積水ハウス、パナソニックとシャープの太陽光発電×蓄電池を組み込んだ「グリーンファースト蓄電スタイル」販売

2015年1月から、電力会社による太陽光発電の出力制御が住宅用も対象となりました。これを受けて、積水ハウスは、太陽光発電と蓄電池の両方を制御できるパワーコンディショナーを組み込んだ、戸建て住宅「グリーンファースト蓄電スタイル」を発売。

平常時には家庭内で余った電力を売電し、電力会社から出力制御の通知を受けると自動的にモードを切り替えて充電する仕組みです。

電力供給は3種類のモードで可能です。平常時のモードは、夜間の安い電力を蓄電池に充電する状態になっていますが、出力制御対応モードでは、夜間には充電せず、翌日昼間の出力制限時に太陽光発電した電力を、蓄電池に貯められるようにします。そして、蓄電した電力は夜間使用することで、電気料金の節約と発電した電力の無駄を無くします。

また、停電時には、電力会社のネットワークからシステムを切り離し、自立運転モードに移行します。これにより、昼間太陽光発電した余剰電力を蓄電池に貯めて、夜間に利用することができます。

さらに燃料電池エネファームと組み合わせ、3種類の電池で発電能力と給湯能力を高めたシステム構成もあります。これは蓄電容量により4通りの構成から選べます。

搭載されるのはパナソニックの創蓄連携システム、もしくはシャープのクラウド蓄電池で、どちらも補助金対象製品となっています。

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環境共創イニシアチブ(sii)の定置用リチウムイオン蓄電池補助金対象にさらに7製品追加、太陽光発電と蓄電池のハイブリッド型システム向けの製品層がさらに厚く

平成26年度補正予算による定置用リチウムイオン蓄電池補助金事業の対象となる量産型登録機器に、4月27日付で3メーカー7製品が加わりました。

経済産業省の補助金事業を執行しているsiiのホームページでは補助金対象製品についてほぼ毎週のように更新があります。

オムロン、そして長州産業もハイブリッドパワコン搭載蓄電池を採用

今回更新されたのはパナソニックの「リチウムイオン蓄電システム」に加えて、長州産業の「太陽光発電連携型蓄電システム」とオムロンの「太陽光発電用ハイブリッド蓄電システム」。
パナソニックの製品は昨年も同等製品が補助金対象になっていますが、オムロンと長州産業の製品は今年度に入って新しく入ってきた製品です。

これらは太陽光発電と蓄電池を同じパワコンで制御して、コストやシステムをよりシンプルで自由度を高められるものとして、パナソニックが2012年に汎用として製品化したのをはじめとして2015年に入って多くのメーカーが同等の製品を出してきています。(詳しくは太陽光発電と蓄電池は一緒に導入すべき?で解説しています)

各パネルメーカーから販売されているものは主にそのメーカーのパネルしか接続できないという場合が多いのですが、今回補助金対象に認定されたオムロンは多くのパネルメーカーの太陽光発電システムに採用されている大手パワコンメーカー。ハイブリッドパワコンの中でも一番汎用性が高いと予想され、価格面でも期待が高まります。

当サイトでは環境共創イニシアチブ(SII)による2種類の蓄電池補助金事業についてはこちらで詳しく解説しています。補助金対象製品をニーズ別で分けた価格仕様一覧表もあわせてご確認ください。

田淵電機、蓄電池付きパワコンを北米展開

田淵電機は4月中にもカナダ、米国の地域電力会社向けに蓄電池付きパワーコンディショナー(太陽光発電された電気を家庭などの環境で使用できるように変換する機器)「EIBS(アイビス)」の販売を始めます。

太陽光発電設備の普及に合わせて電力使用量の安定化による需要を狙い、5月頃をめどに栃木工場で順次量産開始2016年3月期に同製品による海外向け売上高で20億円超えを目指す見込みです。EIBSは出力5・5kWの蓄電池を組み合わせた製品で、太陽光で発電した電力を蓄電池にため必要に応じて出力することができます。蓄電池はパナソニック製円筒型リチウムイオン二次電池を1台あたり700本以上使います。近く米国製品規格(UL)を取得する予定です。

