地方のレジャー施設で太陽光発電は有効か?

朝日新聞のデジタル版から、九州にできた新しいメガソーラー2つの記事が出ていました。

空港跡地でのメガソーラーはすでに「あたりまえ」

一つは鹿児島県の空港跡地。枕崎市の旧枕崎空港の12万9000㎡の土地に、約3万3500枚のパネルで8.2MWの容量ということ。
オリックス九電工が出資する事業者が市から同地を借り受け、事業を行います。
この空港は1991年に全国初のコミューター空港として開港したそうです。ちょっと淋しい気もしますね。
このように地方の閉鎖された空港や、利用していない滑走路を使った太陽光発電は前例も多いです。

レジャー施設のメガソーラー設置で「人を呼べる」のか?

もう一つは宮崎県の延岡市北方町のレジャー施設「ETO(えと)ランド」。4万2300㎡のスキー場跡地に出力2MWの太陽光パネルを設置したのだそう。
同様に地方のレジャー施設での太陽光発電はハウステンボスの例などもあります。

9月中に稼働するということでまだグーグルマップの航空写真には反映されていませんが、既に設置している風力発電の風車は、影をはっきり確認することができます。「ETO(えと)ランド」にはスキー場が2箇所あるようですが、どちらに発電所を設置するのでしょうか?

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土地を所有する同市は「観光面にも寄与してくれるのでは」というコメントも出していましたが、今やそこらじゅうにある太陽光発電施設、珍しくもなんともないです。太陽光発電で山奥に人を呼ぼうなんて、なんだかちょっと甘いな、なんて思ってしまいますね。

それよりも、4.2haもの土地あるのであればもう少し規模を大きくできなかったのかな、とも思います。土地の形状にもよりますが、1~1.5haあれば1MWが設置できるといわれています。
資金がないのであれば地元で投資ファンドなんかを募る手もあるのではないでしょうか。
とはいってもすでに九州電力での設備認定が回答保留状態なので、今更足せませんが。

JR都城駅の太陽光発電、除草にヤギを利用

宮崎県で県2位の人口を持つ都市である都城市。
その中心の都城市栄町に位置するJR都城に、JR九州グループの運営する「都城太陽光発電所」が3月から稼働開始しましたが、その運用にヤギを活用する実証実験を行うと発表しました。

発電所の2万㎡の土地の除草のために5匹のヤギを放ち効果を測定します。
駅を利用する乗客からの反響も大きく、住民への癒し効果もあるということ。

鉄道会社では既に西武鉄道が、自社の太陽光発電所でのヤギ除草を行っているということで、親子合わせて4匹のヤギで年間176kgのCO2の削減効果を試算しているということ。

運用費の削減にCO2の削減、さらには癒し効果まで、一石三鳥にもなりうる動物による除草は全国で例が増えています。

旭化成のコーティング技術でパネル効率向上、丸紅のメガソーラーで運用

丸紅宮崎県に建設するメガソーラーで、旭化成のコーティング技術を採用するという発表がありました。
パネルの表面にコーティングを施す技術で、静電気の発生を抑えてほこりが付きにくくなり、太陽光の反射量も少なくできるもの。効率にして5%向上できるということです。
例えば効率18%のパネルにこの技術を使用することで約19%の性能が発揮できる計算になります。それに加えパネルの洗浄などのメンテナンス費抑えられるということ。
運営コスト削減や売電収入の増加を期待できるこの技術を、丸紅のメガソーラーでの採用をきっかけに国内外の太陽光発電事業やメーカーにアピールしたい考え。

今回この技術が採用されるメガソーラーは、丸紅が100%出資して設立した「のべおか東海(とうみ)メガソーラー」による事業で、宮崎県延岡市の旭化成の工場敷地内に1062kWの太陽光パネルを設置するもの。

大規模なメガソーラーの計画も相次ぐ丸紅、数年後に現在の規模の約2倍に当たる30万kW(300MW)の稼働を目指すそうです。SBエナジーの200MWよりも大きな規模ですね!

