岩手県宮古市に合計4MW弱のメガソーラー、地域新電力に売電

2015年1月25日、宮古市のスマートコミュニティ事業である太陽光発電所起工式が同市津軽石の建設予定地で行われました。

同市は東日本大震災で電力が絶たれた教訓をいかして、大手企業と連携する形で再生可能エネルギーのまちづくり事業を行っており、田老地区と併せて2か所に設備を建設し、運転開始は同年12月を予定しています。

また、発電所の規模は津軽地区と田老地区を合わせると、約5.9ヘクタール、出力は3974キロワット、総事業費13億円で、一応キロワット単価を計算すると、32.7万円になりました。メガソーラーにしては少し高いですね。利用される土地が津波の浸水区域だったということもあり土地の造形にコストがかさんだとかでしょうか。

約800世帯分の電力供給が可能とされるこのメガソーラーの電力は、本年度中に市内に設立される地域新電力会社が買い取り、公共施設や事業所に割安で提供することになっています。

起工式には同事業に参加する日本国土開発などが出資した特別目的会社宮古発電合同会社や市の関係者ら約130人が出席し、神事を行い工事の安全を祈願しました。

参考

ソフトバンク子会社SBパワーが家庭用からも+1円売電を受付け!

ソフトバンクは子会社のSBエナジーでメガソーラーや屋根借りによる太陽光発電事業などで自社運営の発電所をどんどん増やしています。
そのソフトバンクが新電力SBパワーを設立して新電力事業を始めるニュースは以前にもご紹介しました。

そして今回、このSBパワーを通じて住宅用の太陽光発電(余剰売電設備)からの電力を、1円高く買い取るというサービスを始めると発表。

sbpower

固定価格買取制度が始まった2011年は42円の売電価格なので、ソフトバンク(SBパワー)なら43円で買い取ってもらえるということですね!なんともうらやましい!

第1期は東京電力エリアで既に契約完了済み(平成26年度の固定買取価格の適用を受けている設備なので、今から設置するという方は無理なようですね。)の設備、合計1万棟限定ということです。

リリース

エナリスがバッテリーマネジメントサービス開始!売電買取中止案件の突破口となるか?

10kW以上の全量買取で、新規申し込み中断となった地域に朗報?
新電力会社のエナリス東芝ITコントロールシステムから蓄電池システムを大量調達し、「バッテリーマネジメントサービス」として提供していくと発表しました。

エナリスの「バッテリーマネジメントサービス」サービス概要

このサービスはどんなものかというと、

まず蓄電システム(東芝ITCのリチウムイオン蓄電池9.9kWh・出力10kW)をエナリスが太陽光発電などの発電事業者に安価に販売し、

そして稼働している発電所からの電力を、エナリスが需給バランスを見ながら遠隔で充電/放電操作する

というもの。
同社の電力アグリゲーターとしての技術と経験が生かされる形となります。

同社のリリースによると

再生可能エネルギー買取の新規契約中断を一部の電気事業者が発表するなど、固定価格買取制度の課題が指摘される中、バッテリーマネジメントは再生可能エネルギー普及にむけた突破口になると考えています

としていますが、
詳細を問い合わせてみたところ現状ではちょっとした制度上の課題が残っているようです。

売電買取中止案件の突破口となるには課題も

この「バッテリーマネジメントサービス」の最大の欠点が、蓄電池に貯めた電力は売電できないということ。
現時点では、再生可能エネルギーから蓄電池にいったん充電してしまうと、FITの全量買取制度を利用した売電はできないということです。

住宅用の余剰売電であれば、系統連系型の蓄電池システムを利用する場合はダブル発電が適用され、単価は下がるものの売電できることになっています。
全量売電に関しては蓄電池を利用した場合の再生可能エネルギー由来の電力に関して、単価や買取方法が決まっていません。

蓄電した電力はエナリス経由でもFIT制度で売電できない

またエナリスにFIT同等の価格で蓄電池からの電力を販売できるかどうかも、否、です。

貯めた電力の使い道としては事業所等で自家消費をするなどが考えられます。
そうすると電気代が削減できることになりますが、その金額は全量売電の単価に比べると3/4程度に減ってしまうと考えられます。

