一番使いやすいキッチンレイアウトは?
配置プラン別使い勝手比較

おうちのリフォームの中でも人気が高いのがキッチンのリフォーム。システムキッチンを新調するだけでなく思い切った配置換えをするキッチンリフォームも少なくありません。使い勝手が悪いキッチンや閉鎖的で暗いキッチンを、ストレスフリーで居心地の良い場所に変えるための配置や間隔の目安など、参考にしたいルールがある一方で、使う人の感覚や間取りの違いによってキッチンの作り方は千差万別のためルールも万能とはいきません。「ルールは破るためにある」というのも一理、このページでは絶対に外したくないポイントとフレキシビリティが生かされた例を合わせてご案内しながら、あなたにとって一番使いやすいキッチン・台所作りをお手伝いします。

使い勝手を重視したキッチンの配置レイアウト

家事動線の基本はワークトライアングル

おうちの台所の動線を考える際によく使われる「キッチン ワークトライアングル」という言葉は1940年代の後半にアメリカで行われた研究ではじめて言及されました。イリノイ州のビルディング・リサーチ・カウンシル (BRC)が行ったこの臨床研究ではキッチン空間の効率性が追求され、その成果として貯蔵(冷蔵庫やパントリー)下ごしらえ(シンク)調理(コンロ)の3つの機能の中心点を結ぶ線が最も効率的になる距離が割り出されています。

キッチンワークトライアングル

図のように3点を結ぶ線は、作業スペースが十分に取れるようそれぞれ1.2m以上であるべきとされます。ただこの目安は一人でキッチンに立つことを前提としています。お料理は毎日ご夫婦で協力しあって行う、といった場合はシンクとコンロの間が120cmでは少し狭い印象を受けるかもしれません。この場合はもう少し間隔をあけるか、複数人数でも料理しやすいL型やアイランドキッチン(以下を参照)などを考えてみてもいいかもしれません。

それぞれの辺の合計は3.6~6mがいいとされています。ちなみにアメリカでは体型の違いやスペースが確保しやすい住宅事情もあってか、辺の合計は一回り大きい4~8mという数値が使われています。海外暮らしが長くスペースに余裕があるのに慣れている場合などは少し余裕をもたるといいかもしれません。理論的にはトライアングルの各辺の長さが等しい正三角形に近い方が使いやすいとも言われますが、調理の順序から考えると冷蔵庫から食材を出し、洗って下ごしらえ、コンロで調理という流れが通常でコンロから冷蔵庫に戻ることはあまりないことから、冷蔵庫までの二辺がより長いような形になるのが通常です。

ゴミ箱は作業台の近くに

トライアングルを構成する要素に組み込まれてはいないものの調理中使うことが多いのがゴミ箱。シンクや作業台から遠いと野菜屑などの水が垂れていちいち床を拭く手間がかかります。ゴミ箱はシンク下のスペースに隠すと調理がスムーズになるだけでなく、住空間がかなりすっきりした印象になります。欧米ではシンクしたのゴミ箱はかなり一般的ですが、湿気がこもりやすく害虫が湧きやすい日本では蓋付きのものにするなど配慮が必要です。

使用頻度によっては電子レンジも動線に組み込んで

最近は野菜の下ごしらえなどで電子レンジを調理中に頻繁に使うという方も増えてきています。電子レンジや炊飯器、独立型のオーブンなどご家庭によって使用頻度が多い調理機器が他にもある場合は、お料理の動線に組み込みやすいよう計画することも必要です。

水切りかごのスペース

毎回の食器洗いが面倒だからとまとめてする方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。家族の人数にもよりますが、たまった食器を一度にすべて洗って干すには大きな水切りラックが必要で、作業用のスペースがまるまる潰れてしまうようなこともあります。手洗いであれば水切りラックが作業スペースを浸食しないよう事前に計画しておくほうがいいかもしれません。キッチンのリフォームで食器洗い機をご検討であれば、場所を取るステンレスのラックは必要無くなります。

レイアウトの型は4つ

ワークトライアングルを構成するシンク、調理器具、冷蔵庫(食品棚)の関係性からキッチンの配置は大まかに分けて「I型」「Ⅱ型」「L型」「U型」4つのパターン(型)があります。

I型(1列型)

キッチンI型
メリット
  • 省スペース
  • 安価な商品ラインナップも豊富
  • 配管等がしやすい
  • 窓からの採光がしやすい
  • (以上いずれも壁付けの場合)
  • 直線で移動が楽
デメリット
  • 間口が伸びると作業中の移動が増えて疲れる。逆に短すぎると使いにくい。
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日本では一番よく見かけるキッチンの型がI型(1型)です。シンク、コンロ、冷蔵庫が一列になっている配列は移動が一直線で使いやすいと言われます。

