 MW 14,700,000 1.5% 2012年11月 参考
フィリピン 156 MW 2015年12月 参考
サウジアラビア 100 MW 2015年12月 参考
ブラジル 69 MW 2015年12月 参考
アラブ首長国連邦 24 MW 2015年12月 参考
エジプト 16 MW 2015年12月 参考

イタリア、ドイツは全体から見た割合も高く、「太陽光先進国」と言われるだけあります。
チェコも、経済的に無理をしてでも導入促進をしているだけあって、割合的には日本を大きく上回っています。

ドイツなど・グリッドパリティ達成(太陽光発電のコストと一般電気料金が同等に)

グリッドパリティとは

ヨーロッパのエネルギー関係企業や施設などが参加するPV parityプロジェクトが発表したところによると、ドイツ南イタリアオランダそしてスペインで、太陽光発電のコストが住宅用の電気料金と同等になったそうです。
これに次いで北イタリアポルトガルオーストリアが2年以内にグリッドパリティを達成すると予想されています。

さらに10年後には目標とする11か国(上記の他に、ベルギー、チェコ、フランス、ギリシャ、イギリス)すべてでグリッドパリティになると言います。

先週には国際再生可能エネルギー委員会(IRENA)が、「太陽光モジュールの急速な価格低下により、世界の複数の地域で、近日グリッドパリティの達成がみられる」という発表をしていました。

いよいよここからが注目したいところですね。

グリッドパリティを達成するとつまり、電力会社から電力を購入するよりも太陽光発電を導入したほうがおトクという状態になるので、補助金なしに自然と普及が進む状況になったと考えられます。

グリッドパリティ達成後、太陽光発電の普及がどれくらいのスピードで成長するのか、あるいはしないのか。
日本も数年後には同じ状況になることが大いに考えられるため、ヨーロッパの状況がさらに気になるところです。

デンマーク200MW達成?

デンマークは10月の終わりに、累計の太陽光発電設置量が192.7MWに達したと発表しました。
デンマークの余剰発電買取制度はシステム量に制限があるため、この数字は小規模な6kW以下のシステムの蓄積で達成されました。

2011年12月の時点で15MWしかなかったデンマークの累積設置量ですが、補助金制度とモジュール価格の低下により2020年までの目標としていた200MWを今月中にも達成できる見込みです。

参照元

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2020年までに世界の98%がグリッドパリティ(太陽光発電コスト=通常の電気代)になる!?

GBIリサーチによると、2011年の太陽光発電市場は76.2%のヨーロッパが先導したという。
ドイツの安定した成長率40%の数字が際立つものの、年間設置量ではイタリアに抜かれました。それというのも、2010年度のFiT価格の適用を、2011年の7月の系統連系まで引き延ばしたことが大きな原因となったと考えられます。

しかしこの明らかなヨーロッパの市場優位もこの先は大きく変わるだろうというのがGBI Researchの予測です。
インド、中国、オーストラリアなどの国で、政府が太陽光発電推進のためにより寛容な援助体制を整えていき、電力需要の増加、従来の発電方法への依存からの脱出を図る動きなどが市場をより活発にするだろうということ。

市場の成長率は2009年の不景気を差し引いても約25%ということで、2011年に至っては2010年より77%も多く太陽光発電の設置が見られたということです。2011年だけで世界中に27.1GWが設置され、2012年から2020年までの複合年間成長率は15.9%で、2020年には世界の累計で277.1GWになると予想されています。

2020年までに、98%の世界中の人口をカバーする地域で、グリッドパリティ(太陽光発電のコストが、従来の電気代と同じになる状態)になるという調査報告を出しているところもあるほどです。

参考