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イーレックス株式会社は1999年設立、国内でいち早くバイオマス発電事業に本格参入した新電力の老舗です。2016年の電力全面自由化を機に家庭向け低圧市場へも参入し、現在は子会社のイーレックス・スパーク・マーケティングやエバーグリーン・リテイリング(eスマイルでんき)を通じて、東北から九州までの家庭向けに電気を供給しています。高知・大分・豊前などにある自社バイオマス発電所を電源の柱に、環境価値の高い電気を販売している点が特徴です。
新電力(PPS)のひとつであるイーレックスは、セントラル短資株式会社の子会社として1999年に設立されました。セントラル短資は創業100年以上の老舗金融企業。現エナリスの代表取締役である池田元英氏が同社に勤めていた当時電力販売事業を持ちかけ、設立につながったと言われています。
金融取引の要領でその時間帯ごとに安価な電力を他企業から購入し、需要家に販売するというスキームで、初期の取引先であったパナソニックの電気代の大幅削減などで実績を伸ばします。
セントラル短資によって設立された会社であるものの、現在はどの程度までセントラル短資が関わっているのかは明らかではありません。子会社Nittan eREXの名も主要株主のリストから消えており、現在主要株主 の欄には日立製作所、東芝、前田建設工業に先立って阪和興業、太平洋セメントの名が記載されています。
持ち株の比率などは公表されていませんが、2013年12月の出資で阪和興業が筆頭株主になっています。同社はイーレックス社の開発するバイオマス発電所(後出)に燃料の供給も行っており、さらに自身も新電力として登録し電力市場参入の意向を強めています。
阪和興業に次いで名が挙がっている太平洋セメントは、同バイオマス発電所の建設の際敷地を提供するなど、イーレックスとの関係性を強めています。
イーレックスは法人需要家に対しては全国1,000社超の代理店網を通じて営業を展開してきた実績があり、電力自由化後は高圧・特別高圧市場で安定したシェアを獲得しました。家庭向けの低圧小売については、子会社のイーレックス・スパーク・マーケティングおよびエバーグリーン・リテイリングが「eスマイルでんき」等のブランドで受付を行っています。基本料金と従量料金の構成は大手電力会社とほぼ同じで、使用量が多い家庭ほど割安になる設計です。
イーレックスは事業当初、外部企業の余剰発電を取りまとめる形から電力調達を始め、2002年には日立製作所と合弁で五井コーストエナジーを設立するなど、ベース電源の確保を進めてきました。
2013年には高知県高知市に約29,500kWのバイオマス発電所(土佐発電所)を稼働、その後も大分県佐伯市の佐伯発電所(50,000kW級)、豊前バイオマス発電所、大船渡バイオマス発電所などを立ち上げ、自社電源を着実に拡大しています。パーム椰子殻(PKS)や木質ペレットを燃料とするバイオマス発電は、FIT制度のもとで安定収益を稼ぎつつCO2排出係数が低い電源として家庭向け販売の環境価値にも貢献しています。
ベースロード電源を持たない多くの新電力にとって、既存電力会社と同じようにあらゆる需要家に同条件で電力を販売するという方法を取るのは難しくなっています。それぞれが保有もしくは提携している電源の種類によって得意不得意が分かれ単価や価格がそれぞれ変わってくるため、検討する場合は複数社に見積もりを依頼するのがよさそうです。
イーレックスの場合は電気料金の値引きが現実的な需要家の目安として負荷率が60%未満程度としています。
| 実績 | |
|---|---|
| 供給量(販売量) | 44,940MWh |
| シェア※1 | 1.69%(12位) |
| シェアの伸び率(直近3か月比) | 97% |
| シェアの伸び率(昨年度比) | 107% |
| 環境評価 | |
|---|---|
| CO2排出係数※2 | 0.457kg-CO2/kWh |
| 平均との差※3 | 0.94 |
| 既存の電力会社との差※4 | 0.77 |
掲載の情報は新電力イーレックスの2015年(平成27年)3月の情報です。昨年と比べてシェアも伸びており、代理店による顧客獲得が順調な同社は今後も伸びが期待されます。
| イーレックス(株)会社概要 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 所在地 | 供給区域 | 事業開始年 | 親会社 | 子会社 |
| 東京都 | 東北・東京・中部・関西・九州 | 平成13年(2001年) | セントラル短資 | イーレックスニューエナジー イーレックスニューエナジー佐伯(70%) |
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