NTTグループ「エコめがね」利用者を対象に

「エコめがね」の利用者を対象にNTTスマイルエナジーは太陽光発電の発電電力を高価買取する「エコめがねPlus」を全国展開する計画を発表しました。東京電力の管内から離島や東北地方など一部地域を除き各地域に展開します。売電先は新電力エネットになるということ。

「エコめがね」とは太陽光発電の発電状態を視覚化できるサービスで太陽光パネルからNTTスマイルエナジーが運営するエコめがねサーバーへ発電状況が送信され、利用者や太陽光発電の販売会社がインターネット上で閲覧することができます。
そのため、パソコンをはじめとしたスマートフォンや一部携帯端末など様々な端末から発電状況を閲覧することができます。全国でエコめがねの利用者による発電量は350MWを超えています。

太陽光発電は雨天時など様々な気候に左右されるため、供給電力が安定しない欠点がありますが、NTTスマイルエナジーは全国の幅広い地域から太陽光電力を集めることで安定した電力を得ることができると考えています。2016年4月には電力の小売りが全面的に自由化されるため、今後の発展に期待できます。2011年にNTT西日本とオムロンが共同設立したNTTスマイルエナジーは、エコめがねを中心にサービス拡大を目指しています。

参考

2015年1月版、電力自由化の市場動向 – 新電力の参入状況など

富士経済が、電力自由化に関する新規参入状況に関する調査を発表しました。

2014年11月時点で409社の新電力の半数以上が実態なし

調査によると、2014年11月7日の時点で登録されている新電力は409社。
しかし、過去約一年で登録された新規参入企業を中心に332社へのアンケート調査を実行したところ、電力事業の実績があるのは10%程度にとどまり、さらには今後電力事業を行う計画さえ不明瞭な企業の登録が半数以上もあることがわかっています。

またアンケートに協力した企業のうち40%超130社以上が太陽光発電関連事業ということ。
固定価格買取制度で爆発的に増えたメガソーラーや中規模太陽光発電所の事業者が、登録していると予想されます。

この結果の背景として、現状ではまだ電力会社としての届出基準が明確でないことが挙げられています。

2013年度は227億kWhが新電力経由で販売

新電力によって販売された電力の合計は2013年度で227.1億kWhにのぼったということ。
参考までに、東京電力の2013年度の販売電力量は2667億kWhなので、この12%弱の規模になります。ただ新電力は一般電気事業者からのベース電力の利用も含まれています。
2014年度はさらに供給量は伸びて277.7億kWhになる予定だということ。

新電力の主要プレイヤーとして、エネットJX日鉱日石エネルギー昭和シェル石油、オリックスなどが挙げられています。

JX日鉱日石エネルギー、電力小売り自由化後は「電力事業が柱に」

JX日鉱日石エネルギー社長の杉本務氏は2015年1月20日に応じた毎日新聞社のインタビューの中で、2016年4月の家庭向け電力販売の自由化と同時に、首都圏で電力とガソリンのセット販売を開始する方針であることを明かしました。

販売は首都圏内のENEOSカード会員およそ100万人で、同社系列のガソリンスタンドやプロパンガスなどの特約店を流通経路とし、電力とガソリンの割安セット販売などのサービスを提供していく考えです。

今後は電力が柱に、今秋目標に準備を進める

杉森氏は「ビジネスの要である石油の需要が減少する今、電力事業は次世代ビジネスの柱となる」とし、今秋中にも顧客情報システムの構築を完了させると語っています。

また、同じく今秋中には通信会社との提携をまとめる方針であるとも明かしましたが、これは携帯電話と電力のセット販売などを想定してのものとみられています。

JX日鉱日石エネルギーは石油元売り最大手として知られる会社で、原油などの調達力を活かして、火力や風力による発電設備を全国で複数所有しています。その合計発電量はおよそ150万キロワットとされ、2016年4月から開始する電力事業ではこれらの電力の内自社消費を除く80万キロワットを家庭や企業向けに販売する予定です。

日立造船が新電力立ち上げ、ごみ焼却場での電力も

2015年1月20日、日立造船は2月1日付けで「新電力事業推進室」を立ち上げ、4月にも特定規模電気事業者として電力小売事業に参入することを発表しました。

同社既に茨城県常陸大宮市にあるガスタービン発電所の電力を東京電力他に販売している実績を持っており、小売を始めることでさらに電力事業を強化する狙いで、平成28年の電力小売自由化に備え一般家庭向けの販売も視野に入れています。

特にごみ発電の実績は高く、地産地消を推進するモデルの構築に生かすため同社が開発したごみ焼却発電所が位置する地域で公共施設などを中心に販売先となる需要家を探す予定だということ。

参考

新電力に顧客流出が続く

電気新聞が電力会社10社にアンケートを行ったところ、新電力(特定規模電気事業者)に切り替えた顧客は累計で6万4710件、容量にして1184万6800kWに達したということ。

