太陽電池セル発電効率、結晶型の世界最高達成は「カネカ」

太陽電池メーカーのカネカは、結晶シリコン型の発電効率において世界最高記録を達成したと発表。

記録はヘテロ接合のバックコンタクト方式太陽電池によるもので26.33%という記録は前回のパナソニックの記録を0.7ポイントも上回るものです。

太陽電池の変換効率・記録の推移グラフ

ヘテロ接合といえばパナソニックのHITが有名ですが、カネカも独自にヘテロ接合のパネルを販売しています。ただ、効率がパナソニックのものと比べて低く、市場におけるシェアも高くないことから、あまり目立ちませんでした。

世界記録についてもパナソニックやシャープによる記録更新のニュースは頻繁に見かけますが、ここでカネカが入場ということで、面白くなりそうですね。

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壁面にもソーラーパネル、防眩性・意匠性を高めたモジュールをカネカ/NEDOが実証実験

2~3階建ての住宅において、ゼロエネルギー住宅の実現は5kWもあれば可能で、既に多くの太陽光発電搭載家庭がZEHを達成していることが予想されます。

対してビルの屋上は限られたスペースのため、階層の高い場合はビル全体をまかなうほどのソーラーパネルを載せられません。

ここで注目したいのが、ビルの壁面。太陽光発電は通常、日射を直角で受けるほど発電量が上がりますが、壁面はどうしても斜入射がメインとなり、発電量が伸びないのが難点でした。

今回カネカNEDOとの共同事業としてこうした壁面を活用しながらより多くの発電量を得るとともに、弊害とされる反射光を低減させるモジュールを開発。

実用化のための実証実験ののち、2017年には商品化を目指すということです。

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カネカが効率28%の太陽電池を開発して世界最高に

薄膜型パネルのメーカーカネカは、世界最高効率の太陽光発電技術を開発したと発表。

効率が市場で人気の商品に比べて大幅に劣る薄膜型パネルを製造・販売しているカネカですが、デザイン性、意匠性といったアプローチでシェア拡大を狙うも、2014年3月期は特別損失を計上したといいます。

事業拡大のきっかけとなることが期待される新技術は韓国の成均館大学校の研究グループと開発したというもので、具体的にはレンズを使って太陽光を増幅したものを、2種類のパネルに振り分けて使うようなものだといいます。

これが「集光型パネル」に分類されるのかどうかや、種類の異なるこれらのパネルが被さる形で一枚になっているのか、など、詳しい内容はメーカーの発表を待ちたいところです。

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