出力制御ルールの解説と各電力会社の出力制限実行状況

売電申請の保留・中止、買取制限や出力制限状況などについて、30秒で要点説明

2014年には日本の多くの地域で太陽光を中心に系統接続量(≒発電所の設置数・容量)が増えすぎたことで、系統連系の申請が保留される事態となりました。2015年には売電のルールを見直し、いずれの電力会社においても申請が再開されています

申請保留の問題は解決した一方で新ルールでは出力抑制の基準が引き下げられ、再エネ事業者にとっては事業の安定性が損なわれる問題が露呈してきています。具体的には年間に360時間以上もの出力抑制(電力会社による再エネ設備からの電力買取の拒否)の可能性を受け入れない限り、売電ができる設備と認定してもらえない内容に制度が改変されています。

ただ実際の抑制量は全体の数%とは言われ、政府によって同時に進められている系統安定化政策では出力抑制の可能性をできるだけ低くするよう努力が続けられています。事業者に求められる対処としては、できるだけ早い事業の具体化で無制限の枠を逃れる他に、蓄電池補助金なども活用しながら、収益の安定性と社会的メリットの高い事業モデルを新たに模索していく方法もあります。


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各電力会社の接続可能量と最新接続申し込み状況(2016年1月時点)

電力会社各社の供給区域内で接続が可能な太陽光発電の容量については、限界量の目安が公開されています。(東京・関西・中部電力を除く)各社は系統連系申込み状況や導入量について、最新状況を公開しています。このページでは各社の接続状況について、最新情報を一覧でご案内しています。また、参考までに年間における最大最小需要量もご案内しています。出力制御枠への到達有無の確認などにご活用ください。出力抑制の詳しい内容と同制度見直しのいきさつについては下項でご確認ください。

単位:万kW
電力会社 抑制状況 太陽光発電
接続可能量
太陽光出力合計 年間需要量
接続済み 申込済み 最大 最小
北海道電力 指定ルール
(無制限出力抑制)
117 96 113 579 284
東北電力 552 236 566 1557 705
九州電力 817 586 910 1627 770
四国電力 360時間ルール
(接続可能量超過後から無制限の指定ルールに変更)
219 166 92 549 211
沖縄電力 35.6 25.8 11.8 - -
北陸電力 70 52 39 526 290
中国電力 558 257 305 1112 629
東京電力 50kW以上は360時間ルール
50kW未満は出力抑制なし
(ただし10kW未満は売電単価を上述の7つの電力会社よりも安く設定)
設定なし 707 - 6089 2412
関西電力 356 228 2816 1230
中部電力 526 390 2709 997
  • 東京電力においては2015年10月の電力購入状況
  • 中部電力においては2015年12月の再生可能エネルギー発電設備全体における接続状況

中国電力と東京、関西、中部電力以外は無制限の出力制御が濃厚

掲載しているのは2015年12月時点で各社が公表している太陽光発電の設備認定状況です。「太陽光出力合計」には、固定価格買取制度に則って既に稼働・売電を行っている設備に加え、接続申し込みを済ませ認定が下りている設備の出力の合計を示しています。このほかに接続申し込み後電力会社の側で検討中となっている分についてはここには含まれません。

表では「太陽光発電接続可能量」を同時にご案内していますが、申請が下りている設備の容量は既に多くの地域でこの接続可能量を超えています。四国、沖縄、北陸、中国においては、接続可能量までは出力抑制があっても年間360時間までという制限付きのルールが適用されますが、接続可能量を超えた認定分については360時間を超えても補償なしに出力抑制を行うルールが適用されることになります。

系統の容量が大きく、かつ大規模な太陽光発電が建設しにくい都市部を含む東京電力、関西電力、中部電力については出力抑制の必要性は他地域と比べて低く、50kW以上においては360時間の制限付きの出力抑制ルールが適用されます。50kW未満は出力抑制が無い代わりに他地域の太陽光発電設置家庭と平等性を保つため、売電単価を安く設定する対処を取っています。

すべての地域で申請保留・中止は解除、代わりに出力抑制

そもそも、なぜ出力抑制の必要があるのかというと、太陽光発電の接続量が増えすぎたために系統に負荷がかかりすぎることが危惧されたことが原因となっています。この問題については2013年北海道電力管轄地域ではじめて言及されました。その後沖縄電力、九州電力と次々に各地の電力会社が接続保留を発表しはじめました。

これを受けてまず政府は未着工の案件について、事業進行の見通しが立っていない多くの申請を取り消しました。また系統に接続できる再エネ設備量を確認し、固定価格買取制度の運用方法については2015年度からは売電事業者に対して出力抑制を含めたより厳しい基準に見直されています。

出力抑制

これまでの制度でも500kW以上の設備に限って30日の無償の出力制限(つまり最大で年30日間売電できない期間が生じる可能性)に同意する内容はありましたが、今回の見直しで話題となったのが10kW以上というほぼすべての産業用太陽光発電において、出力制限の可能性が出てきたことです。容量と地域によって異なるルールが適用されるため、太陽光発電を始めたい方は注意が必要です。

