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エコキュートは給湯効率が良く、さらに単価の安い深夜電気が使えるのでとてもお得です。1日平均3〜6kWhの電力を消費するエコキュートは毎月の給湯費が2,500〜3,500円程度かかりますが、これはガス給湯機と比べて1,300〜2,000円程度安いので、初期費用の差額は都市ガスの場合で11〜12年、LPガスのエリアなら3〜4年程度で回収できる計算です。
エコキュートは光熱費が安いことが最大の魅力とされます。光熱費が安い理由の一つとしてはまず、ヒートポンプによる給湯は通常の電気温水器と比べると2.5〜3倍効率が良く、同じ湯を作るのでも少ないエネルギー消費で済むことが挙げられます。さらにエコキュートが主に稼働する夜間電力の単価が昼間に比べて安いことも光熱費の軽減に加担しています。さらに調理機器もIHに変えてオール電化にするのであればガスと電気の基本料金を電気のみに一本化できるのでさらに光熱費削減には効果的だと言えます。
エコキュートを導入される場合は、時間帯によって電気代単価が変わるプランを使うのが通常です。いずれの電力会社も、夜間の電力単価が昼間と比べて安くなるプランを提供しています。2016年の電力自由化を境に各電力会社とも料金プランを新調しています。以下では2018年3月時点の時間帯割引プランの一覧をご案内したのち、これまでにエコキュートを対象とした電力プランがどのように変遷していったのかについても見ていきます。
以下はオール電化やエコキュートをお使いのご家庭に適した夜間割引プランの一覧です。
電力会社 | オール電化、エコキュート最適プラン | 従量電灯 電気料金単価 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
プラン名称 | 基本料金 (50A) |
基本料金 (60A) |
昼間料金 | 夜間電力 | 割引時間帯 | ||
北海道電力 | eタイム3プラス | 2175.20 | 2175.20 | 30.35-39.94 | 14.37 | 22-8 (10h) |
23.54-33.37 |
東北電力 | よりそう+シーズン&タイム | 2662.20 | 2662.20 | 26.24-42.36 | 11.22 | 22-8 (10h) |
18.24-28.75 |
東京電力 | スマートライフS | 1404.00 | 1684.80 | 25.33 | 17.46 | 1-6 (5h) |
19.52-30.02 |
北陸電力 | くつろぎナイト12 | 1620.00 | 1620.00 | 19.28-34.31 | 12.28 | 20-8 (12h) |
17.52-23.02 |
中部電力 | スマートライフプラン | 1460.00 | 1460.00 | 28.00-38.00 | 16.00 | 22-8 (10h) |
20.68-27.97 |
関西電力 | はぴeタイム | 2160.00 | 2160.00 | 24.16-32.38 | 9.94 | 23-7 (8h) |
17.40-24.95 |
中国電力 | 電化Styleコース | 1620.00 | 1620.00 | 30.06-32.08 | 14.60 | 21-9 (12h) |
17.76-25.58 |
四国電力 | スマートeプラン | 1188.00 | 1188.00 | 21.85-37.64 | 14.22 | 23-9 (10h) |
16.66-24.96 |
九州電力 | 電化でナイト・セレクト | 1620.00 | 1620.00 | 17.55-26.40 | 13.02 | 22-8 (10h) |
17.19-25.63 |
沖縄電力 | 時間帯別電灯 | 842.40 | 842.40 | 26.10-34.66 | 11.82 | 11-7 (8h) |
22.53-29.91 |
東京電力以外は昼間の電気料金が時間によって2-3段階で変わる料金体系を取っています。また、東京電力以外は10kVA(100A)までは一律の基本料金を設定しているため、もともと30Aや40Aのように小さい電圧で契約していた場合は毎月700円〜1,700円という少なくない基本料金値上がりが回収できるのかも確認が必要です。
図が表示されない場合はリロードしてください。
年 | 夜間料金 (8時間) | 従量B |
---|---|---|
2004 | 6.43円 | 16.83~24.22円 |
2005 | 6.53円 | 16.01~22.82円 |
2006-2008 | 7.56円 | 16.51~22.95円 |
