30%過積載、26MWの蓄電池付きメガソーラーをスマートソーラーが釧路遠野に開発

東京都日本橋に本社を置き、太陽光発電発電所の開発などを行うスマートソーラー株式会社は、投資会社のリサ・パートナーズと計画している北海道の釧路遠野のメガソーラーを着工したと発表。建設は関電工によるとのこと。

北海道新ひだか町に建設した出力17MW、パネル23MWのメガソーラーと同様に、今回の発電所もパネルは過積載、蓄電池併用のプロジェクトになっています。

出力は26MW、太陽電池の容量は34MWで、前回よりもさらに高い過積載率は30%となっています。
さらに出力の55%にあたる14.4MWhのリチウム蓄電池の併用で、出力安定化を測っています。

周辺地域への防災配慮も重ね、造成時には沈砂池や調整池といった設備も建設することになっています。

過積載に蓄電池、防災設備など、メガソーラーの建設も年々進化してきていますね。

参考

ポルトガルの水上太陽光発電所は、水力発電用ダムを活用

水上に浮く太陽光発電は国内外で設置例が増えていますが、ポルトガルのエネルギー事業者、ポルトガルエナジー(Energias de Portugal: EDP)による220kW太陽光発電所の建設地はなんと、水力発電用のダムの水上を活用した、世界初の試みとなっています。

総投資額は45万ユーロ、日本円に換算すると約58,500,000円で、kw単価は26.6万円です。
水上発電用架台ではおなじみのシエル・テール(仏)のフロートを使い、年間発電量は300MW(1363kWh/kW・設備利用率15.6%)を見込んでいるそいうこと。

ダム上太陽光発電は、土地の有効活用だけでなく、水力発電所で使っている送電線を使えるメリットなどもあります。
今後一般化されてもよさそうなアイデアと言えます。
また、日本でも昼間は太陽光発電の発電量が余ってしまう地域もでてきていますが、揚水型の水力発電所に太陽光発電を併設して、その電力をそのまま揚水に使う、というのも一案かもしれませんね。

参考

NTTファシリティーズのソーラーパッケージ「Mタイプ」のメリットとデメリット

大規模太陽光発電事業を多く手がけるNTTファシリティーズが、新たに「Fソーラーパッケージ Mタイプ」という商品の販売を始めました。

面白い商品なので、メリットやデメリットなどを詳しく見ていこうと思います。

◎ 限られた面積により多く積載できる

「Fソーラーパッケージ Mタイプ」は、通常南向きに設置する太陽光発電を、東西2面のジグザグに設置することで限られた面積により多くのパネルを積載できるようにしています。

太陽光発電が年間を通して一番多い電力が得られるのは南向きです。
しかし、地上設置で南向きにする場合は後方のアレイ(一列に並んだパネルの列)に影がかからないように一定の間隔を空ける必要があります。

一方東西2面にジグザグ施工(南への傾斜はなし)するこの工法なら、アレイの列を限りなく近づけて設置することが可能になり、具体的には面積あたりで35%も多くのパネル容量を積載することができるということです。

地価の高い場所で事業をされている方にとってはぴったりかもしれません。

× キロワットあたりの発電量が減る

一方で南向きの代わりに西・東に傾けることで、同じパネル容量で得られる年間発電量は確実に減ります。その減少率ですが、NTTファシリティーズのサイトでは3%程度になっています。3%の売電収入の低下と、土地代との兼ね合いでどちらが採算性の高い事業となるのかは、事業ごとに精密なシミュレーションをする必要がありそうです。

◎ ピークカットできる(=売電不可のリスクが少し減る?)

