新エネルギーの割合、日本は世界水準以下

福島第一原発以降、太陽光発電を中心に新エネルギー(太陽光、地熱、風力など)が増えてきてはいるものの、これら新エネルギーが占める全発電設備の割合は、世界における水準を下回っているそうです。
太陽光発電先進国のドイツで14.7%はさすがですが、スペインも18.5%とドイツより高い水準なのですね。

スペインは太陽光発電に加えて太陽熱も普及が進んでおり、2013年7月の時点で1950MWの発電容量があるのだとか。
しかもスペインは日射量も多いことから、稼働率(容量あたりで発電できる電気の量)も大きくなります。
さらに風力発電が2012年12月時点で22,784MWあり、米国、ドイツに次ぐ世界3位の規模なのだそう。

風力1位の米国は、4.4%が新エネルギー、英国は6.2%ということですが、気になる日本と言えば、わずか”1.6%”!

「福島で事故が起きるまで原発を増やし続けてきた」ツケだという東京新聞による記事。耳の痛い話です。

isofotonが日本でメガソーラー!お国のスペインの太陽光事情は?

近年では南米でさかんに大規模メガソーラー事業を行っているイソフォトンisofoton)。スペインの企業で、太陽光セル・パネル製造メーカーであると同時に発電事業も行っています。今回このisofotonが、日本に合計44MWのメガソーラーを建設する計画を発表しました。

isofotonの拠点スペインでは、太陽光発電設備は2004年から徐々に増え始め、2008年を境にまたプロジェクト数は下降するというゆるやかなブームをたどって、すでにグリッドパリティも達成したという事情もあり、地上設置の場合は売電価格は0.1655米ドルにまで下がっています。(参考)25年間の売電期間とはいえ、日本の売電価格と比べると収入は半分程度に下がってしまうことになります。

isofotonの事業の申請はすでに昨年度中に済ませていたようで、平成24年の42円の売電価格の適用される予定。

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ちなみにスペインでは、20kW以上の屋根上設置型の設備に対しては0.3608ドルが25年と、実は日本以上に寛大な売電価格が設定されているのです。
BIPV=building-integrated photovoltaics(建物一体型太陽光発電)に対してはさらに0.3838ドルにまで単価が上がります。

そして、地中海に面したスペインでは、日本の平均的な年間発電量1050kWh/kWに比べて、約1.7倍の1800kWh/kW近く発電量が得られる地域もあります。

それでも日本に進出してくるという事は、スペインの建物事情が絡んでくるのでしょうか。

各国の太陽光発電累積設置量・最新情報

各国の導入状況が発表され次第、随時更新していきます。参考までに各国の総電力需要に占める太陽光発電の割合も併せて掲載しています。なお、地域によって太陽光発電の設備利用率は異なりますが、平均的な設備利用率が把握できる国については表中の数字を使ってご案内しています。それ以外の国については日本の設備利用率13%(1kWあたりの年間発電量1140kWh)で計算してご案内しています。

国名 累積設置量 国の電力需要(MW) 設備利用率 太陽光割合 データ更新月 URL
中国 43,530 MW 5,463,800,000 16% 1.1% 2015年12月 参考
ドイツ 39,700 MW 582,500,000 11% 6.6% 2015年末 参考
日本 34,347 MW 859,700,000 13% 4.6% 2015年12月 参考
アメリカ 25,910 MW 4,686,400,000 17% 0.8% 2015年12月 参考
イタリア 18,920 MW 307,200,000 8.0% 2015年12月 参考
フランス 6,580 MW 462,900,000 14% 1.5% 2013年6月 参考
スペイン 5,440 MW 249,700,000 16% 3.2% 2015年12月 参考
オーストラリア 5,093 MW 2015年12月 参考
インド 5,048 MW 938,823,000 19% 0.9% 2015年12月 参考
イギリス 3,510 MW 323,300,000 10% 2.5% 2015年12月 参考
韓国 3,421 MW 2015年12月 参考
ベルギー 3,250 MW 84,780,000 4% 2015年12月 参考
ギリシャ 2,610 MW 59,530,000 7.4 % 2015年12月 参考
カナダ 2,500 MW 2015年12月 参考
チェコ 2,085 MW 59,260,000 3.5% 2015年12月 参考
オランダ 1,570 MW 112,500,000 1.2% 2015年12月 参考
タイ 1,444 MW 2015年12月 参考
台湾 1,176 MW 2015年12月 参考
南アフリカ 1,122 MW 2015年12月 参考
パキスタン 1,000 MW 2015年12月 参考
オーストリア 937 MW 65,670,000 12.7% 1.5% 2013年11月 参考
イスラエル 870 MW 2015年12月 参考
チリ 854 MW 2015年12月 参考
デンマーク 789 MW 32,070,000 10.8% 2.3% 2015年12月 参考
ポルトガル 454 MW 48,270,000 14.5% 1.2% 2015年12月 参考
アルジェリア 300 MW 2015年12月 参考
メキシコ 205 MW 2015年12月 参考
スロベニア 195.6 MW 14,700,000 1.5% 2012年11月 参考
フィリピン 156 MW 2015年12月 参考
サウジアラビア 100 MW 2015年12月 参考
ブラジル 69 MW 2015年12月 参考
アラブ首長国連邦 24 MW 2015年12月 参考
エジプト 16 MW 2015年12月 参考