2009-2012 | 9.43円 | 18.38~24.82円 |
2013-2015 | 12.16円 | 19.43~29.93円 |
2016 | 17.46円 | 19.52~30.02円 |
夜間電力に限らず近年は電気代全体が高くなっています。もともと原子力発電の余剰電力を消化する事を主な目的として導入された夜間電力割引ですが、原子力発電所のほとんどが稼働停止している現在従来と同様の電力プランが成り立ちにくくなっています。
例として東京電力は、2016年の電力自由化を機に夜間電力と昼間の電気料金の単価の差を大きく縮めたプランを提供しはじめました。夜間の単価が旧「お得なナイト」プランと比べて高くなった代わりに、昼間の電気代単価がかなり安くなっているので、電気をより多く使うご家庭ほど旧プランに比べて電気代が安くなります。
詳しいシュミレーションは以下でのボタンを押してご確認いただけますが、例えば月間で540kWh(40A契約の場合)〜560kWh(50A契約の場合)以上使用するご家庭の場合は新プランの方が安くなる可能性が高いです。言い換えれば、現在エコキュートが無くても1万円以上の電気代をお支払いのご家庭の場合、エコキュートの導入は今まで以上にお得になるということができます。
電気使用量 |
新プラン (スマートライフS) |
旧プラン (お得なナイト8) |
|
---|---|---|---|
40A | 50A | 40A/50A | |
400kWh | ¥9,524 | ¥9,805 | ¥8,420 |
410kWh | ¥9,777 | ¥10,058 | ¥8,738 |
420kWh | ¥10,030 | ¥10,311 | ¥9,057 |
430kWh | ¥10,284 | ¥10,565 | ¥9,375 |
440kWh | ¥10,537 | ¥10,818 | ¥9,694 |
450kWh | ¥10,790 | ¥11,071 | ¥10,012 |
460kWh | ¥11,044 | ¥11,324 | ¥10,330 |
470kWh | ¥11,297 | ¥11,578 | ¥10,649 |
480kWh | ¥11,550 | ¥11,831 | ¥10,967 |
490kWh | ¥11,804 | ¥12,084 | ¥11,335 |
500kWh | ¥12,057 | ¥12,338 | ¥11,703 |
510kWh | ¥12,310 | ¥12,591 | ¥12,070 |
520kWh | ¥12,563 | ¥12,844 | ¥12,438 |
530kWh | ¥12,817 | ¥13,098 | ¥12,806 |
540kWh | ¥13,070 | ¥13,351 | ¥13,173 |
550kWh | ¥13,323 | ¥13,604 | ¥13,541 |
560kWh | ¥13,577 | ¥13,857 | ¥13,909 |
570kWh | ¥13,830 | ¥14,111 | ¥14,276 |
電気使用量 |
新プラン (スマートライフS) |
旧プラン (お得なナイト8) |
|
---|---|---|---|
40A | 50A | 40A/50A | |
580kWh | ¥14,083 | ¥14,364 | ¥14,644 |
590kWh | ¥14,337 | ¥14,617 | ¥15,012 |
600kWh | ¥14,590 | ¥14,871 | ¥15,380 |
610kWh | ¥14,843 | ¥15,124 | ¥15,747 |
620kWh | ¥15,096 | ¥15,377 | ¥16,115 |
630kWh | ¥15,350 | ¥15,631 | ¥16,483 |
640kWh | ¥15,603 | ¥15,884 | ¥16,850 |
650kWh | ¥15,856 | ¥16,137 | ¥17,218 |
660kWh | ¥16,110 | ¥16,390 | ¥17,586 |
670kWh | ¥16,363 | ¥16,644 | ¥17,953 |
680kWh | ¥16,616 | ¥16,897 | ¥18,321 |
690kWh | ¥16,870 | ¥17,150 | ¥18,689 |
700kWh | ¥17,123 | ¥17,404 | ¥19,057 |
710kWh | ¥17,376 | ¥17,657 | ¥19,424 |
720kWh | ¥17,629 | ¥17,910 | ¥19,792 |
730kWh | ¥17,883 | ¥18,164 | ¥20,160 |