I型を導入する際に気を付けたいのが、先ほどのワークトライアングルの法則でご案内した最小3.6mという数値はI型の場合さらに短い2.7m程度に抑えた方が移動を少なく抑えられるということ。さらに冷蔵庫の横はシンク、そしてその横がコンロのように、作業の順番に沿った配置にしないと無駄な移動が増えます。

Ⅱ型(2列型、セパレート型)

キッチン2型
メリット
  • 作業動線が短い
  • 省スペースの対面プランが可能
  • 2列の間をゆったり取ると、複数での調理がしやすい
デメリット
  • 振り向く動作は大変な場合も
  • 作業中床を汚しやすい
  • 2列の間をゆったり取ると、一人での調理がしにくくなる
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一昔前はキッチンがリビングやダイニングと分かれた独立型(クローズ)プランで採用されることが多かったⅡ型(2列型)ですが、最近はオープンキッチンで対面式にする際に採用することも多くあります。コンロとシンクが別々になっていることからセパレート型と呼ばれることもあります。対面部分がシンクもしくはコンロのどちらか一方だけのため、横幅が比較的狭いダイニングキッチンでも対面型を実現することができます。

2つの列の間は一人で作業する場合は85cm程度が良いとされ、これ以上になると移動が長くなり疲れると感じる方が増えます。一方で2人以上での利用は120cm程度の間隔が欲しいところです。2列型の場合一人利用を優先するのか、複数利用を優先するのかでいずれかの使い勝手を犠牲にする必要が生じる点が、他のレイアウトにはない大きなデメリットと言えそうです。

L型(L字型)

キッチンl型
メリット
  • 作業動線が短く移動もスムーズ
  • 省スペースの対面プランが可能
  • 壁付けの場合、大人数での作業がしやすい
デメリット
  • コーナー部分の作業台下は収納しにくい
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海外のキッチンでよく見かけるL型のキッチンは、広いキッチンスペースを贅沢に使うプランや製品も多いためより多くのスペースが必要と言われます。ただ、年数の経った建物が多い欧州では狭いスペースに設備を詰め込むためこうしたL型が採用されていることもあり、L型ゆえに広いスペースが必要というのは正確ではありません。

アイランドキッチンなどが流行り始めるまでは、大人数で楽しく料理ができるキッチンと言えばL型キッチンだったと言えます。今でも、ホームパーティ好きや料理教室を開きたい方などを中心に人気は健在です。

L型が優れているところは調理動線がスムーズであるところと言えます。シンクからコンロまでは身体を90度振り返らせればいいだけで、横の移動距離が伸びがちなI型や、180度振り返ってのコンロとシンクの行き来が必要なⅡ型と比べると、どんな方にとっても使いやすいと言えるのがL型と言えます。

A型

キッチンa型
メリット
  • 作業動線が短く移動もスムーズ
  • 省スペースの対面プランが可能
  • コーナー部分も使いやすい
デメリット
  • 選べる商品が少ない
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ワークトライアングルの観点ではL型とほぼ変わらないものの、Lの角になる部分にもう一辺足すことで「A」のようなラインを書くA型というキッチンレイアウトもあります。L型の改良版と考えことができ、L型の良さをそのまま引き継ぎながら、さらにデメリットであったコーナー部分の使い勝手が向上しています。

レイアウトとしては優秀で、海外では採用例も少なくありません。角にシンクや調理器具などを配置したレイアウトもたまに見かけます。一方日本の既成品システムキッチンではA型の商品数は多くありません。オーダーキッチンなどのこだわりの家づくりをお考えの場合には検討してみるとよさそうです。

U型(コの字型)

キッチンu型
メリット
  • 作業動線が短く移動もスムーズ
デメリット
  • 収納しにくいコーナースペースが2箇所もある
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L字型にもう一辺足されたような形のU型もしくはコの字型と呼ばれるキッチンレイアウトもあります。L型同様シンクとコンロを90度重なる辺にそれぞれ配置することで作業動線が効率的になりますが、L型でデメリットであったコーナーのデッドスペースが2箇所に増えるだけでなく、各辺の長さが部屋によってさまざまなため既製品として展開することも難しく、システムキッチンとしてはあまり見かけません。オーダーキッチンの場合は、コの字の一辺を対面にするようなプランもあります。