切り替えを行った容量すなわち離脱需要は2014年度の半年だけでも130万kWにのぼり、離脱のペースも加速しているという。

参考

大分県、100以上の県有施設で電力調達先を競争入札

大分県は今年新たに100以上の県有施設を対象とした、電力調達先を一般競争入札で決めました。
入札に切り替えることによって新電力会社が参入することのできる機会を大幅拡大するのが目的です。

対象となる県の機関は37カ所・県教育委員会が59カ所・高校や支援学校など53校・警察署13署・県運転免許センターなどが含まれます。
入札は個々ではなく九つのグループに分けられてそれぞれで募集されます。

14・15日の両日に入札が行われます。これらの契約期間は3月から来年2月までの1年間です。

新電力会社から電力を調達することによって、コストの軽減にもつなげることができます。これらの試みは、全国の自治体でも広がっており、九州では福岡・宮崎も取り組んでいます。

参考

新電力への切り替えの際の補償金にガイドライン、自治体の売電先切り替えを容易に

日本では電力システムの改革が必要とされており、数社しか存在しない電力会社に集中していた流通経路について、小売の全面自由化によって新電力の販売に多くの業者が参入できるよう、政府は地方自治体に対し、契約の変更を柔軟に行えるための努力をしています。

電力の売買契約が自由化されれば、自治体の収入が増えるとの試算が出ています。自治体では水力発電所を運営していますが、その規模は小さく、契約を変更したくても電力会社との随意契約の関係上、売電価格が魅力の新電力に切り替えるには、電力会社から多額の補償金を請求される可能性があります。
実際に、東京都が2013年にF-Powerという新電力に切り替える際、契約中の電力会社から52億円もの補償金を請求されることがありました。結局は裁判で、13億円以上の補償金を支払うことになったという事例が残っています。その後2年間は収益が賠償金で相殺されるかたちで収入が増えることはありませんでしたが、新電力のF-Powerとは2019年までの契約となっているため、残りの4年間で補償金を支払う必要なく、新電力による高単価な売電収入を伸ばすことができるようになります。

この東京都の例に見られるように、多くの自治体があまりにも多額な補償金の影響で、新電力に切り替えられないことに悩んでおり、政府は売電契約のガイドラインを、全国の自治体に設置する方針です。同時に電力会社に対しても補償金に関する契約内容の見直しを促すために、解約の際に新電力へ切り替えの代替電力調達コストを今までの単価で差し引いて、契約期間をかけ合わせるかたちで算出する方法を考えています。この方法の代替電力は、電力自由化が始まった後の価格競争で安くなる可能性を秘めており、今の売電契約の単価を大幅に上回ることがないとしています。

参考

新潟県、水力発電の売電先を新電力に変更で96億円増収

新潟県の企業局は県内12ヶ所にある水力発電所のうち11ヶ所の電力供給先を、現在の東北電力から日本テクノ日本ロジテック協同組合の新電力2社に切り替えることを決定しました。
これは同局が実施した一般競争入札の結果に基づくもので、この切り替えによって新潟県の売電収入はおよそ96億円増加する見込みです。

売電期間は2015年4月1日から2017年3月31日までの2年間。入札は11ヶ所の水力発電所を2グループに分ける形で行われ、県北部にある三面発電所を始めとした3ヶ所(年間発電量およそ3億4000万kWh)を日本テクノが1kWhあたり16.48円(税抜き)で、残りの8ヶ所(同2億kWh)を日本ロジテック協同組合が1kWhあたり15.90円(同)で落札しました。どちらも現在の東北電力の買取価格の2倍以上の単価になるのだそう。
新潟県はこの収入増加分を福祉事業の拡充などにあてる予定です。

新電力各社は2016年の電力小売完全自由化に向けて供給力増加の必要を迫られており、日本テクノ日本ロジテック協同組合の2社も全国への供給拡大を積極的に進めています。

参考

先立つ新電力切り替えの実情と、独立型系統の未来

2016年には電力の小売自由化も始まりますが、これによって未来の電力構造はどのように変わるのでしょうか?

半歩先を行く電力利用をする自治体と個人について特集した2014年12月14日の記事を元に、未来の電力構造をちょっとだけ考えてみようと思います。

自治体による脱電力会社

群馬県で自治体による全国初の新電力「中之条電力」設立

地方自治体で、脱大手電力会社の動きが高まっています。昨年の9月には、群馬県中之条町が全国で初めて、新規の電力事業に参入し「新電力」を設立し、今も大きな注目をあびています。

中之条町では「電力の地産地消」のため、自然エネルギーを推進するとして条例を制定した後、町と新電力「V-power」とが共同出資して一般財団法人「中之条電力」をたちあげました。
中之条町には3つのメガソーラー発電所があり、町内の公共施設の需要を十分満たせるだけの電力供給が見込めます。中之条電力は、町内の公共施設に直接売電しています。現在、中之条町では東京電力から電気を購入していた頃よりも年1,000万円の経費削減を実現し、中之条電力の売電による利益は個人宅の太陽光パネルへの補助金に活用されてきました。