740kWh | ¥18,136 | ¥18,417 | ¥20,527 |
750kWh | ¥18,389 | ¥18,670 | ¥20,895 |
エコキュートを購入する場合の最適タンクサイズを知るために、世帯人数によって給湯の使用状況がどれだけ変わるのかを確認していきます。
タンクサイズ | 作れるお湯の量 (42℃) |
---|---|
370ℓ | 650ℓ |
460ℓ | 850ℓ |
550ℓ | 990ℓ |
世帯人数 | 湯張り | シャワー | 洗面・台所 | 必要湯量合計 | エコキュートの 最適タンクサイズ |
---|---|---|---|---|---|
1人 | 150ℓ | 80ℓ | 130ℓ | 360ℓ | 370ℓ |
2人 | 170ℓ | 160ℓ | 140ℓ | 470ℓ | 370ℓ |
3人 | 190ℓ | 240ℓ | 150ℓ | 580ℓ | 370ℓ |
4人 | 200ℓ | 320ℓ | 150ℓ | 670ℓ | 370ℓ・460ℓ |
5人 | 200ℓ | 400ℓ | 155ℓ | 755ℓ | 460ℓ |
6人 | 200ℓ | 480ℓ | 155ℓ | 835ℓ | 460ℓ |
7人 | 200ℓ | 560ℓ | 160ℓ | 920ℓ | 550ℓ |
8人 | 200ℓ | 640ℓ | 160ℓ | 1000ℓ | 550ℓ+ |
エコキュートのタンクサイズはメーカーによって異なりますが、370ℓと460ℓが多くのメーカーで標準的に作っているサイズに値します。また、一人暮らし用の小型サイズや大家族用の550ℓといったサイズもあります。作られるお湯は65〜90℃の高温なので、使用する際は水で薄めて使うことになります。各タンクサイズにおける使用可能湯量目安は上の表でご確認ください。
上表では1日の使用湯量を世帯人数ごとに一覧にしてご案内しています。だいたい3人家族から4人家族までは、小さめサイズの370ℓタンクで事足りる場合が多いと考えられます。2世帯住宅などで世帯人数が8人以上まで増えると、大容量の550ℓでも足りない可能性が出てくるので、給湯器の複数使いを考える必要があります。オール電化を考えているご家庭ならガス給湯器は足したくないという場合も出てくるでしょうが、例えば湯張りに小型の太陽光温水器を使うのは、エコの面でも経済面でも良い組み合わせだと考えられます。
表でご案内しているのは目安の湯量ですが、以下では使用湯量が生活パターンなどでどれだけ変わるのかを少し深掘りしていきます。
湯船にお湯は張らずに日常はシャワーだけで済ませ、湯張りは休日のみ、といった生活をしている場合は使用湯量が少なくて済むのでしょうか。これはもちろん、シャワーでどれだけお湯を使うかによって節約の度合いが大きく違ってきます。シャワーの流量は約8〜10ℓ/分が目安です。上表では一人当たり約8〜10分程度のシャワー使用時間を想定しています。家族全員が10分ずつシャワーだけ使うような場合だと湯張りのための200ℓは節約することができますが、湯船に浸かる代わりにシャワーを20分ずつ2人がそれぞれ使う、というようば場合は湯張りをするのと同じだけのお湯を使うことになるので節約には繋がりません。
食洗機を導入する家庭も増えてきました。手洗いに比べてかなりの水を節約できる食洗機にもエコキュートで作ったお湯はもちろん使えます。パナソニックの食洗機を例に取ると、一回の運転で使う水の量は9ℓと、手洗いの時の9分の1まで節水できます。食洗機は約70℃の高温で洗う事を加味すると、台所で使うお湯の量は80ℓから18ℓ程度にまで減らすことができ、必要湯量は約60ℓ少なく見積もることができます。例えば4人家族でも食洗機を使うのであれば370ℓのタンクで足りる可能性が高いと言えます。
エコキュートで沸かしたお湯は使用する時間までタンクの中で貯湯することになりますが、沸かす時間と使う時間の間が開くほど貯めたお湯が冷めて効率が下がります。朝にお湯を使うことによってどれだけ効率が上がるのか、という実証実験は残念ながら見つからなかったのですが、似た研究として太陽光発電の余剰電力吸収のために昼間にエコキュートを運転して夜間にお湯を使用した場合、外気温が高くて冷めにくい事と焚き上げから使用までの時間が短くなる事で11%効率が向上したというものが見つかります。※
エコキュートは夜間の電気が安い時間帯に湯を沸かしますが、夜間電力プランは最短で5時間のみ割引単価が適用されるので、グラフのように短時間で多くの電力を消費することになります。
図がうまく表示されない場合はリロードしてください。
エコキュートの1日の消費電力量 | |
---|---|
2人家族 | 3.4kWh |
