GSユアサ、蓄電池搭載のパワコン販売

GSユアサはパワーソーラーIIIの販売を開始しました。
パワーソーラIIIは、出力4.5kWのパワーコンディショナーにLiイオン蓄電池を搭載したもので、災害時などの電力網が停電したときでも、安定した電極を供給することができます。
太陽光で発電した電気を充電しておくことにより、曇りの日など太陽の日が無いときでも電力供給できるのも特徴です。

気になる価格は?

搭載するLiイオン電池は3タイプあり、4.2kWh(454万円)・8.4kWh(665万円)・12.6kWh(887万円)と少しお高いですね。例えば8~9kWの太陽光発電にパワーコンディショナを付ける場合4~5kWを2台使うことが多いですが、2台分で希望小売価格60~80万円程度。これに600万円プラスして蓄電池がついてきます、と言われても、むしろ蓄電池を別に購入する方が安くなる場合が多そうなので、本当に買う人がいるのか疑問です。
販売目標も控えめで、初年度100台としています。GSユアサもさすがにじゃんじゃん売れるとは思っていないみたいですね。

新しい価値の提案になるか?

ただこの製品で重要だと思うのは、パワコンと蓄電池をくっつけるという今までなかった提案をしていることです。

通常の蓄電池システムも、バッテリーと充電器がくっついた製品となっていますが、パワコンがこの充放電をコントロールできる機能も持つことによって、家のエネルギーマネージメントが効率的で快適に行えるような状況が確認できれば、こうした製品構成が近い将来のスタンダードになることも考えられます。

実証実験などでの導入も期待したいですね。

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経産省エネ庁、蓄電池の実証実験のために300億円の予算を計上

経済産業省の資源エネルギー庁によると、太陽光発電の系統連携保留問題の解決とさらなる再エネ設備の導入にむけて、今年度補正予算案に新たに300億円を盛り込み、大規模な蓄電池の設置による再エネ設備の出力安定に関する実証実験を行うということ。

北海道電力にはすでに住友電気工業と共同で6万kWhの容量のレドックスフロー電池が、また東北電力にも2万kWhのリチウムイオン電池が設置され、それぞれ実証実験を行うことになっているが、今回の補正予算によって早ければ2月中に新たに2地点程度で同様に大規模な蓄電池の導入を図るのだそう。
蓄電池はNAS(ナトリウム硫黄)電池やリチウムイオン蓄電池が検討されている。

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住友電工、10分の一のコストで生産できる次世代型蓄電池を開発

系統の容量を圧迫し始めた太陽光発電の今後の普及を左右するとも考えられるのが、蓄電池の技術革新。

住友電気工業は、次世代大型蓄電池のコスト低減に関する技術を開発したと発表。
レアメタルを使わなくてもよくなったことで、生産コストが容量1kWhあたり2~3万円にできる可能性を持っているといいます。
現在主流となっているリチウムイオン蓄電池は、補助金を利用したとしても15万円/kWh程度補助金なしだと20万円超の相場となっています。

つまり住友電工は現行製品の10分の1程度と、大幅なコストカットが期待できることになります。
量産品の市場投入は2020年をめどとしています。
この報道の後住友電工の株価が大幅に上がったとの記事も目にしましたが、各界からの注目が高まってくることは容易に予想できますね。

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北海道で積雪地域の太陽光実証実験、雪の反射光で発電や融雪など

北海道は今月中旬より、稚内市所有のメガソーラー発電所で、発電した電気を融に利用する実証実験を始めます。道内外の企業3社が検証、費用負担をし、北海道は関連機関との調整、宣伝活動などでサポートします。

システムは、パネルの一部を両面発電式のものに置き換えることで、地面上のに反射した光を利用できるようにし、氷点下20度まで耐えられるという耐寒性の高い蓄電池を採用します。また、マット型装置を地面に埋めることで融雪を行います。

雪で反射した光で発電するかどうかは、とても気になるところですね。
両面発電タイプのパネルはパナソニックがHITダブルとして製造していますが、今回の実証実験でどのメーカーの製品が使われるかは公表されていません。

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スマートジャパンの記事では実証実験の内容が公表されていました。
両面発電のパネルはパナソニックのものではなく、EarthONというメーカーのものだということ。

太陽光発電事業者に向け、蓄電池に最大3分の2を助成

政府は2015年の1月9日に、2014年度の補正予算を閣議決定し、エネルギー政策として蓄電池購入の支援を含む809億円を計上。

これは太陽光発電の事業者を対象とした助成策で、蓄電池の設置費用1/3~1/2を補助するもの。

さらに福島県の福島第一原発周辺地域においては2/3まで補助額を引き上げ、さらに太陽光発電設備費用にまで補助金を出す特例を出しています。

合わせて電力会社側での対策も計画しており、東北電力管内には5万kW規模の蓄電池の設置を計画。他地域にも同様の対策を考えているといいます。

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大和リース静岡県に16MWのメガソーラー、蓄電池とPHVで災害対策も

大和リース名古屋支店は12月25日、静岡県小山町内における太陽光発電事業の優先交渉権を獲得しました。東京電力新富士発電所南側の、地元地権者協議会所有の、約27万平方メートルの土地で行います。発電所の合計出力は16.320MWで、初年度は、年間1735万2594kWhの発電量を予定しています。

地域貢献として、災害時のために、町役場や避難所に運搬可能のリチウムイオン蓄電池12台、広報活動や移動手段としてプラグインハイブリッド車1台を提供します。また、停電時には発電所を非常用電源として利用できるようにします。見学スペースを設けたり、地元の小学校でエコワークショップを開くなどして、環境教育も進めていく方針です。

