ソニーがカナダの電力大手と合弁会社設立、電力系統用の大規模蓄電システムを開発

ソニーが、カナダ最大の電力会社であるハイドロ・ケベック社と、主に電力系統用の大規模蓄電システムに関して研究・開発するため、2014年6月に合弁会社を設立する予定だと発表。

今回の新会社設立は、大容量の電力を効率的に安定供給するために高い安全性と信頼性を持つ電力系統用の蓄電システムを開発する事を主な目的としています。

ソニーの安全性・信頼性の高いオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池と拡張性の高い蓄電モジュール・システムの制御技術、ハイドロ・ケベックの電力系統の運用・制御技術とリチウムイオン電池材料技術、それぞれの強みを生かして大規模な用途でも高い安全性と信頼性を実現するシステムに加えて、電力系統用に適した電池材料技術の研究・開発を行い、変電所におけるピーク対策や再生可能エネルギーの系統連系など、拡大するさまざまな用途への有効性の検証を行っていくとのこと。

ソニーは新会社の設立で、すでに進出している家庭・オフィス用蓄電システム市場に加えて、より大規模な蓄電システム市場への進出で、蓄電池事業を拡大していきたい模様。

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ソニー損保、「そらべあプロジェクト」で広島県呉市の保育園に蓄電池を寄贈

「そらべあスマイルプロジェクト」は、再生可能エネルギーの普及活動や環境教育を行うNPO法人そらべあ基金が、一般の方や賛同企業からの寄付金をもとに全国の幼稚園・保育園へ太陽光発電設備を寄贈するというプロジェクト。

2008年からはじまり、すでに第28回目まで続いているプロジェクトで、毎回ソニー株式会社やグループ企業のソニー損害保険株式会社、ソニーマーケティング株式会社、ソニー生命保険株式会社といった会社が協賛に入って、これまでに合計40園以上に太陽光発電システム「そらべあ発電所」を寄贈してきました。

その27回目の協賛をしたソニー損保が、当選した広島県呉市の「銀の鈴保育園」に、3kWの太陽光発電設備(アブリテック製)と、ソニー製のホームエネルギーサーバー(蓄電池)の寄贈が行われたと発表しました。
ソニー損保が協賛した「そらべあスマイルプロジェクト」での「そらべあ発電所」は13基目ということ。

今回「銀の鈴保育園」が当選した理由として、園児に屋上菜園での苗植えや収穫を体験させてフードマイレージの概念を伝えるといった環境教育に取組んでいることなどが挙げられています。

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沖縄でソニーが住宅間の電力融通の実証実験

2012年から沖縄県において、沖縄科学技術大学院大学(OIST)、株式会社沖創工と共同でオープンエネルギーシステム(既存の送電システムに替わるものとして超分散型でダイナミックに再構成可能なオープンエネルギーシステム)の研究を行ってきたソニーコンピュータサイエンス研究所。

来年度、沖縄県における新たな実証実験として、直流方式によって複数住宅間で電力を相互融通する実証実験を始めるということです。

オープンエネルギーシステムの研究の一貫にも位置づけられると考えられます。
同じく沖縄科学技術大学院大学(OIST、沖縄県恩納村)や沖創工(那覇市)を共同研究者とし、「亜熱帯・しょ型エネルギー基盤技術研究事業」の採択事業として沖縄県から補助を受ける予定。

詳しい研究の内容としては、沖縄県内の20戸の住宅が参加し、それぞれの住宅で太陽光発電からの電力を蓄電池にため、自動制御によって残量が少ない住宅に融通し合うというもの。

電力系統に頼らない次世代エネルギーシステムの商用化の可能性も検討する

ということ。

本国とはまた違った電力事情を持つ沖縄におけるこうした研究は、日本にとどまらず世界中の諸島における電力事情(大きな電力設備の建設ができない、燃料費がかかるなど)の改善につながりそうですね。

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