カリフォルニア州26MWの太陽光発電所に500万米ドル助成で米国最大のマイクログリッド構築

カリフォルニア州エネルギー委員会は、2月17日、米国の電力事業者であるSan Diego Gas & Electric(SDG&E)社に約500万米ドルの助成を与えました。
この助成はボレゴ・スプリングスにあるマイクログリッドに合計出力約26MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を導入するための資金とされており、この拡張によってボレゴ・スプリングスのマイクログリッドは米国最大規模になると言われています。

拡張するマイクログリッドは太陽光発電をベースとしたもので、電力供給の信頼性を高めたうえに、効率を上げるための技術革新及び再生可能エネルギーの利用を優先させる制限技術の導入を検討しています。
このマイクログリッドは大容量のエネルギー貯蔵システムを備えており、日中はメガソーラーが発電した電力のうち使用されなかった余剰分を貯蔵し、夜間に放電する仕組みとなっています。上位の電力網に接続するとともに、地域の発電所やエネルギー貯蔵システムを融合した電力網となっているため、非常時の地域への電力供給源としても期待されています。

参考

かわいそう!カリフォルニアの太陽熱発電所で野鳥が丸焦げに

3500エーカーの広大な土地に、反射鏡を設置しているカリフォルニア州世界最大の太陽熱発電所「Ivanpah Solar Power Facility」で自然環境に関わる大きな問題が起きている事が判明しました。

運転開始後、野鳥が敷地内に入り込むと瞬時に丸焦げとなり、このことが原因で野鳥の死亡件数が見過ごせない数字に達していることが判りました。

かわいそう!

これまでの太陽熱発電所の実験などでは敷地内上空を飛ぶ野鳥の死亡報告はされていなく、運転開始をしてから初めて明らかになりました。

運転開始後、1年たっていないこともあり設置がどれだけ野鳥類に影響を及ぼすかは、はっきりと判っていません。死亡した野鳥は相当数に及んでいる為、自然生態系への影響度をどのように減少させることができるか、今後の大きな課題点となっています。

参考

パナソニック、米コロナグループとカリフォルニアに9箇所(16.2MW)の太陽光発電所建設

パナソニックエンタープライズソリューションズカンパニーとアメリカのコロナルグループLLCは、カリフォルニアのトゥーレアリ郡とキングス郡に9つの太陽光発電プロジェクトを完工したと発表しました。

パナソニックエンタープライズソリューションズカンパニーは、企業や自治体向けのエコ・AVソリューションの開発・販売を行っている会社で、太陽光発電プロジェクトは規格段階から実施まで携わった経験があります。
一方、コロナルグループLLCは、アメリカ・カナダ・プエルトリコ・南米の公共機関、自治体、企業、NPOのための太陽光発電プロジェクトに対する融資や運営を行う代替エネルギー会社です。太陽光発電業界のリーダーとして、ホワイトハウス社会イノベーション・市民参加極に認められている企業です。

今回開発した太陽光発電システムは、サザンカリフォルニアエジソン社の電力網を利用している約14,500世帯に年間で16.2MWものエネルギーを供給することが可能です。これまで、持続可能なクリーンエネルギーの導入には、財務的・構造的な複雑さが大きな課題になっていましたが、今回の太陽光発電システムにより、これらの課題を取り払い、安価で信頼性の高いクリーンエネルギーを提供できるようになりました。

参考

カリフォルニアの砂漠に世界最大の太陽熱発電

太陽のエネルギーを使った発電方法は太陽光発電だけではありません。

太陽の日射による熱を利用した太陽熱発電は、太陽光発電と比べるとかなりシンプルな技術。火力発電と基本的には一緒で、太陽の熱を利用してボイラーで蒸気を発生させ、タービンを回すことで発電するというもの。

集光型太陽熱発電は鏡を利用して一カ所に光を集めるため、効率もさらに上がります。虫眼鏡で火を起こすのと同じ原理。
カリフォルニア州にできた世界最大の集光型太陽熱発電所は、タワー式太陽熱発電という方法を使ったもの。

なにより発電所の見た目が美しいので、BrightSource Energyの写真をいくつかご紹介します。
ku-xlarge

ku-xlarge2

ku-xlarge3

ku-xlarge4

鏡で光を反射して、この上を通る飛行機なんかはまぶしくないのか、なんてお思いかもしれません。
この鏡はちょうど追尾型太陽光発電システムのように、太陽の動きを追うように制御され、中央の発電設備にちゃんと光が集中するようになっています。

ku-xlarge5

ku-xlarge6

カリフォルニア州の再生可能エネルギー開発計画

発電設備を備えた3棟のタワーを合計して392MWになるということ。
そしてこの施設でアメリカの一般家庭の電力消費量の14万世帯分を発電できるそうですが、アメリカの住宅における平均的な電力消費量はなんと、日本(約3600kWh/年)の3倍近くの、1万1000kWh!

