カナディアンソーラー、ブラジルで3つのメガソーラープロジェクト受注、出力は合計で114MW

カナダのカナディアン・ソーラーは、Solatio社と提携してブラジル連邦共和国のミナスジェライス州バザンテに3件の大規模太陽光発電所を開発と建設を行います。Solatio社は、早期からブラジルで太陽光発電技術の開発に着手していた、ノウハウ豊かな太陽光発電システムのリーダー的な存在の会社です。

3件の大規模太陽光発電システムの合計の発電量は114MWになり、1MWh当たり216.12レアルで20年間販売する契約をブラジル政府機関と提携しています。
カナディアン・ソーラーの会長兼CEOのショーン・クゥ博士は、カナダで培った太陽光発電の経験を活かして、ブラジルにて差別化のできるビジネスサイクルの拡大を狙いたいとコメントしています。また、カナディアン・ソーラーの技術力を証明し、世界中の太陽光エネルギーの需要拡大につながるだろうともコメントしています。
一方、Solatio社のベドロ・ヴァクー氏は、ブラジルの地域産業や国への深い知識を生かして、ブラジルのえねるびー分野での成功を狙いたいとコメントしています。また、カナディアン・ソーラー社とSolatio社の提携契約は、ブラジルでの大規模太陽光発電所の開発プロジェクトにおいて、完璧な組み合わせだともコメントしています。

参考

ワールドカップブラジル2014のスタジアムにはメガソーラーがずらり

ワールドカップが開幕し、教育や医療制度に満足できない市民による反動の不安が残る中、ブラジルは開幕に向けて一つ誇っていい功績がある。それは、スタジアムへのソーラーパネル設置による環境貢献の功績だ。というのはPVマガジン。

トーナメントが行われる12会場のうち3つの会場屋根にはすでに大規模なソーラーパネルが設置されており、さらに2つの会場で太陽光発電設置の計画があるといいます。

稼働中のスタジアム屋上太陽光発電システム

スタジアムへのパネル設置が、国民の最低限の生活の確保以前にするべきことなのかどうか、というのは別の議論の際にして、

マラカナスタジアム(photo via pv magazine)

マラカナスタジアム(photo via pv magazine)

現在、レシフェのアレナ・ペルナンブーコにはインリーソーラーのパネルが1MW、7月13日に予定される決勝戦の戦場ともなるリオデジャネイロのエスタジオ・ド・マラカナンには同じくインリーソーラーが400kW、ベロオリゾンテのエスタディオ・ミネラオにはポルトガルのMartifer Solar(マルティフェル・ソーラー)のパネルが1.4MW設置されています。

マラカナスタジアム(エスタジオ・ド・マラカナン)の400kWのシステムで、年間500MWhを見込み(1250kWh/kW、設備利用率は14.27%で日本平均の約1.1倍)、スタジアムに必要な電力の3%がそこから供給されるということ。

写真は改修前のマラカナスタジアム。(ウィキペディアから)
ブラジルに今すぐ行きたくなる写真です。

worldcup_brazil

これから建設予定の太陽光発電システム

国立スタジアムMane Garrinchaは、2.5MWにもなるパネルをワールドカップ後に設置の予定。
「これが完成すると世界で初めてエネルギーの自給自足を可能なスタジアムになる」と報道担当は言っていますが、これは出力ベースの話で、蓄電池などを設置しないと完全な自給自足は不可能かと思われます。

ちなみに2.5MWで2000世帯の電気をまかなえるそうなのですが、一世帯130kWhの計算になり、日本平均の半分以下ということになります。
アメリカは日本の4倍ほどの電力を使っていることから「日本の家庭は省エネが進んでる~」なんて思いがちですが、生活の水準が違えどまだまだ家庭内でできることがありそうです。

