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断熱リフォーム|部位別の費用相場・補助金100万円・優先順位の決め方

断熱リフォームの要点

住宅の冬期熱損失は約58%が窓・玄関ドアなどの開口部から逃げる構造で、続いて換気15%・外壁15%・床7%・屋根5%。費用対効果が大きいのは窓断熱で、内窓設置は1箇所6〜15万円・工期半日です。家全体の本格断熱リフォームは150〜400万円が相場。先進的窓リノベ2026事業(100万円/戸)とみらいエコ住宅2026事業(40〜100万円/戸)を組み合わせれば、実質負担を大幅に下げられます。性能の目安は断熱等級5(ZEH水準・UA値0.6以下)以上、HEAT20基準ならG2(断熱等級6相当)を狙うのが現在のスタンダードです。

断熱リフォームで得られる4つの効用

断熱リフォームの恩恵は光熱費だけにとどまりません。室温の安定で健康リスク(特にヒートショック)を減らし、結露を抑えて躯体寿命を延ばし、2024年開始の省エネ性能表示制度で資産価値の維持にも直結します。家を「長く住み続けられる資産」に変えるリフォームです。

断熱リフォームで得られる4つの効用
効用 具体的な変化 補足
光熱費の削減 年間3〜5割減 冷暖房効率が改善し、無断熱住宅から断熱等級4への改修で年間光熱費が3〜5割下がる事例が多い
健康リスクの低減 ヒートショック対策 脱衣所・トイレと居室の温度差を縮めることで入浴中突然死(ヒートショック)の発生確率が大幅に下がる
結露・躯体寿命の改善 壁内結露の抑制 適切な気密と換気を組み合わせれば、内部結露が抑えられ柱・梁の腐朽やカビ発生を防げる
資産価値の維持 省エネラベル表示 2024年開始の省エネ性能表示制度で断熱性能が買い手・借り手の比較材料になり、断熱等級が高い物件は売却・賃貸時の評価が上がる傾向

住宅の熱はどこから逃げているか

断熱リフォームを「どこから始めるか」を決める起点は、住宅の熱がどこから逃げているかを知ることです。一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会の検証データ(H28年基準=断熱等級4相当の住宅)では、冬期に住宅から逃げる熱の約6割が窓・玄関ドア(開口部)から、約3割が外壁と換気から、残り1割強が屋根と床からとなっています。費用対効果を最大化するには、最大の熱損失源である窓から手をつけるのが効率的です。

なお高断熱住宅(等級6・等級7)になるほど壁・床・屋根は元々熱が逃げにくいため、相対的に換気の損失割合が大きくなり、第1種換気(熱交換型)の導入優先度が上がります。リフォームでは、まず最大の損失源である窓を整え、次に外壁+換気、最後に床・屋根の追加断熱、という順で進めると投資効率が最大化されます。

部位別の断熱リフォーム費用相場

部位ごとに使われる工法・断熱材・面積が異なるため、リフォーム費用にも幅があります。下表は直近の工事費込み実勢相場で、戸建30坪・既存住宅の改修を前提とした目安です。

部位別断熱リフォームの費用相場と工期目安(2026年5月時点)
部位/工法 費用相場 工期 主な工法/詳細
窓・内窓設置 1箇所6〜15万円 半日〜1日/箇所 既存窓の内側に樹脂サッシの内窓を追加。家全体(10〜15箇所)で60〜150万円。窓の断熱リフォーム詳細
窓・ガラス交換(Low-E複層) 1箇所4〜10万円 数時間/箇所 既存サッシのまま、ガラスのみLow-E複層ガラスに交換。サッシ枠の断熱性は変わらない
窓・外窓交換(カバー工法) 1箇所15〜40万円 1〜2日/箇所 既存サッシを残してその上から新しいサッシを被せる工法。躯体に手を入れない
天井(小屋裏)断熱の追加 15〜35万円 2〜5日 小屋裏に断熱材を吹込み or 敷込み。最上階の夏の暑さ対策に有効。天井・屋根の断熱詳細
床下断熱の追加 20〜40万円 2〜5日 床下から断熱材を貼り付け or 吹付け。冬の足元の冷え対策。床の断熱詳細
外壁断熱の追加 30〜80万円 2〜4週間 外壁塗装と同時に断熱材を追加。外壁塗装と同時施工でコストを抑えやすい。壁の断熱詳細
家全体の本格断熱リフォーム 150〜400万円 1〜3ヶ月 窓+天井+床+外壁の総合改修。等級5以上を狙う場合は等級アップ分の費用が上乗せ
  • 価格は標準的な戸建30坪・既存住宅改修の目安。築年数・既存断熱の状態・希望する性能等級で大きく変動します
  • 先進的窓リノベ2026事業の補助(100万円/戸)で窓部分の実質負担を大きく下げられます。家全体の内窓化で上限到達も視野
  • みらいエコ住宅2026事業の補助(40〜100万円/戸)は壁・天井・床の断熱や窓と組み合わせる総合リフォームに活用できます