無制限の出力抑制(指定ルール)

東京電力、関西電力、中部電力以外の電力会社管内に設置される10kW以上の太陽光発電においては無制限の出力抑制を無補償で受け入れることを前提に、売電の申請が下りることとなっています。指定電気事業者制度という制度を活用したこのルールは指定ルールとも呼ばれます。

360時間の出力抑制

東京電力、関西電力、中部電力管内の50kW以上の太陽光発電においては年間360時間までの無補償の出力抑制を受け入れることを前提に、売電の申請が下りることとなっています。

住宅用は抑制の可能性は低い

出力抑制ルールが住宅用太陽光発電に与える影響について懸念されていますが、無制限出力抑制(指定ルール適用)の地域では10kW未満の出力抑制の可能性は否定してはいないものの、10kW以上を優先的に抑制することが明示されています。東京電力、関西電力、中部電力の管内においては住宅用の出力抑制は行われない方針です。

売電単価の決定時期を変更

売電申請の流れ

固定価格買取制度を利用して太陽光発電を設置し売電事業を行うには画像に示したような流れに沿って申請を行います。売電単価は毎年度見直しされ、基本的には単価は引き下げられることになっています。以前の制度では国に設備認定を行った時点(画像のA地点)の売電単価が適用されていましたが、申請だけ先に行っておいて実際の設置を先延ばしにする事業者が相次いだため、平成27年4月をもって単価決定の時期は電力会社との接続契約の締結が済んだ時点(画像のB地点)に変更されています。これによって事業者は、土地の確保や設備の選定などプロジェクトの早期の具体化を求められるようになっています。

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実際の制御率をシミュレーション

無制限の出力抑制とは言っても実際売電収入にはどれくらいの影響があるのでしょうか?無制限の出力制御を行う指定電気事業者(北海道電力など)は発電事業者が収益の目星をつけられるよう制御率を公開することが義務付けられています。これは接続可能量を基準に設置量がどれだけ増えたらどれだけの割合の発電量において抑制が行われるかを示すものです。制御率の目安は系統ワーキンググループによって発表されています。一方太陽光発電協会(JPEA)はさらに踏み込んでベースロード電源の出力が変わった場合の抑制率をシミュレーションしています。両社の見通しを併せて以下の表ではご案内しています。

電力会社 系統WGによる出力制御見通し JPEAによる抑制見通し
(いずれも指定ルール適用の設備における抑制率)
北海道電力 太陽光発電接続可能量 117万kW
(昼間の最小負荷 308.4万kW)
ベースロード電源 188万kW 150万kW 110万kW
設置量117万kW 10.6% 1.2% 0.0%
+20万kW(137万kW)で9.8% 設置量140万kW 10.7% 3.1% 0.0%
+40万kW(157万kW)で15.4% 設置量160万kW 12.5% 4.5% 0.4%
+60万kW(177万kW)で19.6% 設置量180万kW 16.8% 5.8% 1.1%
+80万kW(197万kW)で22.8% 設置量200万kW 20.7% 7.0% 2.0%
+100万kW(217万kW)で26.6% 設置量220万kW 25.0% 8.7% 3.1%
東北電力 太陽光発電接続可能量 552万kW
(昼間の最小負荷 791万kW)
ベースロード電源 316万kW 260万kW 200万kW
設置量552万kW 7.1% 2.9% 1.0%
+100万kW(652万kW)で6% 設置量650万kW 10.0% 7.0% 3.2%
+200万kW(752万kW)で15% 設置量750万kW 18.1% 9.9% 7.3%
+300万kW(852万kW)で24% 設置量850万kW 30.1% 16.6% 9.8%
九州電力 太陽光発電接続可能量 817万kW
(昼間の最小負荷 788万kW)
ベースロード電源 477万kW 370万kW 270万kW
設置量817万kW 6.9% 2.4% 0.7%
設置量900万kW 8.0% 3.7% 1.4%
設置量1000万kW 9.5% 5.7% 2.5%
+100万kW(917万kWh)で16% 設置量1100万kW 13.0% 7.1% 3.9%
+200万kW(1017万kWh)で28% 設置量1200万kW 18.2% 8.8% 5.5%
+300万kW(1117万kWh)で36% 設置量1300万kW 23.4% 11.3% 6.9%
四国電力 太陽光発電接続可能量 219万kW
(昼間の最小負荷 265万kW)
ベースロード電源 157万kW 130万kW 100万kW
設置量219万kW 8.7% 3.1% 0.5%
設置量257万kW 10.0% 6.5% 2.0%
+30万kW(249万kW)で15.7% 設置量290万kW 16.1% 8.0% 3.8%
+60万kW(279万kW)で25.8% 設置量320万kW 22.4% 9.1% 5.5%
+90万kW(309万kW)で32.2% 設置量350万kW 27.4% 12.8% 6.8%
電力会社 系統WGによる出力制御見通し
沖縄電力 太陽光発電接続可能量 35.6万kW(昼間の最小負荷 68万kW)
追加接続量+5万kW(40.6万kW)で22.6%
+10万kW(45.6万kW)で22.6%(1,080時間停止)または35.1%(18,000時間停止)
電力会社 接続可能量 JPEAによる抑制見通し
(いずれも指定ルール適用の設備における抑制率)
北陸電力 太陽光発電接続可能量 70万kW
(昼間の最小負荷 252万kW)
ベースロード電源 157万kW 130万kW 100万kW
設置量110万kW 9.5% 1.1% 0%
設置量125万kW 11.2% 2.8% 0.1%
設置量150万kW 18.7% 7.6% 0.9%
設置量175万kW 26.4% 9.8% 2.9%
中国電力 太陽光発電接続可能量 558万kW
(昼間の最小負荷 554万kW)
ベースロード電源 266万kW 220万kW 170万kW
設置量558万kW 6.7% 3.7% 1.5%
設置量650万kW 9.5% 7.2% 4.1%
設置量750万kW 24.4% 10.1% 7.3%
設置量850万kW 36.1% 23.8% 10.4%

