SunShot Prize:米エネルギー省開催「太陽光設置コンテスト」設置価格の低下に拍車

「近年の家庭用および小規模産業用の太陽光発電施設において、モジュール価格の急速な下落が進んでいる中、2020年までの太陽光価格競争ではサービス・施工の面での効率化、低価格化がより重要となってくる。」という予測から、アメリカのエネルギー省(DOE)は、いわゆる太陽光の「ソフト面」での低価格化に貢献できる働きを競うコンテストの開催を発表しました。
 

コンテスト内容

上位3チームには総額1,000万ドルの賞金が贈られるこのコンテスト、参加の施工会社にはハードな課題が出されます。

1次段階では2014年12月31日までに、2~15kWの小規模屋根置システムを5000件、ハードウェアである設備費(モジュールなど)を抜いたソフト面での設置費用(調査から配線まで)を平均$1/W(10万円/kW)で設置することが求められます。

さらに2次段階で、経営の持続性を確かめるため、さらに適正な施工で1000件設置することが求められます。

以下米エネルギー省ソーラープログラムマネージャーMinh Leへの質疑内容より

  • 「太陽光発電システムのモジュール、架台、インバーターなどのハードウェア価格は、ここ4年で約75%まで低下を見せました。その反面、設置工事や顧客獲得などのソフト面での価格は比較的変化のない状態です。」
  • 「現在1ワット当たり、ソフト面でのコストは平均3ドルかかっています。それをこのコンテストでは1ドルで行うという課題を出しています。最終的な目標は、0.6ドル/Wまで、ソフト面の価格を引き下げることです。」
  • 「2014年の終わりまでに5000件というのは相当な数に思えますが、2011年のうちに2000件の施工業績を出している会社が多くあります。また、業者同士の協力、複数社で1チームとしてのエントリーも可能です。このコンテストに勝つには、競争力と協力性の両方が必要となります。」
  • 「このコンテストで最低でも3チームが目標達成にこぎつけることができれば、設置費用を抑えながらアメリカ全体で15,000件、約100MWの設置が可能となります。太陽光産業にとっても、アメリカ経済にとっても、そして環境志向の消費者にとっても、メリットのあることです。」

フィードインタリフ(固定価格買取制度)や、補助金制度など、各国では”補助金”を使って太陽光発電の普及を促そうとする中、さすが競争の国アメリカという感じですね。

U.S. Department of Energy:SunShot Initiative