断熱性能の指標 — UA値・断熱等級・HEAT20

断熱リフォームの目標性能を決める指標は UA値(外皮平均熱貫流率)。値が小さいほど熱が逃げにくく、住宅全体の断熱性能の高さを表します。国の制度上の格付けは「断熱等性能等級1〜7」、民間団体HEAT20の独自基準は「G1・G2・G3」です。両者は同じUA値を別軸から評価したもので、リフォームでは断熱等級4→5→6→7の順で性能を上げていくのが現実的な流れです。

断熱等級・HEAT20基準とUA値の対応(地域区分6・東京・大阪・名古屋エリア)
等級/グレード UA値目安 基準の位置づけ
断熱等級1 基準なし 無断熱(1980年以前の住宅の多くが該当)
断熱等級2 UA値1.67 昭和55年(1980年)旧省エネ基準
断熱等級3 UA値1.54 平成4年(1992年)新省エネ基準
断熱等級4 UA値0.87 平成28年(2016年)省エネ基準。2025年以降は新築の最低基準として義務化
断熱等級5 UA値0.60 ZEH基準。2030年に新築の最低基準として義務化予定
断熱等級6(HEAT20 G2相当) UA値0.46 高断熱住宅の現実的な上位ライン。冷暖房負荷を50%程度削減
断熱等級7(HEAT20 G3相当) UA値0.26 最上位等級。冷暖房負荷を75%程度削減。パッシブハウスに近い水準
  • UA値の基準は8地域区分により異なります。北海道(地域1・2)は厳しく、沖縄(地域8)は緩い設定。表は東京・大阪・名古屋を含む地域6の数値
  • HEAT20のG1〜G3はUA値だけでなく室温・暖房負荷の軽減率を加味した総合基準。等級6〜7は概ねG2〜G3に近似します
  • 2024年4月から省エネ性能表示制度がスタートし、新築・賃貸・売買物件の広告にBEI(一次エネ消費削減率)と断熱性能が表示されるようになりました

住宅省エネ2026キャンペーンで実質負担を抑える

2026年度の断熱リフォームは、国の補助金パッケージ「住宅省エネ2026キャンペーン」をフル活用するのが基本です。断熱関連では特に先進的窓リノベ2026事業(窓・玄関ドア専用)とみらいエコ住宅2026事業(総合リフォーム)が中心。同じ工事への重複申請はできませんが、異なる工事範囲なら同時併用が可能なので、窓は窓リノベ、それ以外の断熱はみらいエコ住宅、というふうに使い分けられます。

断熱リフォームに使える主な補助金(2026年5月時点)
事業名 補助上限 所管・対象
先進的窓リノベ2026事業 100万円/戸 経済産業省・環境省。窓・玄関ドアの断熱改修(内窓設置・ガラス交換・外窓交換)専用。補助率が高く、家全体の内窓化で上限到達も視野
みらいエコ住宅2026事業 40〜100万円/戸 国土交通省。壁・天井・床の断熱や窓と組み合わせる総合リフォーム向け。エコ住宅設備(高効率給湯器・節水トイレ等)も対象
自治体の上乗せ補助 自治体ごと 都道府県・市区町村による独自の断熱改修補助。国の補助と併用できるケースが多い。お住まいの自治体ホームページで確認
  • 申請期間:2026年3月31日 予約開始/〜2026年12月31日 本申請
  • 1戸あたりの申請合計が5万円以上必要
  • 申請は登録事業者(リフォーム業者)が代行。契約前に業者の登録状況を確認してください
  • 最新情報は住宅省エネ2026キャンペーン公式サイトを参照

住宅省エネ2026キャンペーン4事業の概要

断熱リフォームの進め方(4ステップ)

断熱リフォームは「家全体を一度に」より「窓→換気→壁→屋根・床」の段階的アプローチが現実的です。優先順位は熱損失シェア(前述)と費用対効果から決めます。

  1. 熱損失の最大源「窓」から始める

    内窓設置(1箇所6〜15万円・工期半日)が最も手軽で効果大。先進的窓リノベ2026事業の補助対象。家全体10〜15箇所の内窓化なら60〜150万円・補助上限100万円で実質負担を大きく下げられます。

