シート一枚で変換効率を最大2.2%向上、日立化成の「波長変換粒子」

日立化成が太陽電池の封止シート向けに「波長変換粒子」を販売。

日東電工が開発していたものと、基本的に機能は一緒で、これまで発電には使えなかった紫外線の波長を変換することで、より多くの発電量をパネルから得られるようにするというもの。
同社が開発した「波長変換粒子」というものを通常の封止シートに添加するだけで、最大2.2%効率がアップすることが期待されるのだそう。
(ここでいう”2.2%アップ”は効率20%のパネルが22.2%になるのではなく、20% × 2.2%=20.44%になるということ)

製品の特長は

耐久性に優れたアクリル樹脂粒子内に蛍光体粒子を含有させた。封止シートに使った場合でも、太陽光パネルの耐久性を損なわず、かつ、封止シートの製造プロセスの変更も不要なため、封止シートの生産性に影響しないという

と説明されています。

パネルの発電量を上げるには、一般的にはセルの効率を上げる方法が取られ、各メーカー競って「世界最高効率のセルの開発」を行っています。
今回の製品は違う角度からのパネル変換効率の向上を試みた製品で、しかも「封止シートに添加するだけ」で、通常の生産ラインを変更したりする必要もないというお手軽さも魅力。さっそく各パネルメーカーでの導入が期待されるところ。

日立化成は、グループ企業である日立製作所が太陽光発電システムを販売していますが、使用されるシリコン系パネルはトリナソーラーのOEM製品。(他にソーラーフロンティアブランドのパネルも取り扱っています。)

パネルは外部調達し、パワコンや提携業者による施工で勝負するというのが現在の日立の戦略ですが、一部のメーカーが行っているように、モジュール組立だけ日本で行って、今回発売されたシートを使った国産パネルを販売すれば、さらに差別化が図れるんじゃないかな、なんて思います。

参考