作業用のスペースの広さと位置も計画する

ワークトライアングルは冷蔵庫、シンク、コンロの3つについてより効率的な位置関係が割り出されていますが、料理をする際は冷蔵庫から材料を取り出し、置いておくためのスペース(準備スペース)、素材を切ったりさばいたりといった作業をするスペース(調理スペース)そして出来上がった料理を皿に盛るスペース(配膳スペース)についても考えておかなくてはいけません。

表ではそれぞれのスペースに必要な広さと、位置において気を付けたいポイントを一覧にしています。3つの作業スペースをそれぞれ用意する必要はなく、うまくプランニングすれば兼用することもできます。

必要サイズ 位置
準備スペース
30~75cm
冷蔵庫から近い位置に。冷蔵庫ドアの開く向きも考えて。フラット型コンロなら調理していない天板上を準備スペースとすることも。
調理スペース
60~90cm
シンクとコンロから近い位置に。広々取れるなら、準備スペースと併用も。
配膳スペース
30~90cm
コンロから近い位置に。料理によっては調理スペースとの併用が難しい時も。
作業台プラン

同じサイズのキッチンでも、作業スペースのプランニング次第で使い勝手がかなり変わってきます。図では作業スペースの取り方の違うI型のキッチンを二つ並べています。左側は準備ー調理ー配膳の3つをそれぞれ別々のスペースとして用意した例です。料理の流れに沿って順番に並んでいるのはいいのですが、一つ一つのスペースが小さくなってしまうため不便さを感じることもあるかもしれません。対して右側はIHを採用した例で、冷蔵庫を少しコンロ側にずらすことでIHの上全体とその右に設けられたスペースを準備スペースとして使えるようにしています。この場合、冷蔵庫は左開きが理想的です。シンクを左端に持って行ったことで、調理スペースが広々と使えます。準備スペースに置いた野菜などは洗って切った後は調理スペースに移るので、料理が完成する頃には準備スペースとして使っていたところは配膳スペースに使うことができます。

作業台プラン2

作業スペースについては、調理スペースと配膳スペースを兼用するようなプランも多くありますが、どの機能をくっつける方が便利なのかは、あなたがよく作る料理の調理フローを考えてみると自然にわかってくるはずです。例えば調理スペースと配膳スペースが兼用のプランでお好み焼きなどをする際、大きなボールが調理スペースを占領していると、焼きあがった料理を載せるお皿を置くスペースが無くなってしまう場合もあります。他にもL型やⅡ型は、I型よりも作業スペースを取りやすくなるレイアウトが可能なこともありますので、今お使いのキッチンやショールームで実物を見ながら、どの作業の際どれくらいのスペースがほしい、ということからレイアウトを決めることもできるかもしれません。

コミュニケーションのハブとしてのキッチン間取り

ここからはキッチンをどのような場所として利用したいかを考える際の間取り選びに関して知っておきたいことをまとめています。

キッチンの間取りはダイニングやリビングとの関係から「独立型」「セミオープン型」「オープン型」の3つに分けられます。セミオープンはセミクローズといわれることもあります。

キッチンのレイアウト・間取り

また壁に向かって料理をする形のものは「壁付けタイプ」、ダイニングやリビング側に向かって料理をするタイプのものが「対面式」、対面式の中でもキッチンが島のように壁から切り離されたタイプのものは「アイランド型」と呼ばれます。アイランド(島)と対比して左右のどちらかが壁についたものはペニンシュラ(半島)型と呼ばれることもあります。

独立型キッチンは名前の通り、ダイニングなどから完全に分離された部屋に置かれたキッチンの間取りを言います。キッチンがドアで塞がれていなくても、居間とのコミュニケーションが分断されているような台所は独立型とされるようです。台所の臭いや煙をその部屋だけに収められるので他の部屋を汚しにくく、客間から遠いところにあれば片付いていなくても気にならない点や、水仕事の音などが居間のテレビの音を邪魔しない点もメリットとして挙げられるものの、料理をする人が家族から疎外されるような印象が強いのも事実で、現在新規でこの間取りが新たに選ばれることは少ないようです。ちなみに独立型は一部屋まるまるをキッチンの用途に充てるため、必然的に壁付けタイプのものが選ばれます。

キッチンリフォームの依頼の多くは独立型からセミオープンもしくはオープンに変えるというもののようです。セミオープンもオープンも、リビングに対してコミュニケーションを容易に取れる点では共通しています。

