土地の限られた都市部では特に、広い家に住んでいることに対して憧れ・ステータスを感じる方も少なくないかもしれません。一方、お金をどれだけかけて広い住処を手に入れたところで満足度がそれほど変わらない境界線があるとしたら、快適性が損なわれない程度の広さで妥協する代わりに、素材や設備に予算を振り分けることで広い住宅に住む以上の満足度・快適性を得られる可能性もあります。
厚生労働省のホームページには、住宅における居住面積の水準を示す資料が掲載されています。以下ではその内容を元に、世帯人数ごとに必要な最低水準の居住面積をご案内しています。
健康で文化的な住生活を送るのに必要な「最低限の居住面積」の目安 | ||||||||
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世帯人数 | 1人世帯 | 2人世帯 | 2.5人世帯 | 3人世帯 | 3.5人世帯 | 4人世帯 | 4.5人世帯 | 5人世帯 |
必要面積 | 25㎡ | 30㎡ | 35㎡ | 40㎡ | 45㎡ | 50㎡ | 52㎡ | 57㎡ |
13.7畳 | 16.4畳 | 19.2畳 | 21.9畳 | 24.7畳 | 27.4畳 | 28.6畳 | 31.2畳 | |
約7坪 | 約8.2坪 | 約9.6坪 | 約11坪 | 約12.4坪 | 約13.7坪 | 約14.3坪 | 約15.6坪 |
また、同じ資料には「誘導居住面積水準」つまり、より豊かな生活を実現するために欲しくなってくる居住面積の目安をご案内します。
より余裕を感じる住まいで欲しい「誘導居住面積水準」 | ||||||||
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世帯人数 | 1人世帯 | 2人世帯 | 3人世帯 | 4人世帯 | 5人世帯 | 6人世帯 | 7人世帯 | |
必要面積 | 40㎡ | 55㎡ | 75㎡ | 95㎡ | 109㎡ | 128㎡ | 147㎡ | |
21.9畳 | 30.2畳 | 41.1畳 | 52.1畳 | 59.9畳 | 70.3畳 | 80.7畳 | ||
約11坪 | 約15坪 | 約20.6坪 | 約26坪 | 約30坪 | 約35.2坪 | 約40.4坪 |
マンションなどを購入を検討されている場合などは上述の目安に従って、自身のニーズに合わせるにはどれくらいの面積で足りるのかを知ることができます。例えば、「あまり物を持たない主義で、子供は欲しいが1人が限界だろう」というご夫婦なら、40㎡程度の物件で十分快適な生活ができるかもしれません。一方「子供は持たないことに決めていて、親との同居の予定もない、ファッション好きカップル」のようなシチュエーションなら55㎡程度あれば夢のウォークインクローゼットまで叶えられる可能性が高いです。
一方狭小住宅というと、定義が特にあるわけではありませんが15坪程度の土地に立つ住宅とされることが多いです。戸建ての場合敷地が10坪あっても、建ぺい率や階段部分の面積が必要になってくるので、 であれば敷地面積自体が狭くても2階建て、3階建てにすることで利用できるスペースも約2~3倍まで増えるわけですから、たとえ5坪のような超狭小住宅であっても延べ床面積50㎡超も可能で、2~3人家族程度であれば十分快適な住宅を実現できると言えます。
それぞれの間取りにおけるリフォーム例を見ていく前にまず、必須と言えるお家の機能にどれだけの面積が必要かを確認していきます。
機能 | 必要面積 |
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寝室・学習等 | 5㎡/人 |
入浴 | 2.3㎡ |
トイレ | 1.8㎡ |
洗濯 | 0.9㎡ |
キッチン | 1-2人:2.7㎡ 3人:3.2㎡ |
リビングダイニング | 1-2人:2.5㎡ 3人:3.1㎡ |
収納 | 1人:2.0㎡ 2人:2.8㎡ 3人:3.6㎡ |
表は、上述の「最低限の居住面積」において、それぞれの機能における必要面積の内訳を示したものです。この数値の合計に動線空間等を加味した数値が「最低限の居住面積」に反映されています。
近年は寝室など特定の用途にしか使わない空間をできるだけ小さくする代わりにリビングなどの集いの場を広く取るような例が増えている傾向にあります。一緒に過ごす時間が充実するほど幸福感につながるという考え方は、多くの方が共感できるところかと思います。
リビングをより大きく取るためには寝室以外にも、洗濯、入浴、トイレなどのユーティリティに割くスペースを極力絞る必要があります。思い切って浴槽無しのシャワールームにしたり、キッチンに洗濯機まで並べて置いてランドリースペースを無くしたり、トイレとバス・洗面を一緒のスペースに置いたりといったプランはご自身の許容範囲内で採用するといいかもしれません。以下では、「最低限の居住面積」においてリビング空間がより多く取れるよう各スペースを再構成した例ですが、10畳、12畳のリビングと言われると、決して狭いという印象は受けないのではないでしょうか。
シチュエーション 住宅面積 |
寝室・学習等 | 入浴 | トイレ | 洗濯 | LDK | 収納 | 動線など余裕分 |
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カップル2人世帯 30㎡(約9坪) |