イタリア、ドイツは全体から見た割合も高く、「太陽光先進国」と言われるだけあります。
チェコも、経済的に無理をしてでも導入促進をしているだけあって、割合的には日本を大きく上回っています。

ドイツなど・グリッドパリティ達成(太陽光発電のコストと一般電気料金が同等に)

グリッドパリティとは

ヨーロッパのエネルギー関係企業や施設などが参加するPV parityプロジェクトが発表したところによると、ドイツ南イタリアオランダそしてスペインで、太陽光発電のコストが住宅用の電気料金と同等になったそうです。
これに次いで北イタリアポルトガルオーストリアが2年以内にグリッドパリティを達成すると予想されています。

さらに10年後には目標とする11か国(上記の他に、ベルギー、チェコ、フランス、ギリシャ、イギリス)すべてでグリッドパリティになると言います。

先週には国際再生可能エネルギー委員会(IRENA)が、「太陽光モジュールの急速な価格低下により、世界の複数の地域で、近日グリッドパリティの達成がみられる」という発表をしていました。

いよいよここからが注目したいところですね。

グリッドパリティを達成するとつまり、電力会社から電力を購入するよりも太陽光発電を導入したほうがおトクという状態になるので、補助金なしに自然と普及が進む状況になったと考えられます。

グリッドパリティ達成後、太陽光発電の普及がどれくらいのスピードで成長するのか、あるいはしないのか。
日本も数年後には同じ状況になることが大いに考えられるため、ヨーロッパの状況がさらに気になるところです。

スペインのエネルギー供給における太陽光の割合は先月から下落して3.2%


スペインの国家エネルギー委員会(CNE)は、国内の9月の太陽光発電システムから供給された電力量が、先月の3.9%から下回り3.2%にとどまったという結果を発表しました。

9月には新たに190件、合計21MWの容量の太陽光発電システムが加わったことも踏まえると、期待を大きく下回る結果であることが分かります。

スペインには9月現在で58,794件、合計4,348MWの容量を持つシステム(おそらく系統連系のみの数値)が設置されており、9月には674GWhの発電量が得られたという事です。
(それでも日本の平均発電量に比べて、キロワット当たり約1.8倍もの発電量が得られるので、かなり太陽光発電には適した土地であることには変わりないのですね)

この発電量に対して支払われたFiTの支払額は1億2100万ユーロにのぼるそうです。一人当たり約270円、月の電気代に上乗せされているという事ですね。
このFiTに支払われた金額で単価を割出すと、キロワット当たり約0.18ユーロ(約19円)の買取価格になります。(スペインは地上設置と屋根上設置、またシステム量による買取価格に倍以上の差がある)

参照元

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↑ ↑各メーカーのパネルの発電量が気になる方は上記サイトが一番お勧め!実際に設置しているご家庭のナマの発電状況が閲覧できます
 
 

世界の太陽光開発業者紹介【Gestamp Solar(スペイン)】

自動車メーカー”ルノー”の拠点に合計59MWのシステムを導入したり、南アフリカの再生エネルギー独立発電プログラム(REIPPP)にも融資するなど、国際的な大プロジェクトに関わっているGestamp Solar。(各プロジェクト詳細については、Gestamp Solarのタグで一覧が見られます。)

拠点はスペインのマドリッドで、Corporación Gestampの再生可能エネルギー開発部のGestamp Renewablesの子会社です。このほかにGestamp WindGestamp Biomassが同じ子会社として設立されています。

Gestamp Solarが2011年に開発した主なプラントは

    完成

  • Murcia(スペイン)34MW
  • Carrasparra (スペイン)20MW
  • Barcelona(スペイン)8MW
  • Monteruga (イタリア・プーリア)9.2MW
  • Sicilia(イタリア)7.9MW
  • Sant’ Agata Bolognese(イタリア)1.1MW

※ランボルギーニの施設の屋根への取り付け。かっこいいです!ルノーのプロジェクトもこれを参考にしているのかもしれませんね!

