三菱のパネルは国内一貫生産ではなくなります

長年、太陽電池モジュールのセルからパネルまでを国内一貫生産してきた三菱電機ですが、日経新聞によると、今年3月以降三菱はパネルの発電部分であるセルの生産から撤退したと報道されています。

モジュールの組み立て自体は国内の工場で行うため、レーベルとしては「国産パネル」として販売されることになるのですが、一貫生産ではなくなるので少し残念ですね。

消費者としては、三菱のパネルが少し安く購入できるのであれば嬉しいニュースとも考えられますよね。
パネル販売価格の推移を見るところ国外産セルの価格に対する影響は今のところ限定的だと言えますが、今後生産体制の見直しがどのように価格に影響してくるのか、注目していきたいところです。

参照

寄棟屋根でも大容量設置可能の「スマートパワーステーションGR」(積水化学工業)

積水化学工業は、寄棟屋根でも大容量の太陽光発電を設置できる「スマートパワーステーションGR」の販売開始を発表しました。

一昔前の流行った「住宅で10kW以上の(産業用)太陽光発電の家」との違いは、大容量の太陽光発電を基本的に自家消費できるよう蓄電池の搭載を標準化しているところです。

また今回は屋根の形状にもバラエティが得られるよう、寄棟屋根の商品ということで、トップ部分の地上と平行になる面にも太陽光発電を設置しています。
設置面数を複数にすることで1日を通しての発電量の時間差を少なくできるメリットもあります。(参考
もちろん、南一面の方が年間を通しての発電効率は良く、設置費用も抑えられるという利点がありますが、家を建てる時太陽光発電最優先の方ばかりではないことを考えると、片流れ一面や切妻屋根のようないわゆる太陽光発電に適した屋根でなくても容量を増やせるオプションは嬉しいかもしれません。

気になる価格ですが、
パネルメーカーは京セラで、太陽光パネル9.09kW、蓄電池5kWh、HEMSなどを含めて坪単価74万円ということ。(38.5坪のモデルプラン)

これが高いのか、安いのか、ですが、
京セラは太陽光発電のメーカーの中でも、実のところ競争力が落ちているメーカーと言え、
価格競争力の高いソーラーフロンティアや、変換効率の高いパナソニックシャープなどのパネルと比べると価格のお手頃感がいまいちな場合が多いので、設計次第でもうすこし価格を抑えられる可能性もあるかもしれません。

参考

30%過積載、26MWの蓄電池付きメガソーラーをスマートソーラーが釧路遠野に開発

東京都日本橋に本社を置き、太陽光発電発電所の開発などを行うスマートソーラー株式会社は、投資会社のリサ・パートナーズと計画している北海道の釧路遠野のメガソーラーを着工したと発表。建設は関電工によるとのこと。

北海道新ひだか町に建設した出力17MW、パネル23MWのメガソーラーと同様に、今回の発電所もパネルは過積載、蓄電池併用のプロジェクトになっています。

出力は26MW、太陽電池の容量は34MWで、前回よりもさらに高い過積載率は30%となっています。
さらに出力の55%にあたる14.4MWhのリチウム蓄電池の併用で、出力安定化を測っています。

周辺地域への防災配慮も重ね、造成時には沈砂池や調整池といった設備も建設することになっています。

過積載に蓄電池、防災設備など、メガソーラーの建設も年々進化してきていますね。

参考

ポルトガルの水上太陽光発電所は、水力発電用ダムを活用

水上に浮く太陽光発電は国内外で設置例が増えていますが、ポルトガルのエネルギー事業者、ポルトガルエナジー(Energias de Portugal: EDP)による220kW太陽光発電所の建設地はなんと、水力発電用のダムの水上を活用した、世界初の試みとなっています。

総投資額は45万ユーロ、日本円に換算すると約58,500,000円で、kw単価は26.6万円です。
水上発電用架台ではおなじみのシエル・テール(仏)のフロートを使い、年間発電量は300MW(1363kWh/kW・設備利用率15.6%)を見込んでいるそいうこと。

ダム上太陽光発電は、土地の有効活用だけでなく、水力発電所で使っている送電線を使えるメリットなどもあります。
今後一般化されてもよさそうなアイデアと言えます。
また、日本でも昼間は太陽光発電の発電量が余ってしまう地域もでてきていますが、揚水型の水力発電所に太陽光発電を併設して、その電力をそのまま揚水に使う、というのも一案かもしれませんね。

参考

パナソニックのHITパネルは2倍熱に強い?