蓄電に回さないといけない電力量がどれくらいなのかも前もってわかるものではなく、さらに蓄電池の購入資金は自分持ち、というと
さすがに導入を躊躇してしまう要素が多すぎるのではないでしょうか。

売電の制度次第で飛躍の可能性あり

現状で同サービスを利用するのは金銭的なリスクも高く、災害対策といった面を重視する方に限られたサービスといえそうです。

しかし蓄電池システムとスマートなエネルギーマネージメントが、今後特に重要になってくることは間違いありません。
エナリスの同サービスはそれを先取りしたものともいえます。

制度上解決しなければいけない課題がまだ残っているものの、市場の準備はできていることは心強いですね。

参考
関連:各電力会社の売電買取・申請受付状況の速報はこちらから

電力買取中止に対して新電力のエナリスがコメント

各電力会社による太陽光発電の全量申込み保留(実質的買取中止)を受けて、新電力の一つであるエナリスがコメントを発表(参考:各電力会社の買取状況の速報

業績に与える影響は軽微(参考

としています。同社は子会社には太陽光発電の施工会社も持ち、太陽光発電等の開発サポートも行っていますが、一番力を入れているであろう事業はいわゆる新電力のジャンル。
そんなエナリスが「業績に与える影響は軽微」というコメントしています。
このコメントもあってか、一部のQ&Aサービスで「電力会社がだめなら、新電力に買い取ってもらえばいい」という回答を読んだことがあるのですが、これは必ずしも正しいとは言えないのが筆者の考えです。

「電力会社に買い取ってもらえないなら新電力に買い取ってもらえばいい」は間違い?

「間違い」とも言い切れないものの、かなり難しい、状況によるところが大きい、というのが適当だと思います。
新電力の概要を簡単に説明すると、既存の電力会社の系統(電線)を借り受け、受給先のマッチングおよびその単価設定などを独自に行うサービスです。

今回、九州電力をはじめとした電力会社の買取の中止は、現在の電力網ではコントロールしきれない容量の発電施設から連系の申込みが来ていることが原因で起きていますが、新電力も同じくこの電力網を利用して提供されるサービスであることを考えると、系統自体が強化されない限り新電力でも買い取れない、というのが基本的な考え方になると思います。

ただエナリスは全国展開をしており、隣接する地域の電力会社に電力を売る、ということも実際に行っているということ。
これを利用して隣接の電力会社に申請する方法を取ることになるかと予想していますが、どちらにせよ地域や容量によっては確実とは言えないと考えています。

(現在エナリスさんには、そのあたりの事実確認をしている最中なのですが、まだ回答が得られていない状況です。進捗がありましたらこのポストの後記、または最新ニュースとしてお知らせしていく予定です。各電力会社の買取状況の速報ページと併せてブックマークなどをご利用の上、最新情報をご確認ください。)

エナリス「湘南電力」設立、地元サッカーチームを通した新しい地域貢献モデル

新電力会社のエナリスは、J2所属の湘南ベルマーレのオフィシャルクラブパートナーとしてサポートを行うと発表。

さらに、共同出資(エナリス99%・ベルマーレ1%)により「湘南電力株式会社」を設立。
同社による電力事業の展開に伴って、エネルギー利用の効率化を進めながらクラブを巻き込んだ新しい地域貢献ができるとしています。

同社のビジネスモルは、湘南地域に設置された太陽光発電などの発電事業者から「湘南電力」が電力を買い取り、湘南地域の需要家に供給するというもの。いわゆる電力代理購入サービスです。

電力の地産池消を促すことで電力利用の効率化を図り、さらに事業収益等の一部を湘南ベルマーレに還元して、湘南ベルマーレは地域活性化資金として活用するとしています。

参考

ウエストホールディングスが新電力会社ウエスト電力設立

ウエストホールディングスは、太陽光発電の施工会社の大手。
水上太陽光発電などといったちょっと変わった太陽光発電の施工なども手掛けている、先鋭さも持ちます。

今までに産業用EPC約4,000件、住宅用5万件超という実績を生かし、新会社株式会社ウエスト電力を設立、新電力寺領を開始すると発表しました。

妥当な流れ、という感じですね。

参考

大阪いずみ市民生協がメガソーラー増設で合計11MW超、エナリスと協業で電力小売りも検討

全国各地の生協による太陽光発電事業および新電力の参入の例が増えてきています。
大阪府の中部から南部に事業展開をしている「大阪いずみ市民生活協同組合(いずみ市民生協)」は、これまでに同府の物流センター屋根で2か所のメガソーラーを稼働しています。
今回、これに加えて奈良県天理市の国道沿いに1MW、京都府亀岡市のゴルフ場の跡地に8.5MWの建設を予定しているということ。

