ソーラーパワーを使ったインスタレーションが地域を照らす

名前は〝SonUmbra″
MOMAに展示されるこの作品、光の源となるエネルギーはすべて太陽光発電で作られています。
昼間は他の樹木と同様、日光をさえぎり人々に日陰を提供し、その傍ら太陽光を自らのエネルギーとして利用するというコンセプトはまさに「人工の樹木!」
自然の樹木との違いは、夜はその美しく編まれたファブリックが光を放ち、人々を魅了するとともに、夜道を照らす役割を果たすことです。

制作を行ったのはロンドンをベースにしたデザイン会社Loop.pH

最終目標は電力供給が不足する地域に夜間の電灯を提供する事であったものの、制作の過程でアーティストたちは、そういった実用的な機能に加えてSonUmbraに特別な魅力を与えました。
それは、人々がこの木の周りで活動すると、その音や動きに合わせて、光の線がパターンを織りなすというもの。

こんな街灯に照らされる街ができることを考えると、今からワクワクしてしまいます。

参考記事

スクールニューディール


スクールニューディール

教育現場での太陽光発電の導入は、光熱費を抑えて環境保全に貢献するだけでなく、将来を担う子供たちの環境に対する意識を高めるのに大きく役立ちます。

スクールニューディールとは

平成21年度の補正予算措置の際に取り上げられた施策で、教育施設における「耐震化」・「エコ化」・「ITC化」の実施に関わる構想です。文部科学省、経済産業省、環境省に加えて一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)も協力して、この計画を進めています。

児童生徒が一日の大半を過ごす場所であり、災害時には地域住民の安全を守る役割を果たす学校施設においての耐震化について、公私立共に基準を満たすような改修措置を進めるようよびかけています。中学校の武道場や理科教育設備などの確保、特別支援学校の教室不足の解消なども促進するための予算を確保しています。

また学校施設のエコ化の一連で、二重サッシや断熱ガラス、断熱材、節水型トイレ、省エネ機器などを導入して省エネ化を図ったり、校庭の芝生化、ビオトープの設置等の予算が確保され、中でも力を入れているのが教育施設への太陽光発電設置の推進です。

全国1万2千校の公立小中学校(効率の全小中学校の1/3)への早期の太陽光発電導入を目標に掲げ、導入の際はほぼ全額を国の負担と補正債でカバーし、地方公共団体の実質負担金は2.5%まで軽減されます。

一校につき20kW程度の導入とし、一日の電力量の2/5~1/3をまかなえる量程度の発電量が期待されています。これにより学校1校分の年間のCO2削減量は、東京ドーム約1個分の面積の森林が吸収する量相当、経済効果としては、全国1万2千校に設置した場合、29億円程度の電気代の節約になります。

「低炭素・循環型社会」を実現させて、地球温暖化対策において国際的責任・役割を果たすという目的の元で取られた財政政策ですが、日本が太陽光発電業界で世界的リードを取り戻すためにも、また、年々重要度を増す世界的な環境問題で、日本人がより大きな役割を果たせるようになるためにも、とても重要な政策です。

エコライブ・音楽を太陽電池で

太陽光で音楽ライブを

福島原発の事故後、ミュージシャンなどがデモで原発反対を訴える場面などをよく見かけるようになりました。アンプや照明などで大量の電力を使う音楽ライブですが、その電源を太陽光でまかなえないかと考えたのが、コンサートの舞台演出で世界的にも認められているネクストワンクリエイトです。

NANO-MUGEN FES.2012

「太陽光でライブをやったらどうか」という考えをコンサート演出のネクストワンクリエイトの社長、市川訓由が考えたのは2009年。しかし技術的な問題から、一度は断念したというこの計画でしたが、2011年3月11日の震災後の原発事故の後、再度この計画が持ち上がり、2012年2月、震災後延期になったアジアンカンフージェネレーションのツアーでは実験的に取り入れられました。

今年7月に行われた「NANO-MUGEN FES.2012」ではより本格的なシステムの利用が計画されました。その方法は、会場にパネルを設置することは難しかったため、会場に近い空き地にパネルを並べ、バッテリーに蓄電したものを運ぶという方法がとられました。11tトラックにいっぱいのバッテリーで、10時間のフェスで必要な電力の約2割を太陽光で作った電力でまかなわれました。

アワード受賞

アメリカ最大のエンターテインメント空間演出のための製品、技術、ソフトを展示するコンベンション「Lighting Dimensions International 2011」で、このエコライブシステムはプロダクト部門での賞を取りました。日本人として、原発事故後に考えたことを世界にアピールする目的であったと言い、受賞は思いがけてもいなかったという事ですが、世界の後押しにモチベーションも高まったとのことです。コストの面で改善すべき問題はまだ多いようですが、今このタイミングで、コストを多少犠牲にしても率先して取り入れることが、業界全体の意識の底上げにも重要であると考えています。

THE SOLAR BUDOKAN

2012年12月20日に日本武道館で行われるイベント「THE SOLAR BUDOKAN」は、太陽光から生まれた電気でライブをするというギタリストの佐藤タイジの構想を実現させるイベントになります。電源供給の具体的な方法については公開されていませんが、太陽光電源だけで、武道館のような大きな会場の電源をまかなえるという前例が与える影響は大きくなると予想できます。

エコステ/太陽光でエコな駅

電車は、自家用車、バス、海運、航空と比べた場合、二酸化炭素排出量が一番(断トツで)低く、エコな移動手段であるといえます。それに加えてJR東日本では、の消費電力を再生可能エネルギーでまかなう、「エコステ」という取り組みで、より環境への負担を減らす努力を行っています。

四ツ谷駅

「エコステ」モデル駅の第一弾は四ツ谷駅です。2008年度比でCO240%削減を目標に、省エネ設備導入、駅社員の積極的な省エネへの取り組みを行っています。

具体案では証明器具をLEDに取り換えたり、太陽光発電(50kW)を設置することでCO2削減に取り組むほか、駅周辺の緑化や、エコ情報表示板の設置なども合わせて行い、利用者や従業員のエコ意識向上にも貢献する駅の実現を目指しています。太陽光発電システムはパナソニックのHIT、それに加えて蓄電システムやLED照明もパナソニックのものを導入しています。

パナソニックの太陽光パネルの詳細・最安値情報

2012年3月に本格稼働しました。

平泉駅

エコステ第二弾は岩手県の平泉駅です。史跡が多く残るこの土地は2011年6月に世界文化遺産にも登録されており、緑に囲まれた環境も踏まえてモデルに選ばれました。

四ツ谷駅同様LED照明や駅舎の断熱性を向上させることで省エネを、太陽光発電(四ツ谷の1.5倍以上の7.8kW)と蓄電池(240kWh)で創エネをし、エコ情報表示の設置でより意識、実感を高めることで、駅で消費するエネルギーの80%をまかなう計画です。

今年(2012年)6月28日に稼働開始。

海浜幕張駅

第三弾は千葉の海浜幕張駅に決まりました。海際の強い風力を利用するために、今回は風力発電も取り入れられます。この他にも「太陽光採光システムや「クールチューブ」といった設備も導入し、駅全体で現在の二酸化炭素排出量より2割を削減する見込みです。2013年から稼働できるよう、8月から工事が開始しています。

この他にも、中央本線小淵沢駅での検討がなされています。