  2. 換気を熱交換型に切り替える

    窓を高断熱化すると換気の熱損失割合が相対的に上がります。第1種熱交換換気(給排気を機械で行い熱を回収する方式)に切り替えると、年間の換気熱損失を50〜70%削減できます。本体工事費20〜40万円。

  3. 外壁断熱を外壁塗装と同時施工

    外壁単独の断熱追加は足場代がコスト割合の大半を占めます。外壁塗装の足場と組み合わせれば、追加コストを30〜50万円程度に抑えやすく、塗装の寿命延長効果もあります。

  4. 天井(小屋裏)と床下に断熱材追加

    シェアでは小さいが、追加コストも比較的小さく工期も短いため最後のステップとして加えやすい部位。特に最上階の夏の暑さ・1階の冬の足元の冷えに悩む家庭はここまで進める価値があります。

断熱リフォーム業者の選び方

断熱リフォームは「商品」だけでなく「施工技術」で完成度が大きく変わります。同じ断熱材・同じ工法でも、気密の取り方・防湿層の連続性・配管周りの処理で性能が10〜20%変わるため、施工実績と気密測定の体制で業者を見極めます。

確認すべき5項目

  • 先進的窓リノベ2026事業/みらいエコ住宅2026事業の登録事業者か(登録番号を見積書に記載できるか)
  • 気密測定(C値計測)を実施できる体制があるか(高断熱の効果は気密が伴って初めて発現するため重要)
  • 熱橋(ヒートブリッジ)対策の知識があるか(柱・梁部分の断熱が抜けないか)
  • 施工実績の写真とBefore/After UA値の提示があるか
  • 工事保証の年数(10年以上が安心)と、結露・カビが出た場合の対応方針

特に外壁断熱や本格的な断熱改修は、住宅省エネ性能の上昇分も含めて成果が出るまで時間がかかります。最低でも2〜3社で同じ条件の見積もりを取り、本体価格・工事費・補助金代行料の内訳を比較したうえで、施工実績・気密測定・熱橋対策の知識を質問して回答の精度で選びます。

断熱リフォームの一括見積もり

複数業者を一度に比較するなら一括見積もりサービスが便利です。先進的窓リノベ2026事業・みらいエコ住宅2026事業の登録事業者・工事保証の条件を一度に確認できるため、自分で1社ずつ探すより時間が短く済みます。主要な一括見積もりサービスは以下のとおりです。

住宅リフォームを一括見積もりで比較する

住宅リフォームは同じ工事内容でも、業者ごとに本体価格・付帯工事費・補助金申請サポート・保証年数が異なり、合計で20〜30%の差が出ることも珍しくありません。検討範囲(水回り単独・全面・外壁塗装・オール電化)に応じて、複数社から見積もりを取ると相場感をつかみながら比較しやすくなります。以下は住宅リフォームに対応する主要な一括見積もりサイトです。いずれも無料で利用できます。

  • 外壁塗装・屋根工事に特化した一括見積もり

    リショップナビ外壁塗装

    外壁塗装と屋根塗装に特化した一括見積もりサービス。塗料グレード(シリコン・フッ素・無機)の比較、付帯工事の内訳まで業者間で比較しやすい設計です。築15〜20年で外装の更新時期を迎えるご家庭に向いています。

    リショップナビ外壁塗装の見積もり

  • IH・エコキュート・オール電化リフォームに強い

    グリエネ オール電化

    エコキュート・IHクッキングヒーターへの切替やオール電化リフォームに特化した一括見積もりサイト。給湯省エネ事業の対象工事についても相談でき、世帯人数・既存設備の状態(ガス給湯器の年数・キッチンのタイプ)に合わせて業者をマッチングしてくれます。

    グリエネ オール電化の見積もり

  • 太陽光発電・蓄電池・エコキュートをまとめて見積もり

    グリエネ(太陽光・エコキュート)

    太陽光発電パネルやエコキュートのような高額機器は、大量仕入れができる専門業者から見積もりを取ると価格と保証の条件が比較しやすくなります。太陽光・蓄電池・エコキュートをまとめて1回で見積もりたい方や、自家消費型住宅への切替を検討中の方に向いています。

    グリエネで太陽光・エコキュートの見積もり

中古物件購入や小規模修繕は専門サイトの選択肢も

  • リノべる。

    中古物件探しからこだわり設計・施工までワンストップで依頼できるリノベーション専門会社。リフォームローンを低金利の住宅ローンに一本化できる点も特徴で、中古物件購入と一体でリノベを考えている方に向いています。

