ZEH住宅の太陽光発電|ZEHの要件・ZEH水準との違い・GX志向型住宅と2027年からのGX ZEH
ZEHは、断熱と省エネで一次エネルギー消費量を20%以上減らし、太陽光発電などの再エネで収支をゼロ以下にする住宅です。ZEH水準住宅は断熱と省エネの基準だけで、再エネは要件に入っていません。みらいエコ住宅2026事業のGX志向型住宅(110〜125万円/戸(地域区分による))は断熱等級6・削減率35%以上と、より高い性能が必要です。2027年4月からは新しい定義「GX ZEH」が適用され、HEMSと蓄電池が必須になります。
ここでは、資源エネルギー庁が定めるZEHの定義と、みらいエコ住宅2026事業の公式情報をもとに、新築でZEHを目指すときの要件と太陽光発電の関係を説明します。
ZEHの要件(現行の定義)
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、外皮(屋根・壁・窓など)の断熱を高め、高効率な設備で使うエネルギーを減らしたうえで、太陽光発電などの再生可能エネルギーをつくり、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロ以下にすることを目指す住宅です。資源エネルギー庁は、達成の度合いや地域の条件によって次の種類を定めています。
| 種類 | 省エネだけの削減率 | 再エネを含む削減率 | 対象・条件 |
|---|---|---|---|
| ZEH | 20%以上 | 100%以上 | 再エネの導入が必要(全量売電を除く) |
| Nearly ZEH | 20%以上 | 75%以上100%未満 | 寒冷地(1・2地域)、低日射地域、多雪地域 |
| ZEH Oriented | 20%以上 | — | 都市部狭小地等・多雪地域。再エネを導入しなくてもよい |
| ZEH+ | 30%以上 | 100%以上 | 断熱等性能等級6以上に加え、自家消費の拡大措置(昼に沸かせる給湯器・蓄電池・EVの充電設備など)かHEMSのどちらか |
- 出典:資源エネルギー庁「ZEH+の定義変更・令和7年度以降の定義一覧表について」。ZEH・Nearly ZEH・ZEH Orientedの外皮の基準はUA値0.40以下(1・2地域)、0.50以下(3地域)、0.60以下(4〜7地域)で、断熱等性能等級5以上にあたります。
- 削減率は、基準となる一次エネルギー消費量(暖冷房・換気・給湯・照明)から何%減らしたかです。
ZEHとZEH水準住宅の違い
「ZEH水準住宅」は、断熱と省エネの性能がZEHと同じ水準の住宅で、太陽光発電などの再エネは要件に入っていません。ZEHは、これに加えて再エネで一次エネルギー消費量の収支をゼロ以下にする必要があります。
| 項目 | ZEH水準住宅 | ZEH |
|---|---|---|
| 断熱 | 断熱等性能等級5以上 | 等級5以上にあたる外皮の基準 |
| 省エネだけの削減率 | 20%以上 | 20%以上 |
| 再エネ(太陽光など) | 要件なし | 導入が必要 |
| 再エネを含む削減率 | 要件なし | 100%以上 |
- ZEH水準住宅の要件は、みらいエコ住宅2026事業「新築住宅の省エネ性能」による(一次エネルギー消費量等級6を満たす必要があります)。
みらいエコ住宅2026事業の新築の区分
国のみらいエコ住宅2026事業では、新築住宅を3つの区分に分けて補助します。1戸につき1つの区分で申請し、申請は登録された事業者(住宅会社など)が行います。太陽光発電などの再エネが要件に入っているのはGX志向型住宅です。
| 区分 | 主な省エネ性能の要件 | 補助額・対象 |
|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 断熱等性能等級6以上、再エネを除く削減率35%以上、再エネを含む削減率100%以上(地域により75%以上・要件なし)、HEMSの導入 | 110〜125万円/戸(地域区分による) すべての世帯 |
| 長期優良住宅 | 断熱等性能等級5以上、一次エネルギー消費量等級6以上、長期優良住宅の認定 | 75〜80万円/戸(地域区分による) 子育て世帯または若者夫婦世帯 |
| ZEH水準住宅 | 断熱等性能等級5以上、再エネを除く削減率20%以上 | 35〜40万円/戸(地域区分による) 子育て世帯または若者夫婦世帯 (注文住宅は9月30日で受付終了) |