天気が良い日、太陽光発電は12時を境に左右対称の山を描きながら発電量が推移していきます。
これは日本全国の太陽光発電に共通の特徴のため、12時は太陽光発電の電力が最も余り易い時間帯と考えられます。このように時間によって発電量に大きな差が出ることは、太陽光発電の難しい部分として捉えられることが多いです。

一方東西にパネルを振り分けると、発電量の波をより平坦にする(ピークカット)ことができます。

また、すでに九州電力の旧管轄地域では一定の時間売電が抑制されることが何度か起こっていますが、全国的な太陽光発電の発電量の波と少しズレを作ることは、売電不可の可能性を減らすことにも繋がる可能性があります。(電力会社は通常、太陽光発電の発電量を予測して揚力発電などでピークシフトができるような対策を取っているため、東西設置が必ずしも売電抑制に繋がるとは言い切れませんが。)

× メンテナンスが面倒になる

大規模な太陽光発電所は定期的にメンテナンスや点検をする事が求められますが、アレイ間に人が通れるスペースを作りにくいMタイプのような設置方法だとメンテナンスが面倒になってきます。場合によっては大きなクレーンなどを持ち込む必要が生じる可能性もあり、メンテナンスコストも気になります。

と、メリットもある一方で無視できないデメリットもあるため、面白い試みではありますが、慎重に検討する必要がありそうですね。

青森県弘前市のメガソーラー、稼働率は12.6%強

青森県弘前市に、地元企業のひろさきアップルパワーが建設した1.5MWのメガソーラーがその稼働状況を報告。

が多い地域ではあるものの、積量が軽めであればすぐに雪が落ちて発電し始めるため、積雪の影響は限定的で、数値にして2〜3%程度になったということ。

1.5MWで得られた年間発電量は1,657MWh。設備利用率は12.6%の計算です。

47都道府県の設備利用率一覧では青森県における設備利用率の平均値を11.73%とご案内しています。

これは住宅用における平均値なので、角度と方位を最適化できる産業用では今回のように12%を超える設備利用率が期待できると考えられます。

さらに夏場は東京と比べて発電量が多く得られるということも分かったのだそう。

気になるのが、積雪後は雪に反射して空気中の紫外線量が増えるというのは、美容関係の情報にちょっと通じた方なら周知かと思います。

ソーラーパネルは直接の光だけではなく曇り空の散乱光もきちんと拾って発電しますが、積雪後は実際の全天日射量よりも多い光が実際はパネルに当たっている、なんてことはないのかな、と、ちょっとした疑問が湧きます。

太陽光発電の発電量を知るための日射量のデータなんかも手に入るこんにち、

太陽光発電の発電量の算出方法を参照)

こうした疑問を解決するのはそんなに難しくはないと思うのですが、、、

雪国で太陽光発電をしていらっしゃる読者の方がいらっしゃれば、ぜひレポートしていただければ幸いです。

追記
気になったので調べてみたら、21年度に北電の関連会社が出していたレポートに、面白いデータを見つけましたよ!

http://www.hkd.meti.go.jp/hokni/lcsmodel/report01.pdf
76ページあたり「散乱光に関する研究」

それによると、積雪後は通常の地面と比べてアルベド(反射率)が0.2→0.8に上がるので、結果としては
設置角度
65度で10%
55度で8%
45度6%
の傾斜面日射の増加が確認されたということ。

積雪時に関係なく、設置する地面に白いプラスチックのビニールシートなんかを敷いておけば雑草対策にもなるし、年中日射量を割り増しできる、ということがいえるのかもしれませんね。まぁ不格好ではありますが。