  • イエコマ

    網戸の張替え・蛇口交換・雨樋補修などの小規模修繕を定額メニューで依頼できるサービス。本格リフォームの前の現状確認や、部分メンテナンスを気軽に依頼したいときの選択肢になります。

よくある質問(FAQ)

断熱リフォームはどこから始めるのが効果的ですか?
窓(開口部)から始めるのが最も効果的です。住宅の冬期熱損失の約58%は開口部から逃げており、内窓設置・ガラス交換・外窓交換のいずれも数日の工期で完了します。窓を整えてから、天井(夏の暑さ対策)→床(冬の足元の冷え対策)→外壁(家全体の遮熱)の順で進めるのが、費用対効果が高い順序です。
部位別の断熱リフォーム費用はいくらが相場ですか?
内窓設置は1箇所6〜15万円(6畳のリビングで12〜30万円・家全体で60〜150万円)、天井断熱の追加は30坪の家で15〜35万円、床断熱は20〜40万円、外壁の断熱追加は外壁塗装と同時施工で30〜80万円、家全体の本格断熱リフォーム(窓・床・天井・壁)で150〜400万円が直近の実勢相場です。先進的窓リノベ2026事業の100万円/戸補助で、窓部分の実質負担を大きく下げられます。
断熱等級・UA値はどこまで上げるべきですか?
新築なら断熱等級5(ZEH基準・UA値0.6以下)以上、できれば等級6(HEAT20 G2相当)が現在のスタンダードです。既存住宅の断熱リフォームでは、まず等級3(昭和55年基準)→等級4(H28年基準)へ底上げするだけでも体感は大きく改善し、年間冷暖房費が3〜5割減るケースがあります。等級5以上を目指す場合は窓と外壁の同時改修が必要となり、費用は跳ね上がります。地域区分(1〜7)でUA値の基準が変わります。北海道は最も厳しく、九州・沖縄は緩めです。
内窓と外窓交換、どちらを選ぶべきですか?
内窓(二重サッシ)は既存窓の内側にもう1枚窓を追加する工法で、1箇所6〜15万円・工期半日と費用工期ともに小さく、防音効果も期待できます。外窓交換は既存窓を撤去して新しいサッシごと付け替える工法で、1箇所15〜40万円・工期1〜2日。気密性能は外窓交換の方が高いですが、躯体に手を入れるため躯体劣化の確認も必要です。一般的にはまず内窓から始めて、結露・気密問題が残る場合に外窓交換を検討する順序が現実的です。
築30年以上の古い家でも断熱リフォームで暖かくなりますか?
はい、劇的に変わります。1980年以前の住宅は断熱材がほぼ入っていない(等級1相当)ケースが多いため、まず窓の断熱(内窓設置)と天井・床下の断熱材追加を行うだけで、暖房の効きが全く別物になります。生活時間の長いリビング・寝室に絞った「ゾーン断熱」なら全面改修より3〜4分の1の費用で済み、効果も体感できます。
断熱リフォームすると夏も涼しくなりますか?
はい。断熱は「魔法瓶」のように室温を保持する効果があり、外気の熱気の侵入を防ぐため冷房効率が上がります。特に最上階の暑さ対策には天井断熱(小屋裏断熱)の強化が有効で、真夏の最上階の体感温度が3〜5℃下がる事例も。窓は遮熱複層ガラスや日射遮蔽型Low-Eガラスを選べば、夏の日射熱の侵入を約70%カットできます。
住宅省エネ2026キャンペーンで断熱リフォームに使える補助金は?
主に2事業を組み合わせます。①先進的窓リノベ2026事業(100万円/戸)— 窓・玄関ドアの断熱改修専用、補助率が高く、家全体の内窓化で上限到達も狙えます。②みらいエコ住宅2026事業(リフォーム40〜100万円/戸)— 壁・天井・床の断熱や窓と組み合わせる総合リフォーム向け。同じ工事への重複申請はできませんが、異なる工事範囲なら同時併用が可能です。申請は登録事業者経由のため、契約前に業者の登録状況を確認してください。
結露やカビが心配です。気密性を上げると逆効果になりませんか?
計画換気とセットなら結露・カビは防げます。気密性だけ上げて換気計画を怠ると、室内に発生した水蒸気が壁内に滞留して内部結露を起こす可能性があります。2003年から24時間換気の設置が義務化されており、断熱リフォームでは熱交換型の第1種換気システム(給排気とも機械換気)と組み合わせるのが現在の主流です。気密測定(C値)と換気量測定をセットで実施できる業者を選んでください。

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