- 出典:みらいエコ住宅2026事業「事業概要」「新築住宅の省エネ性能」。床面積50㎡以上240㎡以下の住宅が対象で、立地によって対象にならない住宅があります。
- GX志向型住宅は、GXへの協力表明を行った事業者が建てる住宅に限られます。再エネを含む削減率は、寒冷地(1・2地域)または低日射地域で75%以上、多雪地域または都市部狭小地等では要件がありません。
- GX志向型住宅のHEMSや太陽光発電の機器のうちIP通信を使うものは、建築確認申請書の提出日が2026年7月1日以降の住宅では、JC-STAR(IoT製品のセキュリティ評価制度)★1以上のラベルを取得した製品であることが必須です。
- ZEH水準住宅:注文住宅の新築は2026年9月30日で受付終了。新築分譲住宅の購入・賃貸住宅の新築は継続。
補助金の申請状況や、都道府県・市区町村の太陽光発電の補助金は太陽光発電の補助金のページにまとめています。
2027年4月からの新しい定義「GX ZEH」
経済産業省は2025年9月、ZEHの新しい定義として「GX ZEH」を定めました。2027年4月以降に適用され、断熱と省エネの基準が上がるほか、戸建住宅ではHEMSと定置用蓄電池が必須になります。
| 種類 | 再エネを含む削減率 | 共通の要件 |
|---|---|---|
| GX ZEH+ | 115%以上 | 断熱等性能等級6、再エネを除く削減率35%以上、再エネの導入、HEMS、定置用蓄電池 |
| GX ZEH | 100%以上115%未満 | |
| Nearly GX ZEH | 75%以上100%未満 | |
| GX ZEH Oriented | — | 断熱等性能等級6、再エネを除く削減率35%以上、HEMS(多雪地域・都市部狭小地に限る) |
- 出典:経済産業省「GX ZEH・GX ZEH-M 定義<戸建住宅・集合住宅>」(令和7年9月)。
- 再エネは全量買取ではなく余剰電力の買取とすべきとされ、駐車スペースのある住宅では、建築士がEVの充電設備・V2Hの導入検討に必要な情報を説明することが推奨されています。
- 現行の定義での新規取得は2028年3月まで可能で、取得済みの現行定義は2028年4月以降も使えます。
同じ資料では、国の目標として「2030年度以降新築される住宅についてZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」ことと、2030年にZEH基準の水準の省エネ性能が義務化される方針が示されています。
ZEHに必要な太陽光発電の容量
ZEHに必要な太陽光の容量は、住宅の広さ、断熱や給湯器などの設備の性能、地域によって変わります。一次エネルギー消費量の削減率は、住宅会社が省エネルギー基準の計算方法(エネルギー消費性能計算プログラム)で確かめます。容量ごとの発電量の目安は次のとおりです。
| 容量 | 東京 (南向き30度) | 都道府県別の幅 |
|---|---|---|
| 3kW | 約3,470kWh | 約3,270〜4,140kWh |
| 4kW | 約4,630kWh | 約4,360〜5,520kWh |
| 5kW | 約5,790kWh | 約5,450〜6,900kWh |
| 6kW | 約6,940kWh | 約6,540〜8,280kWh |
| 7kW | 約8,100kWh | 約7,630〜9,660kWh |
| 8kW | 約9,260kWh | 約8,720〜11,040kWh |
| 9kW | 約10,420kWh | 約9,810〜12,420kWh |
- 東京はNEDO「年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)」の東京・真南30度の年平均日射量×365日×損失係数0.85(1kWあたり約1,160kWh)、都道府県別の幅は県庁所在地などの観測地点・年間で最も発電する傾きでの値(1kWあたり約1,090〜1,380kWh)で計算しています。屋根の向き・影・積雪・パネルの温度などで実際の発電量は変わります。
GX志向型住宅やGX ZEHでは、省エネだけの削減率が35%以上と高く、太陽光の発電量に頼る分が小さくなります。容量ごとの価格と20年間の収支は容量別の年間発電量と、5kW・6kWなどの容量別のページで計算しています。
ハウスメーカーと工務店のZEHの割合
