新電力の洸陽電機、長崎県の小浜温泉で温泉発電による町おこしに着手

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長崎県の小浜温泉では2011〜2013年の3年間で温泉水を利用した再エネ発電であるバイナリー発電の商用化を目指し実証実験を行っていました。その際「湯の花」と呼ばれる温泉成分の沈殿物による配管メンテナンスなど多くの課題が残されていたこの発電施設を、新電力洸陽電機が2014年9月に買い取り、温泉発電の実績を生かして1年をかけて設備を改修し、ようやく売電までこぎつけました。

72kW×3基の発電設備では発電システムの内部で消費される電力や、メンテナンスのために稼働を止める時間を差し引いた実質的な発電量で年間79万kWhを得られる計算でだということ。設備利用率にして42%に相当します。ただ温泉の湧水量は一定でないため想定を下回ることもあるのだそう。

この温泉発電で作られた電力は洸陽電機が設立した特定目的会社の「第1小浜バイナリ発電所」が固定価格買取制度を利用して1kWh40円で親会社洸陽電機に販売されます。

温泉発電の商用化の先には温泉街の町おこしモデル構築を目指しており、発電後、100度相当の源泉から70度程度まで温度が下がる温泉水は、旅館で2次利用、さらには温室ハウスで3次利用といった利用方法を考えているということです。


参考