埼玉県桶川市の水上メガソーラー、その名も「ソーラーオンザウォーター桶川」

もうちょっとマシな名前は無かったのかと思いますが、ウエストホールディングスの埼玉県桶川市のメガソーラーが完成したそうです。

1.18MWで1250MWh(1059kWh/kW)。水上設置のメリットとして夏場の高温でのパネル温度の上昇を防げるメリットを上げており、これによって10%の発電量の増加が期待されているようですが、この試算値にはそれは反映されているのでしょうか?

初の水上メガソーラーであるだけに、運営状況のデータが公開してもらえると嬉しいですね。

ウェストホールディングスは、大阪府の泉佐野市の公園内の池でも2MWの水上式メガソーラーを建設する計画を進めているのだそうです。

ウェストホールディングスの水上メガソーラー完成間近

以前ご紹介したウェストホールディングスによる埼玉県桶川市の水上メガソーラー。1.36MWと言われていた当初の規模より少しだけ小さくなって1.18MW、パネルはLS産電と伝えられていましたが、実際にはフランスのシエル・エ・テール・アンテルナショナルの技術が採用されたようです。(参考

水上を利用する際に、1㎡当たり150円/年の賃料桶川市に支払われるという事で、186万円の収入になります。
1㎡当たり150円というと、神奈川県が県内の学校施設の屋根貸しの際に提示していた200円~315円と比べると安めですが、調整池のようにもともと使わない場所を有効活用できるので、他の地域にもどんどん広まるといいですね。

今度は兵庫県で、フロート式太陽光発電

以前、ウエストホールディングスの水上太陽光発電事業についてご紹介しました。
500kWという大規模な水上太陽光発電(フロート式水上ソーラー)にも成功している、韓国のLS産電との協力で、全国に20MWの水上メガソーラーを計画しているということです。

今度は兵庫県が農業用のため池を利用し、パネルの傾斜角度やフロートの係留方法など最適なフロート式太陽光発電を実証実験すると発表しました。
7月15日に発電を開始するそうです。

フロート式はまだ実例が少ないため、水位変動のあるため池で、最適な方式を開発していくことは、普及・拡大にもつながると考えられます。

上記でご案内した記事には、水上太陽光発電の魅力を他にもご案内しています。

農林水産省が「ソーラーシェアリング」を許可

アメリカではすでに農地との併用が進んでおり、日本でも追尾型を利用しての農業との併用の実験も始まりました。

しかし日本の今までの制度では、農地転用許可制度に引っ掛かっていたケースが多かったのですが、上記のような実験も進む中、農林水産省は太陽光発電の農地での併用を、一定の制限を設けた中で許可する事を発表しています。
以下を条件に、太陽光発電の設置の一時転用を許可するとしています

  1. 支柱の基礎部分について、一時転用許可の対象とする。一時転用許可期間は3年間(問題がない場合には再許可可能)。
  2. 一時転用許可に当たり、周辺の営農上支障がないか等をチェック。
  3. 一時転用の許可の条件として、年に1回の報告を義務付け、農産物生産等に支障が生じていないかをチェック。

売電制度を利用するのであれば、3年の期間の縛りと、その後また許可されるかどうか分からない状態は少々リスクであるように見えます。

しかし、「営農上支障がないか」という部分に関しては、逆に農作物や、農業を営む者にとってもプラスになることが多いという事を、CHO技術研究所によると、植物にはそれぞれ「光飽和点」というものがあり、その日射量を超える量は、光合成量の増大にほとんど貢献できない(=植物の生育にほとんど影響を与えない)という事です。

image via CHO技術研究所

image via CHO技術研究所


それ以上に、過度な太陽光を制限することにより、湿度を維持でき、微生物の活動を助け、いい土を作りやすいとも言われ、注目は高まります。
農業者にとっても、夏の過酷な日射を避けられるメリット、灌漑用水の節約などのメリットも考えられると言います。

大きな可能性が感じられるソーラーシェアリングに期待も高まります。

太陽光発電施設用地確保の難しさって?

メガソーラー建設の際に障壁となる用地確保についての記事が面白かったのでご紹介します。

まず、メガソーラーというからには1MW以上の設備を指しますが、施設を建設する際、1MWあたり1ha~1.5haの土地が必要なのだそう。
そしてSBエナジーが日本全国にメガソーラーを建設する計画を発表した際、約1000件の土地提供の相談がありましたが、その多くはメガソーラー建設に適合しなかったそうです。

メガソーラーの建設地として「耕作放棄地」を活用したいという人も多い中、「耕作放棄地」に認定されるまでには、農業をしなくなって何年もたたないといけないなどの制度上の問題もあるということ。

「工業団地」は整備された地盤と送電設備が完備されていて、候補地としてはかなり理想的なのだとか。
しかし、工業団地の用途には制約を設けられていたり、管理が特殊法人のため、固定資産税もかからず、何もしないリスク、放っておくリスクが無いに等しい事も、せっかくの土地の有効利用につながりにくい環境を作っているとのこと。

メガソーラー建設の一番の問題は土地確保、と言えそうですね。
建設してしまえば、「7~8年で償却できる」とも書かれていて、その後12~13年は利益が増えていく、と考えると、こぞって用地を獲得しようとするのは納得できる気がします。

