青森県弘前市のメガソーラー、稼働率は12.6%強

青森県弘前市に、地元企業のひろさきアップルパワーが建設した1.5MWのメガソーラーがその稼働状況を報告。

が多い地域ではあるものの、積量が軽めであればすぐに雪が落ちて発電し始めるため、積雪の影響は限定的で、数値にして2〜3%程度になったということ。

1.5MWで得られた年間発電量は1,657MWh。設備利用率は12.6%の計算です。

47都道府県の設備利用率一覧では青森県における設備利用率の平均値を11.73%とご案内しています。

これは住宅用における平均値なので、角度と方位を最適化できる産業用では今回のように12%を超える設備利用率が期待できると考えられます。

さらに夏場は東京と比べて発電量が多く得られるということも分かったのだそう。

気になるのが、積雪後は雪に反射して空気中の紫外線量が増えるというのは、美容関係の情報にちょっと通じた方なら周知かと思います。

ソーラーパネルは直接の光だけではなく曇り空の散乱光もきちんと拾って発電しますが、積雪後は実際の全天日射量よりも多い光が実際はパネルに当たっている、なんてことはないのかな、と、ちょっとした疑問が湧きます。

太陽光発電の発電量を知るための日射量のデータなんかも手に入るこんにち、

太陽光発電の発電量の算出方法を参照)

こうした疑問を解決するのはそんなに難しくはないと思うのですが、、、

雪国で太陽光発電をしていらっしゃる読者の方がいらっしゃれば、ぜひレポートしていただければ幸いです。

追記
気になったので調べてみたら、21年度に北電の関連会社が出していたレポートに、面白いデータを見つけましたよ!

http://www.hkd.meti.go.jp/hokni/lcsmodel/report01.pdf
76ページあたり「散乱光に関する研究」

それによると、積雪後は通常の地面と比べてアルベド(反射率)が0.2→0.8に上がるので、結果としては
設置角度
65度で10%
55度で8%
45度6%
の傾斜面日射の増加が確認されたということ。

積雪時に関係なく、設置する地面に白いプラスチックのビニールシートなんかを敷いておけば雑草対策にもなるし、年中日射量を割り増しできる、ということがいえるのかもしれませんね。まぁ不格好ではありますが。

山形県の豪雪地帯でのメガソーラーは人力で年6回パネル角度を調整

高鼻町中島の「露藤発電所」は、日本有数の豪地帯にあるメガソーラー(大規模太陽光発電所)です。米沢市などを中心に建設業を営む高山工務店が、1万5076.56平米の敷地に約4500枚の太陽光パネルを並べた、出力1.147MWのメガソーラーで、2014年10月31日に稼働開始しました。同発電所は、設置角を1年間に6回変更することで、年間約133万1100kWhの発電量を見込んでいます。

国に太陽光パネルを設置する場合、雪が滑り落ちやすいよう、設置角を30~40度にし、積雪によりパネルが雪で覆われないよう、設置高を2m前後にするのが一般的です。しかし豪雪地帯では、設置高を2mにしても除雪が必要になるため、太陽光パネルの設置角を変えられる可動式架台を採用し、季節ごと(年6回)に角度を変える運用方法にしました。

積雪が多い12月~翌年3月の間はパネルを垂直に立てて、パネルへの積雪を防ぎ、3~4月には南向きに45度、4~5月には南向きに20度、夏至を挟んだ5~8月には北向きに10度、8~9月には南向きに20度、9~12月には南向きに45度にします。この角度は、北緯38度にある高鼻町における、太陽の南中高度と日の出・日の入りの方角を踏まえ、日射と垂直になることや、朝夕もパネルに陽が当たるように考慮したものです。ただし、冬はパネルに雪が積もらないようにすることを最優先し、垂直にします。

時々刻々と太陽の動きを追える2軸方式が理想ですが、費用対効果を考えて、1軸方式の架台を使い、人手で角度を変える方式にしました。単管パイプと自在クランプを使って独自に開発した可動式架台は、パネル裏の支柱の固定位置をずらすことで設置角を変えられます。3人1組のチームで延べ約1日あれば、1MW分のパネルを変えられます。米沢市の前例では、これにより設備利用率は全国平均並み、雪国比較で1ポイント以上高くなっています。

参考

元旦ビューティ工業、売電設備で積雪地域での太陽光発電の雪解け効果実証

元旦ビューティ工業は、1992年に竣工した福島工場に実証を兼ねて売電を行うため出力200kWの太陽光発電システム「元旦ウイング」を勾配屋根の前面に設置します。

元旦ウイングは、屋根に設置した太陽光パネル裏面で暖められた空気を外部に排出することで、太陽光パネルの温度上昇による発電効率低下を制御する太陽光発電システムで、冬季に屋根に積もったでの落を防ぐ雪止めの効果もあり、積雪30cmまで対応できます。

2014年12月に屋根に設置してある太陽光パネルに積もった雪が落下し隣接住宅の壁、カーボート屋根や自動車のボンネットを壊したりするという事例報告の対策を講じるようにと、資源エネルギー庁が太陽光発電協会に要請があり、こうした落雪事故の対策として「元旦ウイング」が有効であるとしています。年間発電量約18.6万kWhを見込み発電電力全てを売電するという形で2015年4月に発電を開始します。

参考

北海道で積雪地域の太陽光実証実験、雪の反射光で発電や融雪など

北海道は今月中旬より、稚内市所有のメガソーラー発電所で、発電した電気を融に利用する実証実験を始めます。道内外の企業3社が検証、費用負担をし、北海道は関連機関との調整、宣伝活動などでサポートします。

システムは、パネルの一部を両面発電式のものに置き換えることで、地面上のに反射した光を利用できるようにし、氷点下20度まで耐えられるという耐寒性の高い蓄電池を採用します。また、マット型装置を地面に埋めることで融雪を行います。

雪で反射した光で発電するかどうかは、とても気になるところですね。
両面発電タイプのパネルはパナソニックがHITダブルとして製造していますが、今回の実証実験でどのメーカーの製品が使われるかは公表されていません。

参考

スマートジャパンの記事では実証実験の内容が公表されていました。
両面発電のパネルはパナソニックのものではなく、EarthONというメーカーのものだということ。

新潟県のメガソーラー15MW・積雪地域・36円でも採算の取れる計算

1m以上の積になることもある新潟県北東部の阿賀野市の「新潟東部太陽光発電所」では、積雪でもに埋もれないように地上1.8mの高さに設置した太陽光発電設備「1号系列(1MW)」と「2号系列(1MW)」が運営されています。

2011年10月から運転しているこれらの施設で、この1年半の間に想定通りの発電量が得られたことをきっかけに、今回大幅に規模を増やした「3号系列」を増設し、15MWのメガソーラーにする事が発表されました。

「1号系列」(下写真左)は太陽光パネルの設置角度を夏には20度、冬には40度に変更できる可変式を採用。
「2号系列」(下写真右)はパネルを30度に固定しています。

image via スマートジャパン

image via スマートジャパン

よりコストの低い「2号系列」でも想定量の発電量が得られた事から、「3号系列」でもこの固定式を採用されます。

着工は4月8日、2015度中の稼働開始予定で、平成25年度の36円の売電価格が適用されますが、積雪対策が効果を発揮して想定通りの売電収入を得られれば、十分に採算がとれるとされています。

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