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電気代の推移|燃料費・賦課金・政府補助の経緯と2026年以降の見通し

このページの要点

2022年は燃料価格の高騰で電気代が大きく上がり、政府は2023年1月使用分から電気・ガス料金の値引き支援を始めました。支援はその後も2024年夏、2025年と2026年の冬と夏に実施されています。東京電力の規制料金では2023年6月の改定以降、燃料費調整額のマイナス(差し引き)が続いていますが、2026年夏以降はその幅が縮んでいます。2026年度の再エネ賦課金は4.18円/kWhで過去最高。2026年11月からは託送料金の見直しに伴い大手電力各社が規制料金を改定します。家計調査では4人世帯の月平均電気代は2020年の11,788円に対し、2025年実績は13,928円です。

2022年以降の電気代は、燃料価格・政府の値引き支援・再エネ賦課金の3つが同時に動いてきました。総務省の家計調査では、4人世帯の月平均電気代は2021年の11,376円から2022年には13,948円に上がっています。

電気代を構成する3つの要素

家庭の電気代は次の3要素で決まります。どれが変動しているかを知ると『なぜ高くなったか』が見えます。

電気代を構成する3要素
要素 決まり方 変動頻度
基本料金+単価 電力会社が定める 年1〜2回
燃料費調整額 化石燃料の輸入価格で月次変動 毎月
再エネ賦課金 経済産業省が年1回決定 年1回
(5月〜翌4月)

燃料費調整額の推移(東京電力の規制料金)

燃料費調整額は、輸入燃料の価格が基準より高いと電力量料金に上乗せされ、低いと差し引かれる仕組みです。2022年はLNG・石炭の価格が過去最高水準になり、燃料費調整額が大きく上がりました。東京電力の規制料金(従量電灯B等)は2023年6月に改定され、燃料費調整の基準となる平均燃料価格は1kLあたり86,100円になりました。改定後は燃料価格がこの基準を下回っているため、燃料費調整額はマイナス(差し引き)が続いています。ただし改定で電力量料金の単価そのものが上がっているため、マイナスだからといって電気代が安くなったわけではありません。

東京電力 従量電灯Bの燃料費調整単価(円/kWh・料金の月分)
期間 国の値引き支援を含む 国の値引き支援を除く
2025年1〜6月分 −6.19〜−9.00 −6.08〜−6.51
2025年7〜12月分 −6.88〜−9.90 −6.88〜−7.70
2026年1〜6月分 −7.30〜−12.22 −7.30〜−7.72
2026年7〜11月分 −5.33〜−10.96 −5.33〜−7.19
  • 出典:東京電力エナジーパートナー「燃料費調整単価等一覧」。「料金の月分」は検針月で、前月の使用分にあたります。国の値引き支援を除く値は、同ページに記載の値引き単価を足し戻して計算しています。

国の値引き支援を除いた水準では、2026年1月分の−7.72円から11月分の−5.33円へ、差し引き幅が2.39円縮んでいます。月400kWhの家庭なら月約960円の負担増に相当します。燃料費調整の仕組みと各社の上限は燃料費調整額のしくみでご確認いただけます。

再エネ賦課金の推移(全電力共通)

FIT制度で買い取った再エネ電力の費用を全電気利用者で負担する仕組みです。年1回、経済産業省が単価を決定します。

再エネ賦課金の年度別推移(2015〜2026年度)
年度 単価(円/kWh) 月400kWh家庭の負担 備考
2015年度 1.58 約632円 FIT初期
2020年度 2.98 約1,192円 —
2022年度 3.45 約1,380円 過去最高水準に
2023年度 1.40 約560円 卸市場高騰の反動で一時低下
2024年度 3.49 約1,396円 反動で上昇
2025年度 3.98 約1,592円 —
2026年度 4.18 約1,672円 過去最高を更新

賦課金は今後も緩やかな上昇が続く見通しで、2030年代前半にピークアウトする予想(FITの買取期間満了が順次到来するため)。それまでは月1,500〜2,000円の負担が続きます。

政府の電気・ガス料金支援の経緯

2022年以降の燃料価格の高騰を受けて、政府は2023年1月使用分から2024年5月使用分まで「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を実施しました。その後も「電気・ガス料金支援」として、冷暖房で使用量が増える夏と冬に期間を区切って値引きが行われています。値引きは燃料費調整単価から差し引かれる形で請求に反映され、申請は不要です。