オープンキッチンなのか、セミオープンキッチンなのかわからない例

セミオープンキッチンはダイニングに向かって料理ができることを目的にしているため、基本的には対面型(ペニンシュラ型)です。ペニンシュラ型はオープンタイプのものもありますが、どこの壁があるとセミオープンなのか、どこまで開けばオープンなのか、というはっきりした区切りや定義は特にないようで、施工店や業者ごとに若干解釈が異なる場合もあるようです。オープン型のキッチンの中には既設マンションなどに多い壁付けのものもあります。ダイニングと同じ空間の壁側にキッチンセットが設けられたものです。そして先ほどもご案内したアイランド型キッチンもオープン型にカテゴライズされます。

色んなスタイルのキッチンの呼び方を一通り確認しましたが、肝心のキッチン選びに際しては、単にオープン/セミオープンといったカテゴリー名だけでなく、以下のような点を考えながらニーズを詰めていくと理想がより明確化します。

対面式キッチンの選び方

以下では人気の対面キッチンを選ぶ際、是非考えておきたいポイントについてまとめています。アイランドキッチン、オープンキッチン、セミオープンキッチンいずれにおいても当てはまることが多いポイントなので、キッチン選びに困ったらぜひ一度ご一読ください。

対面式の対面部分はコンロにするか、シンクにするか、はたまた両方か?

対面式でまず考えたいのが各設備の配置。ダイニングと対面する部分にコンロとシンクを両方設置することもできますし、Ⅱ列型の背面もしくはL型の直角になった辺にシンクとコンロを分けて配置することもできます。以下に配置の一例を図でご案内しています。

オープンキッチン

自分の好きな家事動線(横移動のみのI型か、90度振り向くだけのL型か、180度振り向くⅡ型か)で選ぶのもひとつですし、お部屋の縦横の幅(I型は横幅が必要、L型、Ⅱ型はそれぞれ奥行がある方が収まりやすい)で選択が限られる場合もあります。

コンロがIHであれば対面側に配置することで、料理をしていない時はカウンター替わりとしても使えます。(ダイニング側に立ち上がりのないフルフラット天板の場合)一方でコンロが壁に面していると排気がしやすいというメリットもあります。

対面式の換気計画はどうするか

キッチンとダイニングがつながっている場合換気計画をきちんと立てることが望まれます。オープンキッチンの場合見栄えの面で天井から吊り下がったタイプのレンジフードが好まれますが、コンロの前に気流が伝うことができる壁がある方が換気扇の効きは良いと言えます。造作壁で目線を遮りたくない場合はガラスの仕切りなどもあるのでご検討ください。

対面式ワークトップのダイニング側はどうする?

ワークトップ(天板)ですが、フルフラットで対岸をテーブルのように使うこともできれば、ダイニング側に立ち上がりを作って水はねを防いだりちょっとした目隠し効果を得こともできます。最近は立ち上がりが数センチという、フルフラットに近いカウンター有りのものなどバリエーションも増えてきています。ショールームではこれらのことを踏まえて是非お気に入りのものを見つけてみてください。あなたのこだわりに適う製品が見つからないという場合はオーダーキッチンという手もあります。

ルールや売り文句に捉われないキッチンづくりを

ワークトライアングルの距離だけが使い勝手を決めるのではない

ワークトライアングルのルールでは「Ⅱ型は作業効率が良い」とされますが、その理由は単純に移動距離が短いからです。では、移動距離が短ければ本当に使いやすいキッチンと言えるのでしょうか?移動距離が短い方が料理がしやすいというのは大半の場面で言えるでしょうが、Ⅱ型レイアウトに特有の身体を後ろにひねる動作にかかわる負担はきちんと数値化されていません。シンクとコンロの間に台がないことで床に食材や水分をこぼしやすかったり、重い鍋などを移動するにも作業台のワンステップが無いため一気に「エイっ」と持ち上げて回転移動という身体の動きが必要になります。ご家庭の献立計画にもよるでしょうが、大きなパスタ鍋をシンクに移動するような料理を週に2度も3度もするようなご家庭では、不便さを感じることも少なくないかもしれません。

対面式・アイランドキッチンの流行に流されない

「コミュニケーションを重視したいなら」「おしゃれな空間にしたいなら」といった枕詞とともに紹介されることが多いアイランドキッチン・対面キッチンですが、「対面キッチンはオープンではあるけれど、キッチン自体が「料理をする人/料理を待つ人」の境界を作ってしまう」とする建築家の意見もあります。「対面=おしゃれ」というわけでも決してありません。シンプルな空間使いを可能にする壁付けキッチンはあなたのセンスを生かす空間的余裕を残します。パーティなどで人を呼んだ時も余裕あるスペースで迎えることができます。この「余裕」がエレガンスに通じる場面も決して少なくないでしょう。

