神奈川県の再生可能エネルギー計画を下方修正

再生可能エネルギーの導入に積極的な神奈川県は、積極的な活動にも関わらず普及目標を下方修正することを発表しました。

2011年9月の時点で「2020年に発電量の20%以上を再生可能エネルギーでまかなう」という目標を掲げていましたが、「2020年に25%をガスコージェネレーションシステムや燃料電池などを含めた”分散型電源”でまかなう」という内容に修正。
2014年度末時点の太陽光発電の目標は、195万kW(1.95GW)から125万kW(1.25GW)に下方修正されました。

京浜臨海部の工場の屋根での太陽光発電の普及が加速することを見込んだ今までの目標でしたが、薄型の太陽光パネルの開発が間に合わないなどの理由で屋根上への設置が思ったほど進まなかったことが主な原因だということです。

とはいえ各自治体で学校施設の屋根貸しや、スマートタウン構想の推進など、神奈川県ではスマートグリッド社会の実現に向けた多面的な試みが行われているのは事実。
黒岩知事は今後”薄膜太陽光電池”の普及が進み、2030年までには遅れを取り戻したいと考えているようです。
頑張れ神奈川県!

記事

北海道の太陽光発電はもうキャパ超え?

北海道では太陽光発電事業の申請が、北海道電力の送電網に接続できる容量の限界を超過したそうです。

出力2000キロワット以上(2MW以上)の事業において北海道電力では、「40万キロワット(400MW)程度が限度」だと発表しましたが、すでに87件、出力にして156.8万kW(1,568MW)もの申請が出されているということ。

このままでは需給のバランスが崩れ、停電が起こる可能性が高くなってくる。

これに対して資源エネルギー庁は約200億円を投じ、6万kWh(60MWh)の大型蓄電池の設置を決めましたが、100万kW以上もオーバーしている設備量のバックアップには頼りないですね。

メガソーラー建設の計画を変更、もしくは断念しないといけない企業も多く出る事が予想されます。

北海道電力管轄地域の電力需要は他の電力会社と比べると比較的少なく、四国電力と同じくらい。
例えば2013年5月26日の12時の需要で3,054,000kWという数字ですが、仮に1,568,000kWの設備がフル稼働した場合、需要の半分以上の供給量となります。
さらにこの数字には2,000kW以下の設備、余剰売電をしている住宅用の設備などは含まれていません。

需要の半分以上が太陽光発電でまかなわれるというのは聞こえはいいですけど、なんといったって太陽光発電の発電量は不安定です。

メガソーラーで蓄電池の併用などがもっと一般的になればいいのですけどね。

山梨県は2050年までに、エネルギーの地産地消を目標

山梨県が再生可能エネルギーによるエネルギー自給率を、2050年までに100%にする目標を出しました。
山梨県はすでに、現在でも需要量の28%を再生可能エネルギーでまかなっていますが、その多くが水力発電です。
今後は既にある水力発電に加え、主に太陽光発電に力を入れる事を明らかにしています。
具体的には現在普及率4.9%の住宅用太陽光発電を、2050年までに50%まで増やし、事業所などの屋根には100%の設置を目標に掲げ、全体で太陽光発電の規模を現在の26倍以上に増やすことを目標に掲げています。

これらに加えて20%の節電目標を合わせ、2050年には再生可能エネルギーによるエネルギー自給率が100%にするのが目標なのだとか。大きく出ましたね。


一方、平成25年度の山梨県の住宅用太陽光発電に対しての補助金は、「年利1%として融資を受けたとした場合の元利均等返済による償還期間中の利子相当額又は8万円のいずれか小さい額を限度とします。」となっています。

つまり、ローンを組まない限り、補助金は出ない事になります。
逆に言えば、一括で払えない家庭でも、年利1%程度であればローンを組んでも、一括で買うのと同じくらいの経済効果が受けられるという事で、フェアと言えばフェア。

住宅用太陽光発電普及率50%なんて大きな目標を掲げている割には、補助金はあまり寛大ではないではないか、と思われる方もいるかもしれません。

しかし!!!山梨県は日本でも有数の日照時間を誇る地域。1年間の発電効率が、日本平均12%のところ、山梨県は16.4%と大幅に高い効率で発電量が得られるのです。(太陽光発電の発電量・都道府県ランキング
これを売電額に換算すると、1kWあたり1か月で30kWh多く発電することになり、売電額にすると1140円。
4kWの設備を設置した場合、10年間で、日本平均よりも547,200円も多くの売電収入を得られることになります。
これは、キロワットあたり136,800円の補助金をもらえるのとほぼ同じ意味を持ちます。

高い補助金を設定しなくても十分に採算の取れる日照量の山梨県。羨ましいですね!