5.0㎡ | 1.0㎡ | 1.8㎡ | 0.6㎡ | 18.8㎡ (10.3畳) |
2.8㎡ | 7.0㎡ |
夫婦+子供1人 40㎡(約12坪) |
10.0㎡ | 1.0㎡ | 1.8㎡ | 0.6㎡ | 23㎡ (12.6畳) |
3.6㎡ | 8.5㎡ |
2世帯4人暮らし 50㎡(約15坪) |
15.0㎡ | 1.5㎡ | 1.8㎡ | 0.6㎡ | 26.7㎡ (14.6畳) |
4.4㎡ | 9.0㎡ |
スペースに限りがあるマンションや平屋などで広いリビングを確保するポイントなどは以下のページでも詳しくご案内しています。
機能 | 必要面積 |
---|---|
駐車場 | 11㎡ |
階段 |
2階建て:4㎡ 3階建て:8㎡ |
戸建て住宅の場合は持っている敷地のうちどれだけの比率を建物に割けるかを示す建ぺい率が地域によって定められており、都心部から都心に近い郊外においては60~70%程度であることが多いようです。さらに戸建て住宅に住むご家族は車を所有している場合もあるため、一階部分の約11㎡(約3坪)を駐車スペースとして使っているプランが多くあります。他にも、狭い土地でもより多くのスペースを居住用途に充てられるよう階段を設けて2階以上の建物にすることが多いので、階段の面積も加味する必要があります。10坪のような狭小スペースの場合は階段だけで7~12%程度のスペースを使いますが、2階建てよりも3階建ての方が階段に割かなくてはいけないスペースの比率が増えることもあるため、2階プラスロフトといったプランの方が効率的な場合もあるかもしれません。
土地が8坪で建ぺい率が70%の場合、建築面積は20.4㎡(約11.2畳)、2階建てではなかなか居住面積の確保が難しくなるので、3階建てで計画することが多くなります。一階部分に水回りを集め、2階部分にリビングダイニング、3階に寝室を2部屋というプランは標準的と言えます。ただ、階段が多くの面積を占めるため、9.5畳以上続く空間を確保するのは難しくなります。このスペースにLDKの機能を全て押し込まなければいけないため、キッチンは壁付けのI型意外を選ぶのが難しいと言えそうです。
先にご案内した例では、8坪のように極小なスペースでユニットバスや一定以上の大きさの寝室を確保しようとしたことで、集いのスペースが2階部分に限定されていました。一方、リビングやダイニングをより大きく使いたいという場合は、次のような間取りも考えられます。
浴槽を無くしてシャワールームのみにし、1階にはシングルベッド一つ入る程度の寝室を一つ設けます。狭さを生かして隠れ家のようなしつらえにすれば子供も喜んでくれるのではないでしょうか。2階はリビングのみで友達や親世代も余裕を持って迎えられます。3階キッチンは壁付けペニンシュラが長く伸びた形にし、ダイニングテーブルが続くような形にするのはどうでしょうか。3階の隅には小上がりの上に畳が乗った収納家具を設置し、夜は布団を出して寝る場所にもなります。
敷地面積が10坪だと、70%の建ぺい率で25.5㎡(約14畳)の建築面積が取れます。8坪の標準間取りをそのまま大きくした10坪の間取りをまずはご案内します。階段に割くスペースが8坪の時と変わらないので、2階のLDKは13畳と余裕を持ったサイズにすることができます。友達が多い方なら8坪のバリエーションのようにリビングとダイニングキッチンを2階と3階に分けるような間取りもいいかもしれませんし、親世帯が子守の手伝いをしに来やすくなるようにゲストルームを設けるのもいいかもしれません。
10坪のバリエーションとして、3階建ての代わりに2階+ロフトにするプランをご案内します。階数を減らすことで予算を抑えられることが見込めるだけでなく、階段が占めるスペースが減るため2階のLDKにちょっとした収納を増やすこともできます。キッチンに近いのでパントリーとして使うのもいいかもしれません。欧米の生活に慣れている方などでしたら、浴槽の中で身体を洗うタイプのバスルームはいかがでしょうか。洗面、トイレ、洗濯機まで同じ部屋に収めることでスペースも予算も抑えられる可能性が高いです。
1、2階をバリエーションと同じようなプランにして、3階には大きなベランダをもうけ、洗濯干しはもちろん、バーベキューやガーデニングができるスペースにするのも楽しいかもしれません。
内容 | 相場 |
---|---|
壁を取って間取り変更 | 100万円/部屋 |
浴室新調 | 20~200万円 |
トイレ新調 | 15~30万円 |
キッチン新調 | 50~200万円 |
断熱対策 | 90万円~ |
耐震補強 | 50~400万円 |
狭小住宅のリフォームに関する費用は、今の間取りからどれくらい変更するのか、現状をどれくらいとどめるのか、水回りの設備は何を新調するか、などでかなり幅があります。古いお家などでは断熱性や耐震性が乏しい場合もあり、補強の必要がある際は予算が大きく上がってきます。スケルトンリノベーションのように一度内装をすべて解体して作り直すような内容だと、改装工事の費用がかなり上がります。少なくとも1,000~1,500万円程度を予算として見ておくといいかもしれません。
表では各種リフォームの内容における相場をご案内しています。お住まいの住宅をリフォームする際必要になってくる内容をピックアップし、グレードなどを考慮しながら足していくことで大体の予算感が把握できるのではないでしょうか。
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