節水トイレのメーカー・モデル別比較
水道代どれくらい節約できる?詰まりやすい?

40年前は一回に水13ℓ、水道代にして3.3円/回かかっていたトイレ洗浄ですが、現在は水の使用量が3分の1まで下がってきています。このページでは節水トイレのメーカー・モデル別の比較や、節水トイレは詰まりやすい?などの疑問を検証しています。

節水トイレの水道代ってどれくらい?

節水トイレについて知る前に、トイレの水に関するデータを把握しておきます。

トイレの水道代は一カ月350円/人

以下では、東京都水道局が公開している家庭の水の使用量に関するデータです。

家庭での水の使われ方(H24/2012年)

(%)
世帯人員 月間平均使用水量 水道代(税込)
1人世帯 8㎥ ¥1,534
2人世帯 16.2㎥ ¥3,499
3人世帯 20.8㎥ ¥4,717
4人世帯 25.1㎥ ¥6,235
5人世帯 29.6㎥ ¥7,992
6人以上世帯 35.4㎥ ¥10,323

こちらのデータをもとにして、トイレで使われる上下水道の量と水道代を世帯人数別に求めたものを以下でご案内しています。

世帯人数 1人 2人 3人 4人 5人 6人
トイレに使う水の量 2㎥/月
59ℓ/日
4㎥/月
119ℓ/日
5㎥/月
153ℓ/日
6㎥/月
184ℓ/日
7㎥/月
217ℓ/日
8㎥/月
260ℓ/日
水道代 337円/月
11.2円/日
770円/月
25.7円/日
1,038円/月
34.6円/日
1,372円/月
45.7円/日
1,758円/月
58.6円/日
2,271円/月
75.7円/日

平均すると、世帯人数一人あたり一カ月で約350円をトイレの水道代として支払っている計算になります。

平均の数値は把握できましたが、この数字は以下でご案内するような従来製品と節水トイレの数値がごちゃまぜになったものです。以下では主要トイレメーカーであるTOTOのトイレが、洗浄水量をどのように減らしていったのかを、年代とともにご案内しています。

製造年代別・節水トイレの洗浄水量推移

年度※1 使用水量 一回の洗浄にかかる水道代※2 年間のトイレ水道代※3
(3人世帯)
1975年以前
(48年以上前のトイレ)
20.0ℓ 5.0円 21900円
1975年
(48年前のトイレ)
13.0ℓ 3.3円 14200円
1994年
(29年前のトイレ)
10.0ℓ 2.5円 11000円
1999年
(24年前のトイレ)
8.0ℓ 2.0円 8800円
2006年
(17年前のトイレ)
6.0ℓ 1.5円 6600円
2007年
(16年前のトイレ)
5.5ℓ 1.4円 6000円
2009年
(14年前のトイレ)
4.8ℓ 1.2円 5300円
2012年
(11年前のトイレ)
3.8ℓ※4 1.0円 4200円

トイレの水量は、40年前と比べると3分の1以下までに減ってきています。世帯人数が増えるにつれて、古いトイレを使い続けることにるよる水道代の無駄は年々積み重なります。

一方トイレの便器自体は割れない限り使い続けることができるので、丁寧にお手入れをされているご家庭なら40年前のものを大切に使い継いでいる場合もあるかもしれません。新しい製品ほど省エネ・節水の効率は上がってきていますが、まだ使えるものを廃棄することは環境に負担をかけることになるため、どちらがエコな選択かは一概には言えません。

洗浄水量自体は2012年あたりからほとんど変わっていないため、例えば10年前の製品の中古品であっても新品と性能はほとんど変わらないと言えそうです。取り替えをしたい時、まずは中古品を探してみるといいかもしれません。

  • 1 「○年前」の記述は、いずれも2023年現在における
  • 2 水道代は上下水道を合わせて1ℓあたり0.25円で計算
  • 3 表中に記載された水量で一日に一人4回流すとした場合
  • 4 床排水の場合。マンションなどに多い壁排水は4.8ℓ