政府による電気・ガス料金の値引き支援(実施期間別)
実施期間施策名支援内容
2023年1月〜2024年5月使用分電気・ガス価格激変緩和対策事業低圧 2023年1〜8月7.0円、9月〜2024年4月3.5円、5月1.8円/kWh 値引き
2024年8月〜10月使用分電気・ガス料金支援低圧 8・9月4.0円、10月2.5円/kWh 値引き
2025年1月〜3月使用分電気・ガス料金支援低圧 1・2月2.5円、3月1.3円/kWh 値引き
2025年7月〜9月使用分電気・ガス料金支援低圧 7・9月2.0円、8月2.4円/kWh 値引き
2026年1月〜3月使用分電気・ガス料金支援低圧 1・2月4.5円、3月1.5円/kWh 値引き
2026年7月〜9月使用分電気・ガス料金支援低圧 7・9月3.5円、8月4.5円/kWh 値引き

出典:経済産業省/資源エネルギー庁(2026-10-01 参照)

月400kWhの家庭なら、1kWhあたり4.5円の値引きで月1,800円、7.0円の値引きで月2,800円軽減される計算です。なお、2026年夏の支援でもLPガス(プロパンガス)は対象外です。

家計調査で見る4人世帯の電気代

家庭が実際に支払った電気代は、総務省の家計調査で確認できます。政府の値引き支援があった年は、その効果も含んだ金額です。

4人世帯の月平均電気代(総務省 家計調査)
年 月平均電気代 主な動き
2020 11,788円 コロナ禍で燃料価格が低水準
2021 11,376円 —
2022 13,948円 LNG・石炭が過去最高水準に
2023 13,532円 激変緩和対策で1〜8月使用分は1kWhあたり7.0円の値引き
2024 12,805円 激変緩和対策は5月使用分で終了、8〜10月使用分に料金支援
2025 13,928円 1〜3月・7〜9月使用分に料金支援
  • 出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」二人以上の世帯のうち4人世帯の電気代(年平均の月額)。

値引き支援があった2023〜2024年は前年より下がりましたが、2025年実績は月13,928円で、2020年より月2,140円高い水準です。

2026年以降の見通し

2026年以降の電気代見通し(短期・中期・長期)
期間 見通し
短期
(〜2027年)
2026年11月1日から、託送料金(送配電網の利用料)の見直しに伴い大手電力各社が規制料金を改定。東京電力の従量電灯Bは基本料金(40A)が月1,247円から1,568円に上がる。燃料費調整額は2026年夏以降、差し引き幅が縮小している
中期
(2028〜2030年)
第7次エネルギー基本計画の推進で再エネ比率が上昇し、電気の脱炭素化が進行。AIデータセンター・EV普及で電力需要は増加傾向。系統安定化費用・容量市場費用が電気代に上乗せされる方向
長期
(2030年代)
FIT買取期間の満了が順次到来し、再エネ賦課金は緩やかに低下予想。一方、原子力再稼働・脱炭素化投資の回収で、電気代全体の下がり幅は限定的という見方が有力

2035年に向けたより詳しい家計負担シミュレーションは2035年に向けた電力市場の見通しでご確認いただけます。

電気代上昇への対処(効果が大きい順)

2026年11月の規制料金改定もあり、電気代の負担は続く見込みです。個人でできる対策は次の順で効果が大きくなります。

  1. 電力会社・プランの見直し:年1〜3万円削減。最も手軽で投資ゼロ。新電力プラン比較と家庭の電気代を電力会社・新電力で比較で具体的なプランをご確認いただけます。
  2. 照明のLED化・省エネ家電:年1〜2万円削減。10年以上前の家電は買い替えで電気代が下がります。エアコン・テレビの買い替え効果をご確認ください。
  3. 太陽光+蓄電池:屋根条件が良い戸建てなら年10万円超の削減も。卒FIT世帯はFIT満了後の自家消費移行が経済的に有利になります。詳細は卒FIT 電気プランでご確認いただけます。
  4. 断熱改修:長期的に暖冷房負荷を根本から下げる。先進的窓リノベ事業などの補助金活用が現実的です。

電気料金の見直し・新電力切替の候補

電力プランは家庭の使い方で最適解が変わります。ここでは「家計を予測しやすい安定運用」「基本料金0円・市場連動で攻める」「複数社を横並びで比較したい」の3つの典型ニーズに対応する代表的なサービスをご紹介します。

  • 家計予測しやすい安定型

    アルカナエナジー

    基本料金+3段階単価のオーソドックスな従量制で、燃料費調整には上限を設定。法人向け高圧電力で実績を積んだ事業者で、市場連動型のような単価変動リスクがなく、毎月の電気代を予測したい家庭に向きます。