    開発中

  • Murcia(スペイン)400MW

Gestamp Solarは日本の屋根設置型システムを開発するという事も発表しています。(記事
日本の環境経営戦略総研が物件紹介をし、Gestamp Solarがシステム開発、運営を行います。
日本各地のスーパーマーケットや物流施設などの広範な屋根を利用して、2013年のうちに30MW規模の展開を目標としているそうです。

大規模な屋根置型システムに加え、地上設置のシステムの開発も強いこの企業。ニーズがあればいくつもの国境を軽く飛び越えるフットワークの軽さは頼もしいですね。

Gestempの主なプロジェクトも、世界のメガソーラープロジェクトマップに随時追加していきます!

参照元

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世界のソーラー事情の歴史?

日本のメガソーラー建設は今年7月の固定価格買取制度が始まってから、急速に注目を浴びるようになりました。
SBエナジーや三井不動産など、これまで社会貢献の意味合いが強かった太陽光発電の設置は、「事業」として成り立つ投資先として、大手の企業が競って建設を始めています。

日本に先立って海外ではすでにメガソーラー建設が盛んに行われていました。現在の日本は、エネルギー事業とは関係のない業種である会社の太陽光発電の建設が主に行われていますが、海外では「太陽光発電事業」がメインの企業が多く存在します。
日本では再生可能エネルギーの開発・運営で「ユーラスエナジー」が有名ですが、この会社はこれまで風力発電を主に行っており、世界で2GW以上の施設を運営しています。今年に入ってからは、比較的大きい規模の太陽光発電施設の国内への建設も進めています。

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Sky Solar(中国

中国を拠点とするスカイソーラーは、国内に限らずチェコ、ブルガリア、カナダ、ドイツ、スペインギリシャ、チリ、そして日本にもメガソーラーを建設しており、建設中も含めると250MW近くになります。(内訳については「世界のソーラープロジェクトマップ・一覧」参照)
さらにスカイソーラーは、中国の新疆ウイグル自治区での大プロジェクト(800MW)の第1段階となる60MWの施設の建設も行っています。

新疆ウイグル自治区(Xīnjiāng)では、スカイソーラー以外にも「JCS Solar」「大唐新疆発電」など、国有企業と民間企業の約10社との間で太陽光プロジェクトの交渉を進めてきたといいます。
その背景には、豊富な資源と土地、また平均的な日照時間が2500時間から3550時間と国内でも2位の日照に恵まれた土地で、スカイソーラーの大規模プロジェクトでは新疆ウイグル自治区内のゴビ砂漠の活用をしています。

スカイソーラーの代表Weili Suの言葉

我々の世界規模の事業の中でも中国は非常に重要な位置を占めています。
中国当局の政策と太陽光事業の方針を重んじ、国内により広域な太陽光発電の施設を展開していきたいと思います。

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PROINSO(スペイン)

スペインを拠点とするPROINSOは太陽光発電の販売会社です。
1KW程度の小規模なものからMWクラスまで全世界に展開しており、2004年から2011年までで累計1.1GWを販売しました。

PROINSOのプロジェクトを見ていると、ここ5年で太陽光発電はどのように普及していったのかが垣間見えます。
拠点のスペインから出発し、イタリア、ギリシャと、地中海地方の国を中心に事業を拡大しているところを見ると、やはり地中海周辺の気候は太陽光発電に向いているのでしょう。

拠点のスペインは2004年から徐々に増え始め、2008年を境にまたプロジェクト数は下降するという緩やかなブームであったようです。
数キロワット規模からメガソーラーまでまんべんなく建設されています。

ギリシャにはPROINSOは2009年ころから進出しています。2012年までコンスタントに中規模施設が建設されていますが、100KW程度のものが多く、大規模なメガソーラ―を建設する環境は整っていないようです。

イタリアで本格的に建設が始まったのは2009年。拠点のスペインを凌ぐプロジェクトが建設されました。2010年には前年以上の施工が行われ特に220KWから235kWの間の施設が多数建設されています。(補助金の関係で一番おトクになりやすいシステム容量だったと予想します)
その後2011年には一気に建設数が減り、逆に1MWを超えるメガソーラーの建設が目立っています。
2012年にはPROINSOはイタリアから手を引いているようです。

かつてソーラー大国と言われたドイツでも、2009年、2010年にいくつか関わっています。

ちょうど今年、累計の太陽光発電の系統連系数がイタリアがドイツを抜きましたが、PROINSOのプロジェクト履歴を見ても、この逆転は2009年から2010年のイタリアでのブームの影響を直に受けているとわかりますね!

