伊藤忠エネクス

1961年に伊藤忠商事の子会社伊藤忠石油を分割する形で設立された同社は、石油製品の販売を主とするエネルギー会社です。主として企業や家庭に、LPガスやガソリンなどの販売を行っています。

2010年に新電力（特定規模電気事業者）として登録した同社は新電力事業の本格始動に向け2011年、天然ガスや風力などの発電施設を所有するJENホールディングスを子会社化。2,000事業所を超える高圧需要家に電力販売を行っています。

需要の縮小が見込まれるLPガスやガソリンの販売に代わって今後は電力の販売をさらに強化していく構えの同社。伊藤忠グループの中では他にも伊藤忠プランテックや伊藤忠商事も新電力として登録されているものの、関連企業のM&Aや業務提携が進んでいる同社は伊藤忠グループの電力販売事業の中心となると考えられています。

実績 （比較一覧）
供給量（販売量）	43,360MWh
シェア※1	1.63%（13位）
シェアの伸び率（直近3か月比）	95%
シェアの伸び率（昨年度比）	110%

環境評価 （比較一覧）
CO2排出係数※2	0.274kg-CO2/kWh
平均との差※3	0.57
既存の電力会社との差※4	0.46

掲載の情報は新電力伊藤忠エネクスの2015年（平成27年）3月の情報です。シェア13位の伊藤忠エネクスは、主要新電力の中でも特に二酸化炭素排出量の低い電力を販売しています。

保有電源の中で再エネ比率は28%に上り、火力発電の中でもCO2排出係数が低い天然ガス由来の電力が11%弱となっています。（詳しくは以下の電源構成を参照）

• 1 新電力全体の供給量におけるシェアと順位
• 2 1kWhの電力を作るに伴って排出した二酸化炭素の量。数字が少ないほど環境に優しい電力といえる。
• 3 月間2.5万MW以上を供給する新電力上位17社のCO2排出係数の平均との比較
• 4 電力会社10社のCO2排出係数の平均との比較

電源		発電能力合計	発電成比
ベース電源	石炭火力	79.6MW	44.1%
ミドル電源	天然ガス火力	19.6MW	10.9%
	天然ガス・重油火力	31MW	17.2%
再生可能エネルギー	水力	8.5MW	4.7%
	太陽光	1MW	0.6%
	風力	41MW	22.7%
合計		180.6MW	100.0%

表は2015年3月末の伊藤忠エネクスの保有電源の構成比です。年間で100万MWh相当の電力量を得られる電源容量となっています。（各発電設備の設備利用率と発電量）

再エネ比率の多さはもちろんのこと、大手商社のグループ企業としての資本力を生かして建設にコストのかかるベース電源を相当量確保していることは今後特に強みとして生かされる可能性が高いです。

伊藤忠エネクス（株）会社概要
所在地	供給区域	事業開始年	親会社	子会社
東京都	東北・東京・中部 関西・中国・九州	平成22年 （2010年）	伊藤忠商事 （株式保有率50%超）	JENホールディングス（100%） シナネン（13.89%、自社を除く筆頭株主） 王子・伊藤忠エネクス電力販売（60%）