長野県で市民参加型の屋根貸し事業

長野県茅野市では、2015年度から「縄文の里おひさま市民共同充電プロジェクト」が始められます。同プロジェクトでは、市民参加型の太陽光発電事業で、諏訪地方で屋根を提供してくれる「屋根オーナー」を募集しています。

茅野市を拠点に環境保全に取り組むNPO法人「共生空間」による同プロジェクトは、自然エネルギー普及に賛同する市民を募り、住宅の屋根とお金を出し合い、充電収入を分配する太陽光発電事業です。

同事業は、諏訪地域の日射量の多さと屋根という『地域資源』を活用した事業であり、上田市のNPO法人「上田市民エネルギー」が2011年度より始めた「相乗り太陽報発電事業」をベースにしたもので、連携して運営する一般社団法人「自然エネルギー共同設置推進機構」(NECO、上田市)のサポートと監修を受けて事業を展開します。

パネルオーナーは、1口10万円から事業に参加できるもので、契約期間は13年を予定しており、参加金額に加えて1割程度の売電収入が見込まれています。

参考

インリーソーラーが2MWの屋根借り太陽光発電にパネル供給

インリーソーラーが株式会社日本ベネックスによる日本最大級の屋根借りメガソーラー「ベネックス流山ソーラーポート」にパネル供給をしたと発表。
使用されるのは単結晶PANDAシリーズののモジュールで、千葉県流山市で行われるということですが、どの施設の屋根を借りるかはリリースでは公表されていません。
2MWを一括で設置できるとなると、かなり大きな屋根だと思います。

日本エコシステムが屋根借り事業「ゼロ円太陽光発電」

日本エコシステムが、屋根借りモデルの太陽光発電事業「ゼロ円太陽光発電」の開始を発表。

屋根貸し事業はSBエナジーや、神奈川県を始めとした自治体の先例があり、太陽光発電の施工会社大手である同社の屋根借り事業参入は”満を持して”という感じがします。おそらく今までは施工の依頼が多く、そこまで手が回らなかったのではないかと予想しています。

主に住宅用を対象とした補助金も終了した今年度、ちょっと落ち着いてきたところで施工実績を生かした信頼度も助け、屋根借り事業の開始。
順序としてはとても健全だと感じます。特にのロハス電力の破産問題があった後では、施工業者の信頼度はこれまでに勝って重用視されてくることかと思います。

10kW未満の設置容量でも他の設備と合わせる事で20年全量の売電をできるのが、屋根貸しのメリットでも大きな部分を占めます。日本エコシステムの「ゼロ円太陽光発電」でも、3kW程度が乗る屋根が対象となっており、最小容量の3kWでも20年の全量売電が適用されます。さらに20年の売電期間終了後は設備を譲渡されるということ。

パネルはシャープ製のみ

ひとつだけ、パネルメーカーがシャープに限定されているのが残念だなぁ、という感じ。

もちろんシャープは日本の太陽光発電システムメーカーでは老舗です。
しかし最近では、太陽光モジュールになるまえの原料を外部調達でまかなったり、パネルもOEM調達などしており、「モジュール供給量1位に返り咲き」のニュースを見ても”一位になったけれども…”と言いたくなってしまいます。

国内での一貫生産にこだわる三菱京セラソーラーフロンティアなどが選択肢としてあればもっといいのに、とはいいながらも、屋根の賃貸者により多くの配当を渡すためには、一括で同メーカーから大量に仕入れてコストを減らす方法の方が良かったのだろうと予想します。

リリース

ソーラーパワーネットワークがベイシアの33施設の屋根借りて太陽光発電事業、合計出力29MW

「屋根貸しに特化した太陽光発電企業」であるカナダの太陽光発電デベロッパーSolar Power Network(SPN)は、3000㎡以上の屋根を持つ建物を対象とし、屋根を借り受けて太陽光発電設備を設置します。
国内外合わせて、これまでに大規模屋根上太陽光発電で600カ所以上の実績を持ち、総出力300MWということ。

同社は今回、群馬県を拠点とし、関東・中部地方を中心に大型ショッピングセンターを展開する「株式会社ベイシア」の33施設を借り受け、合計出力29MWの太陽光発電施設を開発すると発表しました。

契約の詳細(賃貸料、パネルの設置場所とそれぞれの容量、パネルの種類など)は「施設の数、発電の出力とも巨大であるため(参考)」公開しない、というのはなんとも外資の企業らしいと言いましょうか。。。

とはいえ、SPNのサービス自体は信頼に足るものであるようです。

屋根を借りる際には、ただ土地を借りるだけでないデリケートな問題が生じる場合があり、その一つが「屋根の問題(雨漏りなど)や、葺き替えの際、パネルはどうするのか」というもの。
パネルの一時取り外し、再度の取り付けという作業にも無償で対応することを契約内容に含めており、屋根借り事業に徹してきたからこそ、あらゆる問題に対する対応策を持ち合わせているというのは強みのようです。