当サイトでは、あなたのお宅で一番お得になるパネルが分かるシミュレーションサービスを提供していますが、山梨県在住の方は(136,800円×設置システム量)の経済効果をプラスして、太陽光発電でどれだけお得になるかチェックしてみてくださいね!

インドの「ソーラーシティ」プログラム・屋根置型の太陽光発電普及拡大に期待

インドGujaratの合計出力世界最大規模690MW超のソーラーパーク計画など一点集中で大規模な計画が目立ちますが、今回インドの再生可能エネルギー局(MNRE)が発表したのは、各自治体との協力の元、全部で60都市をを「ソーラーシティ」に指定し、各都市での屋根置型のシステム拡大を目指すというものです。

すでの40都市が選出されており、Gandhinagar、Nagpur、ChandigarhそしてMysoreの4都市がモデル都市として選ばれています。

現在住宅用太陽光発電システムでは日本が導入量で突出していますが、今回のインドの計画には住宅/公共施設などの区分については触れられていません。それどころか計画への投資額の規模や、これによって導入システムの目標量などもまだ公表されておらず、インドの太陽光市場にどう影響を与えるのかはわかりませんが、大きな変化につながるであろうことは想像できます。

参照

米オバマ政権がサポート・革新的な太陽光プロジェクトに一千万ドル

アメリカは、中国製品に対する貿易関税の負荷を最近決めましたが、それによってアメリカ国内の太陽光業者が打撃を受けるという反発も無視できないところでした。

しかしオバマ政権は、アメリカ国内の太陽光産業に対しては”技術革新のイノベーション”により力を入れることで、競争力を増したい意向のようです。

今月19日に、エネルギー省は10の小規模ビジネスによるプロジェクトに合計1千万ドルを投資する事を発表しました。これにより、革新的な施工技術の製品化を促進させることが狙いのようです。

これらが製品化されると、施工コストを大幅に引き下げることができ、この業界におけるアメリカの世界的なリーダーシップにつなげられるとしています。
この1年間で、太陽光発電業界は約12万人もの雇用(昨年から13%増)を生み出したという事です。

最近サンテックがアメリカの工場を2つ休止させ、50人の職が失われたという事ですが、パネル産業よりも施工の方により力を入れるという体制は変わっていないようですね。サンショットプライズで、施工店に工事費用の低下を競わせたりなどもしています。

参照

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オランダ、2013年の太陽光発電補助金を拡大

オランダ政府は、7月に2,200万ユーロと設定した2013年の太陽光補助金への予算に、さらに3,000万ユーロ(約30億円)を追加すると決定しました。

対象となるのは0.6kWから3.5kWの小規模システム。購入者は650ユーロを上限とし、15%の補助金が受け取れるということです。

今年に関しては合計約33,000件の太陽光発電の設置に1870万ユーロが支給されたという事で、合計の設置量は明かされていないということです。

仮に1kW当たり35万円(約3500ユーロ)だとしたら、35.6MW程度が導入されたという事になりますね。平均すると1件当たり約1kWです。日本の住宅用太陽光発電の設置量がおよそ4kW程度だと考えると、かなり少ないですね。
これを2,200万+3,000万ユーロ=5,200ユーロ分に換算すると、100MW弱になります。

参照元

こんな記事もありました。
オランダのOverijssel(オファーアイセル)州が1億5千万ユーロ(約150億円)を再生可能エネルギーの投資に使うという計画についての記事です。
地元の企業や施設、住宅協会によって開発される太陽光、バイオマス、地熱発電のプロジェクトに投資をするという計画で、オランダ政府の「2020年までに電力を再生可能エネルギーの割合を20%に引き上げる」という目標に貢献するための計画だという事です。
同州はこれまでに1億ユーロをエネルギー効率化プロジェクトに融資してきました。

オランダは日本のちょうど10分の1程度の発電量で107GW程度。(参照)これの20%は約21.5GW(21,500MW)です。

参照元

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オバマ再選後のアメリカ太陽光業界は?

11月6日に行われたアメリカ大統領選挙でオバマ大統領が再選しましたが、それによって太陽光市場はどんな影響を受けるのでしょうか?