昨年の日本の地震の影響で太陽光発電を考える住宅が増え、今年の7月からメガソーラーの建設が本格的になってきたことを見ると、1,2年後には日本がイタリアの位置にいることになるのでしょうか。

PROINSOはアメリカでも東西海岸を中心に2009年から進出しており、今年に入ってからはアメリカ大陸を南下してチリなどにも建設をしています。
スペイン語圏という事でか、PROINSO以外にもスペインの大手太陽光業者の南アメリカ進出が今年は目立っています。

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日本の企業の海外進出も進んでいますが、さらに世界の各地で太陽光発電の重要性が増してきそうですね!

参考

ペルーに相次ぐメガソーラー建設・40MW級が2つ完成

ペルーは去年あたりから大規模なメガソーラーの建設ラッシュだったのですね!それらがどんどん完成していき、系統供給を始めています。

今月29日には、ペルーのアレキパ地方のMajesとLa Joyaの2地域に合計44MWのメガソーラーが完成しました。
スペインの大手太陽光発電企業T-Solarが事業主となり、2010年に交わされた20年のアレキパ地方での発電事業の契約に則っての建設でした。

パネルはT-Solarの薄膜型アモルファスシリコンパネル。44MW年間80GW分の発電量が得られるとのことです。
日本では1kW当たり年間1000kWh。
ペルーでは1kW当たり1800kWhもの発電量が得られるのですね!

ちなみに日本の標高と同じくらい(10m以下)のドバイでは、日照時間1.77倍で約1700kWhの年間発電量が得られているのに対し、アレキパ地方(1500~2000m)ではドバイと日照時間は大して変わらないか少し少ないくらいなのに、1800kWhの発電量が得られているという事は、標高が高いところだと太陽との距離が多少近くなり、より太陽光発電に適しているということになりますね!
参照サイト

ちなみに年間80GWの発電量は8万人分の電力消費を賄えるという計算だそうです。
日本では年間1人約1437kWhの電力を使いますが(電気代で月2,400円程度)、上記の計算だとペルーは一人年間1000kWhの電力消費量(家庭内)という事になります。

参考記事

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ペルーには今月中旬にも、同規模の太陽光発電所が完成しています。
T-Solarと同じくスペインの施工会社、Solarpackと、Gestamp Solar S.A.に加え、地元の施工会社が関わり、2010年から建設を始めていたプロジェクトだそうです。
ペルー南部のタクナ(Tacna)とモケグア(Moquegua)の2県にそれぞれ20MWずつ。モジュールは中国のインリーグリーンソーラーのものです。

参考記事

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Solarpackはもう一つ、モケグア(Moquegua)に近い場所に16MWのプロジェクトの依頼も受けており、これは2014年完成の予定です。
参考記事

ソーラーフロンティア、メキシコの大規模太陽光発電所に1.5MW供給のすごいところ

ソーラーフロンティアメキシコの大規模太陽光発電所に1.5MWのパネルの提供を行われたと発表がありました。

  • プロジェクト名:セロ・プリエト・プロジェクト(メキシコ・セロ・プリエト)
  • 事業主:CFE(メキシコ国営の電力会社)
  • 施行:イべリンコ社(スペインの。世界最大級のエネルギー供給会社Iberdrolaの傘下)
  • 規模:5MW(うち1.5MWをソーラーフロンティアが供給)
  • 稼働開始予定時期:2012年末

注目点は

  • ソーラーフロンティアのモジュール提供は南米で初!
  • 完成すると2012年時点でメキシコ最大級
  • 世界的に有名なイベルドローラ社の事業への参加


といった点です。
メキシコの国家主導で行われ、世界的に知名度も大きなエネルギー供給会社であるIberdrolaが関わるプロジェクトであるため、世界中から集まる注目もより大きいと考えられ、その中で「低コストで高い実発電量を実現」できることを証明できれば大きな進展となりそうです。

世界各地でソーラーフロンティアの活躍が続いています。
〝CIS太陽電池″という比較的新しい技術で、先を行く同社。
「熱に強い」「実発電量が多い」また製造の過程での「環境負担も少ない」ことに加え、「低資源に抑える運送技術」も好評化を受けています。
さらに展開商品を絞った生産などにより、「キロワットあたりの価格が安い」ことも魅力的です。
施工販売業者の販売価格を比べると、ソーラーフロンティアのCISパネルは、なんと「安さ」で勝負の楽天ソーラーのシャープ製パネルと同等価格です。

昭和シェルの子会社という事もあり、海外展開はお手の物。ますます期待が高まりますね!

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ソーラーフロンティア:プレスリリース