    アルカナエナジー公式ページ

  • 基本料金0円・市場連動の攻め型

    リボンエナジー

    基本料金0円・燃料費調整額0円で、使った分だけを支払う市場連動型。電力量単価は卸電力市場(JEPX)に連動して30分ごとに変動するため、安い時間帯に洗濯機・食洗機・EV充電を寄せられる家庭ほど割安になります。市場が高騰する時間帯は単価が上がる点には注意が必要です。

    リボンエナジー公式ページ

  • 複数社を横並びで比較したい

    エネチェンジ

    郵便番号と現在の使用量を入れるだけで、対応エリアの主要プランの年間削減額が10分程度で試算できます。固定単価型・燃調上限あり・市場連動型を一覧で比較でき、ガス・通信とのセット割もまとめて確認可能です。

    エネチェンジで一括比較

もっと多くの電力会社を比較したい方へ

  • 新電力 主要事業者の比較表

    独立系・ガス系・通信系・石油系・再エネ特化型をタイプ別に整理。料金プランの3タイプ、セット割、再エネ比率、燃料費調整の上限有無で横並びに比較できます。

  • 電力プラン見直し

    各タイプの代表事業者を並列展示・シミュレーション活用法・申込手順までを段階的にご案内します。

よくある質問(FAQ)

2020〜2026年で電気代はどう変化しましたか?
総務省の家計調査では、4人世帯の月平均電気代は2020年の11,788円から2022年には13,948円に上がりました。政府の値引き支援があった2023〜2024年はやや下がったものの、2025年実績は13,928円です。2026年は冬と夏に値引き支援がありましたが、11月からは託送料金の見直しに伴って大手電力各社が規制料金を改定します。電力会社やプランの見直し、省エネ家電、太陽光と蓄電池の組み合わせで対処するのが現実的です。
電気代を構成する3要素は?
①基本料金+単価(電力会社が定める・年1〜2回改定)、②燃料費調整額(化石燃料の輸入価格で月次変動)、③再エネ賦課金(経産省が年1回決定・5月〜翌4月適用)の3つです。どれが変動しているかを知ると『なぜ電気代が高くなったか』が見えます。月単位の変動の主役は②燃料費調整額、年単位の変動は③再エネ賦課金が大きいです。
燃料費調整額はどう推移しましたか?
東京電力の規制料金(従量電灯B)では、2023年6月の改定で燃料費調整の基準となる平均燃料価格が1kLあたり86,100円になり、それ以降は燃料費調整額がマイナス(電力量料金からの差し引き)の状態が続いています。国の値引き支援を除いた水準で、2025年は1kWhあたり−6.08〜−7.70円、2026年は−5.33〜−7.72円です。2026年夏以降は差し引き幅が縮んでおり、1月分の−7.72円から11月分の−5.33円へ2.39円縮小しました。月400kWhの家庭なら月約960円の負担増に相当します。
再エネ賦課金の2026年度単価は?
2026年度の再エネ賦課金は4.18円/kWhで、過去最高水準を更新しました。月400kWh家庭で約1,672円の負担です。2015年度1.58円→2020年度2.98円→2022年度3.45円→2023年度1.40円(卸市場高騰の反動で一時的に低下)→2024年度3.49円→2025年度3.98円→2026年度4.18円という推移です。今後も緩やかな上昇が続く見通しで、2030年代前半にピークアウトする予想です。
政府の電気代補助(激変緩和措置)はどうなりましたか?
2023年1月使用分から2024年5月使用分までは「電気・ガス価格激変緩和対策事業」として、家庭向け(低圧)で1kWhあたり7.0円(2023年1〜8月)、3.5円(2023年9月〜2024年4月)、1.8円(2024年5月)が値引きされました。その後も「電気・ガス料金支援」として、2024年8〜10月、2025年1〜3月と7〜9月、2026年1〜3月と7〜9月の使用分に1kWhあたり1.3〜4.5円の値引きが行われています。月400kWhの家庭なら、4.5円の値引きで月1,800円軽減される計算です。
2026年以降の電気代の見通しは?
短期では、2026年11月1日から託送料金の見直しに伴って大手電力各社が規制料金を改定し、東京電力の従量電灯Bは基本料金(40A)が月1,247円から1,568円に上がります。燃料費調整額は2026年夏以降、差し引き幅が縮んでいます。中期(2028〜2030年)は再エネ比率上昇・脱炭素化進行とAIデータセンター・EV普及で電力需要増加、系統安定化費用・容量市場費用が電気代に上乗せされる方向。長期(2030年代)はFIT買取期間満了で再エネ賦課金が緩やかに低下するものの、原子力再稼働・脱炭素化投資の回収で電気代全体の下がり幅は限定的という見方が有力です。

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