ジンコソーラーのスマートモジュール、兵庫県の2MWメガソーラーに採用

2月5日、中国ジンコソーラーホールディングは、兵庫県西宮市の2MWメガソーラー(大規模太陽光発電所)に、太陽光パネル供給をしたことを発表しました。

供給したのは、太陽光パネル単位MPPT(最大電力点)を制御するパネル「smart modules」に、アメリカの「Tigo Energy社」の制御モジュールを取り付けることで実現することができました。

パワーコンディショナー(PCS)レベルのMPPT制御では、一部分に影がかかり出力低下した太陽光パネルは、PCSがその出力低下のパネルに合わせ、MPPT制御をするので、高い出力で発電をしている他のパネルの発電量も低下してしまうことになります。このような出力が下がった太陽光パネルの影響を防ぎ、パネルごとに最大の出力を実現させることができると共に、一部分に影がかかった太陽光発電所の最大出力20%向上することが出来ると言います。今回7644枚のパネル納入「smart modules」を使っての太陽光発電所は、日本では最大な規模となります。

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兵庫県で5MWの木製架台使用メガソーラー完成

兵庫県の企業庁は、兵庫県の南西部に広がる学術都市の中に、同庁による6箇所目の大規模太陽光発電所である『播磨科学学園都市太陽光第1発電所』を建設し、稼働を開始しました。

一般的な太陽光パネルの架台は金属製が多い中で、今回の太陽子発電所の最大の特徴は、太陽光パネルの架台を木製にした点です。それにより、地域の林業の活性化に成功しています。また、周辺地域の森林では間伐が進まず、2009年の夏の豪雨の際に流木の影響で被害が拡大してしまった経験がありますが、今回の架台を作るための伐採により水害の防止にも貢献することになりました。

発電能力は、5メガワットとなり、年間発電量に換算すると500万キロワットに相当します。これは、一般家庭の1400世帯分に相当する発電量です。現在播磨科学公園内の住戸は540世帯ほどですが、将来的には1800世帯が居住する計画で、その世帯の約80%の家庭の電力をカバーすることができることになります。

播磨科学公園都市内には、まだ、面積が広くて平坦な土地が多く存在しているため、今回と同様に木材の架台を使用した『第2発電所』と『第3発電所』を建設する計画も進んでいます。第2発電所は、発電能力2メガワット、第3発電所は発電能力0.6メガワットを想定しています。

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淡路島に大規模30MWの「淡路貴船太陽光発電所」が完成

2050年までにエネルギー自給率100%を目指す兵庫県の淡路島で、他に使う用途の無かった埋め立て用の土砂採取場跡地を生かして30MWの大規模太陽光発電所の稼働が開始した。

低設置角などの採用で容量も増やす

寄神建設が手がけたこの「淡路貴船太陽光発電所」の建設地はかつて阪神の港湾埋め立て用の土砂の採取場として利用されていましたが、この土地は山を削ってできた土地であることから農地や住宅地としての利用が難しく長い間土地の有効な活用方法が見つからず放置されていました。
しかし広くまとまった土地で、瀬戸内海(播磨灘)までの直線距離200メートルというアクセスのよさもあり、発電所の建設が持ち上がったということ。

高低差を生かしてモジュールを埋め込むことに成功し、敷地の4分の3に高性能の太陽光電池モジュールが埋め込まれています。設置枚数を増やすためにモジュールの架台の設置角度を10度に設定するなど工夫(低設置角)もみられています。

強風や悪天候ににも耐えられるように基礎をコンクリートにして堅固にするなど性能と機能性だけでなく安全性と耐久性にもこだわりを見せた構造になっています。

2014年12月に完成したこの淡路貴船太陽光発電所の最大出力は30MWで、年間発電量は3100万KWhを想定しています。これは一般家庭の9000世帯分の年間消費電力量に相当し、全量を関西電力に売電することになっています。
パネルはLGエレクトロニクス、pcsは富士電機を使用。

2015年には115MW超のメガソーラーが淡路島に完成

淡路はもともと全天日射量が高いことで知られている土地で、休閑地の再利用を太陽光発電所としたことは立地的にも最適の選択といえます。このほかにも休閑地を太陽光発電所として利用する土地が続出しており、出力が1MW以上のものは自治体が把握しているだけでも着工済みのものが29か所あります。すでに運転を開始しているところもそのうち24か所あり、2015年7月に全発電所が稼働した際にの合計出力は115.062MWに達するということ。

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京セラが東京センチュリーリースと”水上メガソーラー”事業、仏シエル・テール製水上架台で