上述の各制御率はあくまで目安で、以下でご案内する対策の効果次第で出力抑制率も改善される可能性があります。

進む系統安定化対策

社会全体にとってはできるだけ再エネの普及率を上げてクリーンな電力を使える電力市場を構築する方が、長期的に見てより大きなメリットに繋がると考えられます。抑制率が高いままだと普及が進まないばかりか、せっかく発電したクリーンな電力が無駄になってしまいます。これらの問題を解決するため今後は多角的な政策づくりに期待が高まります。以下では再エネ普及率を上げるために考えられる打開策の例をご案内しています。

ベースロード電源の運用を見直す

電力会社は従来から、安定・安価な電力供給のために一定量のベースロード電源(ベース電源)を恒常的に稼働させながら運用する方法を取ってきました。この考え方に則った場合、電力需要からベースロード電源による電力を差し引いた分のみ太陽光発電からの電力を受け入れられることになります。火力発電や原子力発電が含まれるこのベースロード電源をどの程度動かすのかという問題は、太陽光発電等再エネの抑制に大きくかかわってきます。

揚水発電と蓄電池を活用する

需給バランスを保つ装置としては今までにも揚水発電が使われてきました。従来は余剰が増える夜間の電力で揚水し、昼間に放水するという運用が行われていましたが、昼間の太陽光発電の余剰を夜間にシフトするような使い方ができないか検討されています。他にも太陽光発電設備に直結した大型蓄電池の設置は既に補助金によって積極的に普及が進められています。

電力の地域間融通を容易にする

現在でも、例えば東北電力が発電した電力の多くが東京電力に卸売をされています。このような地域をまたいだ電力融通は、地域によっては実現が難しいところもあります。本州から離れた沖縄電力や北海道電力は地域内での発電、消費が基本的です。また地続きであるにも関わらず関東圏と関西圏は主に周波数が異なることが原因で電力融通は限定的にしか行われていません。この仕切りをできるだけ取り払い、地方の再エネ電源を都市部で利用しやすくできるよう、系統整備が検討されています。

出力抑制があっても売電事業を成功させるには

蓄電池を併設する

大型の太陽光発電の案件には、蓄電池の併設が義務もしくは推奨とされています。出力の安定化のために蓄電池を利用することは、系統への負担も抑え、事業者も抑制のリスクを減らせることからメリットが高いと考えられます。初期費用が大きくかかる蓄電池ですが、太陽光発電への併設のために導入される蓄電池には優遇的な補助金も用意されています。

一部を余剰売電でハイブリッドな運用

太陽光発電の価格はここ数年で大きく下がり、自家発電用として導入するとしても十分採算が合うレベルになってきています。完全な自家発電は売電事業とのコスト面の差が大きくなってしまうものの、余剰売電という形にして一部を自家消費しデマンド値の低下に活用すれば、売電で得られる収益に比べて電気代削減分が上回る可能性もあります。系統に流す電力が少なくなれば出力抑制が行われた際のリスクも減ると考えられます。

FIT制度を利用しない太陽光発電設備の例は少なからず見つかり、どれも先見性の高いプロジェクトとして参考になります。太陽光発電は興味があるけど出力抑制のリスクに不安を持っているという方はこうした例も頭の隅に置きつつ、経験豊富で信頼できる業者さんと相談を重ねるのが事業の成功への第一歩と言えます。

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ちょっと出遅れて太陽光発電のメリットを知った方も、まだ間に合います。分譲太陽光発電への投資は、買取価格が2015年度の27円よりもさらに高い32~40円の案件なども取り扱っています。自身で売電事業を行うのは手間が多いのも事実。ローリスクミドルリターンと言われる太陽光発電への投資を手軽に行うのにおすすめの分譲物件をご案内します。

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