パネルを10年使用したらどれだけ劣化する?1ヶ月で実証実験

20〜30年は持つと考えられている太陽光発電は「寿命」という概念よりも経年劣化による買い替えをいつにするか、という考え方が重要となってきます。

ただ、20〜30年とはいえ実際に普及が加速したのはここ数年。実際の設置環境下で30年の月日を経たシステムは研究用のものであったりとサンプルが少なく、メーカー比較などもしにくいのが実際のところです。

そんな中、認証機関のテュフラインランドは、7〜10年間の使用期間における劣化の状況を1ヶ月で試験できる「高加速温度サイクル試験サービス」を開始すると発表。日立製作所と共同開発したものだそうです。

ちなみに10年後の経年劣化は、一般的に普及している単結晶型で90%〜95%程度と考えられており、高耐性を売りにするメーカーにとってはこうしたサービスの利用で優位性をアピールできるチャンスとなります。三菱電機やソーラーワールドQセルズなどにぜひその実力を実証してみてほしいものですね!

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太陽光発電の耐用年数・寿命
メーカー総合比較

トリナソーラー、多結晶パネル出力で世界新記録324.5W

太陽光発電を手がける、トリナ・ソーラー(Trina Solar Limited)が開発した多結晶シリコン太陽光モジュールが、出力で世界新記録の324.5Wを達成した事が、中国太陽光発電技術国家重点研究室にて発表されました。

トリナ・ソーラーは、1997年に太陽光システムインテグレーターとして設立された会社です。この記録は、局所裏面電界や裏面パッシベーションなど高い技術を用いた、60枚の高効率Honey Plus多結晶シリコンセル(156x156mm2)による世界新記録です。

記録は、第三者検査機関のTUV Reinlandにより認められました。Honey Plus p型裏面不動態型(PERC)セルの変換効率記録20.76%に次ぐ、世界新記録になります。

今回の記録により、トリナ・ソーラーは2014年度、合計4回世界新記録を達成した事になります。トリナ・ソーラーの副社長兼ディレクターであるZhiqiang Feng氏は、「意義のある研究技術革新にフォーカスして取り組んでいく」「引き続きトリナ・ソーラーがPV市場における技術革新のリーダーとして台頭し続け、高効率モジュール製品の将来的な大量生産を目指す」などと語りました。

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ジンコソーラーの「Eagle+」多結晶セルパネルで出力記録更新

中国の太陽光パネルメーカー、ジンコソーラーホールディングは同社製の6インチセル60枚で構成した60セルの多結晶シリコン型太陽光パネルの試作品である「Eagle+」が、ドイツの第三者認証機関である上海テストセンターで測定した結果、既存60セルの平均最高出力255Wをこえ、業界最高の306.9Wを達成したと発表。
現行製品ではジンコソーラーの60枚セルのパネルの大きさは1650×992となっており、このパネルの大きさと同じものが306.9Wを出したと仮定すると効率18.75%となります。これは単結晶パネルにも及ぶ成績と言え、現在製品化されている多結晶パネルの効率の最高16.2%よりも2%以上高いことになります。

もちろん、あくまでこれは試作品の記録のため、ここから量産品に落とし込む段階でどこまでこの効率をキープできるのかが見どころとなりそうです。

今回使用したセルは数個の高効率と革新的技術を綜合し、その中でシリコン結晶欠陥を減らす新技術として米デュポンの導電ぺーストを使用し、新たな電導層の形成技術によりセルの欠陥を抑制したうえで、先進なモジュール体化包装技術としてデュポンの薄膜のパックシートを使用し、発電効率を向上させた上に信頼性も高めました。

試作した太陽光パネルの試験では、デュアル85の条件下で1000時間の試験後の劣化現象がフリーであることを実現し、セルと包装材料を抗酸化デザインにすることで、スネイルトレイルと呼ばれるセルの細かいひび割れがほぼ0%にまで抑えられたと強調しています。またジンコソーラー社のCEOは今回の高技術の革新運用によりモジュールの出力と信頼性を大幅に高め、安定した発電を25年は保証できる、さらに今後は量産をめざし、コスト削減と全世界の太陽光発電業界内の発電の加速させると述べています。

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京セラのパネル、塩水噴霧試験に合格!沿岸地域での設置拡大も期待

海に囲まれた日本列島で太陽光発電の総容量を増やそうとすると、海岸近くに設置したいケースも多々あります。
また沖縄県宮古市の来間島で100%のエネルギー地産地消を図るなど、離島での太陽光発電の活用も増えてきている中、ソーラーパネルの塩害耐性へのニーズが高まっています。

今まではパネルメーカーとしては比較的マイナーなLIXILでこうした塩害耐性のあるパネルが販売されていましたが、価格の高い商品というイメージもありました。
最近になってやっと、市場のニーズに応えようとメーカーが動きだしています。

京セラは第三者認証機関のテュフラインランドが実施する太陽電池モジュールの「塩水噴霧試験」に合格、認証を取得したと発表しました。
これによって沿岸部のプロジェクトでの受注拡大を期待しており、出荷量にして2013年度の120万kWから10%アップを見込んでいるのだそう。

今回、京セラ認証取得した試験は、業界最高レベルである国際電気標準会議(IEC)の「61701基準」に準拠する試験だということ。
8週間の期間、太陽電池を塩水噴霧の噴射や高温多湿下にさらすことを繰り返した後性能を測るというもので、出力の低下は起こらなかったということ。

塩害耐性に関して京セラは、この他にも電気安全環境研究所(JET)による塩水噴霧試験のエディション1にも合格しているということ。

京セラの太陽光発電について・価格相場など

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