廃校活用の太陽光発電は”国の売電制度を利用しない”事業!

この時期に太陽光発電と言えば、固定価格買取制度を利用して売電収入を得るための事業が一般的です。
そんな中、宮崎県美郷町の廃校跡地に建設される太陽光発電事業での試みに注目したいと思います。

宮崎県美郷町南郷区の水清谷小学校跡地は、2年前に廃校となり、跡地の有効活用として太陽光発電が設置されることとなりました。
校舎を含む5800㎡を巴企画という東京の発電事業会社に貸し出し、同社は360kWの太陽光発電設備を建設します。

この事業が他と違うところはまず、保守管理(敷地の草刈りやパネル清掃など)を住民自ら行うという事。
巴企画からは住民たちで作られる協力会に年間55万円の協力金が支払われます。

そしてさらにユニークなのは、20年間42円という固定価格買取制度を利用せず、この施設からの電力は別の事業を通して町役場などが買い取るというところ。
買取価格九州電力よりも1割安くなるというので、自治体の電気代もそれだけ安くなるということです。

完全に地域の電力会社から独立して行われるこの事業、本当の意味での地産地消、地域貢献が達成できる事業と言えるのではないでしょうか?

40MWの新事業も!売電価格下がるも、メガソーラーの建設の勢いは弱まらず

売電価格が改定されることがほぼ確定となっていますが、そんな中でも企業や自治体のメガソーラー建設のブームは続きそうです。
最近出ていたメガソーラー関係のニュースをまとめました。

事業主:士幌町(しほろちょう/北海道
場所:中士幌地区の町有地
規模:988kW
稼動予定:2014年1月
自治体が主体となって行い、地域への利益還元を図る。年間で1,000万円ほどの益金見込み。
収益金は、浄化槽の整備など地域の環境対策費用として活用していくほか、工事の施工や施設の管理も地元業者が行い、地域ぐるみで取り組む事業となる。
参考

事業主:徳島市
場所:名西郡石井町 第十浄水場敷地内
規模:750KW
稼動予定:2014年度完了(順次稼働)
徳島市は他にも、住宅用の太陽光発電への補助金に1,000万円(助金額1件5万円、募集件数200件)、市立保育所に太陽光発電設備を設置するための予算として1,000万円を計上し、様々な方向から市の太陽光発電の設置数増加に努める。
参考

「富津ソーラー」
事業主:株式会社富津ソーラー(リサイクルワン及びミツウロコグリーンエネルギーの出資法人)
場所:千葉県富津市
規模:40MW(40,000kW)
稼動予定:2015年夏
参考

事業主:西武グループ
場所:武蔵丘車両検修場屋根および宮崎県日南市
規模:2,400kW(2か所合計)
稼動予定:2014年1月・2013年10月に
西武ホールディングスでは、2015年度までには、全国複数箇所で太陽光発電設備を設置する考え。
参考

事業主:帝人
場所:三原事業所(広島県三原市)の遊休地
規模:1,990kW
稼動予定:2014年7月
参考

事業主:タカラレーベン
場所:栃木県塩谷郡塩谷町
規模:3MW(3,000kW)
稼動予定:2014年8月
同社は首都圏で初めて戸別売電可能太陽光発電マンションを企画販売するなど、自然エネルギーの活用を積極的に推進している。
事業の目標を2014年3月期中に出力10MWとしている。
参考

40MWの事業は結構大規模です。
固定価格買取制度での売電価格は下がるものの、ミツウロコ新電力事業者として小売事業も行っています。
通常20年間の売電後は、電力会社の「言い値」で販売することになりますが、自身が電力販売事業も兼ねていれば、売電期間が終わっても比較的安定した収入になるとも考えられます。