サルヴァドールのアレーナ・フォンチ・ノヴァにも、ワールドカップ後に500kWの太陽光発電設置計画があると発表されています。
3000人の人口が消費する電力に相当する750MWhを生産できるこの屋上太陽光発電の建設には550万ブラジルレアル(約25.1億円)が必要だとしています。
日本の太陽光発電の価格相場と比べても高めの予算ですが、伸縮性のルーフへの特殊な素材のパネルを採用するつもりのためだと考えられます。
これによってスタジアムの10%の電力消費を節約できるとしています。

いままでで一番グリーンなワールドカップだけど…

イギリスのNGOであるPractical Actionの会長サイモン・トレース氏は、

FIFAが歴史上一番グリーンなワールドカップの開催のために多くの資金を費やした事実は評価されるべきであるが、一方でこれらのスタジアム一つ分ほどの太陽光発電設備も擁さない国があることも事実だ。
ボスニアヘルツェゴビナ、クロアチア、カメルーン、コロンビア、コスタリカ、エクアドル、ホンジュラス、イラン、コートジボワールそしてウルグアイは、国内の太陽光発電設備の総容量がMane Garrinchaに建設予定の2.5MW分にも満たない。

といいます。

他にも、「これまでのワールドカップに比べて太陽光発電の設置が遥かに増えているのは確かだけど、使いすぎているとされる115億ドルもの予算に対しては、合計出力5.9MWとはあまりに少ない容量に見える」
という声もあります。
参考

次はブラジルがアツい?


ブラジルの太陽光発電に関して、景気の良いニュースが続けて出ていました。

ひとつは、太陽光関連会社であるReal Solar、Enerbra Indústria e Commercio de Paneis SolarそしてReal Solar, Bacilieri Equipamentos Elétricosの3社が総額3億7700万米ドル(約300億円)をブラジルのリオグランデ州に投資するとい話題。

Real Solarは5千万ドルを投資し、Amezに240MWの太陽光発電施設を建設。
Bacilieri Equipamentos Elétricosは3億800万ドルかけて、合計200MWになる施設を建設。
Enerbra Indústria e Commercio de Paneis Solarは1900万ドルを、Río Grande中の太陽光発電施設開発の為に投資するということです。

参考

そして、ブラジルとフランスが太陽光発電で協力関係を結ぶという話題。
フランスは、ブラジルが国内における製造体制を整えるための手助けをするようです。
ポリシリコンの生産から、モジュール組み立てまで一貫して国内で製造できることを目標にしているようで、その実現可能性について2013年の第1四半期までに研究を進めるそうです。

生産拠点がブラジルにできると、中南米での太陽光発電はさらに進みそうですね!フランスが手助けするというのも、注目したいです。
フランスは国内の累積導入量こそドイツやイタリアにはかなわないものの、着実に設置量を増やしつつある、と言う感じです。

参考

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↑ ↑各メーカーのパネルの発電量が気になる方は上記サイトが一番お勧め!実際に設置しているご家庭のナマの発電状況が閲覧できます

各国の太陽光発電累積設置量・最新情報

各国の導入状況が発表され次第、随時更新していきます。参考までに各国の総電力需要に占める太陽光発電の割合も併せて掲載しています。なお、地域によって太陽光発電の設備利用率は異なりますが、平均的な設備利用率が把握できる国については表中の数字を使ってご案内しています。それ以外の国については日本の設備利用率13%(1kWあたりの年間発電量1140kWh)で計算してご案内しています。