3人家族 | 4.2kWh |
4人家族 | 4.9kWh |
5人家族 | 5.5kWh |
6人家族 | 6.0kWh |
グラフを見ると夜間の消費電力が跳ね上がるので、アンペア数を上げないといけないかな、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、消費電力は2000W程度なので、他に電流の大きい家電を使う事の少ない深夜帯に稼働するのであれば契約アンペアはそのままで使える可能性が高いと言えます。
以下ではエコキュートを新規で購入し、東京電力の「スマートライフ」を契約した場合に電気代がどれだけ変わるのかをシミュレーションしています。契約電圧は3人家族までは40A、4人家族以上は50Aで計算しています。
2人世帯 | 3人世帯 | 4人世帯 | 5人世帯 | 6人世帯 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
通常時消費電力 | エコキュート使用時消費電力 | 通常時消費電力 | エコキュート使用時消費電力 | 通常時消費電力 | エコキュート使用時消費電力 | 通常時消費電力 | エコキュート使用時消費電力 | 通常時消費電力 | エコキュート使用時消費電力 | |||
電力消費量 | 1日 | 7.7kWh | 11.2kWh | 11.5kWh | 15.7kWh | 12.4kWh | 17.4kWh | 13.6kWh | 19.1kWh | 14.9kWh | 20.9kWh | |
月間 | 234kWh | 341kWh | 352kWh | 480kWh | 380kWh | 529kWh | 414kWh | 582kWh | 455kWh | 638kWh | ||
電気代 | 深夜の電気代(1日) | ¥86.5 | ¥108.7 | ¥124.7 | ¥139.1 | ¥152.0 | ||||||
昼間の電気代(1日) | ¥192.5 | ¥288.7 | ¥311.8 | ¥339.8 | ¥373.8 | |||||||
電気代(月間) | ¥7,267 | ¥9,774 | ¥10,901 | ¥13,325 | ¥11,773 | ¥14,780 | ¥12,832 | ¥16,054 | ¥14,115 | ¥17,461 | ||
エコキュートで高くなった分 | ¥2,507 | ¥2,425 | ¥3,007 | ¥3,222 | ¥3,345 | |||||||
単価 | 31.0円 | 28.6円 | 31.0円 | 27.8円 | 31.0円 | 27.9円 | 31.0円 | 27.6円 | 31.0円 | 27.4円 |
エコキュートを使用すると使用電力量は増える分、購入できる電気代の単価※が2.4〜3.6円/kWh減るので全体としては月に2,500円〜3,500円程度の電気代で給湯ができる計算になります。ガスの場合、単価の安い都市ガスとエコジョーズ(省エネ型ガス給湯器)の組み合わせでも月に3,800(2人世帯)〜5,500(6人以上世帯)円程度かかってくるので、ガスに比べて月に1,300(2人世帯)〜2,000(6人以上世帯)円程度給湯に関わる光熱費を節約できる計算になります。これがLPガス(プロパンガス)のエリアになると毎月給湯だけで4,500(2人世帯)〜8,300(6人以上世帯)円を支払っているので、差額は月に2,000(2人世帯)〜5,000(6人以上世帯)円とさらに大きくなります。
最後に肝心な採算性を確認します。より詳しい給湯器比較についてはこちらのページでご案内していますが、省エネ型ガス給湯器(エコジョーズ)は大体、工事費も込みで10〜11万円で導入できます。対してエコキュートは30〜33万円とかなり初期費用が高くなります。月の光熱費の削減額で初期費用の差額を割ると、都市ガスの場合は11〜12年、LPガスの場合で3〜4年で初期費用差額をペイオフできる計算になります。
以下ではリフォーム関連の一括見積もりサイトとその特徴を一覧でご案内しています。
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太陽光発電もエコキュートと同様、施工費よりも機器が高額です。パネルをできるだけ安く仕入れられるには一定規模の会社である必要があり、さらに期待寿命が20〜30年と長い太陽光発電は施工後のメンテナンス等も含め、高い信頼度が求められます。一括見積もりにはサービスの安定したグリエネをおすすめします。エコキュートや蓄電池も合わせて見積もることもできます。
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