ちなみにカリフォルニア州では2020年までに33%の電力需要を再生可能エネルギーでまかなうという目標を掲げています。広大な土地と日照量が得られる同州は再生可能エネルギーの開発に向いているとはいえ、節電についてをもっとちょっとだけ真剣に考えれば、目標到達はより簡単なのではないか、と思うのですが。。。

カリフォルニア州の集光型太陽熱発電、発電効率は日本での太陽光発電の3.7倍

さてここで、このプロジェクトの数値を利用して、カリフォルニア州がいかに再生可能エネルギーに適した土地であるかを見てみようと思います。
(1万1000kWh)×(14万世帯分)÷(392MW)で、1kWあたり3,928kWh/年の発電量を得られるという計算になります。
つまりこれは、日本での太陽光発電1kWあたりの発電量の3.7倍!設備利用率(稼働率)にして約45%と、風力発電も大きく上回る効率の良さになります。なんとも羨ましい気候ですね。

カリフォルニア州の集光型太陽熱発電の発電コストは半分?

このプロジェクトにはNRG Energy、BrightSource Energy、Googleなどが出資し、施設の総工費は22億ドル(約2200億円)だったそう。
集光型太陽熱発電の耐用年数については情報が見つからなかったので、仮に火力発電の耐用年数15年で計算すると、発電コストは約9.5円/kWhという計算になります。

これに対して日本の太陽光発電の発電コストは14.3〜19円。(キロワット単価30〜40万円で計算)

耐用年数、稼働率など、正確な数値で計算するともう少し変わるのかもしれませんが、コストが安い事にかわりはなさそうです。
やはり、羨ましい!Googleが再生可能エネルギーを「投資先として魅力的」だと考えるのも納得できます。

参考

中国やアメリカも、太陽光発電の普及に付随する送電網の問題は世界共通?

メガソーラーのような大規模太陽光発電施設の増加で日本では北海道などで送電網に与える影響のために設備認定に制限がかかったりという問題が出てきています。
新技術を使った大型蓄電池の開発により、この問題の緩和に加えて、この先さらに重要性を増す高性能大型蓄電池の開発において世界をリードしようというのが日本の政府による作戦。

他国においても、同じく太陽光発電の増加と送電線の問題がより顕著になりつつあるようです。

お隣中国では、なんと送電網の整備が追い付いていない状態で太陽光発電および風力発電の開発が進んだ結果、せっかく発電した電力を捨てるというなんとももったいない事態が起きているのだそう。

2012年には直接経済損失が50億元に達したというこの事態の解決のために、中国国家能源(エネルギー)局は監督・管理を全面的に始めるのだそう。

中国は、自国の太陽光発電企業に対する優遇政策などが原因で引き起こされた過剰供給によって、結果自分自身の首を絞めるような状況(多くの中国太陽光関連企業の倒産や、他国からのアンチダンピングなど)に陥った過去もあります。
太陽光発電において世界をリードしたい気持ちに駆られて、結果いつも後始末に追われている印象がありますが、もうちょっと計画的にできないものなのでしょうかね?

アメリカでも大手の電力会社は、太陽光発電の増加に手を焼いています。
カリフォルニア州では新築の住宅に太陽光発電の設置を義務付ける地域もあったりと、設置数が増大しているのだそうです。
アメリカでは3kWの設置で”一般的な中規模住宅用で十分”な量だとされています。3kWの設備で15,000ドル未満という価格は、日本と比べて決して安いわけではありませんが、州や連邦政府の補助金の後押しもあり、設置量は増えているということ。この勢いは、電力最大手のPG&Eが”インフラを維持できるだけの収益が上げられず、送電網が危険な状態に陥ることになる”と音を上げるほどのものになっているとのこと。

カリフォルニア州・企業への課税に関する法改正で入る予算で、年間5.5億ドルをクリーンエネルギープロジェクトに

住民投票事項39の投票結果により、州をまたいだ事業を行う企業への所得税の引き上げが決まった。
この法改正によって得られる予算の50%、今後5年間、毎年約5.5億ドルを、州内の教育施設や公共施設への再生可能エネルギーの導入に利用するという。

これによりエネルギー効率性を高めるだけでなく、州内のクリーンエネルギー事業の雇用も産み出すことが可能になる。

住民投票事項39は、州外に多くの従業員を配置していた企業が潜っていた税法の抜け穴を塞ぐ事になる。今後州外の企業でもカリフォルニア州での売上高に応じた納税が必要となる。

