JAソーラーの太陽光発電

世界的な太陽電池メーカーであるJAソーラーはモジュール（ソーラーパネル）の出荷量でこそ世界シェア10位（2013年）に甘んじているものの、セル（モジュールに組み立てられる前の、太陽電池の発電部分）出荷量では2010年、2011年、2012年（NPD Sularbuzz調べ）ともに世界2位の成績を誇ります。ウェハー（セルの原料）からモジュール組立まで垂直統合型の生産体制で、中国メーカーの中でもより高効率の太陽電池を製造しています。

JAソーラーは中国や日本に限らず世界中に販売拠点を持ち、大規模プロジェクトで採用されています。一例としてイギリスの大手デベロッパーへの年間で30MWのモジュール提供や、ドイツのシーメンスがEPC（設計、調達、建設）を担当したイスラエルの35MWの事業へのパネルの提供などがあります。

サンテックの破綻といったニュースをご存じの方の中には、中国のパネルメーカーに対して経営が不安定なイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。実際、製品の過剰供給に伴う価格の低下が主な原因となり、世界中の太陽光発電業界を襲った経済危機においてはJAソーラーも例に漏れず、2011年、2012年と赤字の幅を増やしていました。

しかし2013年には黒字回復、2014年第一四半期、第二四半期の業績では2013年を上回る出荷量および売上を達成しており、利益率も昨年に増して好調な経営に戻ってきています。供給量のシェアでは、2014年の前期は上位6位に入っており、年間シェアにおいても昨年の10位からさらに上昇することが予想されます。

経営の好転には、セルの生産中心からより付加価値の高いモジュールの生産中心に製造のバランスを変えていったことが功を奏しているように見えます。

JAソーラーの生産能力は年間でセル2.5 GW、モジュール1.8 GW、ウェハー1.0 GWとされますが、2013年のセルの出荷は生産能力の半分以下、モジュールの製造がセルの生産量を上回るような形になっています。さらに2014年はモジュールの割合が高まることが予想されます。

2005年5月に設立されたJAソーラーは上海に本社を持つ中国の太陽電池メーカーです。2007年はナスダック上場、米カリフォルニア州に子会社設立をしています。2009年にはドイツ支社、2012年には日本支社を設立しています。

ちなみにジャーソーラーではなく、「ジェーエーソーラー」と読みます。

JAソーラーの研究開発センター（R&D）では太陽電池の効率向上とともに量産化のための製造プロセス開発に主に取り組んでいるといいます。JAソーラーの開発した独自セルにはそれぞれに商標が登録されており、MAPLE、SECIUMSEISOLARといった名前で呼ばれます。

主に多結晶を中心に効率の記録を多く塗り替えており、最近ではユーティリティレベルではじめて効率19%超を達成した多結晶セルなども発表し、本製品を使ったモジュールの量産体制を整えているといいます。

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