また、自治体の屋根貸事業では必須項目といえる「地域の災害対策」への対応も万全のよう。

参考

名古屋市の公共施設134件の屋根貸し事業者募集中です

名古屋市の環境局は、市内の学校施設などを含む公共施設の屋根を太陽光発電の発電事業者に貸出すと発表。

市内の392施設を対象とした屋根貸しは事業者募集を3期に分けて行われ、2期目の今回は134施設の屋根への太陽光発電設置事業者を募集するとしています。

高等学校施設は特に屋根面積が大きく、4000㎡~5000㎡といった案件も少なくありません。大きいもので体育館など含め合計の屋根面積9622㎡の工芸高等学校には、1MW弱の太陽光発電設備の設置も可能かと考えられます。

愛知県は全国的に見ても太陽光発電の設備利用率(=発電量)が高い地域で、さらに補助金制度などの充実で既に多くの設備が設置されています。(参考:全国都道府県の発電量比較

今回の大規模な自治体の屋根貸し事業は、設備容量の増加にさらに貢献しそうです。

使用料は1㎡あたり年額100 円以上。これは他の自治体でも同じくらいの水準を設けて募集しています。とはいえ前回の名古屋市における屋根貸事業では、最大で472.5円/㎡を支払うというプロポーザルも見られます。一方、キロワット換算で年間900円弱の屋根使用料で勝ち取っている事業者もいるところをみると、単に屋根使用料を多くしたところで当選できるわけではなさそう。

募集要項には評価基準や選定方法なども明記されています。
事業者の財務状況や施工実績、屋根使用料の妥当性といったところはもちろんんですが、地域貢献性などの面もばっちり評価基準ですよ!
「売電だけではない、太陽光発電事業の在り方」の好例もカテゴリーページでまとめていますので、よろしければご参照ください。

屋根貸事業・募集詳細

岡山市の屋根貸し事業者募集 – 選定されるためにはどんな提案が有効??

神奈川県の屋根貸し事業ではSBエナジーの存在感が圧倒的でした。

土地を賃貸するよりも安価に設置場所が確保でき、また自治体の施設は広い屋根を持っていることが多く、さらには傾斜屋根などの場合、地上設置に比べて設置単価が安く済むことが多いために、自治体による屋根貸しは事業者にとってはかなり「オイシイ」ことが多く、地元の太陽光関連業者さんなどは必見です。


今回は岡山市が、地域の9つの施設の屋根合計6180㎡分を貸し出して、太陽光発電を行う事業者を募集。

太陽光発電事業の実績(10kW以上)があり、岡山市内に本店や支店・営業所などがある法人などが対象。

使用料は年間100円/㎡以上で提案するということで、岡山市はこれにより年間約62万円の収入を見込みます。

これは神奈川県の例よりも高い金額設定であるとはいえ、この面積なら600kW以上は設置できると考えられます。
つまりキロワットあたり、年間1,000円程度で場所が借りられるということになります。岡山市、なんて控えめなんでしょう!

とはいっても単に「年間100円/㎡支払って、××kWの太陽光発電システムを設置します!」といった内容の提案ではおそらく当選できないと考えられます。
貸出しの建物は学校施設なども含まれているため、「生徒の環境教育」といった面や、「地域の災害・環境対策」面で独自性のあるプロポーザルが好ましく映るのではないのでしょうか。
蓄電池の採用や、一部のシステムを施設内で利用できるようにするといった提案はさらによさそうです。

興味のある業者さんはこちらから詳細をご確認ください。

神奈川県の戸建てにお住まいの方、無料で太陽光発電が設置できるチャンスです

神奈川県がすすめる「屋根貸し」の事業者が決定しました。

この事業は、神奈川県内の複数の戸建て住宅の屋根を賃貸し、設置した太陽光発電の容量を合わせて全量売電をするというもの。
事業者に対しては最大1,400万円の補助金が神奈川県から交付されます。

屋根を貸す住民に対するインセンティブや太陽光発電における実績などから、事業者は横浜市の「株式会社横浜環境デザイン」に決定。

提示されたビジネスモデルは3パターンで、希望者が選べるようになっています。

パターン1:設置時に一時金を受け取り、売電収入の1/4弱を受け取る

設置する設備容量×4万円を設置時に受け取り、その後13年目から8年間、6割の売電収入を受け取ることができるプランです。単純計算で20年間の売電100%とすると、24%が受け取れる計算。

設置時の受取金も合わせて20年間で受け取れる金額は
4kWの設置で約81万円/5kWの設置で約101万円/6kWの設置で約121万円
設備利用率12%)
ただ、13年目からとなると、出力が初めの頃と比べると若干程度落ちている可能性もあります。(ソーラーパネルの寿命と経年劣化

パターン2:設置時に一部の工費負担をし、売電収入の4割を受け取る

設置する設備容量×6万円を支払い、20年間継続的に売電収入の4割を受け取るパターン。
自費負担がある割に、自費での負担が無いパターン3と比べて受け取れる売電収入が低くなる可能性が高いためこのパターンを選ぶメリットはあまり感じられませんが、あえて言えば20年間継続的に収入が入るということくらいでしょうか。

20年間を通して受け取れる金額は
4kWの設置で約84万円/5kWの設置で約105万円/6kWの設置で約125万円

パターン3:設置時の負担および受け取り金は無し、売電収入の7割を受け取る

単純計算ではこのパターンが一番、受け取れる金額が大きくなります。
契約時は一時金の受取および負担金が無く、売電開始14年目から7年間は売電収入のすべてを受け取ることができます。
20年間を通して受け取れる金額は
4kWの設置で約94万円/5kWの設置で約118万円/6kWの設置で約141万円


神奈川県からの補助金もあり、単に屋根の賃貸をするよりも多くの収入を期待できます。
補助金の範囲内では50軒程度が設置できる見込みなので、当選すればラッキーですね!