塩田跡地に230MW・岡山県瀬戸内市

岡山県瀬戸内市は「錦海塩田跡地活用基本計画」の中で、約500haの敷地の中の約250haに最大230MWとなるメガソーラーを建設する事を発表しました。
500haというと、東京ディズニーランド約10個分の広さで、かつては東洋一の規模の塩田と言われたそうです。

しかし平成21年に運営会社が倒産。排水ポンプの運転も停止の弊害として周辺地域への浸水が進むと、約500世帯に被害が及ぶことから、翌年平成22年には瀬戸内市によって取得されました。

7つの企業の連合体に委託されるこの事業、代表は「くにうみアセットマネジメント」で、発電所の設計施工は東洋エンジニアリングと自然電力、情報通信基盤の構築は日本IBMとNTT西日本、街づくりの面でジャーマン・インターナショナルが参画することになっています。

2012年9月の計画当初は250MWの建設が可能と見積もっていましたが、若干小さくなったようです。しかし平成24年度の42円・20年の売電制度が適用されるため、収入面の安定は期待できそうな事業となりそうです。

初期費用のリスク低減のために、太陽光発電事業そのものを証券化して、金融機関や一般市民からの投資を募るそうで、証券化を含む金融財務面はゴールドマン・サックス証券、くにうみアセットマネジメントが担当することになります。

現時点で日本最大・芝浦ホールディングスの福岡県みやま市23MWメガソーラー

現相稼動中のメガソーラーでは扇島を抜いて日本最大となった、福岡県みやま市芝浦ホールディングスのメガソーラー、23MWが3月21日に運転開始しました。
旧・三井三池炭鉱の有明鉱があった場所で、1997年に閉抗してから使われないままだった土地を有効利用したメガソーラーです。

九州全域にメガソーラーを展開する「九州ソーラーファーム計画」は、8か所合計すぐと約40MWになります。

参考

日本全国で建設中のメガソーラーには23MWをゆうに超える施設も沢山あるので、この「日本最大」はすぐにでも塗り替えられるので、今のところ、です。

農業と太陽光発電の両立・姫路市で追尾型を使った実証実験

アメリカでは既に酪農との並行も進んでいます。
日本でも、農業との両立に向けて本格的に動き始めています。

追尾型の太陽光発電システムなどを生産するフジプレアムが、姫路市で農業と追尾型太陽光発電を使った売電事業の両立実験を開始すると発表しました

プレスリリース

追尾型を利用することで、1台ごとの発電量がより多く見込めます。
具体的には追尾型太陽光発電システム4基・17.6kWのシステムで年間25MWhが見込めるそうです。
キロワットあたり1420kWh/年。16.2%の設備利用率の計算です。全国平均の設備利用率を12%(=1年間に1050kWh/kW発電できる)とした場合1.35倍の発電量が得られることになります。

農作物の生育に影響を与えないソーラーシェアリングという技術も広まってきていますが、作物によってはこれに適さない場合もあります。

今回の追尾型は地面からより高い位置にパネルが設置され、収穫高などへの影響を最小限に抑えることなどを課題として3年の期間をもうけた実証実験となるようです。

酪農であれば、発電設備直下の影の影響をほとんど考慮しなくて良いのですが、(逆に夏場とかは家畜が涼むのに良さそう)日本はやはり、稲作地としての土地利用が多いので、こういった開発には多くの需要がありそうです。

工場跡地にメガソーラーを!年度中の導入を急ぐ事業主


肌着メーカーグンゼが、生産拠点を海外に移転して使わなくなっていた工場跡地などに、メガソーラーを建設すると発表しました。
全国に3か所、合計5.4MWになる予定の施設は、来年2013年度の固定価格買取制度見直しによる価格引き下げが行われる前に申請を済ませ、キロワット42円での売電をしたい意向です。

稼動は2013年9月の予定。

「売電価格引き下げによる家計の収入への影響は?」で、家庭用の6kW程度のシステムでも10年間の売電期間で考えると20万円程度の収入差につながるとシミュレーションされていますが、より大規模の施設で20年の売電となると、収入の差はより大きくなるのでしょうね。

使っていない土地の有効利用をお考えの方は、お急ぎくださいね~。

参考

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↑ ↑各メーカーのパネルの発電量が気になる方は上記サイトが一番お勧め!実際に設置しているご家庭のナマの発電状況が閲覧できます

オリックス・九電工、鹿児島県の空港跡地に8.5MW


今回鹿児島県のコミューター空港で、財政的に管理が難しくなり、2012年度末に廃止が決定した枕崎空港跡地。
ここに8.5MWの太陽光発電施設を建設する事業に、オリックスと九電工が選出されました。

稼働開始は2014年の3月が予定されています。

九州での事業拡大を目的に戦略的パートナーシップを結んでいるこの2社。この他にも鹿児島県で2つ、福岡県で1つ、4つで合計出力30.5MWの施設の共同事業がすでに決まっています。
オリックスはさらに自社でも13カ所51.1MWのプロジェクトを計画しており、メガソーラー事業で100MW、さらに屋根借り事業でも100MW、合計200MWの太陽光発電事業を展開する計画を発表しています。

参照

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