長野県、浄化センターのメタンガスで発電、新電力に売電

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長野県松本市では市内の浄化センターに出力315kWの燃料電池システムを導入しました。これにより、無駄になっていたメタンガスを利用して発電をすることで、新電力に高いプレミアム価格で販売することとなりました。高価買取によって、事業費4億4,000万円を売電によって回収する予定です。年間発電量としては約168kWhほどをみこんでいます。

企画の発端は、下水処理を行う際に発生する汚泥を細菌を利用して分解をすると、メタンと二酸化炭素が主成分である消化ガスが発生します。このガスを利用して細菌の動きを活性化させるために保温をしていましたが、ガスの消費は3~4割ほどにとどまっていました。そこで、燃料電池システムを導入し、残りのガスを利用した発電を始めました。
この発電によるメリットは効率が高く、メンテナンスが容易で、騒音や振動を生まず、排気ガスを発生しないということが挙げられます。さらに発生する熱も、高温水の形で再利用しています。汚泥消化槽の加温をすることのできる、コージェネレーションシステムを導入しました。

松本市には主要な浄化センターが2か所あり、両島浄化センターと宮渕浄化センターです。消化ガスの利用はまず、宮渕浄化センターで行われ始めました。宮渕浄化センターでは売電は行っていなく、センター内ですべての電力を消化しています。両島浄化センターでは、民間業者のノウハウを生かすために、プロポーザル方式を採用し、2013年9月にメタウォーターが設備建設工事を受注しました。受注当時から経済産業省の制度変更があり、消化槽を動かす電力を消化ガス発電で賄うことが必要となり、工事費用の変更や制御盤の工事などがありました。

参考