6月後半には住民を対象に説明会もあるそうなので、興味がある方は参加してみるとよさそうです。
その際は20年後の取扱いについて、もうちょっと詳しく聞くといいかもしれません。
発表内容には「発電設備は屋根の賃貸借期間(20年間)終了後は無償譲渡(希望すれば撤去も可)」となっていますが、例えば自己負担でも、配線をし直して自宅の電力源として使うようにできれば嬉しいですよね。

それから、シリコン系のパネルよりもCISパネルの方が経年劣化が少ないと言われているため、事業で使われる予定のパネルやブランドなども聞いてみると良さそうです。

参考

楽天ら3社で太陽光発電関連SPC「RNHソーラー西日本合同会社」

※平成27年8月31日をもって楽天ソーラーは太陽光発電事業を終了しています。

楽天日本エコシステム、そしてハンファQセルズジャパンが特別目的会社設立「RNHソーラー西日本合同会社(RNHソーラー)」を設立し、太陽光発電プロジェクトを開始すると発表しました。
日本エコシステムが設備の設置工事と運用・保守、楽天がアセットマネジメントなどを行い、西日本エリアの100件程度の複数企業から屋根を賃貸し、いわゆる屋根貸しで合計3,000kW(3MW)程度の太陽光発電事業を行う予定だということ。
明記はされていませんが、ハンファQセルズジャパンはそれぞれの事業でパネル提供を行うことになると予想されます。
楽天ソーラーでは住宅用の太陽光発電システムにシャープインリーソーラー東芝などのソーラーパネルを取り扱っていますが、この事業で楽天はハンファQセルズジャパンをパートナーに選んでいます。)

第1号案件として、楽天トラベル契約施設「湯郷観光ホテルかつらぎ」に太陽光発電システム、BEMSなどが設置された実例は、楽天エナジーのホームページにも紹介されています。


さらに別件で、楽天は

平成25年3月末までに設備認定が終了している産業用太陽光発電設備(10kW以上)のうち、平成25年5月末に実際に運転を開始した設備は1割にも満たない

とし、設備認定済みで、建設が始まっていない産業用太陽光発電、規模で言うといわゆるミドルソーラーに焦点を当てています。

目の付け所がやられた〜、という感じですね。

参考

愛知県豊田市、校舎などを太陽光発電に屋根貸し

自治体が校舎などの公共施設の屋根を発電事業者に貸し付ける屋根貸し。

愛知県豊田市でも、自治体内の校舎などを使って屋根貸し事業を始めるということです。

貸し付け可能な土地の総面積は14,000㎡弱。
平成26年2月中に事業者選定を行い、稼働開始期限を9月30日までと設定し、完成後中電に売電を開始する予定です。

施設名 住所 設置可能面積
1 堤こども園 本田町本田1 約620㎡
2 梅坪小学校校舎 梅坪町1丁目5番地1 約430㎡
3 東保見小学校校舎 保見ケ丘4丁目5番地 約500㎡
4 浄水小学校校舎 浄水町南平113番地2 約390㎡
5 巴ケ丘小学校校舎 大桑町別当56番地 約345㎡
6 道慈小学校校舎 千洗町道慈382番地3 約505㎡
7 竜神交流館 竜神町新生115-2 約1194㎡
8 緑遊パーク内管理地 川面町坂下4 約1000〜10000㎡

 

参考

鎌倉市でも屋根貸し

神奈川県は県を挙げて太陽光発電を初めとする次世代型のエネルギー構想の実現に前向きな印象があります。

県の施設を使った大規模な屋根貸しで、合計2MWを超える屋根貸し事業のニュースもありましたが、神奈川県の鎌倉市でも、市内の学校施設を使った屋根貸し事業を募集するそうです。

規模は県の行うものよりは小さいですが、市内の4つの学校の屋上をプロポーザル形式で貸し出されます。
年額100円/㎡~とありますが、神奈川県の事業では実際に年額200円~315円/㎡で貸し出されたと発表されています。
県の事業は、結局SBエナジーが大部分を勝ち取りましたが、鎌倉市の事業は規模も小さいので、SBエナジーのような大手は入ってこない、かも??

発電事業だけでなく、市内の雇用拡大などにもつながるような事業者決定がされると、さらに鎌倉市にとって良い気もします。
鎌倉市で施工店を営んでいる方、募集してみてはいかがですか?