メーカー・モデル別の節水比較

以下ではTOTO、リクシル(INAX)、パナソニックにおける主要な住宅用トイレの洗浄水量と、水道代の比較をご案内しています。

メーカー モデル 洗浄水量 一日の使用水量(一人あたり)※1
月の水道代(3人世帯)※2
TOTO ネオレスト(床排水) 3.8ℓ 3.3ℓ 13.7ℓ(313円)
ネオレスト(壁排水) 4.8ℓ 3.6ℓ 15.6ℓ(356円)
GG・GG-800 4.8ℓ 3.6ℓ 15.6ℓ(356円)
レストパル 4.8ℓ 3.6ℓ 15.6ℓ(356円)
ピュアレスト 4.8ℓ 3.6ℓ 15.6ℓ(356円)
LIXIL サティス(床排水・ECO4仕様) 4.0ℓ 3.3ℓ 13.9ℓ(317円)
サティス(壁排水・ECO5仕様) 5.0ℓ 3.8ℓ 16.4ℓ(374円)
プレアス(ECO5) 5.0ℓ 3.8ℓ 16.4ℓ(374円)
アステオ(ECO6) 6.0ℓ 5.0ℓ 21.0ℓ(479円)
アメージュ(ECO5) 5.0ℓ 3.8ℓ 16.4ℓ(374円)
Panasonic 新型アラウーノ 4.8ℓ 3.6ℓ 15.6ℓ(356円)
アラウーノSⅡ 5.7ℓ 4.0ℓ 17.7ℓ(404円)
アラウーノV 4.6ℓ 3.0ℓ 13.6ℓ(310円)

TOTOは全般的に節水率の高い商品を展開しているほか、トイレ掃除の際などのために小よりさらに0.2~0.3ℓ程度洗浄水量が少ないECO洗浄も搭載しています。

ただ、いずれのモデル・メーカーにおいてもひと世帯でトイレの洗浄に関わる水道代は500円以下と、全体的に節水がかなり徹底されてきている印象です。

  • 1 大で1回、小で3回流したと想定
  • 2 水道代は上下水道を合わせて1ℓあたり0.25円で計算

電気代も気になる!エコトイレの光熱費比較

メーカー モデル 年間消費電力 月間電気代
TOTO ネオレスト 94~158kWh 219~366円
GG・GG-800 248kWh 579円
レストパル・ピュアレスト 72~251kWh 168~586円
LIXIL サティス(ECO4仕様) 89kWh 208円
Panasonic 新型アラウーノ 68~151kWh 159~352円
アラウーノSⅡ 119~165kWh 278~385円
アラウーノV 112~220kWh 261~513円

各メーカーが製品紹介のページで案内している年間消費電力を掲載しています。電気代は28円/kWhで統一していますが、消費電力の測り方はそれぞれのメーカーで異なる可能性がありますので、メーカー間の比較よりも同一メーカーのモデル間の電気代比較にとどめておく方がよさそうです。

リクシル(当時INAX)の1988年販売モデルのカタログを見てみると、電気代が夏場は350円・冬場は650円と記載されています。2016年現在販売されている商品は少しだけ節電に優れていると言えそうですが、それほど目立った違いとは言えない範囲です。

節水トイレは詰まりやすい?

節水トイレは詰まりやすさを報告する声が多い一方で節水トイレでも一度も詰まったことが無い、と言っている方も少なくありません。トイレリフォーム後に後悔しないよう、詰まりやすい場合とそうでない場合を事前に把握しておくのが安心です。以下では、節水トイレで詰まりやすくなる条件を網羅してご案内します。これらのポイントはリフォーム業者であればある程度把握しているはずですが、以下の条件に複数当てはまる場合は業者とよく相談して節水トイレの導入の可否を決めるのが無難です。

トイレットペーパーを使いすぎると詰まりやすい

想像に難くないトイレの詰まりの原因として、ペーパーの使い過ぎが挙げられます。温水洗浄便座の普及が進んでからはトイレットペーパーの使用量も減り、トイレ業者が詰まりで呼ばれる頻度は少なくなったと言われます。もしウォシュレットが苦手、潔癖でトイレットペーパを何重にもして何回も拭かないと気が済まない、シングルよりダブルの柔らかい拭き心地がいい、というような方は少し注意が必要です。そうでなくても、節水トイレを導入する際はできるだけペーパーも節約できるよう心掛けておくに越したことはありません。もちろん、トイレットペーパー以外は流すべきではありません。ティッシュペーパーは水に溶けませんし、トイレ掃除の用具で"流せる"と書いてあってもティッシュ同様水に溶けない素材のものも多くありますので、流さないのが無難です。

戸建て住宅の方が詰まりやすい

複数階建てのマンションの場合、配管は垂直で排水が勢いよく落下するためトイレの水は詰まりにくくなります。一方戸建て住宅ではマンションほど排水の勾配を付けにくいので、詰まりやすいと言われます。

トイレが上流の配管は詰まりやすい

トイレだけでなくキッチン、風呂などの下水管はつながっていますが、トイレが一番上流側にある場合、配管の中に汚水が溜まって詰まりやすいと言われます。トイレが下流の場合、キッチンや台所の排水がトイレの排水まで押し出してくれるので、配管内で詰まることは少なくなります。

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