参照

にほんブログ村 環境ブログ 風力発電・太陽光発電へ
↑ ↑各メーカーのパネルの発電量が気になる方は上記サイトが一番お勧め!実際に設置しているご家庭のナマの発電状況が閲覧できます
 
 

住友商事カリフォルニアの世界最大規模(550MW)の太陽光発電事業に参画

カリフォルニア州の約16平方キロメートルの米国政府の所有地に550MW(約900万枚)の薄膜太陽光パネルを敷設するプロジェクトに、住友商事も参加するというニュース。一般家庭約16万世帯以上の使用電力量に相当する規模の発電所になります。

住友商事は25%を出資。共同出資者はともにアメリカの企業のNextEra Energy(50%)とGE Energy Financial Services(25%)。
2013年後半より順次売電を開始し、2015年春完工予定。

モジュールはアメリカの薄膜型太陽電池メーカー、First Solar製が使われるということ。

カリフォルニア州ではRPS(Renewable Portfolio Standard)という法律のもと、電力事業者には2020年までに全発電量の33%を再生可能エネルギーからまかなうという目標を掲げています。
広い土地と日照量に恵まれたカリフォルニア州は、大規模な太陽光発電を建設するには適した地域と言えそうです。

住友商事株式会社:プレスリリース

ソーラーフロンティア、世界最大級の米メガソーラーに80MW供給

ソーラーフロンティアが世界最大級の米太陽光発電所に自社製のパネルを提供したそうです。
このニュースの何がすごいのか、注目すべきポイントをまとめてご紹介します。

  1. 規模の大きさ!
  2. アメリカの広大なカリフォルニアの土地に設置されるパネルの出力量は合計で143.2MW!そのうち半分以上に当たる82MWが、ソーラーフロンティアから供給されたCIS薄膜太陽電池モジュールになります。残りの61MWは薄膜型モジュールでメガソーラーの常連ファーストソーラーです。

    ちなみに現在稼働している日本のメガソーラーで一カ所の規模で最大のものは、神奈川県川崎市と東京電力が共同で運営する「扇島太陽光発電所」(13kW)。建設中または、建設予定のものでおそらく日本最大のものは、京セラと他6社で共同出資の「鹿児島メガソーラー発電株式会社」(70MW)でしょうか。ちなみにソフトバンクのSBエナジーや、JA全農×三菱商事のJAMCソーラーエナジーでは、合計200MWを目標に各地で発電設備の開発を進めています。

    今回のものは一カ所で150MW規模、プロジェクト全体の出力で、約3万5,000世帯分の年間使用量をまかなうそうです。アメリカにはこのプロジェクトのような大規模な太陽光発電書が数多く存在します。

    余談ですが、この「何世帯分の電力」を算出するのに、日本のプレスリリースの多くは一世帯あたり約300kWh/月という数字を基本としているようです。太陽光パネル約3.5kWの年間発電量と同程度。電気代に換算すると、月約7,500円の家庭を「平均」としています。

    対してこのリリース内容からすると、アメリカの一世帯あたり電力消費量は約4.1kwの発電と同等という計算になります。ちなみにカリフォルニア州では、容量あたりのパネルの発電量は日本よりも多いと考えられるため、日本とアメリカの一世帯の消費電力の差の大きさが垣間見えます。

  3. 累計設置量!
  4. もう少しで、世界中で設置された設置料が1GW(=1000MW=100万kW・およそ原発一基分)になるそうです。昨年2月から稼働しているソーラーフロンティアの宮崎県の「国富工場」は世界最大規模の生産能力を持ち、年間最大900MWの生産能力を持つそうなので、このままこの工場がフルに稼働し続けるくらいの売れ行きが維持できるといいですね~。

  5. アメリカで、実発電量の高さをアピールする大きな一歩
  6. ソーラーフロンティアの提供するCIS太陽電池とマーケットで主流のシリコン系とのパフォーマンスの違いや実発電量における強みを、大規模なアメリカのプロジェクトでアピールできる機会として期待できます。

  7. 梱包・輸送技術
  8. ソーラーフロンティアの独自の梱包・輸送技術は受賞歴もあるそうで、今回の大規模モジュール提供の際にもそれが発揮されました。

    輸送の際の積載率は従来より約130%向上、CO2排出量を10%以上削減、それと同時にモジュールの破損率0.002%。輸送先での出る廃棄物の抑えた、環境負荷の低減に貢献できる技術だそうです。

カタリーナプロジェクト