システムインテグレーターや設備施工会社を通じて地域電力会社に販売する予定で既にカナダではオシャワ・パワー(オシャワ市)が同製品を買い上げ一般家庭に貸し出す方法を検討中です。同市は積で送電線の断線が発生しやすいため、停電時バックアップ用として約5万5000世帯に導入提案をします。
5月にはオシャワ・パワーと協力して新築住宅30戸で実証試験を始めます。

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オムロンの蓄電池付きパワコンは直流のまま充電、容量は蓄電池6.4kWhパワコン4.8kW

オムロンが、戸建住宅向けの太陽光発電用ハイブリッド蓄電システムを2015年春に発売することを発表しました。容量6.4kWhの蓄電池と出力4.8kWのパワーコンディショナーで構成され、世界最小・最軽量クラスと長寿命を両立させたシステムになっています。

パワーコンディショナーは、少ないロスで充電可能にするため電力を直流のまま貯める太陽光発電用と蓄電池用を1台で兼用しています。

リチウム蓄電ユニットは6.4kWhの容量で世界最小・最軽量となる約60kgと、家庭用空気清浄機並の小型化で室内にも溶け込む外観となっています。搬入にクレーンや基礎工事が不要になり、設置時の工数や工費が大幅にカットできます。また、充放電は約8000サイクルで10年以上は使用できます。

系統の電圧上昇時や太陽光発電電力がパワーコンディショナーの出力を越えた際には直流のままの蓄電に切り替わることで効率的に電力を活用できるほか、経済性重視のモードや安全優先で電力を維持するモード、強制充電するモードなど、利用状況に合わせて運転モードが選択できるようになっています。

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オムロン、蓄電池付き太陽光パワコン発売

オムロン株式会社は、2015年の春に太陽光発電用ハイブリッド蓄電システムKP48S-PKG64の発売を開始します。近年、国内のエネルギー関連市場は多様に変化しており、社会のニーズに応えるためにもこれまで様々な技術、製品を提案してきました。今回発売するこのKP48S-PKG64は国内の戸建住宅に合わせたタイプであり、エネルギーの新しい時代の需要に応えたものです。

主な特長としては、世界でも最小で最軽量クラスでありながら、6.4kWhの大容量を実現しました。また充電や放電の寿命は約8,000サイクルと10年以上活用が見込まれます。そして利用のシーンに合わせて運転モードが選択でき、夜間に電力をためて朝夕に使ったり、昼間は太陽光で使わない電力を充電したりするなど、ユーザーに合わせた利用が可能です。また、1台で太陽光発電と蓄電池の両方に対応できるので、今までそれぞれのパワコンを設置しなければならなかったことと比べるとロスが少ないです。そして本体は約25kg、蓄電池接続用DC/DCコンバータは約13.5kgで最軽量化を実現し、搬入も楽で、壁掛けの設置なので基礎工事がいらず費用も抑えられます。そして、発電の際、電力系統の電圧が上がると売電の量を抑制しなければならないが、これを無駄にすることなく充電ができ、太陽光の発電容量がパワコンの出力容量を越えた場合も、余った電力を充電することができ、効率的に活用することができます。その他の特徴としては、補助金に対応できることや、出力の制御に対応を予定していること、屋外のファンがなく静音であるなど、オムロンのパワコンは独自技術を搭載し大きく貢献しています。

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長州産業、ハイブリッドパワコンの「ソラトモ」発表

長州産業株式会社からリリースされるハイブリッドパワーコンディショナは、システムの高機能化とコスト低減を可能で、同等容量では世界最小、最軽量クラスの蓄電池ユニットと太陽光発電と蓄電池の両方を1台でコントロールすることができます。一般家庭用の空気清浄機と同等の大きさの蓄電池ユニットはコンパクトでありながらも6.4kWhという安心の蓄電容量を蓄え、都心部の狭小地でも設置可能です。停電時にはハイブリッドパワーコンディショナの働きにより充電が開始され、オプションで特定負荷用分電盤を導入すれば、特定負荷への電力供給も自動で行うことができます。

