川崎市、ゴミ回収サイクルで生じるエネルギーを循環型に

川崎市とJFEエンジニアリング(東京都千代田区)は、ごみ焼却で生じる熱で発電した電力を使った電気自動車(EV)で、災害時にはEV収集車に搭載する交換式電池を避難所の非常用電源などとして活用するエネルギー循環型ごみ収集システムの実証実験にとりかかりました。
2016年度中の製品化を目指して国内初で官民連携の低炭素社会の実現にこぎつけることを発表しました。

車載する交換式電池は常時充電可能で、災害時は避難所などに運搬して照明や通信設備などの電源として活用します。JFEエンジニアリングは1年の実証実験を経て2016年度中にはシステムを製品化して全国の自治体などに販売していく計画を立てました。

実証実験の覚書を交わした福田紀彦市長は「環境負荷の低減とともに、さまざまな可能性が広かることを期待している」と、JFEエンジニアリングの狩野久宣社長は「早期に実用化を目指して2020年東京五輪時には全国各地に導入して最先端の環境技術として全世界にPRしたい」と述べました。

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エナリスが日産と、V2Hを活用したデマンドレスポンスを実証実験

エナリスは、日産自動車と共同で日産リーフとリーフを使用したV2Hシステム「LEAF to Home」を活用したディマンドリスポンス(デマンドレスポンス)実証実験を今年10月から開始したのだそう。

神奈川県の複数箇所にて展開される実証実験は、電気自動車に搭載される蓄電池機能を自宅やビルで使えるようにできるV2H(Vehicle to Home)/V2B(Vehicle to Building)である「LEAF to Home」を活用し、系統の逼迫時など電力使用の抑制要請があった際(オン・デマンド)建物で使用する電力を系統から電気自動車(EV)にシフト(リスポンス)することによる、節電効果などを計測するという内容。

デマンドレスポンスによって、電力需要者はインセンティブをもらえるメリットや、電気代削減ができるといった効果も期待できるものの、これまでの手動によるリスポンスには限界があったことから、この実証実験を実施するに至ったのだとか。

エナリスといえば新電力ですが、今後新電力を一般住宅でも選択できる電力自由化後は、電気料金のバリエーションも増えてくることが予想されます。
デマンドリスポンスという形でないにせよ、ピークカットを目的として時間帯ごとに単価を変えるという試みは積極的に行われていくことかと思います。

その際にはV2Hのようなシステムの可能性がさらに高まることになりそうですね。

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