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ネクストエナジー・アンド・リソース、名古屋大学とオフグリッド(独立蓄電型)太陽光発電システムの研究

名古屋に本社を置く、ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社は、名古屋大学大学院環境研究科高野雅夫研究室と共に、商用電源を一切利用しない「オフグリッド(独立蓄電型)太陽光発電システム」に関する共同研究を開始すると発表しました。

その研究方法とは、愛知県豊田市旭地区の住宅に「オフグリッド太陽光発電システム」を設置し、実際の家族が生活するというものです。同社は、自社製の太陽光パネルをはじめ、Concord社製の蓄電池を提供し、その他部材も含めたシステムの開発・検証を担当します。

実証実験の主な目的は、独立電源のみによる生活を検証する事と、ユーザー側のデマンド・サイド・マネジメントによる停電回避方法の開発です。

実験から得られたデータを活用する事で、オフグリッドシステムの効果や問題点を明らかにすると同時に、より顧客のニーズに合った蓄電型太陽光発電システムの設計へと生かします。

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ONEエネルギーとタマホーム、新築戸建住宅用に太陽光発電と蓄電池のレンタルサービスを開始

新築で戸建住宅を購入する際に太陽光発電システムと蓄電池システムがセットでレンタルされるというサービスが、ONEエネルギータマホームが連携することで誕生しました。2015年の1月1日から北海道と沖縄を除く地域で開始され、対象となるのはタマホームで新たに戸建住宅を注文した方が対象となり、京セラの太陽光発電システムとNECのリチウムイオン蓄電池システムを15年契約でリースすることになります。契約期間が満了した後は太陽光発電システムはは顧客に無償で譲渡され、蓄電池システムは撤去されます。

このサービスを導入するメリットは、家庭によって異なります。大きく分けて3つのメリットがあります。

日中の消費電力が大きい場合は電力料金や安い夜間に蓄電池に充電、日中に使用し、それを太陽光発電システムが補助します。太陽光発電システムの出力が日中の消費電力を上回る場合は余剰電力が発生するため、その分を固定価格買取制度(FIT)の余剰買取を利用して売電することができますし、蓄電池に充電して夜間に利用することもできます。

停電時には日中は太陽光発電システムで発電しつつ家庭内で消費し、余剰分を蓄電池に充電することができます。住宅設計時に分電盤を2つ用意し、充電時に必要な電力(重要負荷)を供給する分電盤とそうでない一般負荷分電盤に分け、重要負荷には冷蔵庫や非常用のLED証明、テレビなどと接続することで緊急時に対応できるようにできます。また、停電が夜間まで続いた場合は、重要負荷のみですが、蓄電池内の電力を利用することができます。

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NEDOプロジェクトで日立製作所らが1.5MWハイブリッドの大規模蓄電システムの開発に成功、来年から伊豆大島で実証実験開始

株式会社日立製作所と新神戸電気株式会社はNEDOプロジェクトとして短時間で大電力の充放電が可能な1.5MWハイブリッドの大規模蓄電システムの開発を成功しました。

これにより出力変動の緩和や余剰電力の再利用、周波数の安定化が期待できます。2015年度より実証実験が行われます。この試験は東京電力株式会社の管内にある伊豆大島の電気系統で行われます。実証実験では、ピークシフトや短周期変動抑制の機能やそれの寿命などハイブリッド大規模システムの有効性について検証、評価する予定です。

同大規模蓄電システムは「高入出力・長寿命鉛蓄電池」と「リチウムイオンキャパシタ」を組み合わせたハイブリッド構成となっており、現行の製品と比べて1.7倍多い出力と、1.2倍もの寿命を実現する見通しを得ているということ。

気象に左右されやすい風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーの大量導入時に余剰電力の再利用や電圧や周波数の変動を抑制することにより電力の安定供給を実現する有効な手段として注目されています。

この実証試験ではより実用に近い制御技術の確立と幅広いニーズに向けて柔軟に対応できる実現をはかります。

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ドイツで再エネ自家消費の実証実験にNEDO参画、日本の5企業が事業委託

再生可能エネルギーの開発が進んだドイツでは世界に半歩差をつけて太陽光発電のグリッドパリティを達成し、すでに再生可能エネルギーが国内全体の電気エネルギー使用量の約20%を占めるまでに浸透してきています。

日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ドイツのシュパイアー市でマンションなどの共同住宅施設を対象として、太陽光発電を最大限に有効利用する「自己消費モデル」の確立を目指し実証実験を開始しました。日本からはNTTドコモNTTファシリティーズ野村総合研究所日立化成、日立情報通信エンジニアリングの5社が参加しています。

自己消費モデルは、太陽光パネルと蓄電池、ヒートポンプの3つを組み合わせることで成り立たせ、太陽光パネルは太陽光をパネルに受け、ヒートポンプは外気を利用した蓄熱型温水器として、それを蓄電池により蓄積し、住宅利用するものです。

最適な住宅エネルギーとして活用するために、家庭向けエネルギーシステム(HEMS)によるエネルギーのコントロールを行い、住宅全体の電力として供給およびサポートを行います。

このシステム導入の大きなポイントの一つとして、逆潮流量の最小化があります。系統への逆潮流を極力減らすということはつまり売電量を少なくするということ。すでに系統電力以下の価格でしか買い取られない現状のドイツの制度においては、売電するより自家消費を増やすことが収益上有利になってきますが、これに加えて系統への負担を減らし、系統電力の質を保つという上でも重要な意味を持ちます。

日本でもすでに系統連携の回答保留などの問題で再生可能エネルギーの容量が増えることにより生じる問題が浮き彫りになり始めていますが、ドイツでのこの実証実験の成果が問題解決の糸口となるのか、注目が高まるところです。

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