世界最大級の水上メガソーラー

水上のメガソーラーの設置例が増えつつあります。
京セラは自社製太陽電池を使用し、フランスのシエル · テール日本法人株式会社シエル · テール · ジャパンから水上架台の提供を受けて兵庫県の西平池および東平池の2か所に合計2.9MWになる大規模な水上メガソーラーを建設すると発表しました。そのうち1.7MW規模になる西平池のものは水上設置の太陽光発電事業としては世界最大規模になる予定。

今回の水上メガソーラーは京セラと東京センチュリーリース株式会社によって設立された合同会社「京セラTCLソーラー」によるものです。
2012年7月に始まった固定価格買取制度後、同社はすでに11か所約21.6MWのメガソーラーの運転を開始しており、さらに17か所、合計で71.2MWの事業が開発中ということ。
メガソーラーに適した野立て用の土地はすでに成約済みのことが多く、今年中にどうしても容量を増やしたいのでしょう。今年度中には同様の水上メガソーラーを全国に60MW開発することを計画しているということです。


予想される発電量は?

兵庫県では水上太陽光発電の事例がこれまでにもあり、また県を挙げての太陽光発電事業も盛んな自治体です。平均設備利用率は全国18位の14.6%。全国平均(14.09%)を少し上回り、気候的にも比較的太陽光発電に適しています。

今回の水上メガソーラーでは2.9MWで年間約330万kWhを見込んでいるようで、設備利用率にして13%。これは全国平均とされる数字ですが、果たしてこの予想は妥当といえるでしょうか。

野立てで最適角度とされるのは30度、水上では同等の角度を確保して設置することは難しく、今回の事業では低設置角(最大の日射量を得られる角度より低い角度で設置する方法)が採用されることが予想されます。(あくまで予想)
一方で水上では、パネル温度の上昇を防ぐことが期待できます。これにより夏場の気温上昇に伴う発電量の低下を防ぐことができ、結果的に通常より発電量が増えることが期待されます。通常の屋根上発電と比較して1.1倍という実証実験の結果もあります。
(参考:太陽光発電の設置角度と発電効率

総合すると今回の事業で見込まれる設備利用率13%というのはかなり控えめな数字と考えられそうです。規模が大きいだけに、今回の水上メガソーラーの稼働状況はぜひ公開してもらいたいですね。

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兵庫県相生市の畑地で、フジプレアムの追尾型を利用したソーラーシェアリング

追尾型太陽光発電システムを製造するフジプレアム。自社の追尾型システムを利用したソーラーシェアリング実証実験も姫路市で行っていました。

今回農林水産省による太陽光発電のための農地転用の部分許可を受け、初めてフジプレアム製の追尾型システムが、実際の農地に設置されたのだそうです。

兵庫県相生市の「海のみえるやさいばたけ」は相生市農業協同組合(JAあいおい)の経営する市民農園。ここに4.4kWの追尾型システム4基を設置。容量は合計で17.6kWになります。
パネル自体は「FCT-220Y3」を使用しており、出力220W/効率15.07%の超軽量「希」シリーズを使用しています。
発電量は年間約27,000kWh、1kWあたり1500kWh/年ちょっとを予想。現在稼働中の兵庫県の平均的な発電量が1279kWhなので、実際はもうちょっと多く発電量が得られるのではないかと予想しています。

キロワット単価48万円程度なら利回り10%程度になる計算ですが、実際かかった総工費はどのくらいだったのでしょうかね?

今回はフジプレアムの追尾型によるソーラーシェアリング記念すべき第一弾ですが、実例が増えて単価が下がるのを期待したいです。

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フジプレアムについて

大成建設のZEB(ゼロエネルギービル)、環境評価で初の快挙五つ星取得!

ゼロエネルギーハウスは、太陽光発電の設置などにより建物内のエネルギー消費が正味ゼロになる住宅のことを言いますが、これは4kW程度の太陽光発電の設置で達成できるもので、ZEH仕様の家はどんどん増えている状況といえます。

さらに今後の課題の一つは、日本全体のエネルギー消費の40%を占めるというオフィスビルでのネットゼロエネルギー化、「ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)」の実現。

大成建設は6月16日、横浜市戸塚区にある同社の技術センターに新しく、ZEBを達成した実証塔を竣工したと発表。

概要は、まず消費エネルギーを従来の75%カットし、残る25%の消費エネルギー相当分を太陽光発電で作りだすことにより、エネルギー消費のネットゼロを達成しているということ。
と、言葉で言うのは簡単。しかしオフィスビルのように階層があり面積当たりの消費電力が多い建物は、25%とはいえ相当の電力量になります。
今まで国内外にZEBの実証例はあったものの、低層の建物での実現例や、建物以外の敷地で作ったエネルギーを利用する例でした。

