日立造船、事業所および工場の電力を自社調達に切り替え

新電力の設立を発表していた日立造船は、自社の事業所および工場において電力を自社調達に切り替えると発表しました。

関西電力との契約を引き払い、自社調達を始めることになったのは大阪の本社ビルおよびグループ会社が入居するビル、そして築港工場内の生産棟と技術研究所の4施設で、ピーク電力4000kWに相当する電気料金は数%の削減が見込まれるといいます。
日立造船は他の事業所でも順次自社調達に切り替える方針を明らかにしています。

日本造船も含め、新電力として電力を需要家に販売する場合、自社の発電設備で足りない分を卸電力市場などから購入して販売する方法をとりますが、「調達した電力単価との差が大きい需要家」=「もともと比較的高い単価で電力を購入していた需要家」=「負荷率の低い需要家」を優先的に顧客とすることで収益向上に努めます。

消費地である自社工場が年中均質的に稼働を行う(=負荷率が高い)ような種類であれば、例え自社で新電力事業を行っていようと、収益につなげるのは難しいと言えます。

今回の日立造船の場合、自社工場が産業用機械や発電プラントなどを作る設備であるため稼働率の変動が大きくなります。このように電力を利用する日時と使わない日時の差が激しい(=負荷率が低い)需要家は新電力に切り替えることのメリットが大きくなります。

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日立造船、がPPS向けにLNG(天然ガス)火力発電所を建設

日立造船は、関東地域において新たに新電力(PPS)への電力販売を目的としたLNG火力発電所の開発を行う意向を明かしました。

具体的な候補地および規模は検討段階ということで、3〜4年の稼働後の電力供給先候補となる大手新電力各社には合弁などの可能性も含め交渉を本格化させる予定だということです。

出力は100,000kW(100MW)級の設備を検討しています。現在PPS用に運用する発電所の設備12基の合計容量をも超える本発電所の稼働により、売上高は現在の4割増を見込んでいるといいます。


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新潟県村上市の合計220MW洋上風力発電事業に日立造船らが採択

新潟県村上市の環境課・新エネルギー推進室によって開催される村上市岩船沖洋上風力発電推進委員会で公募されていた「岩船沖洋上風力発電事業企画」の事業者に、日立造船株式会社を筆頭とする10社によるコンソーシアムが採択されました。

この採択により、当コンソーシアムは、出力220,000kW(5,000kW×44基)という大規模な着床養生風力発電の事業化の検討が本格化します。

2020年度から機器の製作を開始し、2024年度からの運転開始を目指します。本事業により、洋上風力発電事業による地球温暖化対策や、地域経済の振興、観光などの地域活性化に貢献できるものと考えています。円滑な導入を推進するために、既に2014年11月に推進委員会を設立しました。
竣工予定地は、新潟県村上市岩船沖約2kmの推進10mから35mの一般海域にあたる2,700haが対象です。

幹事会社の日立造船は全体設計、基礎構造の検討を行う予定。
その他の参加企業は以下の通りです。

【事業候補会社】
ウェンティ・ジャパン(事業開発、事業運営に関する検討)
住友電気工業(変電設備、送電ケーブルおよび架設の検討)
日立キャピタル(ファイナンス、事業運営に関する検討)
日立製作所(風車の性能および設置の検討)
三菱商事(事業開発、事業運営に関する検討)

【協力会社】
第四銀行(ファイナンスに関する検討)
東亜建設工業(建設工事に関する検討)
本間組(建設工事に関する検討)
三菱東京UFJ銀行(ファイナンスに関する検討)

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日立造船が新電力立ち上げ、ごみ焼却場での電力も

2015年1月20日、日立造船は2月1日付けで「新電力事業推進室」を立ち上げ、4月にも特定規模電気事業者として電力小売事業に参入することを発表しました。

同社既に茨城県常陸大宮市にあるガスタービン発電所の電力を東京電力他に販売している実績を持っており、小売を始めることでさらに電力事業を強化する狙いで、平成28年の電力小売自由化に備え一般家庭向けの販売も視野に入れています。

特にごみ発電の実績は高く、地産地消を推進するモデルの構築に生かすため同社が開発したごみ焼却発電所が位置する地域で公共施設などを中心に販売先となる需要家を探す予定だということ。

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