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防災・停電対策|容量別の停電継続日数と災害シナリオ

蓄電池は「経済性」よりも「防災インフラ」としての価値が高まっています。2018年の北海道胆振東部地震では最大2日間、2019年の千葉台風では最長16日間の停電が発生しました。10kWh前後の蓄電池があれば、冷蔵庫・LED照明・スマートフォン充電・テレビなど生活維持の必須機器を3〜5日間維持できる規模感。本ページでは容量別の停電継続日数・災害シナリオ別の必要容量・全負荷型/特定負荷型の選び方を整理します。

南海トラフ・首都直下・大型台風が想定される現在、停電は数時間で復旧する出来事ではなくなりつつあります。蓄電池の防災投資としての価値は、停電継続日数・必須機器のカバー範囲・太陽光併用による無期限対応の3軸で評価しましょう。本ページでは家族構成・地域・住宅タイプに応じた防災備えとしての蓄電池選びをご案内します。

停電時に蓄電池があるとできること

停電時に蓄電池が維持できる生活機能と、蓄電池なしの場合の対応を比較しました。

この表は停電時に蓄電池があるかないかで維持できる生活機能の比較です。
停電時に維持したいこと 蓄電池あり 蓄電池なし
冷蔵庫の食材保存 ◯ 継続使用可 × 数時間で食材腐敗開始
照明(リビング・寝室) ◯ 継続使用可 × 懐中電灯のみ
スマホ・PC充電(情報収集) ◯ 継続充電可 △ モバイルバッテリーで2〜3日
テレビ・ラジオ(情報収集) ◯ 継続使用可 △ 電池式ラジオのみ
エアコン(夏冬の温度管理) ◯ 全負荷型・200V対応で可 ×
IH調理器・電子レンジ ◯ 全負荷型で可 × カセットコンロのみ
給湯(エコキュート) ◯ 200V対応の全負荷型で可 ×
在宅医療機器(CPAP・酸素濃縮器等) ◯ 命に関わる電源確保 × 人命リスク

容量別の停電継続日数(4人家族想定)

主力モデルの容量と出力から、停電時に何日分の電力をまかなえるかを自動計算しました。「通常使用」は1日12kWh消費、「節電使用」は冷蔵庫・照明・通信に絞った4kWh消費の想定です。まずは容量帯ごとの継続日数の目安(節電使用)を視覚化します。

下の表はメーカー主力機種別に、通常使用(1日12kWh)と節電使用(1日4kWh)の両シナリオで継続日数を試算したものです。

この表は主要メーカー主力機種の容量・出力と停電継続日数(通常使用1日12kWh/節電使用1日4kWh想定)の試算です。
メーカー・主力機種容量出力通常使用
(1日12kWh)
節電使用
(1日4kWh)
京セラ
Enerezza Plus
5.5kWh2.5kW約11時間約1.4日
シャープ
クラウド蓄電池
9.5kWh4.2kW約19時間約2.4日
Qセルズ
Q.READY
9.7kWh5.9kW約19.4時間約2.4日
パナソニック
創蓄連携システムT
9.7kWh5.5kW約19.4時間約2.4日
長州産業
Smart PV Multi
9.8kWh5.5kW約19.6時間約2.5日
オムロン
マルチ蓄電プラットフォーム
9.8kWh4kW約19.6時間約2.5日
ニチコン
単機能蓄電システム
11.1kWh3kW約22.2時間約2.8日
スマートソーラー
ハイブリッドシステム-S
11.8kWh4kW約23.6時間約3.0日
BYD
バッテリーボックス HVS
12.8kWh5kW約1.1日約3.2日
エリーパワー
POWER iE5 GRID II
12.9kWh5.5kW約1.1日約3.2日
カナディアンソーラー
EP CUBE
13.3kWh5kW約1.1日約3.3日
テスラ
Powerwall 2
13.5kWh5kW約1.1日約3.4日
長府工産
Lib Tower Plus
14.9kWh5.9kW約1.2日約3.7日
  • 節電使用4kWh = 冷蔵庫(約2.5kWh)+照明(約0.5kWh)+スマホ・PC・テレビ(約1kWh)の想定
  • 太陽光発電があれば日中の発電で蓄電池を再充電できるため、晴天続きの場合は無期限に近い継続が可能です