2016年の6月にはこれらが完成して、いずみ市民生協による太陽光発電設備は合計出力11.8MWとなる予想。
これらの電力はエナリスを通して買い取られ、さらにエナリスからは26か所の同生協事業所に電力供給が行われる予定。

いわゆる新電力の活用で電気代の削減につなげるだけでなく、市民生協の顧客ベースを活用して、2016年から始まる電力小売り自由化の際には家庭向けの電力小売をエナリスと協同で行っていくことも考えているのだそう。

参考

生活クラブが新電力会社を設立、まずは再エネ発電所7.06MW建設

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会が、新電力会社「株式会社 生活クラブエナジー」を設立。
それに伴い、太陽光発電所を2か所、風力発電所を1か所、合計出力7.06MWの再生可能エネルギーの開発を進めると発表しました。

今年度に計画する発電所は、鶏卵の生産者である(株)生活クラブたまごの遊休地を活用した太陽光発電所を2か所(群馬県前橋市に1,460kW・栃木県那須塩原市に1,600kW)と、北海道石狩市厚田に「風力協同計画」と称して風力発電所を1か所(4,000kW)。合計出力は7,060kW(7.06MW)です。

これらの発電所で作られた電力は外部から購入される再生可能エネルギー由来の電力と合わせて需給バランスを調整したのち、生活クラブの事業所や提携生産者の施設などに供給される予定。
将来的には組合員宅へ電気を届けたり、組合員宅に設置された太陽光発電から電力を買い取ったりということも視野に入れて準備を進めています。

みなさん、太陽光発電と一緒に安心でおいしい農産物の宅配なんていかがですか?^^
住宅からの電力買取は10kW以上の全量売電の設備から優先して対応開始されると予想されますので、新築などで太陽光をお考えの方、新しい生活にプラスするのは新鮮なお野菜と全量売電の太陽光がいいかもしれません。

参考

日本生協連、新電力会社「地球クラブ」を設立

資源エネルギー庁による新電力の推移グラフ(下図)をみると、昨年10月の段階で100社を超える新電力会社の届け出が出されていることが分かります。

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メガソーラー建設の先には新電力を見据えている企業が多いと考えられ、今後もその数は増えていくのかもしれません。

日本生協連は現段階で、全国に7施設の屋根上大型太陽光発電設備を稼働しており、規模は合計で約4MW。
この電力に加えてバイオマス発電や小水力発電由来の電力を外部から調達、さらにバックアップに一般電力を使用して大口の電力需要家に供給する、いわゆる「新電力」事業を開始すると発表。
新電力会社(PPS)の名前は「株式会社 地球クラブ」だそうです。

まずは5.7MWの出力に限定して日本生協関連の事業所を中心に電力供給を行っていく予定だということ。

参考

ミサワホームオーナーを対象に、エナリスが1円多い単価で電力買い取り

新電力エナリスは、全量売電の太陽光発電プロジェクトを対象に売電単価に上乗せした価格で買い取り、新電力として需要家に販売するという事業を行っています。

先日双日とも業務提携を結んで、双日の顧客を対象に売電契約を結んでいくことを発表していました。

そして今回ミサワホームとも契約を結び、ミサワホームの戸建て住宅または賃貸住宅を建て、屋根に全量の太陽光発電を設置した人からもこの「プレミアム価格」による電力を買い取りサービスを開始すると発表。

新築、既築問わず10kW以上の全量売電を行っているものはすべて、1kWhあたりの固定価格買い取り制度における買い取り価格にプラス1円で、最大20年間買い取ってもらえるという。

こうして買い取られ、集められた電力はミサワホームが優先的に購入し、自社グループに供給するとしています。

参考