中部電力の新新石炭火力発電所、是認されず

中部電力が新設を目指す石炭火力発電所について、環境影響評価法に基づいて是認できないとする意見書が望月義夫環境相から出されました。

原子力に次いで発電コストが低い石炭火力は発電コストを減らしたい各電力事業者がこぞって新設を目指すものの、
経済産業省は電源構成(エネルギーミックス)などを決めた「長期エネルギー需給見通し」において、二酸化炭素排出量が特に多い発電方法である石炭火力を新設する際に発電効率の高い設備を設置することを義務付けました。

石炭はエネルギーミックスにおいて26%の比率を割り当てられていますが、発電所の新設でこの比率を上回り、結果として二酸化炭素排出量削減目標が達成できない事態なども考えられます。

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Jパワーら、山口県宇部市に120万kWの石炭火力発電設備建設

原発の新規制基準の施行と新たな原発建設が困難な状況の中、平成28年度の電力全面自由化による競争激化に対応する狙いで火力発電所の建設が増加しています。そんな中、山口県の宇部市に発電効率の高い出力120kW級の石炭火力節電所の建設を行うことを宇部興産と大阪ガス、そして電源開発(Jパワー)の3社が決定しました。

出資比率はそれぞれ45%を大阪ガスと電源開発、そして宇部興産が10%であり、投資額3千億円程度で宇部興産の石炭貯蔵施設の隣に建設される予定です。「超々臨界圧方式」という発電効率の高い方式採用で60kW級1基の運転を平成35年頃開始し、2年後には同規模の2基目を建設予定です。また発電した電力は大手電力会社や新電力への売電を検討中です。

九州電力では6基ある原発のうち再稼働が望めるのは4基のみで既存の火力発電所も老朽化が激しいこともあり、松浦発電所に平成32年度の運用開始を目指して石炭火力の2号基を新設します。また西部ガスについても液化天然ガス(LNG)火力発電所を建設する予定ですが、隣接した土地にLNG受け入れ施設を建設することで燃料調達費が削減されています。

今後の傾向として効率の高い火力発電所の建設が活発化し価格競争が激化する可能性がありますが、電力会社各社は発電コストを抑えて生き残りを図ろうとしています。

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