結果として、今や個人宅に設置された太陽光パネルの合計は1000kW(1MW)を超え、再エネを活用した地方復興の好例として全国からの視察が絶えない状態です。

これまでの売電先を変更し収入増につなげる

新電力の活用方法は電気代削減にとどまりません。
固定価格買取制度以前は再エネ設備による発電電力の買い取りに関する制度はなく、電力会社と任意の単価による売買が行われていました。(太陽光発電の売電単価推移

一方、固定価格買取制度以前に稼働した再エネ設備を持つ地方自治体の中には売電先を新電力に変え、固定価格買取制度を新たに適用させることで増収につなげる動きが出てきています。

東京都では猪瀬直樹前知事の「脱東電」の指示のもと、都内三か所の水力発電施設による電気の売電先を、東京電力から新電力の「エフパワー」へ切り替えました。

これにより売買収入は年間約17億円と、7割もの増収に成功しました。契約中であったために、東電に違約金約14億円を支払うことになりましたが、その犠牲を払ってでも新電力へと切り替えることに大きな価値を見出していたのでしょう。

現在、大手電力会社は電気料金値上げや、原発再稼働に邁進していますが、そのような動きは、東日本大震災以後地方自治体や一般家庭に与えた大手電力会社への不信感に拍車をかけてしまっていると言えるでしょう。

こうした自治体による新電力への切り替えはこうした消費者による脱大手電力会社/脱原発意識を象徴するという見方もあります。
他にも昨年一月末には神奈川県が公共施設の9割を新電力に切り替えたと公表し、長野県や長崎県も新電力からの電力購入割合が高くなっています。


売電をしないことによる究極の脱電力会社

ここまでにご案内したのは、自治体による新電力の活用の実態。契約先を従来の電力会社から変更するという点では脱電力会社の動きの一つとも言えますが、新電力に売電する際には電力会社が持つ従来の送電網を使っており、実は完全なる脱電力会社ではないとも言うことができます。

記事には売電制度さえも利用せず、 蓄電池(バッテリー)に貯めた電力で完全なる自給自足をしながら生活する方々の実情も紹介されていました。

ここで紹介されていた「自給エネルギーチーム(自エネ組)」という独立型太陽光発電システムの施工を行う団体は、全国で29か所で独立型太陽光発電を設置してきたといいます。

「沢水を引いて、薪で調理して。夜はランプの生活」

という生活は現代の暮らしに慣れた私達からすると考えられないかもしれませんが、

「すごく楽しかったんですね。生きる喜びを感じました」

と語る自エネ組の共同設立者木村俊雄さんはなんと元東電職員。
「原発に未来はない」と直感したことが、この組織に関わる動機にもなったのだそう。


未来の電力構造は?

電力自由化によって需要者は従来の電力会社以外にも購入先を選ぶことができるようになります。前半の自治体のような例をそのまま個人レベルに落とし込んだ例が2016年以降は増えることは、誰もが予想できる未来です。

これに加えて後半でご紹介したような完全独立型電力消費の形は、太陽光発電のコスト(kWhあたりの価格)が系統電力以下に下がった今、(グリッドパリティ)蓄電池の普及促進でさらに広がる可能性も秘めています。

記事では

オフグリッド生活を始めると、自然に寄り添う暮らしになるのかもしれない

と締められていますが、人々の消費傾向が多様化し、より本質的な意味で自分に心地いい消費の仕方が見直されてきていると感じる昨今、こうした独立型(オフグリッド)発電設備も根強く普及を進めるとみるのも自然ではないでしょうか。

エナリスが日産と、V2Hを活用したデマンドレスポンスを実証実験

エナリスは、日産自動車と共同で日産リーフとリーフを使用したV2Hシステム「LEAF to Home」を活用したディマンドリスポンス(デマンドレスポンス)実証実験を今年10月から開始したのだそう。

神奈川県の複数箇所にて展開される実証実験は、電気自動車に搭載される蓄電池機能を自宅やビルで使えるようにできるV2H(Vehicle to Home)/V2B(Vehicle to Building)である「LEAF to Home」を活用し、系統の逼迫時など電力使用の抑制要請があった際(オン・デマンド)建物で使用する電力を系統から電気自動車(EV)にシフト(リスポンス)することによる、節電効果などを計測するという内容。

デマンドレスポンスによって、電力需要者はインセンティブをもらえるメリットや、電気代削減ができるといった効果も期待できるものの、これまでの手動によるリスポンスには限界があったことから、この実証実験を実施するに至ったのだとか。

エナリスといえば新電力ですが、今後新電力を一般住宅でも選択できる電力自由化後は、電気料金のバリエーションも増えてくることが予想されます。
デマンドリスポンスという形でないにせよ、ピークカットを目的として時間帯ごとに単価を変えるという試みは積極的に行われていくことかと思います。

その際にはV2Hのようなシステムの可能性がさらに高まることになりそうですね。

参考