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グリッドパリティとは|住宅用太陽光の発電コストとNEDOの3段階の目標

グリッドパリティとは、再生可能エネルギーの発電コストが、電力会社から買う電気の料金と同じかそれ以下になる水準のことです。NEDOは23円/kWh(家庭用電力並み)・14円/kWh(業務用電力並み)・7円/kWhの3段階で目標を示しました。住宅用の取引実績の平均価格で20年間の発電コストを計算すると4kWで約18.6円/kWh、5kWで約16.0円/kWhで、第1段階の水準は下回っていますが、第2段階には届いていません。家で使う分は買う電気(約31円/kWh)より安くなる一方、5〜10年目の売電単価(8.3円/kWh)や卒FIT後の買取単価は発電コストより安いため、収支は家で使う電気の割合で決まります。

グリッドパリティの定義と計算方法

グリッドパリティは、発電設備にかかる費用の総額を、その設備を使う期間に発電する電力量で割った「1kWhあたりの発電コスト」と、電力会社から買う電気の単価を比べて判断します。太陽光発電の場合、初期費用(パネル・パワコン・工事費など)にパワコン交換や点検の費用を足し、年間発電量×使う年数で割ると、1kWhの電気をつくるのにいくらかかるかが分かります。

この発電コストが家庭で買う電気の単価と同じかそれより安ければ、発電した電気を家で使うほど、電気を買うより得になります。これがグリッドパリティに達した状態です。

  • 発電コスト(円/kWh)= 費用の総額 ÷(年間発電量 × 使う年数)

NEDOによる3段階のグリッドパリティの目標

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、2004年の「2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(PV2030)」で太陽光発電の発電コストの目標を段階的なグリッドパリティとして示し、2009年の見直し(PV2030+)でもこの考え方を維持しました。第2段階は2020年に業務用電力並みの14円/kWh、第3段階は2030年に事業用電力並みの7円/kWhが目標です。2014年の「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」も、2020年に14円/kWh、2030年に7円/kWhの目標を掲げています。

この表はNEDOが示したグリッドパリティの3段階と、住宅用太陽光の発電コストとの比較です。
段階 目標の発電コスト 住宅用太陽光の発電コストとの比較
第1段階
(家庭用電力並み)
23円/kWh下回っている(4kW 約18.6円・5kW 約16.0円)
第2段階
(業務用電力並み)
14円/kWh
(2020年の目標)
届いていない(5kWで約16.0円)
第3段階
(事業用電力並み)
7円/kWh
(2030年の目標)
届いていない

住宅用太陽光の発電コストの試算

1kWあたりの価格を25・28・32万円と仮定した4kWと、一括見積もりの取引実績の平均価格の4kW・5kWで、20年間の発電コストを計算しました。

この表は住宅用太陽光発電の20年間の発電コストの試算です。
容量と価格 初期費用 20年の発電コスト
4kW
(1kWあたり25万円と仮定)
約100万円約16.6円/kWh
4kW
(1kWあたり28万円と仮定)
約112万円約17.9円/kWh
4kW
(1kWあたり32万円と仮定)
約128万円約19.6円/kWh
4kW
(取引実績の平均・1kWあたり29.8万円)
約119万円約18.6円/kWh
5kW
(取引実績の平均・1kWあたり26.4万円)
約131.9万円約16.0円/kWh

どの場合も、発電コストはNEDOの第1段階(23円/kWh)を下回り、第2段階(14円/kWh)には届きません。

電気料金・売電単価と発電コストの比較

家で使う電気の単価と、売る電気の単価の両方と比べると、発電コストの意味が分かりやすくなります。5kW・取引実績の平均価格の発電コスト(約16.0円/kWh)と比べると、次のようになります。

この表は電気料金・売電単価と、太陽光発電の発電コスト(5kW)の比較です。
比べる単価 1kWhあたり 発電コストとの差
家庭の電気料金の平均的な単価の目安
(回収年数の試算に使う単価)
31円発電コストより約15.0円高い(家で使うと得)
大手電力の家庭用の電気料金単価の平均
(2015〜2024年度・税込)
約27.9円発電コストより約11.9円高い
NEDOの第1段階
(家庭用電力並み)
23円発電コストより約7.0円高い
住宅用FITの売電単価
(1〜4年目)
24円発電コストより約8.0円高い
住宅用FITの売電単価
(5〜10年目)
8.3円発電コストより約7.7円安い(売ると発電コストに届かない)
卒FIT後の買取単価
(大手電力10社の標準)
7〜9円発電コストより約7.0〜9.0円安い(売ると発電コストに届かない)

グリッドパリティに達すると何が変わるか

家で使う分は電気を買うより得になる

発電コストが家庭の電気の単価を下回っているため、発電した電気を家で使うと、その分だけ電気を買うより安く済みます。電気料金の単価が上がるほど、この差は大きくなります。

売る分は発電コストを下回る

住宅用FITの5〜10年目(8.3円/kWh)や卒FIT後の買取単価(大手電力の標準で7〜9円/kWh)は発電コストより安いため、売った電気だけでは発電コストに届きません。最初の4年(24円/kWh)は、発電コストより高い単価で売れます。

卒FIT後は家で使う電気の割合が収支を決める

11年目からは売電単価が下がるため、家で使う電気の割合(自家消費の割合)が高いほど収支はよくなります。蓄電池やV2Hで自家消費を増やす方法もありますが、機器の費用が別にかかるため、費用と効果を合わせて検討してください。自家消費の割合で回収年数がどう変わるかは太陽光発電の投資回収年数で試算しています。

ご自宅の条件で発電コストを確かめる

発電コストは初期費用と発電量で決まります。複数の施工店の見積もりで、ご自宅の屋根に載る容量・総額・発電量の試算を比べてください。

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