資源エネルギー庁のZEH・ZEH-M委員会の資料(2025年5月)では、ハウスメーカーが建てる新築注文戸建住宅のZEH化率は7割を超え、大手・中堅ビルダーとビルダー・工務店は2割程度、全体では4割強とされています。ハウスメーカーで新築するときの太陽光発電の確認点はハウスメーカーの太陽光発電で説明しています。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| どの区分を目指すか | ZEH・ZEH+・GX志向型住宅など、目指す区分と、その要件を満たす断熱・設備の仕様 |
| 太陽光の容量と価格 | 省エネ計算で必要になった容量と、太陽光の部分の価格(1kWあたり) |
| 補助金の申請 | みらいエコ住宅2026事業の登録事業者か、GX志向型住宅ならGXへの協力表明をしているか |
| HEMS・蓄電池 | GX志向型住宅のHEMS、2027年4月以降のGX ZEHの蓄電池への対応 |
新築の太陽光発電の見積もりを取る
新築の太陽光発電は、住宅会社の提案に含まれることが多いですが、太陽光の部分の価格や容量は会社によって違います。比べたいときは、太陽光の販売店からも見積もりを取り、1kWあたりの価格と発電量の前提を確認してください。
住宅用で信頼できる施工会社を探す
住宅の屋根は形・向き・広さに制約があり、載せられるメーカーやパネルの枚数は家ごとに変わります。価格にも幅があり、経済産業省の集計(2025年設置)では1kWあたり平均29.0万円に対し、安いほうから3割の水準は25.6万円です(5kWなら約17万円の差)。複数社から見積もりを取り、価格と提案の中身を比べてください。以下は住宅用の見積もり窓口で、複数社をまとめて比べられる一括見積もりサイトと、販売店などから直接提案を受けられる窓口があり、いずれも無料で申し込めます。
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よくある質問(FAQ)
- ZEHの要件は?
- 資源エネルギー庁の定義では、ZEH(『ZEH』)は、地域ごとの外皮性能の基準(UA値0.40〜0.60以下)を満たし、再生可能エネルギーを除いて一次エネルギー消費量を基準から20%以上減らし、再生可能エネルギーを導入して、再生可能エネルギーを含めた削減率を100%以上にした住宅です。全量売電の太陽光は再生可能エネルギーの導入に含まれません。
- ZEHとZEH水準の違いは?
- ZEH水準は、断熱等性能等級5以上で、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を20%以上減らした住宅で、太陽光発電などの再生可能エネルギーは要件に入っていません。ZEHは、これに加えて再生可能エネルギーを導入し、一次エネルギー消費量の収支をゼロ以下(削減率100%以上)にする必要があります。
- GX志向型住宅の要件と補助額は?
- みらいエコ住宅2026事業のGX志向型住宅(戸建)は、断熱等性能等級6以上、再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量の削減率35%以上、再生可能エネルギーを含む削減率100%以上(寒冷地・低日射地域は75%以上、多雪地域・都市部狭小地等は要件なし)、HEMSの導入が要件です。補助額は110〜125万円/戸(地域区分による)で、すべての世帯が対象です。
- 2027年からのGX ZEHとは?
- 経済産業省が2025年9月に定めた新しいZEHの定義で、2027年4月以降に適用されます。戸建住宅のGX ZEHは、断熱等性能等級6、再生可能エネルギーを除く削減率35%以上、再生可能エネルギーを含む削減率100%以上が要件で、HEMSと定置用蓄電池の導入が必須になります。現行の定義での新規取得は2028年3月まで可能です。
- ZEHにはどれくらいの太陽光発電が必要?
- 必要な容量は、住宅の広さや断熱・設備の性能、地域によって決まり、住宅会社が省エネ計算で確かめます。発電量の目安は、東京で南向き30度に設置した場合1kWあたり年間約1,160kWhです。
- ZEHの家は新築でどれくらい建てられている?
- 資源エネルギー庁のZEH・ZEH-M委員会の資料(2025年5月)では、ハウスメーカーが建てる新築注文戸建住宅のZEH化率は7割を超え、大手・中堅ビルダーとビルダー・工務店は2割程度、全体では4割強とされています。



