沖縄電力が宮古島の太陽光発電の申請を保留

沖縄電力が宮古島市の太陽光発電20件の新規接続を保留していると発表されました。

宮古では、EVを活用した実証実験や、宮古島市来間島で100%電力の地産地消を目指したりと、島のスマートエネルギー化に向けた様々な試みがなされていますが、こうした動きが足止めを食らう可能性もあります。

宮古島市圏内では、沖縄電力のメガソーラー以外に、既に1万kW分(10MW)の太陽光発電に対して連系を完了させており、さらに7700kW(7.7MW)分の連系許可分に対しては買電を行うとしていますが、通常電力の送電に支障を来す可能性があるという理由で新規申し込みのあった20件については接続を保留にしているということ。再生可能エネルギー固定買い取り制度施行後、接続保留になったケースは全国でも初の事例なのだとか。国や関係機関と調整し、接続限界量の調査分析結果が出るまでは新規の接続契約を保留したい考えだというこt。

「エコアイランド宮古島宣言」を掲げる宮古島の下地市長は沖縄電力に対して、十分な調査と市民への説明、その後は引き続きの太陽光発電の導入継続のための対策検討を含めた要請書を提出しました。

やはり系統の小さな島で太陽光発電などを活用した電力融通は難しいのでしょうが、宮古島でのスマートエネルギー化が、やがては日本列島の規模まで発展しうる技術の開発のきっかけにもなるかもしれません。

今後の展開に注目いたいですね。

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沖縄でソニーが住宅間の電力融通の実証実験

2012年から沖縄県において、沖縄科学技術大学院大学(OIST)、株式会社沖創工と共同でオープンエネルギーシステム(既存の送電システムに替わるものとして超分散型でダイナミックに再構成可能なオープンエネルギーシステム)の研究を行ってきたソニーコンピュータサイエンス研究所。

来年度、沖縄県における新たな実証実験として、直流方式によって複数住宅間で電力を相互融通する実証実験を始めるということです。

オープンエネルギーシステムの研究の一貫にも位置づけられると考えられます。
同じく沖縄科学技術大学院大学(OIST、沖縄県恩納村)や沖創工(那覇市)を共同研究者とし、「亜熱帯・しょ型エネルギー基盤技術研究事業」の採択事業として沖縄県から補助を受ける予定。

詳しい研究の内容としては、沖縄県内の20戸の住宅が参加し、それぞれの住宅で太陽光発電からの電力を蓄電池にため、自動制御によって残量が少ない住宅に融通し合うというもの。

電力系統に頼らない次世代エネルギーシステムの商用化の可能性も検討する

ということ。

本国とはまた違った電力事情を持つ沖縄におけるこうした研究は、日本にとどまらず世界中の諸島における電力事情(大きな電力設備の建設ができない、燃料費がかかるなど)の改善につながりそうですね。

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沖縄電力の太陽光発電、接続可能量が限界に

北海道に続き、沖縄も太陽光発電の系統への接続可能容量が限界に達しそうなのだとか。

北海道に関しては、出力2000kW(2MW)以上のものを合わせて40万kW(400MW)が当初限界だとされていたのが大幅にオーバー

北海道では逆境を生かしてというのか、この先需要が伸びると考えられる大型で性能の良い蓄電池の実証実験も兼ねて次世代型の蓄電池「レドックスフロー電池」を6万kWh(60MWh)分接続して対応されました。

沖縄は300kW以上のものが合計約5万7000kWと限界接続容量も北海道に比べて7分の1程度。
これには2000kWhの鉛蓄電池で対応し、容量にして10%程度増やせる効果が期待されるそうです。

沖縄県はほかの電力会社と系統が接続されていない独立系統で、電力の許容量も小さいという特徴があるということ。

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沖縄の太陽光発電事情

沖縄での太陽光発電は、日本の他の地域と違い、独自の問題を抱えています。

高温多湿で台風が多く海に囲まれていて塩害も気にしなければいけない気候から、通常の製品を使用すると故障が多くなる問題もあります。
「第27回トータルリビングショウ」では太陽光発電メーカーと協力し、特別に沖縄仕様にした製品が展示されたということです。

また施工方法でも、業者主導で試みた方法が功を奏し、沖縄と同様の問題を抱える南太平洋のソロモンでの事業に採用されるというニュースも出ています。

具体的には、台風や塩害で故障が多くなりがちなパワーコンディショナ―に対する施工上の対策方法について触れられています。

一般的に50kW程度の中規模太陽光発電施設に対しては、容量の大きな業務用パワーコンディショナ―を使用されます。
しかし容量の大きな機械1台でまかなおうとすると、故障した際のリスクが大きいことから、沖縄の太陽光発電業者「沖縄小堀電機」では、市販品の10kW程度の製品を複数使用したシステム構成、数年前から試験的に運用し、効果を上げてきたということです。

リスクの分散とともに故障した際の早急な対応を可能にしたこのシステムなどを持って、沖縄小堀電機では新興国や嶼などでのビジネスチャンスを広げていきたいという。

沖縄の塩害・台風に耐えられる太陽光発電システム

LIXILが発売した沖縄仕様の住宅用太陽光発電システム「ソーラーベース ロータイプ」は、塩害台風にも対応しているのだそう。
価格は3kWで2,356,400円。キロワットあたり78.5万円で、今の相場の軽く2倍はある価格ですが、大規模な発電所が建てられない離などでは、他の島から電気を引くよりも安い場合もあるのではないでしょうか。

ハワイとニュージーランドの中間に位置するトケラウでは、今までディーゼル発電に頼っていたのを、新しい太陽光発電施設が完成して、100%の電力をそこから賄えるようになったという記事も以前ご紹介しました。

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