トリナ・ソーラー2013年Q4決算報告、前年度から大幅に出荷量増加

トリナソーラーが2013年の第4四半期の決算報告を発表しました。

リリースの全文はこちらでご覧になれます。
重要そうなところだけ抜粋してご案内していきます。

トリナ・ソーラー、2013年Q4の主な決算データ

決算報告の主なデータです。括弧内は前期2013.Q3との比較です。

  • モジュールの総出荷量770.1MW(-4.5 MW)
  • 売上高52,560万ドル(-4.1%)
  • 売上総利益7,910万ドル(-5.2%)
  • 営業利益1,410万ドル(+133.8%)

第4四半期は第3四半期と比べると若干伸び悩んだものの、営業経費の削減により利益率が上がっています。
通年で見ると、2012年から大きな伸びがみられました。

トリナ・ソーラー、2013年の主な決算データ

決算報告の主なデータです。括弧内は前期2012年との比較です。

  • モジュールの総出荷量およそ2.58 GW(+0.99 GW)
  • 総売上高17.7億ドル(+36.9%)
  • 売上総利益21,820万ドル(+281.2%)
  • 営業損失4,380万ドル(-83.5%)

2014年はこんなトリナソーラーに期待

トリナソーラーはオーストラリア国立大学(ANU)とともに2年間かけて研究を行っていた高効率のバックコンタクト方式における太陽電池開発したのだそう。
ドイツのFraunhoferCalLabによる試験では効率24.4%(セルあたり)という性能が確認されたこのバックコンタクト方式の太陽電池を、2014年は現在の生産ラインで試験生産を行っていくということです。
バックコンタクト方式は米サンパワーが初めて開発した技術で、日本メーカーだとシャープのブラックソーラーなどにも採用されています。

トリナソーラーの製品は安さが大きなメリットですが、変換効率は標準レベルといったところでした。
バックコンタクト方式のパネルがいざ量産体制に入ったら、またトリナソーラーの魅力が上がりそうですね。

中国・新疆ウイグル自治区で1GW(1000MW)のメガソーラー計画

さすが、規模が違いますね!
中国では1GW=1000MWのメガソーラーを建設する計画だそうです。

トリナ・ソーラーが投資し、パネル提供、建設まで請け負うことになります。
トリナソーラーは、この事業のために、メガソーラーの建設地の近隣に太陽光パネル工場を建設する予定。これによる地域内の雇用や経済に貢献する目的も強調され、新疆ウイグル自治区内で、中央政府との摩擦もあるウイグル族との関係改善も期待しているとのこと。

中国では送電網の未装備により、せっかく太陽光発電を建設しても電気を捨てるというニュースもありましたが、電力事情だけでなく国政にも関わってくる中国の太陽光発電事情は、興味深いですね。

参考

日立ブランドの単結晶シリコンモジュール販売開始

日立アプライアンスがソーラーパネルを「日立ブランド」として販売開始。
日立ブランドとして販売されるのは2種類で、210Wの「HSS-M210BB」を10月下旬から、ハーフサイズの105W「」を12月から発売開始します。

パネルはトリナソーラーから供給され、日立のステッカーが貼られて販売されるのですが、結局は中国製、ですね。
しかし日立は日本の自社工場で2012年8月からパワコンおよび架台、固定金具類を開発、製品化しているため、周辺機器を日立製で取り揃えて製品の信頼度を高めようというわけ。

製品の詳細などは日立製作所の太陽光発電についてのページでご案内しています。

今後は太陽電池モジュールと架台を固定する金具のラインナップ充実や、様々な屋根材に合わせた金具など、9月20日以降順次発売していく予定だということ。

参考

トリナソーラーが北海道の2MW太陽光発電施設にモジュール提供

伯東株式会社は、北海道大学旧医学部付属病院登別分院跡地で2MWのメガソーラー事業を行いますが、その発電所にはトリナソーラーのパネルが採用されたということです。「伯東登別太陽光発電所」は今年中にも稼働が開始される予定です。

伯東株式会社は、海外製太陽電池、具体的にはカナディアンソーラートリナソーラーのパネルの一次販売店でもあります。

メガソーラーでの中国製パネルの採用が目立つようになってきましたね。

中国のレネソーラが日本進出第一歩を踏む

2012年成長を見せた中国の太陽光パネルメーカーとしても取り上げられていたRenesola(レネソーラ)。
日本でのシェアを狙う関門の1つとなるJETPVm認証の取得を発表しました。