災害シナリオ別の必要容量

想定する災害の規模・継続期間で必要な蓄電容量は変わります。地域の災害リスクに応じて選びましょう。

この表は災害シナリオ別の必要容量目安です。
シナリオ 停電想定 必要容量
短時間停電(雷・突発故障) 数時間〜半日 5〜7kWh
中規模停電(台風・地震) 1〜3日 7〜10kWh
長期停電(大型台風・大地震) 3〜7日 10〜15kWh+太陽光併設
極端事象(南海トラフ・首都直下) 1週間〜2週間 13〜16kWh+太陽光併設+EV連携
  • 2019年の千葉台風では最長16日間の停電実績があります。地震多発地域・台風通過地域は余裕を持った容量設計が安心です
  • 太陽光発電を併設すれば日中に蓄電できるため、長期停電にも対応しやすくなります

全負荷型 vs 特定負荷型|停電時カバー範囲の違い

停電時のバックアップ範囲で「全負荷型」と「特定負荷型」に分かれます。災害時にどこまで生活機能を維持したいかで選びましょう。

この表は全負荷型と特定負荷型の比較です。
項目 全負荷型 特定負荷型
バックアップ範囲 家全体(200V機器・エアコン含む) 指定した回路・コンセントのみ
エアコン使用 使用可(200V対応モデルが多い) 100V回路にあれば使用可
エコキュート 200V対応モデルで使用可 原則使えない
停電時の安心感 普段と変わらない生活が可能 必須機器を絞って延命運用
価格相場 特定負荷型より割高 比較的手頃
向いている家庭 災害多発地域・要冷蔵医療機器あり・テレワーク家庭・オール電化 必要最低限の備えで価格を抑えたい家庭

蓄電池とポータブル電源の使い分け

「ポータブル電源で十分では?」という声に対し、両者の特性を比較しました。家庭規模・予算・想定する停電期間で使い分けるのがおすすめです。

この表は蓄電池とポータブル電源の比較です。
項目 蓄電池 ポータブル電源
容量 5〜16kWh 0.5〜2kWh
価格 120〜250万円 5〜30万円
カバー範囲 家全体(全負荷型)/指定コンセント(特定負荷型) 直接コンセント接続した機器のみ
停電継続 3〜5日(節電使用) 数時間〜1日
充電源 夜間電力+太陽光(屋根) コンセント+ソーラーパネル別売
向いている用途 長期停電・在宅医療・家族多数 キャンプ兼用・短時間停電・賃貸
  • 蓄電池とポータブル電源を併用する家庭も増えています。家全体の長期停電は蓄電池、外出時や局所利用はポータブル電源と使い分けが理想的です

太陽光併用で「停電期間中も無期限に近い継続」が可能

蓄電池単独では蓄電量を使い切ると終わりですが、太陽光発電を併設すると日中の発電で再充電できるため、晴天続きの場合は停電期間中も電力供給を継続できます。地震・台風で電力復旧に1週間以上かかる事象でも、太陽光+蓄電池の組み合わせなら家族の生活機能を維持できます。下の図は停電中の電力の流れを示したものです。

太陽光×蓄電池の防災運用

  • 晴天時:日中に太陽光発電→蓄電池に充電→夜間に放電 のサイクルで電力自給
  • 曇天時:発電量が落ちるため節電運用に切替(4kWh/日想定で2〜3日分維持)
  • 長期停電想定なら容量10〜13kWh+太陽光4kW以上の組み合わせが現実的な目安

防災備えとしての蓄電池選び 4つのチェックポイント

防災を目的に蓄電池を導入する家庭は、次の4点を確認しましょう。

  1. 家族構成と必須機器:人数・年齢・在宅医療機器の有無で必要容量と全負荷/特定負荷の選択が変わります
  2. 地域の災害リスク:地震多発地域・台風通過地域・大雪地域は容量を一段上げる
  3. 太陽光発電の有無:併設なら長期停電に強い。なしなら容量13kWh以上+節電運用が現実的
  4. 自動切替機能:停電を検知して自動で自立運転に入るモデルが安心。主要メーカーの現行モデルは標準装備

