エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは|HEMS・BEMS・FEMS・CEMS
このページの要点
EMS(エネルギーマネジメントシステム)は、電力・ガス・熱の使用を計画的に監視・制御し、省エネと快適性を両立する仕組みの総称です。対象規模によって家庭向けのHEMS、ビル向けのBEMS、工場向けのFEMS、地域向けのCEMSの4つに分類されます。ISO 50001として世界標準の規格も定められています。家庭向けHEMSは太陽光・蓄電池・EVと連携することで年5,000〜2万円の電気代削減効果が見込め、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)認定の必須要件です。代表的な製品はパナソニックの『AiSEG2』、地域EMSは東芝のスマートコミュニティ事業などがあります。
EMSはエネルギー使用を計画・監視・制御する仕組みで、省エネと快適性を両立させる中核技術です。家庭ではHEMS導入で家電別の電力消費を見える化し、太陽光・蓄電池と連携することで自家消費率を最大化できます。スマートグリッド・VPP・需給調整市場との連動も進み、家庭が経済メリットを得るための前提インフラになりました。本ページでは定義から4類型、代表メーカー、家庭の導入効果までをご案内します。
EMSの定義と4つの類型
EMSは、エネルギー使用に関して方針・目的・目標を設定し、計画を立てて、手順を決めて管理する活動を実施できるようにした仕組みの総称です。ISO 50001として世界標準の規格も定められています。対象規模で4つの類型に分かれます。
| 類型 | 対象 | 主な機能 |
|---|---|---|
| HEMS | 戸建住宅・マンション (Home) |
太陽光発電・蓄電池・エアコン・照明などの見える化と自動制御。スマートフォンアプリから外出先で操作可能 |
| BEMS | オフィスビル (Building) |
空調・照明・エレベーターの一元管理。テナントごとの使用量集計や時間帯別最適化 |
| FEMS | 工場・生産拠点 (Factory) |
製造ライン単位の電力使用量最適化。受電デマンド制御・コージェネ運用最適化 |
| CEMS | 地域・スマート コミュニティ (Community) |
複数の建物・街区をまとめて制御。再エネ大量導入時の地域需給バランス調整 |
家庭向けHEMSの導入効果
HEMS(Home Energy Management System)は、戸建住宅・マンションを対象とする家庭向けEMSです。家電別の電力消費を見える化し、太陽光・蓄電池・EVと連携することで自家消費率を最大化します。
HEMS導入で得られる4つのメリット
- 家電別の電力消費を可視化し、無駄な使用を発見・削減(年5,000〜2万円の電気代削減)
- 太陽光・蓄電池・EVと連携して自家消費率を最大化
- スマートフォンアプリから外出先で家電を制御(消し忘れ防止・帰宅前の運転開始)
- ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)認定の必須要件として、住宅補助金の対象に
主要メーカーのHEMS
| メーカー | 主要製品 | 特徴 |
|---|---|---|
| パナソニック | AiSEG2 (アイセグ2) |
家庭向けHEMSの代表例。太陽光発電・蓄電池・エアコン・照明・給湯器を一元的に見える化・自動制御。新築だけでなくリフォームでの後付けにも対応 |
| シャープ | COCORO ENERGY | クラウド連携型HEMS。シャープ製太陽光・蓄電池・空気清浄機等と統合制御。スマホアプリでの遠隔操作に強み |
| 京セラ | 京セラHEMS | 京セラ製太陽光・蓄電池との親和性が高い。営農型・地方住宅での実績 |
| その他 | 各社 | 三菱電機・東芝・NEC・日立等が独自のHEMS製品を展開。住宅メーカーや施工店からの提案で導入されるケースが多い |
補助制度との連動
HEMS単体の補助金(2012〜2015年頃の『HEMS補助金』)は縮小しましたが、現在は太陽光発電・蓄電池・断熱リフォームと組み合わせた『ZEH補助金』『子育てグリーン住宅支援事業』の要件として、住宅全体の省エネ化パッケージの一部で実質的な補助対象になっています。
HEMS関連の主な補助制度
主要メーカーの取り組み(業務・地域向け)
東芝のスマートコミュニティ事業
東芝グループはスマートコミュニティ(環境配慮型都市)の実現を推進してきた代表的なメーカーの一つです。『横浜スマートシティプロジェクト』では、再生可能エネルギー導入時の地域・ビル・家庭の各EMS実証事業に中核企業として参画しました。宮古島の『すまエコプロジェクト』では、来間島内の消費電力を再生可能エネルギー100%で地産地消するシステムと、宮古島全島EMSを開発・構築し、『電力消費の見える化』『ピークカット・ピークシフト』『デマンドレスポンス』の実証事業を行いました。近年の東芝は事業再編を経ており、EMS関連事業は東芝エネルギーシステムズを中心に継続されています。
EMSとスマートグリッド・VPPの階層関係
EMSは『各建物・各拠点のエネルギー管理』を担い、スマートグリッドは『電力系統全体の制御』、VPP(仮想発電所)は『分散リソースの市場参加』を担います。3層の階層構造で系統全体が運用されています。
| 階層 | 役割 | 家庭との関わり |
|---|---|---|
| EMS (HEMS/BEMS等) |