ダイニングに横並びの関係にあるキッチン キッチンに横並びにあるダイニング。目線が斜めの関係性にある方が、落ち着けるという方も少なくないかもしれない。

背中を向けて料理するのは嫌だという方もいらっしゃるでしょうが、対面だと目線が気になるというシャイな方も日本人には多いのかもしれません。お部屋のスペースにもよりますが、壁付けのキッチンと並行するようにダイニングテーブルを配置すれば、家族に背を向けることも、目線を気にすることもありません。斜めに少し振り返るだけでダイニングに座っている人との会話に加わることができます。このように理想のコミュニケーションの形は本来1つのパターンに収まるものではありません。「コミュニケーションを大切にしたいなら対面式」というのはルールでもなんでもなく、メーカーの売り言葉に過ぎないとも言えます。(製品自体の価格も対面式の方が比較的高額です)

ルール破りの冷蔵庫前カウンターは意外に便利?

ワークトライアングルの各辺状に障害物を置くとそれを避けながら移動しなくてはいけないため動線が長くなります。そのためワークトライアングルの動線上には基本的には障害物は置かないのがルールです。シンクとコンロの間に障害物があると作業の邪魔になる場面が多く想定されるので、やはり除外するのが懸命ですが、冷蔵庫と他の2点の間の障害物には例外があるかもしれません。

決まったスペースで配置を考えるキッチンのリフォームでは、コンロとシンクがセットになったシステムキッチンの中からお部屋に最適なサイズ・レイアウトを選ぶことが多いですが、コンロ・シンクに対して最適な位置に冷蔵庫を置けない場合も少なからず出てきます。冷蔵庫から他2点の距離がかなり開いてしまうレイアウトになった場合は、冷蔵庫の前に大き目のカウンターを置いてみるのはどうでしょうか。買い物から帰ってきたらカウンターに食材を置けて、冷蔵庫への貯蔵もスムーズになります。料理をする時は使う食材を全て冷蔵庫から出し、並べて準備しておくと「あ、残ってたあれも入れるつもりだったのに!」という事も無くなります。

カウンターを付けたキッチン 冷蔵庫前に置いた可動式カウンターは多様に使える

カウンターがあると冷蔵庫からコンロ・シンクへの動線を遮ることになりますが、カウンターをうまく調理のフローに組み込むことで効率を大きく損ねることなく、使いやすい環境を作ることができます。

写真はスウェーデンのあるお家のキッチンです。築何十年ものお家を大切に住み継ぐ文化が育っている欧米は、スタンダードな壁付けキッチンのレイアウトをそのまま使うことも多いのですが、このお家のようにカウンターを追加して作業スペースを増やしている例もよく見かけます。また以下は写真のレイアウトを上から見た図をご案内しています。

カウンターを冷蔵庫前に配置したキッチンのプラン例

あえて言うならシンク、コンロ、冷蔵庫の関係はⅡ型の変形型というところでしょうか。シンクとコンロの間の作業台の小ささをカウンターで解消しながらカウンター下で収納量を増やしています。また毎回の食事でコンロやシンクを使うとは限りません。朝はパンを切ってバターを塗って食べるだけ、という簡単な食事なら、冷蔵庫とカウンターの行き来で事足ります。

キッチンレイアウトで失敗しないために

キッチンのレイアウトについて覚えきれないほど多くのポイントをご案内しましたが、さらにキッチンだけでなくダイニングテーブルをどのように配置するのか、など、間取りを変えるリフォームはなかなか簡単ではありません。いきなりプロに相談して最新商品などを見せられたら「これが欲しい」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、できればショールームに行ったり業者に見積もりを頼む前に自分で部屋を見回してみて、必要なスペックは絞っておくと無駄に迷うことがありません。「この窓際からの景色を見ながら食事をしたいな」から入って「ダイニングに座っている人に対してお尻を向けずに料理ができればいいな」など、新しいキッチンで新しい生活がどんな風に変えられるのか、想像しながら計画するとリフォームがもっと楽しく進められるのではないでしょうか。

業者を選ぶにも、近場の工務店や大手ホームセンターのリフォームに頼むのもいいのですが、あなたの要望を丁寧に聞いてくれて形にしてくれる会社をじっくり選んでいきたいところです。

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