大統領選にあたって、今回特に多く議論されたのは経済に関する事でした。対抗馬のロムニーが2010年に閉鎖したソリンドラ社のカリフォルニア工場の前で行った演説で、エネルギー省がこの企業に融資した5億2800万ドル(約420億円)は全くの無駄だったと論じました。

当時ソリンドラ社はアメリカの太陽業界のなかでも有望視されており、オバマ大統領自身が施設を訪問した経緯がありましたが、今では企業の破綻の方が多くの人々の記憶に残っているという状況です。

その後数年の間太陽光発電業界は、モジュール価格の低下や各国の補助金政策の改定などが原因で非常に不安定な運営体制を取ることを余儀なくされ、実際多くの脱落企業も出たことは周知の事実です。

しかし、オバマ大統領の2008年の就任後この4年間でアメリカの再生可能エネルギーは大きな進展を遂げています。
風力、太陽光、地熱発電のシステム量は倍増し、海外の石油への依存度も低くなっています。

太陽光発電に関しては、ネガティブ/ポジティブ様々なニュースがありますが(太陽光発電業者の破綻/設置量の増加、など)良いニュースが悪いニュースを相殺して結果的に少しでもいい方向に向いていけばいいのではないかというのがPV Techのコラムの内容。
(しかし中国製品への関税の問題は利益と損害をかけ合わせてみると損害の方が大きくなるきもしているのですが、、)

オバマは次の任期には、さらに再生可能エネルギーの普及を進め、海外の石油への依存を低める意向です。
国内太陽光市場への投資は雇用を生み出し、経済の活性化を促すという考えのもと、優遇税制を一新し、公用地を、300万世帯の使用電力量に匹敵する出力の再生可能エネルギー施設の開発に充てるなどの具体案を出しています。

ロムニーは(はっきりとそうは言わないまでも)太陽光発電事業に関しては悲観的だったんですね!

日本では太陽光発電の普及の理由は主に「”安全で”クリーンなエネルギー源の確保」という視点であるのに対し、アメリカは「”外国の石油依存からの脱却”」が大きな目標に掲げられているところが面白いです。
これが、電力が不足している途上国となると、より開発しやすいエネルギーであることから自国の電力不足解消が主な目的になります。

単に環境保護目的だけでなく、その国の抱える問題を解決する目的も組み合わさって初めて、太陽光発電が大きく成長するという事でしょうかね。

参考記事

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カリフォルニア州・企業への課税に関する法改正で入る予算で、年間5.5億ドルをクリーンエネルギープロジェクトに

住民投票事項39の投票結果により、州をまたいだ事業を行う企業への所得税の引き上げが決まった。
この法改正によって得られる予算の50%、今後5年間、毎年約5.5億ドルを、州内の教育施設や公共施設への再生可能エネルギーの導入に利用するという。

これによりエネルギー効率性を高めるだけでなく、州内のクリーンエネルギー事業の雇用も産み出すことが可能になる。

住民投票事項39は、州外に多くの従業員を配置していた企業が潜っていた税法の抜け穴を塞ぐ事になる。今後州外の企業でもカリフォルニア州での売上高に応じた納税が必要となる。

参照

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世界シェア2位の”JAソーラー”CEOインタビュー

2010年の太陽電池セル製造のシェアでサンテックに続いて2位のJa SolarのCEOのPeng Fangが、今月2日にシンガポールにてpvマガジンから受けたインタビューの内容です。

——–なぜそこまで太陽光発電の将来に対して楽観視できるのですか?

太陽光発電がどのように始まり、ここ5年から7年のうちにどう変化し、エネルギーミックスの中で重要な役割を占めるようになってきたかを見ると、その発展は目覚ましいものでした。
グリッドパリティ(既存の電力料金と同等になる状態。これについてはこの記事に詳しい内容があります。)に近い状態の地域も既にありますし、中国や東南アジアで高まる電力需要に応えるための解決策としての太陽光の役割も見逃せません。

私たちはこの数年で、ワットあたりの価格を5ドルから1.2ドルにまで引き下げることに成功しています。

——–中国国内市場に対してはどういう見方をしていますか?

昨年は新規で2GWが設置され、今年はすでに5GW以上になるみこみです。
2020年までには今の10倍である100GWの累積設置量も可能であると考えます。
わが社に限っては、昨年の売り上げが100MWにも満たなかった国内売り上げですが、今年は300MWの売り上げを達成しています。
(参考:イタリアで今年10月に累積設置数が15.93GWで世界第2位、ドイツでは今年第1四半期の時点で26.5GWで、52GWに達した時点での太陽光発電の買取を中止する修正法案が決定している。2016年にもこれが達成されるとされており、その後設置数は著しく減少することも考えられる。)

——–石炭などの従来のエネルギーについてはどうですか?