長崎県にソーラーフロンティア製パネルで初メガソーラーが完成

九州は太陽光発電が盛んなイメージでしたが、長崎県と福岡県は日照時間でみると全国平均以下なんですね!(参考←暇つぶしによさそうなサイトです)
という事で、長崎県では初の完成したメガソーラーとなるようです。
経済産業省の発表では6件で合計19.8MWのメガソーラーの申請数になっているので、今後規模がもう少し大きめのものが続々と完成してくるようですね。

 

今回のメガソーラー
「SOL de 平戸下中野」
事業主:株式会社チョープロ
場所:平戸市下中野町字磯道748-5
出力:1MW
年間想定発電量:1,000MWh

全国平均はキロワットあたり1,050kWh程度で、ソーラーフロンティアのCISパネルは10%ほど多くの発電量が見込めるとされていて、メガソーラーのプレスリリースではいつも、発電量が全国平均と比べて多めに見込まれています。なのでこの発電量は随分心細い気がしてしまいますね。
九州はソーラーフロンティアの拠点国富工場(宮崎県)があるだけに、ソーラーフロンティアの勢力もより大きくなってくるのでしょうか?

 

ちなみにこのソーラーフロンティア、住宅用のモジュールの供給が追い付かず、納期がかなり延びているようです。
キロワット当たりの価格も安く、発電量も多く見込める事を考えると魅力的なパネルで、人気度もどんどん上がっている印象。

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参考

ソーラーフロンティア、生産拠点の宮崎県国富町の3割を賄う規模のメガソーラーを建設

ソーラーフロンティア宮崎県国富町に生産能力世界最大級のモジュール生産工場を持っていますが、この国富工場2番館に既に設置されている自家消費用の2MWのメガソーラーに加えて、親会社の昭和シェルが3番館に、さらに2MWの施設を建設する計画を発表しました。

またソーラーフロンティアは今年9月に、矢野産業株式会社と共同で2か所に合計3.3MWのメガソーラーを建設する計画を発表しています。

これらを合わせるとソーラーフロンティアが関わるメガソーラーは合計出力が7.3MWになり、これは国富町の全世帯の3割分の電力消費に相当するという事です。

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参考記事

ソーラーフロンティア、メガソーラー事業に参入

太陽光発電の最適県宮崎にて。矢野産業と共同で初のメガソーラー事業、2013年3月目標。

ソーラーフロンティアは矢野産業と共同で宮崎県東諸県郡国富町に2か所のメガソーラーを設置することを発表しました。

合計3.3メガワットになるこの施設は、主に土地賃貸、管理を矢野産業、システム供給、管理をソーラーフロンティアで請け負います。

国富第1メガソーラー

  • 発電事業主:ソーラーフロンティア株式会社
  • 敷地面積:約47,200㎡
  • 使用モジュール数:約14,000枚
  • 年間推定発電量:約2,900MWh
  • 年間CO2削減量:約90万kg

国富第2メガソーラー

  • 発電事業主:矢野産業株式会社
  • 敷地面積:約24,400㎡
  • 使用モジュール数:約7,000枚
  • 年間推定発電量:約1,400MWh
  • 年間CO2削減量:約45万kg

国富第2メガソーラーは、事業主である矢野産業株式会社の砕石場田野・日向工場における年間消費電力の約16%の発電能力となり、矢野産業は今後も再生可能エネルギー事業を拡大する意向を示しています。

 

宮崎県東諸県郡国富町にはソーラーフロンティアの世界最大級の生産能力を誇るモジュール製造工場があります。

また矢崎産業が扱う砕石の原料の生産地でもある宮崎県は、日照時間、快晴日数ともに全国2位、(1980年から2010年の平均値)太陽光・太陽熱エネルギー自給率はともに、2011年のNPO法人環境エネルギー政策研究所報告書で全国1位と、太陽光発電の盛んな地域です。

完成後は宮崎県内で最大規模になるこの施設は、宮崎県が提唱する地産地消・地元経済への貢献につながることが期待されています。
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ソーラーフロンティア:プレスリリース