沖縄電力の太陽光発電、接続可能量が限界に

北海道に続き、沖縄も太陽光発電の系統への接続可能容量が限界に達しそうなのだとか。

北海道に関しては、出力2000kW(2MW)以上のものを合わせて40万kW(400MW)が当初限界だとされていたのが大幅にオーバー

北海道では逆境を生かしてというのか、この先需要が伸びると考えられる大型で性能の良い蓄電池の実証実験も兼ねて次世代型の蓄電池「レドックスフロー電池」を6万kWh(60MWh)分接続して対応されました。

沖縄は300kW以上のものが合計約5万7000kWと限界接続容量も北海道に比べて7分の1程度。
これには2000kWhの鉛蓄電池で対応し、容量にして10%程度増やせる効果が期待されるそうです。

沖縄県はほかの電力会社と系統が接続されていない独立系統で、電力の許容量も小さいという特徴があるということ。

参考

今冬の北海道、電力予測

冬になると電力使用量が増える北海道ですが、今年の電力供給は余裕がありそう、というニュースです。
なんでも、原子力発電や他の電力会社からの融通が無くても、ピーク時の不足という事態にならないように(つまり、停電が起こらないように)乗り切れそうだ、ということです。

その理由として、企業が保有する火力発電などの自家発電設備から調達できる電力により、予備率は6.9%で収まる見込みだということ。消費者側での節電努力が昨年同様続けば、万が一の火力発電所のトラブルなどにも十分対応できるほどの予備率が確保できているそうです。

北海道電力の管轄内では冬の最大電力が563万kWという予想が出されています。
記事では「ガスや再生可能エネルギーによる自家発電の増加が貢献している」ともありますが、電力需要のピークは大体19時台が目安ということで、この時間だと太陽光発電からの電力供給も充てにできるわけでもありません。

北海道電力では、管轄内でのメガソーラーの建設で急増する太陽光発電による電力をうまく活用するための解決策として、6万kWhのレドックスフロー蓄電池の実証実験も進められていますが、原子力に頼らなくて良い冬を過ごせるようになった次の段階としては、火力発電の割合も減らせるような系統整備がより進められるといいですね。

大分県でも送配電網の許容量がひっ迫

メガソーラーの建設が相次ぐ北海道での送電網の許容量の問題のニュースもありましたが、日照量が多く、住宅/産業用共に太陽光発電の建設が多い九州電力地域でも、許容量がひっ迫してきたそうです。

具体的には、大分県の一部地域で、既に新規の申請において制限がかかっているそうです。
元々許容量が少ない、由布市から宇佐市南部、九重町、玖珠町、日田市東部と、杵築市・日出町の周辺にかけて、新しい大規模施設を建設する場合は鉄塔の建て替えなどを事業者側で負担しなくてはいけないそうで、億単位になるこの負担が新しい設備を建設したい事業者にとっての大きなネックとなり、断念するケースも多くなっているということです。

昨年7月以前8万kW(80MW)であった九州電力の大分支社管内の太陽光発電設備容量。固定価格買取制度が制定されてから1年で、19万kW(190MW)にまで増え、それまでの約2.4倍に膨れあがりました。
さらに未稼働もしくは建設中のものも含めると、5月の時点で実に95.8万kW(958MW)もの設備が認定済みということで、現在の5倍は確実に近い将来増えることになります。

しかし、中国では建設してしまってから、送電網許容量が足りなくて、せっかく発電した電力を捨てるというなんとももったいない事態になっているのに対して、日本では事前調査万全ですね~。

北海道電力に蓄電池の実証実験

北海道のメガソーラーが容量超えのニュースで、資源エネルギー庁が約200億円を投じて6万kWh(60MWh)の大型蓄電池の設置を進めるという話題。
今回の蓄電池設置は、住友電工北海道電が次世代型の蓄電池「レドックスフロー電池」の実証実験として進めるもので、国による全額の費用補助を受けて行われます。

寿命が15年以上というレドックスフロー電池は、米航空宇宙局(NASA)が基本原理を発明、住友電工が国内で開発を進めていたものだそう。
大型の高性能蓄電池の研究を進める事で、世界的な再生エネへの需要の増大における日本のリードを勝ち取りたい意向です。

北海道の太陽光発電はもうキャパ超え?

北海道では太陽光発電事業の申請が、北海道電力の送電網に接続できる容量の限界を超過したそうです。

出力2000キロワット以上(2MW以上)の事業において北海道電力では、「40万キロワット(400MW)程度が限度」だと発表しましたが、すでに87件、出力にして156.8万kW(1,568MW)もの申請が出されているということ。

このままでは需給のバランスが崩れ、停電が起こる可能性が高くなってくる。

これに対して資源エネルギー庁は約200億円を投じ、6万kWh(60MWh)の大型蓄電池の設置を決めましたが、100万kW以上もオーバーしている設備量のバックアップには頼りないですね。

メガソーラー建設の計画を変更、もしくは断念しないといけない企業も多く出る事が予想されます。

北海道電力管轄地域の電力需要は他の電力会社と比べると比較的少なく、四国電力と同じくらい。
例えば2013年5月26日の12時の需要で3,054,000kWという数字ですが、仮に1,568,000kWの設備がフル稼働した場合、需要の半分以上の供給量となります。
さらにこの数字には2,000kW以下の設備、余剰売電をしている住宅用の設備などは含まれていません。

需要の半分以上が太陽光発電でまかなわれるというのは聞こえはいいですけど、なんといったって太陽光発電の発電量は不安定です。

メガソーラーで蓄電池の併用などがもっと一般的になればいいのですけどね。