太陽電池モジュール(ソーラーパネル)の性能を推し量る際には効率(%)や出力(W)といった値が気にされがちですが、仕様表などで出力温度係数という値を見た事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ソーラーパネルは太陽の光で日中は温められて、特に夏場には75℃までにものぼるほどなのだとか。パネル面が温められるほどソーラーパネルは出力が低くなってしまうのですが、この熱に対する耐性を知るための指標として出力温度係数が重要となります。

出力温度係数は結晶シリコンパネルで-0.4%/℃あたりが標準的な値ですが、この場合で温度が1℃上がると、出力は0.4%低下することになります。

標準で-0.4%と書きましたが、パナソニックはハイブリッド構造のHITパネルは熱耐性が高い特徴を持ち、出力温度係数が最新の製品で-0.258%/℃を達成しているのだそう。-0.4%と-0.258%で比べると、パネル温度が75℃まで上がった時、通常なら20%の出力低下が見込まれるところ、12.9%まで抑えられる事になります。1kW(1,000W)の定格出力のパネルで、71Wの出力差(瞬時)ということになります。

1000Wのうちの71Wと言われるとこれが多いのか少ないのか判断するのが難しいところですが、以下のページでは出力温度係数をどのように扱っていけばいいのかをより詳しく書いています。

システム出力係数・出力温度係数とは?

参考

ドイツ、再エネの電力で85%の供給を達成

ドイツは4月30日(3連休中日)、昼の1時から3時の間の電力の総電力供給量を再エネによって85%まかない、新記録を達成したと発表。
ちなみに4年前のこの時期には、正午の時間帯に太陽光と風力で50%をカバーという記録を達成しています。

風が強かったことから風力発電の稼働率が高まったことが、この高記録の要因の一つと考えられています。
太陽光発電と異なり風力は夜間も風がある限り発電ができるため、この日は化石燃料による発電所の稼働率も非常に低く、50GWの容量を持つ中で、約8GWhの発電量だったということ。設備利用率を計算するとわずか0.67%になります。

1日あたりの供給電力量における再エネ比率については特に触れられていないのですが、この85%という水準は2050年に達成するとしている80%の再エネ比率を超えるものです。
ただし、2050年に80%というのは昼間の2時間だけではなく、恒常的に達成が求められる目標なので、発電量の上下が激しく予測も難しい再エネの電力をより安定化させる方法なども含め、まだまだ取り組まなければいけない課題は少なくないのも事実です。
2050年に80%の目標を達成するために掲げている中期目標としては、
2022年 原子力発電を完全撤退
2025年 再エネ比率35〜40%
2035年 再エネ比率60%
といった具体的なステップが組まれています。

参照

ソーラーフロンティア、サブモジュールにおいて19.2%の効率を達成

ソーラーフロンティアは、30cm角サブモジュールにおいて19.2%の効率を達成したと発表。
これは2012年2月にの同社記録17.8%を1.4%上回ります。

太陽電池は、面積の小さいセルにおける研究段階ではより高記録を出しやすいものの、その後モジュールとして組み立てるとフレームやセル同士を並べた際のスペースなどが必要になるためモジュール変換効率は低くなります。
さらに量産の際は価格とのバランスを見ながらさらに効率が落ちることもあります。

今回の19.2%の記録は30cm角のサブモジュールとしてカテゴライズされる太陽電池での記録です。さらに小さい7×5cmのミニモジュールでは19.8%という記録も確認したということです。

楽しみですね。

参考

ソーラーフロンティア、効率が0.4ポイント向上したSF175-Sを販売

CIS太陽電池を製造するソーラーフロンティアは、同社のソーラーパネルを従来製品よりも5W向上させた新製品「SF175-S」の販売を開始しました。

モデルチェンジに際して特にプレスリリースがあったわけではないので、公式にいつから販売し始めたのかという情報はありませんが、
販売店のウェブサイトなどを見ていると今月からこの新製品に切り替えているところもあるようです。
以下は新製品の製品スペックです。

型式 SF175-S
公称最大出力※1(Pmax) 175W
モジュール変換効率 14.2%
質量 20.0kg
外形寸法(mm、W×L×D) 977×1,257×35