スマートソーラーによる北海道新ひだか町発電所、太陽光は23%の過積載で17MW、蓄電池も9MWhで出力平衡化

メガソーラー開発などの事業者スマートソーラーが北海道新ひだか町にメガソーラーを建設開始。完成は2017年11月の予定。

事業主は「合同会社SSひだかの森」。
発電所名「新ひだかソーラーパーク」。

このメガソーラーはパネル(トリナソーラー)21MWに連系容量(パワコン・スイスABB製)17MWと、23%もの過積載率になっています。

そして蓄電池も9MWhと大容量の蓄電池(韓国サムスンSDI製)も設置。

連系申請は2011年もしくは2012年のうちに済ませてあるようで、40円案件です。

9MWhの蓄電池は平成26年度補正予算による「再生可能エネルギー接続保留緊急対応補助金」を使っています。

SBエナジーの宮崎県メガソーラーに京セラパネル

5月15日、SBエナジーは、宮崎県えびの市にメガソーラーを建設すると発表しました。その広さは約1万7000平方メートル、出力は約1.4MWとなる予定です。

EPCおよびパネルは京セラが提供し、パワコンはドイツのSMA製が使用されます。

2015年9月に運転が開始される予定で、年間161万6000kWhの発電量が見込まれています。

参考

サンパワーが南アフリカで86MWのメガソーラー建築開始

米国の大手太陽光パネルメーカーのサンパワーは4月20日、南アフリカで出力86MWのメガソーラーの建設を開始したと発表しました。

2016年にフル稼働を開始する予定としており稼働後は、電力購入契約に基づき電力会社のESKOM社に売電します。サンパワーにとって3件目のメガソーラーの建設といい、他2件は北ケープ州のダグラス近郊にある合計出力33MMで2014年に稼働を開始しました。 設計・施工、O&Mまで、サンパワーが担い、建設中に約700人分の雇用を創出するとしています。サンパワーは今回、自社製の1軸型の追尾式の架台を導入し、これによって、固定型の架台を導入した場合に比べて太陽光パネル当たりの発電量が最大25%増加します。

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ソーラーフロンティア、イギリスで100MWメガソーラー

ソーラーフロンティア株式会社は、イギリスに最大100MW規模のCIS薄膜太陽光発電所を開発します。この事業は、再生エネルギー開発を専門に行うNew Energy for the World社と協力して行われ、発電所の開発と販売に関する契約が結ばれています。

この契約により、2015年第3四半期に最初の発電所の建築を開始する予定です。すでに建築用の土地と接続系統は確保されており、売却についての投資家との協議も進められています。

ソーラーフロンティア株式会社などの幹部からは、CIS薄膜太陽光発電所はイギリスの気候でも高い性能を発揮することが立証されており、投資家の皆様からも信頼をよせてもらえるはずだとコメントが出されました。

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ソーラーフロンティア、米カリフォルニアの計280MW太陽光発電設備を取得

ソーラーフロンティア(株)は、Gestamp North Americaが保有する、完成時の設備能力が合計280MW規模の、主にカリフォルニア州の開発段階にある10案件を取得しました。最初の案件であるカリフォルニア州カーン郡の15MWの発電所は間もなく着工、次に20MWの発電所が、2015年第2四半期中に着工となる見込みです。平行して、売却先となる長期の投資家の協議も進めています。
ソーラーフロンティアアメリカズは、本案件の取得に伴い、ソーラーフロンティア・アメリカズ・ディベロップメントを設立し、ここにGestamp Solarの経験豊富な開発チームが加入します。この組織拡大は、米国市場での事業拡大と更なる事業展開を意味しており、ソーラーフロンティアは本案件を通じて、海外市場における包括的な太陽光発電ソリューションプロバイダーとしての地位確立を目指します。
同社は、太陽電池製造における世界をリードする企業として、最新の生産技術により、最高品質の製品を供給しています。独自のCIS薄膜型太陽電池は、従来の結晶シリコン系に比べ実発電量に優れており、経済性・環境性に優れたエネルギーを提供しています。

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静岡県の屋上型メガソーラーにQセルズパネル

カナダのソーラーパワーネットワーク社は、3月27日に屋上型メガソーラー(静岡県富士市西部浄化センター太陽光発電所)を竣工します。この発電所は、静岡県における最大級の屋上型発電所になり、同社における日本での竣工第1号になります。

同施設は、富士市が公募した「週末処理場屋根貸し太陽光発電事業」に採択されたもので、同社の日本法人が設計・開発し、国際ランド&ディベロップメント(東京都千代田区)が建設しました。発電事業者は、この2社の共同事業体になります。

パネルはドイツのハンファQセルズ製、パワーコンディショナーは同じくドイツのSMAソーラーテクノロジー製が採用されたということ。

年間発電量は、一般家庭約310世帯分の消費電力に相当する約1176MWhを見込み、発電した電力は、全量を東京電力に売電されます。さらに、同2社は、富士市東武浄化センターでも屋上型メガソーラー建設プロジェクトの進行中で、この2か所で一般家庭約600世帯分の消費電力に相当する合計約2.3MWを見込んでいます。

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