また、同社はこの次世代型太陽光発電システムが電力のより幅広い活用とさらなる安心感を提供するとともに、太陽光発電や蓄電池などのエネルギー関連機器に対して、空と太陽と友達になる、クリーンな自然エネルギーを上手に活かした暮らしの提案と実現という意味を込めたソラトモという愛称を採用し、商品開発をおこなっていくとしています

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京セラ、太陽光パワコン併用の蓄電池システム発売

京セラ株式会社は国内住宅用リチウムイオン蓄電システムにおいて新しい2機種を製品化しました。
「マルチDCリンクタイプ」は充電効率の向上、設置スペースのコスト削減を実現しています。もう1つは「大容量タイプ」です。特徴として国内最大クラスの蓄電容量12kWhを備えています。2機種は2015年の6月以降に順次、販売をスタートする予定である事をお知らせします。受注と販売を行うのは京セラの太陽光発電システムの国内販売会社、株式会社京セラソーラーコーポ-レーションです。

近年では再生可能エネルギーの固定価格買取制度について、買取価格の引き下げが行われました。同時に電気料金の値上げをした事により各家庭で節電意識が高まっています。そのために太陽光発電システムによる発電をした時に出てくる余力電力を充電し、自らの家で消費できるようなシステムが求められるようになりました。そのため蓄電システムの需要が増えて行く事を見据えて、大容量の蓄電池開発が望まれています。京セラはそのニーズに応える形で2つのリチウムイオン蓄電システムの提案を行いました。

マルチDCリンクタイプの特長は、太陽光発電システムと重電システムのパワーコンディショナーを一体化させています。そのため太陽光電池で発電出来た直流電力をそのまま充電する事を可能にしています。従来の蓄電池では、パワーコンディショナによって家庭で使う直流電力に変換した電力を蓄電システムへ充電したいならば、交流から直流による変換がおこなわれていました。変化する時に電力の損失が行われで効率的ではありませんでした。同時に太陽電池で発電した電力をまとめるための機能も蓄電システムに内蔵されていますので、スペースコストを大幅に減らす事が出来ています。大容量タイプは従来品と比較して1.7倍もの蓄電容量を実現しています。

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GSユアサ、蓄電池搭載のパワコン販売

GSユアサはパワーソーラーIIIの販売を開始しました。
パワーソーラIIIは、出力4.5kWのパワーコンディショナーにLiイオン蓄電池を搭載したもので、災害時などの電力網が停電したときでも、安定した電極を供給することができます。
太陽光で発電した電気を充電しておくことにより、曇りの日など太陽の日が無いときでも電力供給できるのも特徴です。

気になる価格は?

搭載するLiイオン電池は3タイプあり、4.2kWh(454万円)・8.4kWh(665万円)・12.6kWh(887万円)と少しお高いですね。例えば8~9kWの太陽光発電にパワーコンディショナを付ける場合4~5kWを2台使うことが多いですが、2台分で希望小売価格60~80万円程度。これに600万円プラスして蓄電池がついてきます、と言われても、むしろ蓄電池を別に購入する方が安くなる場合が多そうなので、本当に買う人がいるのか疑問です。
販売目標も控えめで、初年度100台としています。GSユアサもさすがにじゃんじゃん売れるとは思っていないみたいですね。

新しい価値の提案になるか?

ただこの製品で重要だと思うのは、パワコンと蓄電池をくっつけるという今までなかった提案をしていることです。

通常の蓄電池システムも、バッテリーと充電器がくっついた製品となっていますが、パワコンがこの充放電をコントロールできる機能も持つことによって、家のエネルギーマネージメントが効率的で快適に行えるような状況が確認できれば、こうした製品構成が近い将来のスタンダードになることも考えられます。

実証実験などでの導入も期待したいですね。

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