サイズは変わらず、出力が170Wから175Wに5W増えたことで、効率は13.8%から14.2%に0.4ポイント向上しています。

売電価格、2017年度は産業用22円、住宅用29円か

太陽光発電を含める再エネ由来の電力の買い取り価格を決める話し合いが進んでいます。

毎年年末から新年度前にかけて複数回にわたって行われる調達価格等算定委員会が今年も開かれ、今年度の再エネ設備市場の価格変動などを調査・報告しました。この報告を元に売電価格が決定されます。

詳細はこちらの記事が詳しいですが、産業用は22円、住宅用は29円で毎年2円ずつ引き下げていく予定だということ。

2016年度は再エネ付加金も含めると、電気代の単価が27〜29円程度ですが、来年度は再エネ付加金がさらに高くなるのが確実なので、29〜31円程度の電気代負担を消費者は強いられることとなります。
もし住宅用の売電単価が29円になったら、売るのと自家消費とではもしかすると自家消費した方がお得な状況が生じるかもしれません。

そして2018年度以降はほぼ確実に、自家消費がお得になりますね。

住宅用につけようとお考えの方、
自家消費をメインとした太陽光発電を心がけたり
屋根面を分割して太陽熱温水器の併用を考えたり、
もし資金に余裕があるなら蓄電池の併用
なども考えて見るのもいいかもしれませんね。

NTTファシリティーズのソーラーパッケージ「Mタイプ」のメリットとデメリット

大規模太陽光発電事業を多く手がけるNTTファシリティーズが、新たに「Fソーラーパッケージ Mタイプ」という商品の販売を始めました。

面白い商品なので、メリットやデメリットなどを詳しく見ていこうと思います。

◎ 限られた面積により多く積載できる

「Fソーラーパッケージ Mタイプ」は、通常南向きに設置する太陽光発電を、東西2面のジグザグに設置することで限られた面積により多くのパネルを積載できるようにしています。

太陽光発電が年間を通して一番多い電力が得られるのは南向きです。
しかし、地上設置で南向きにする場合は後方のアレイ(一列に並んだパネルの列)に影がかからないように一定の間隔を空ける必要があります。

一方東西2面にジグザグ施工(南への傾斜はなし)するこの工法なら、アレイの列を限りなく近づけて設置することが可能になり、具体的には面積あたりで35%も多くのパネル容量を積載することができるということです。

地価の高い場所で事業をされている方にとってはぴったりかもしれません。

× キロワットあたりの発電量が減る

一方で南向きの代わりに西・東に傾けることで、同じパネル容量で得られる年間発電量は確実に減ります。その減少率ですが、NTTファシリティーズのサイトでは3%程度になっています。3%の売電収入の低下と、土地代との兼ね合いでどちらが採算性の高い事業となるのかは、事業ごとに精密なシミュレーションをする必要がありそうです。

◎ ピークカットできる(=売電不可のリスクが少し減る?)

天気が良い日、太陽光発電は12時を境に左右対称の山を描きながら発電量が推移していきます。
これは日本全国の太陽光発電に共通の特徴のため、12時は太陽光発電の電力が最も余り易い時間帯と考えられます。このように時間によって発電量に大きな差が出ることは、太陽光発電の難しい部分として捉えられることが多いです。

一方東西にパネルを振り分けると、発電量の波をより平坦にする(ピークカット)ことができます。

また、すでに九州電力の旧管轄地域では一定の時間売電が抑制されることが何度か起こっていますが、全国的な太陽光発電の発電量の波と少しズレを作ることは、売電不可の可能性を減らすことにも繋がる可能性があります。(電力会社は通常、太陽光発電の発電量を予測して揚力発電などでピークシフトができるような対策を取っているため、東西設置が必ずしも売電抑制に繋がるとは言い切れませんが。)

× メンテナンスが面倒になる

大規模な太陽光発電所は定期的にメンテナンスや点検をする事が求められますが、アレイ間に人が通れるスペースを作りにくいMタイプのような設置方法だとメンテナンスが面倒になってきます。場合によっては大きなクレーンなどを持ち込む必要が生じる可能性もあり、メンテナンスコストも気になります。

と、メリットもある一方で無視できないデメリットもあるため、面白い試みではありますが、慎重に検討する必要がありそうですね。