国名 累積設置量 国の電力需要(MW) 設備利用率 太陽光割合 データ更新月 URL
中国 43,530 MW 5,463,800,000 16% 1.1% 2015年12月 参考
ドイツ 39,700 MW 582,500,000 11% 6.6% 2015年末 参考
日本 34,347 MW 859,700,000 13% 4.6% 2015年12月 参考
アメリカ 25,910 MW 4,686,400,000 17% 0.8% 2015年12月 参考
イタリア 18,920 MW 307,200,000 8.0% 2015年12月 参考
フランス 6,580 MW 462,900,000 14% 1.5% 2013年6月 参考
スペイン 5,440 MW 249,700,000 16% 3.2% 2015年12月 参考
オーストラリア 5,093 MW 2015年12月 参考
インド 5,048 MW 938,823,000 19% 0.9% 2015年12月 参考
イギリス 3,510 MW 323,300,000 10% 2.5% 2015年12月 参考
韓国 3,421 MW 2015年12月 参考
ベルギー 3,250 MW 84,780,000 4% 2015年12月 参考
ギリシャ 2,610 MW 59,530,000 7.4 % 2015年12月 参考
カナダ 2,500 MW 2015年12月 参考
チェコ 2,085 MW 59,260,000 3.5% 2015年12月 参考
オランダ 1,570 MW 112,500,000 1.2% 2015年12月 参考
タイ 1,444 MW 2015年12月 参考
台湾 1,176 MW 2015年12月 参考
南アフリカ 1,122 MW 2015年12月 参考
パキスタン 1,000 MW 2015年12月 参考
オーストリア 937 MW 65,670,000 12.7% 1.5% 2013年11月 参考
イスラエル 870 MW 2015年12月 参考
チリ 854 MW 2015年12月 参考
デンマーク 789 MW 32,070,000 10.8% 2.3% 2015年12月 参考
ポルトガル 454 MW 48,270,000 14.5% 1.2% 2015年12月 参考
アルジェリア 300 MW 2015年12月 参考
メキシコ 205 MW 2015年12月 参考
スロベニア 195.6 MW 14,700,000 1.5% 2012年11月 参考
フィリピン 156 MW 2015年12月 参考
サウジアラビア 100 MW 2015年12月 参考
ブラジル 69 MW 2015年12月 参考
アラブ首長国連邦 24 MW 2015年12月 参考
エジプト 16 MW 2015年12月 参考

イタリア、ドイツは全体から見た割合も高く、「太陽光先進国」と言われるだけあります。
チェコも、経済的に無理をしてでも導入促進をしているだけあって、割合的には日本を大きく上回っています。

ブラジルいっきに793MWの太陽光発電依頼・史上最多!

34カ所、合計出力にしてなんと793MWものメガソーラープロジェクトの建設申請がここ数日の間にいっきに届いたと、ブラジルの国営エネルギー管理局(ANEEL)が報告を出しました。これはこれだけの短期間では最大の申請数数だった、ということです。
以下がその内訳です。
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  • Vila Energia Renovável(合計194MW)
    バイーア州に10か所、いずれも独立型システム
  • Braxenergy Desenvolvimento de Projetos de Energia(合計150MW+13MW)
    同じくバイーアのイタグァスー・ダ・バイーア州に5か所、サンパウロに1か所
  • Solares Empreendimentos Energéticos(合計90MW)
    ミナスジェライス州に3か所
  • Caraça Solar Energia SPE(合計60MW)
    パライバ州に2か所
  • Bioenergy Geradora de Energia(152MW)
    バイーア州ボン・ジェズス・ダ・ラパに8か所
  • Angico Solar Energia SPE(30MW)
    パライバ マウタ州
  • Solyes Geradora de Energia(合計44MW)
    バイーア州に2か所
  • Murion Solar Energia SPE(30MW)
    バイーア州
  • Brejuí Solar Energia SPE(30MW)
    リオグランデ・ド・ノルテ州

計793MW
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Bioenergyの社長Sérgio Marquesは、ブラジルは太陽光発電開発において少々遅れを取っていることは認めながらも、有望な市場であることに間違いないという考え。
Bioenergyはこの8月に、ブラジルで初めてオークション形式で太陽光発電の電力購入者を募った発電事業者です。

この「いっきに」提出されたというのは、ブラジルの急成長市場の将来性を示すものなのか、単にそれぞれの業者が同時期に、まとめていっきにプロジェクトの申請を出しているだけなのか分かりませんが、このスケールの大きさはやはりすごいですね。
ブラジルでも東端のバイーア州での建設が多くを占めています。

参照元