今回の大成建設は有機薄膜太陽電池(色素増感太陽電池)を使った「発電する建物外壁ユニット」を使用し、建物本体に設置された発電設備でZEBを実現するという稀有な実例となります。採用された「有機薄膜太陽電池外壁ユニット」は、大成建設と三菱化学が共同開発したものだということ。

都心の狭小なエリアでもZEBを実現できる「都市型ZEB」の実現と位置づけられる大成建設の技術センターZEB棟、「建築物省エネルギー性能表示制度(Building Energy-efficiency Labeling System/BELS」)の評価では最高ランク「☆☆☆☆☆」を取得。

BEI≦0.5(基準一次エネルギー消費量の50%以下)で最高ランク「☆☆☆☆☆」が与えられる事になっていますが、この評価を達成したのは初で、しかもBEIERR=0.14という基準を遥かに下回る数値を叩き出したということ。

大成建設は今回の実績をオフィスビルが集中する都市部でさらに生かしていくということで、今後の大成建設による都市開発に期待が募ります。

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兵庫県の水上太陽光発電、水を抜いても稼働順調

水上に浮かべる太陽光発電の実証実験が各地で行われていますが、一足早く水上太陽光発電に乗り出していた兵庫県が、実証実験の途中経過について公表しました。

小野市浄谷町の農業用ため池の上の2つの浮きに、それぞれ80枚のソーラーパネルを設置し行われているこの実証実験。
農閑期にはため池から水が抜かれますが、今年2月下旬から3月初めにかけての水を抜いた状態での稼働でも、順調に稼働を続けているそうです。

水上の太陽光発電は、土地の有効利用以外のメリットも多いと言います。
パネルの温度上昇が水に浮かべる事よって防げることで、通常より多くの発電量が期待できるとも言われますが、この実験は2013年7月から続く兵庫県の水上太陽光発電では、実際県社総合庁舎(加東市社)屋上の発電設備と比べて約1.1倍の発電効率が得られていると言います。

とはいえ、この一例だけでは水上太陽光発電のメリットを裏付けるに足りるとは言えません。兵庫県では、東・北播磨地域のため池でも民間企業による水上太陽光発電の計画がいくつか浮上しているということ。

兵庫県の事業に民間への発展が見られ、自治体による実証実験としては好例と言えそうです。

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兵庫県赤穂市に、清水建設によるメガソーラーが完成

清水建設が100%出資した子会社、赤穂太陽光発電運営による10MWのメガソーラーが稼働開始しました。

赤穂市臨海部の西浜工業団地内にグループ企業の16万㎡(16ha)超の土地に設置された10MWの太陽光発電では、年間1181万5000kWhの発電量を見込んでいるとのこと。
40円(税抜)で売電される予定で、年間4億7,000万円超の売電収入が見込まれます。

清水建設は今後もメガソーラープラントだけでなく、陸上・洋上の風力発電、地熱発電など再生可能エネルギー関連施設の受注拡大を推進していく予定だということ。

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兵庫県のダムのり面太陽光発電

太陽光発電などの再生可能エネルギーも含めた電力自給率100%を目指す淡路島など、兵庫県は太陽光発電の推進が盛んなイメージがありますが、そんな兵庫県企業庁による太陽光発電事業に関する記事をご紹介します。

元記事

県の所有地を使ったメガソーラー事業は、11カ所の合計で26.5MW弱になりますが、中でも3カ所がダムののり面を使った太陽光発電事業であることに、記事では注目しています。

南向きの斜面はパネルを効率的に並べるのにちょうどいい場所。ダムののり面はその点でパーフェクトですよね。

また企業庁で事業者を公募する際、建設費の安さではなく、20年間の売電収入による利益の大きさを優先している点、さらに利益を推し量る際に必要となる”想定年間発電量”も、最低保障発電量を下回った場合に太陽電池を交換する事を求めるなど、事業者選定の際する基準をしっかり決めている点なども注目しており、太陽光発電事業を始めたい方には参考にしてほしいです。

日本毛織(ニッケ)のメガソーラーでは羊が除草

アメリカの中規模太陽光発電プロジェクト(いわゆるミドルソーラー)と、酪農を組み合わせたプロジェクトの記事を以前ご紹介しましたが、日本でも、羊をつかって除草するというアイデアを実践したメガソーラーがあるというニュースを発見しました。

事業主は日本毛織(ニッケ)。
自社の本業である羊毛紡績にも関係が深い”羊”を六甲山の牧場から譲り受け、「ニッケまちなか発電所明石土山」に放ちます。

グループ企業が保有していたゴルフコースの跡地22万㎡に、45億円かけて16.8MWのメガソーラーを建設するという計画は、今月に第一期分の9.8MWが完成。残り約5.8MW分も来年1月末に完了する予定。

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