防災備えとしての蓄電池選びは複数社の提案で確定

家族構成・地域の災害リスク・住宅タイプに合った容量・方式(全負荷型/特定負荷型)の組み合わせは、施工店の現地調査と提案で決めるのが確実です。複数社の見積もりで、防災備えとしての提案内容を比較しましょう。

家庭用蓄電池を一括見積もりで賢く選ぶ

家庭用蓄電池は同じ機種・同じ容量でも、販売施工店ごとに本体価格・工事費・補助金申請サポートの内容が異なり、合計で30〜50万円の差が出ることも珍しくありません。容量・全負荷/特定負荷・既設太陽光との相性などを踏まえて複数社から見積もりを取ると、相場感をつかみながら比較しやすくなります。以下は家庭用蓄電池に対応する主要な一括見積もりサイトです。いずれも無料でご利用いただけます。

  • 対応しているメーカーは一括見積もりサイトによって異なり、当サイトでご案内しているメーカーでも見積もりに含まれていない場合があります。ご希望のメーカーが含まれているかは事前に各サイトでご確認ください。
  • 蓄電池に特化・運営実績10年以上の老舗

    タイナビ蓄電池

    蓄電池に特化した一括見積もりサイトで、全国の登録業者数の多さが特徴。グリエネで紹介された業者と別の選択肢を検討したいときの2社目候補として便利です。蓄電池の機種比較・価格比較に長年取り組んでいるサイトなので、容量や全負荷/特定負荷の方針が決まっていない方にも提案を受けやすい設計です。

    タイナビ蓄電池公式ページ

  • 省エネ・再エネを総合的に相談したい方へ

    エコ×エネ

    蓄電池に加えて太陽光発電・オール電化・エコキュート・V2Hなど省エネ全般の見積もりに対応しているサイト。卒FITを機に太陽光と蓄電池をまとめて相談したい方や、オール電化への切り替えと組み合わせて検討したい方の選択肢として便利です。

    エコ×エネ公式ページ

よくある質問(FAQ)

停電時に蓄電池はどれくらい持ちますか?
10kWh前後の蓄電池があれば、冷蔵庫・LED照明・スマートフォン充電・テレビなど生活維持の必須機器を3〜5日間維持できる目安です。通常通り12kWh/日を使う運用なら1日程度、節電して4kWh/日に絞れば2〜3日分の電力を確保できます。太陽光発電を併設すれば日中の発電で再充電できるため、長期停電にも対応しやすくなります。
全負荷型と特定負荷型はどちらを選ぶべきですか?
停電時に普段通りの生活を維持したい場合は全負荷型(家全体・200V機器も使える)、必要最低限のコンセントだけで価格を抑えたい場合は特定負荷型を選びます。テレワーク家庭・要冷蔵医療機器のある家庭・地震多発地域では全負荷型が安心です。
蓄電池とポータブル電源、どちらが防災に良いですか?
用途と予算で使い分けます。蓄電池(10kWh前後・120〜200万円)は家全体を3〜5日カバーでき、長期停電・在宅医療機器のある家庭向き。ポータブル電源(1〜2kWh・10〜30万円)はキャンプ兼用・短時間停電・賃貸住宅向きです。両方を併用する家庭も増えています。
太陽光発電なしでも防災効果はありますか?
あります。蓄電池に貯めた電気で停電時の必須機器を3〜5日維持できれば、初期の混乱期を乗り越えられます。ただし停電が長期化する場合は太陽光発電との併設が明らかに有利です。日中に発電→蓄電→夜使用の循環で停電期間中も電力供給を維持できます。
停電時はエアコンも使えますか?
全負荷型・200V対応モデルなら使えます。ただしエアコンは消費電力が大きい(冷房500〜800W・暖房600〜1,200W)ため、フル稼働だと蓄電池の消費が早まります。停電時は設定温度を控えめに、必要なときだけ運転するのが現実的です。特定負荷型では原則エアコンは使えません。
災害時に自動で蓄電池が動作しますか?
多くの機種は停電を検知すると自動で自立運転モードに切り替わります。手動切替が必要なモデルもあるため、契約前に確認しておきましょう。長州産業・パナソニック・シャープなど主要メーカーの現行モデルは自動切替が標準です。

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