現在中国の鉄道の60%が石炭輸送のために使われています。このような(輸送などの無駄なエネルギーが生じる)システムは今後あらゆる面で持続することは難しくなってきます。
他国でもすでに議論されており、持続可能なエネルギーへのシフトもどんどん進んでいくと考えます。

——–しかしアメリカやドイツなど多くの国では、太陽光発電に付随する問題、例えばコストや不安定な発電量、グリッドを統合することについての問題などが議論されていますが?

ちょうど最近、ドイツのBad Staffelsteinという小さな町を訪問したのですが、そこでは電力ミックスの30%を太陽光発電で問題なくまかなっています
中国においても今後20~30年の間にエネルギーミックスの10%が太陽光発電によってまかなわれることになると予想していますが、技術的な問題はないと考えられます。

——–近隣のインドやフィリピンでは、急速な需要の増加や不安定な電力供給システムによる電力不足や停電が多々起こるようですが、中国ではどういう状況ですか?

中国では経済が急成長しており、例えば2010年には西部での大規模な電力不足が生じました。多くの製造工場では一時的に運転をストップしたり、バックアップとして1キロワット約0.33米ドルのディーゼル発電機を導入しなければいけませんでした。太陽光発電なら半額でまかなうことが可能です。

——–同じような理由でいくつかの国では生産工場が屋根に太陽光発電を設置するケースが増えているようですが、中国でも同じ状況だと考えていいのでしょうか?

はい。ちょうど政府が太陽光発電による分散電力のプログラムを提出したばかりです。これにより、さらに産業用屋根置型太陽光発電の設置が増加し、今後の価格の低下にもつながるでしょう。

——–新政府の元でも太陽光発電への開放性は保たれると思いますか?

これまで5か年計画ごとに太陽光発電の設置目標数は拡大されていますし、この傾向は続くと考えています。
当初2020年までに18GWとされた目標も、今では50GWとされています。我々業界からは100GWという目標をだしていますが、政府の側で150GWという提案もあり、政府が太陽光発電を推し進めていきたい意向は明らかです。
エネルギーミックスの視点で2020年までに1%とされている目標も引き上げられるだろうと確信しています。

——–私たちpvマガジンでは、2025年までに世界中で300GW、2050年までに10,000GWから12,000GWが導入され、100%再生可能エネルギーによるエネルギーミックスの達成を目標として見ていますが、これは現実的な数値だと思いますか?

はい、可能であり、必要であると思います。太陽光発電の未来は始まったばかりで、持続可能なエネルギーによる未来が我々には必要です。

2050年までに100%再生可能エネルギーでまかなうといったら、結構すぐな話の気もしますが、JAソーラーのCEOはかなり楽観的ですね。

中国は政府もかなり太陽光発電に対して前向きであることが分かります。

中国メーカーは安すぎるモジュール価格が多くの他の地域でアンチダンピングの対象となっていますが、国内需要にも支えられて妥当な価格低下なのかな、とも思いました。

参考記事

2013年ソーラージャパンカンファレンス「一般からプレゼンターを募集!」

2013年、2月5日、6日に東京でソーラージャパンカンファレンスが行われます。
主催は世界中で再生可能エネルギー・気候変動・持続可能社会についてのカンファレンスを行っているグリーンパワーカンファレンスです。

固定買取制度(FIT制度)が始まり、日本は太陽光発電業界で注目を浴びています。

ソーラージャパンで行われるカンファレンスでは、地域社会、国際社会の太陽光業界の将来を形作るために重要となる議題を提供します。議題は次のようなものです

  • 他国で経験された大規模な需要拡大、その後の縮小時の太陽光企業の後退をどう防ぐか
  • 世界の他の国がフィードインタリフ制度の廃止に向かう中、同制度の存続の有効性はあるのか
  • 日本の太陽光発電の長期的な目標は?

世界や日本の政策立案者、投資者や、地域・国際社会のプロジェクト開発者、太陽光業界のリーディングカンパニーなどをつなげる機会となります。

カンファレンスでは一般からのプレゼンターも募集しています。

太陽光発電について、広めたいアイデアがある方はぜひ挑戦してみてくださいね!

 

応募はここから!