各建物・拠点のエネルギー管理 | 家庭はHEMSで電力使用を最適化 |
| VPP (仮想発電所) |
分散リソースを束ねて市場参加 | HEMSデータをVPP事業者と連携→需給調整市場で収益化 |
| スマートグリッド | 電力系統全体の双方向制御 | VPPからの情報を系統運用に反映 |
電気料金の見直し・新電力切替の候補
電力プランは家庭の使い方で最適解が変わります。ここでは「安定運用」「時間帯シフトで節約」「複数社を横並びで比較したい」の3つの典型ニーズに対応する代表的なサービスをご紹介します。
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家計予測しやすい安定型
リボンエナジー
基本料金+3段階単価のオーソドックスな料金構成で、燃料費調整には上限を設定。世界情勢や燃料価格の急変があっても月額が大きく振れにくい設計で、毎月の電気代を予測したい家庭に向きます。
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時間帯シフトで節約する攻め型
Looopでんき
市場連動型のスマートタイムONEが主力で、安い時間帯に洗濯機・食洗機・EV充電を寄せれば固定単価より大幅な節約が期待できます。AIおまかせ割とアプリ「でんき予報」で時間帯シフトを自動化できます。
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複数社を横並びで比較したい
エネチェンジ
郵便番号と現在の使用量を入れるだけで、対応エリアの主要プランの年間削減額が10分程度で試算できます。固定単価型・燃調上限あり・市場連動型を一覧で比較でき、ガス・通信とのセット割もまとめて確認可能です。
もっと多くの電力会社を比較したい方へ
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独立系・ガス系・通信系・石油系・再エネ特化型をタイプ別に整理。料金プランの3タイプ、セット割、再エネ比率、燃料費調整の上限有無で横並びに比較できます。
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各タイプの代表事業者を並列展示・シミュレーション活用法・申込手順までを段階的にご案内します。
よくある質問(FAQ)
- EMS(エネルギーマネジメントシステム)とは何ですか?
- EMS(Energy Management System)は、電力・ガス・熱などのエネルギー使用に関する方針・目的・目標を設定し、計画を立て、手順を決めて管理する活動を実施できるようにした仕組みの総称です。ISO 50001として世界標準の規格も定められています。対象範囲によって、家庭向けのHEMS、ビル向けのBEMS、工場向けのFEMS、地域向けのCEMSの4つに分類されます。
- HEMS・BEMS・FEMS・CEMSの違いは?
- HEMS(Home)は戸建住宅・マンション向けで太陽光発電・蓄電池・エアコン・照明などの見える化と自動制御。BEMS(Building)はオフィスビル向けで空調・照明・エレベーターの一元管理。FEMS(Factory)は工場・生産拠点向けで製造ライン単位の電力使用量最適化。CEMS(Community)は地域・スマートコミュニティ向けで複数の建物・街区をまとめて制御します。対象規模が大きいほど制御対象も複雑になります。
- HEMSは家庭にどんなメリットがありますか?
- 家電別の電力消費が見える化され、無駄な使用を抑えられます。太陽光・蓄電池・EVと連携することで自家消費率を最大化し、年5,000〜2万円の電気代削減が見込めます。スマートフォンアプリから外出先で家電を制御することも可能で、エアコンの消し忘れ防止や帰宅前の運転開始など利便性向上も実現します。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)認定の必須要件にもなっています。
- HEMS導入の補助金はありますか?
- HEMS単体の補助金(2012〜2015年頃の『HEMS補助金』)は縮小しましたが、現在は太陽光発電・蓄電池・断熱リフォームと組み合わせた『ZEH補助金』や『子育てグリーン住宅支援事業』の要件として、住宅全体の省エネ化パッケージの一部で実質的な補助対象になっています。最新情報は資源エネルギー庁・国土交通省の公式サイトでご確認ください。
- 主要メーカーのHEMSにはどんなものがありますか?
- パナソニックの『AiSEG2(アイセグ2)』が家庭向けHEMSの代表例で、太陽光発電・蓄電池・エアコン・照明・給湯器を一元的に見える化・自動制御します。スマートフォンアプリや専用モニターから使用状況を確認でき、月の予測値もグラフで可視化されます。新築だけでなくリフォームでの後付け導入にも対応し、ZEH認定取得にも活用されています。東芝はスマートコミュニティ系の地域EMS、シャープ・京セラなども独自のHEMSを展開しています。
- EMSとスマートグリッド・VPPの関係は?
- EMSは『各建物・各拠点のエネルギー管理』を担い、スマートグリッドは『電力系統全体の制御』、VPP(仮想発電所)は『分散リソースの市場参加』を担います。EMSが個別拠点の使用状況を制御し、その結果をVPP事業者経由でスマートグリッドが扱う系統運用に反映する、という階層構造です。家庭のHEMSデータがVPP事業者と連携することで、需給調整市場での収益化も実現します。