この認証は太陽光パネルの数々の性能・安全の検査、及び製造工場の査察を行うもので、同等の国際基準に準ずるものだということ。

「JPECのシステム登録同様、外国企業が日本の住宅用太陽光パネル市場に参入するに当たり、最重要事項と考えられています。」といことで、レネソーラが今後日本進出を進めたい意向を示していると考えられます。

今のところ日本国内の中国メーカーではトリナソーラーが優勢かな、というのが個人的な印象ですが、サンテックの勢いも落ちてきた今、さらに中国メーカーが日本市場にどんどん狙いを定めてくるのでしょうか。

EUの関税で中国製太陽光パネルの価格が45%上昇、中国メーカーは破綻?

アメリカに続き、EUでも安価な中国製太陽光パネルに対して関税をかける事が検討されている。
それによると、3月時点で1ワット換算0.66米ドルの中国のモジュール価格は、課税によって6月には0.97米ドルと、45%も価格が上昇することになるという。
これによって破産に追い込まれる中国メーカーも出てくるとされている。

中国側や、関税に反対する側からの意見では、モジュール価格の世界的な高騰を引き起こして導入量にも影響を及ぼし、モジュール周辺機器のパワコンなどの業界にも影響を及ぼしかねないとしています。また、ヨーロッパ地域の需要を地域内でまかなえる環境も整っていないという指摘もある中、ヨーロッパ側は「中国製品の代替は、その周辺地域のマレーシア、台湾、韓国メーカーが行うこともできる」としていますが、「中国製品の代わりとして韓国、日本、台湾やアメリカの製品を期待しようとも、中国製品以上のコストパフォーマンスが得られるパネルは他にない。また、それらの国は周辺地域の需要の拡大に目を向けており、ヨーロッパの需要をフォローすることは念頭にない。」などと反論。

昨日15日の会合で最終決定がなされ、関税が決定すれば6月6日から実施がされる予定。
15日の会合の内容についてはまだ発表されていませんが、中国のヨーロッパへの輸出の壁が高くなれば、日本への進出もより積極的になるかもしれないという見方もあり、気になるところです。

ちなみに今のところ、日本の市場では中国メーカーと日本のメーカーの費用対効果はそこまで差がついていません。

記事

中国、国を挙げての2.83GWプロジェクト・参加メーカーも発表、サンテックは?

中国が国を挙げて進める”Golden Sun Program”。財政部、科学技術部、エネルギー局がその第2段階となるプロジェクトの詳細を発表しました。
全体で2.835 GWの出力になるということです。

  • 268 MWのプロジェクトの約10%分のパネルを、インリーグリーンエナジーが提供。
  • トリナソーラーが江蘇省のプロジェクト(デモンストレーション)で10MW提供。
  • 同じく江蘇省では、EGing Photovoltaic Technologyが13.6 MWの屋根置型のプロジェクトをうけもち、
  • 江西省の上饒市にある経済・技術開発区ではジンコソーラーが16MWのプロジェクト(デモンストレーション)
  • LDK SoLar Hi-TEchは20MWのプロジェクトが2つ(湖北省と湖南省)

記事にあるのはこれだけで、全体の4%に満たない量ですが、残りのプロジェクトも「危機」と言われる中国メーカー達の救済のために国内需要の拡大に使われるのでしょうかね。
サンテックやJAソーラーのような大手メーカーはどのような形で関わっていく(またはいかない?)のでしょうか?
サンテックパワーの太陽光パネル・最安値情報

参考

ハイチの再生可能エネルギープロジェクト完了・パネルはトリナソーラー

ハイチのBoucan Carré地域で進めてきたThe Sun Lights the Wayプロジェクトが完了したと、開発者のNRGエナジーが発表しました。
このプロジェクトでは地域内の20の教育施設、養魚場とドリップ灌漑施設に太陽光発電を設置が導入されました。

今回のプロジェクトの為に様々な機関から資金が集められました。
NGOのSolar Electric Light FundがNRGエナジーをサポートし、クリントン元大統領のグローバルイニシアチブ、Clinton Bushハイチ基金からの資金援助も得られたほか、トリナソーラーは、学校に設置されたソーラーパネルのすべてを寄贈しています。

このソーラーパネルによって教室の照明、通信システム、パソコンや他の学校設備などへの電力供給が可能になり、6,000人の生徒たちが恩恵を受けるということです。

灌漑設備への太陽光発電の設置により作物の収穫量を増やし、養魚場では6つの水槽の通気装置に電力を供給できるようになります。

参照